世界の動き 2024年1月1日 月曜日 

今日の言葉:
「正月営業」

 ニューヨークタイムズは年始から営業で、当方のブログもだ。
 昔は年始に普通に営業していたスーパーはどうか。我が家の近くの「オオゼキ」と「東急ストア」はいずれも三が日は休業だ。少し遠くの「OKスーパー」は毎日営業のようだ。消費者にとっては、開いてくれていると便利だが、開いていないと知っていれば何とかなる。
 従業員の働き甲斐にも影響すると思われ、三が日休業が小売りでも飲食でも拡大すると思われる。
 三が日は家でおせち料理を食べましょうか。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ウクライナ、列車を狙った妨害行為を強化
【記事要旨】
 ロシアとウクライナがそれぞれ戦争の最前線で実質的な前進を遂げることができない中、ウクライナは妨害行為、暗殺、ロシアの鉄道や鉄道トンネルの標的などのゲリラ戦術に目を向けている。
 11月29日、ウクライナの破壊工作員が、セヴェロムイスキー山脈を通る重要なトンネルに損害を与えようとして、ウクライナ国境から約3,000マイル離れたロシアの貨物列車に爆発物を設置した。 爆発でトンネルが揺れた後、ロシア当局は爆発の原因は「未確認の爆発装置の爆発」だったと発表した。 ウクライナのパルチザンは先月、ロシア占領下のクリミアから弾薬と燃料を輸送していた貨物列車を爆破したと述べた。
 ロシアも同様の戦術を使っている。 ポーランド当局者らによると、ポーランド当局は先月、ロシア情報機関の指示による妨害行為の罪で14人に有罪判決を下した。 当局者らによると、彼らの主な標的はウクライナに軍事援助や人道支援物資を輸送する列車だった。
 ロシアは大晦日に向けて、ウクライナ東部の都市ハリコフをミサイルと無人機で攻撃した。
 ウクライナ侵攻からわずか数日後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、戦時中の反対派を沈黙させるための包括的な検閲法に署名した。 タイムズの分析によると、昨年8月までのこの法律により、6,500件以上の人が逮捕または罰金を科せられたという。
【コメント】
 年末も新年も戦闘は続いている。反転攻勢に行き詰まりウクライナはゲリラ戦に活路を見出している。これに対してロシアは倍返しで仕返しする。この繰り返しだ。

2.米国、紅海でフーシ派の船3隻を沈没
【記事要旨】
 米中央軍によると、昨日、紅海で米軍のヘリコプターがイランの支援を受けたフーシ派戦闘員の砲撃を受けて反撃し、フーシ派のボート3隻が沈没し、乗組員が死亡した。
 この出来事は、紅海におけるフーシ派の攻撃の大幅拡大を示している。イスラエルの対ハマス戦争に対抗して、フーシ派は商船に対して数十回のミサイルとドローンによる攻撃を開始した。 イエメンに本拠を置くフーシ派が、水路の船舶を守るためにこの地域に展開している米軍を直接標的にしていることが知られるのは、イスラエル・ハマス戦争が始まって以来初めてのことだった。
 イスラエル:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ガザでの戦闘を止めようとする国際的な圧力の高まりを拒否し、土曜日、「絶対的な勝利」まで戦闘を続けると誓った。
 人質: ミア・シェムはガザで55日間拘束された。 彼女のインタビューと書面による説明は、捕らわれの中での生活がどのようなものであったかを最も詳細に示しています。
【コメント】
 フーシ派について説明したい。イエメン北部を拠点に活動するイスラム教シーア派の分派の一つであるザイド派の武装組織であり、ホーシー派、フス派などともよばれる。
 ザイド派の宗教・政治指導者であるフセイン・バドルッディーン・フーシHussein Badreddin al-Houthi(1959―2004)は、1990年に南北イエメンが統一されると地域政党ハック党を結成し、イエメンの大統領サレハAli Abdullah Saleh(1942―2017)に対抗したが、抗議活動は弾圧され、2004年に暗殺された。これ以降、フーシ派はイエメン政府に対抗する武装民兵として知られるようになった。

3.フィリピンの貧困は植民地時代にルーツ
【記事要旨】
 フィリピンが米国から独立してから数十年が経ち、土地を持たない何千万人ものフィリピン人が絶望に直面している。その原因の一部は、何世紀にもわたってこの列島を支配してきた権力者が課した政策のせいである。
 アメリカの工場製品に依存するように仕組まれた政策により、フィリピンには強力な産業基盤や他のアジア諸国を押し上げてきたような工場経済がなくなってしまった。 その代わりに、米国はプランテーションと政治領域を支配する裕福な家族に有利な制度を残し、土地のない人々をなすがままにしたままにした。
【コメント】
 第二次大戦後、日本は農地解放で民主化に成功した。一方フィリピンでは大地主を温存した。米国もその政策を支持した。
 フィリピンはASEAN創設メンバーで最後に経済発展してきている。遅ればせながらの成長に期待したい。

その他の記事より:
・中国は防衛相を任命
 China appointed a naval commander as its minister of defense, which could calm uncertainty after the unexplained disappearance of the previous minister.
・軍から防衛産業に天下り
 Retired U.S. officers and departing defense officials are flocking to investment firms that are pushing the government to provide more money to defense-technology startups.
・チリの刑務所での猫の効果
 In Chile’s oldest and most overcrowded prison, the men live in cages, but hundreds of cats roam free. To prison officials, the cats were a peculiarity of sorts, and mostly ignored. Then they realized something: The feline residents were not only good for the rat problem. They were also good for the inmates.

2024年1月1日 月曜日

2024年の年頭に当たって

謹 賀 新 年

   世界を揺るがす2つの戦争と、急速に進歩した生成AIにより、もしかしたら生きている間に世界の大団円を見ることが出来るかもしれません。

  そんな中、2023年は、飲食チェーンと自動車のコーティング関係の知見を増やした1年になりました。ライフワークとして、内部統制と内部監査の講演や著作は続けています。

 大きな世界の動向には全く無力ですが、「一燈照遇。万燈照国」の気概は持ち続けていきたいと考えています。

 困難な年になりそうですが、元気を出して行きましょう。皆様のご多幸をお祈りします。

 2024年元旦

  水島 正 (株)コンサルティング・ワン代表

大晦日

  毎月の月末を晦日(みそか、あるいは、つごもり)と言い、年の最後の月の12月の末日を大晦日と言う。

 大晦日と言えば、江戸時代は、その日までに借金が取り立てられなければ来年末まで払わなくて良いという掛け取りの習慣を巡る落語の話が思い出される。
 江戸の風情が色濃く残っていた明治時代を生きた樋口一葉(1872年5月2日(明治5年3月25日)- 1896年(明治29年)11月23日)の名作「大つごもり」では、お金に困ったお峰という下女の金策が、はらはらドキドキで描かれている。

 英語では特に大晦日を特定する言葉はなく、New Year’s Eveと言う。つまりは新年の前の日という位置づけだ。

 英語でも大晦日に類する特別な感情が無いのだろうか。思い出すのは It’s Just Another New Year’s Eve と言う歌だ。Barry Mnilowが情緒を込めて歌っている。浜田省吾の「New Year’s Eve」も情緒に富んだ名曲だが、New Year’sEveという言葉は出てこない。
 この違いは文化の違いだろうか。感性の違いだろうか。

 今年もあとわずか。皆さんのご多幸をお祈りします。

2023年12月31日 日曜日

困った事態

  昨日、那須で使っている軽自動車にETCカードを挿入しようとして、ETCの機械の上部の隙間に誤って入れてしまった。いつも軽自動車はETCを使わない街乗りしかしていないので、慣れていなかったのだ。

 スーパーの駐車場のカード挿入の警告で気が付いたが、指では取り出せない。家に帰って工具があれば取り出せると踏んで、取り出そうとした。ALAS!掻き出そうとした小さなドライバーが逆にETCカードを押して、ETC上部の隙間の奥にますます入ってしまった。

 ディーラーも自動車修理工場も年末休暇で閉まっている。困った事態だ。東急の管理事務所に電話をしたが、受付嬢は知っている修理工場は無いようだ。

 仕方がない。東京に帰るときはETCレーンでなくお金を払うようにすれば帰ることは出来る。ETCカードは至急再発行を依頼すれば1週間もあれば手元に届くだろう。

 無い知恵を絞ってここまで考えた時に家のチャイムが鳴った。東急の管理事務所のヘッド(ありがとう、会田さん)が見に来てくれたのだ。彼はETCの機械を触り、これは専門家が取り外さないと取れないかもしれませんね。と言ったあと、ダッシュボードの下部の隙間に手を入れた。するとVoila!ETCカードが取り出せたのだ。

 この時ほど東急の事務所をありがたく思ったことはなかった。同時に私の正面からだけ取り組んで失敗した無策を恥じた。表がダメなら裏があったのだ。リスクとコントロールについて、教訓に富んだ一日になった。

2023年12月30日 金曜日

世界の動き 2023年12月29日 金曜日

今日の言葉:
「朝のラジオ」
 毎朝、この原稿を書きながらラジオを聞いている。
 年末年始は殆どの番組が通常放送を止めて特番になるなかで、文化放送の「おはよう寺ちゃん」というのは全くカレンダーどおりに平常放送をしているので好感が持てる。
 TBSの「森本毅郎スタンバイ」は昨日から特番で、これはこれで面白い。
 ニッポン放送ではレギュラーの森永卓郎さんがガン治療で休むそうだ。快癒をお祈りしたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ハマスが性暴力を武器化
【記事要旨】
 イスラエル当局者らは、ハマスのテロリストが10月7日に襲撃した場所(野外音楽会場、軍事基地、キブツ)のあらゆる場所で、女性たちに残虐な行為を行ったと述べた。
 タイムズ紙による2か月にわたる調査により、女性に対する攻撃は孤立した出来事ではなく、ジェンダーに基づく暴力のより広範なパターンの一部であることが判明した。 イスラエルの活動家らは数か月間、グテーレス国連事務総長とその機関である国連ウィメンが攻撃から数週間も経つまで多くの告発を認めなかったことに激怒してきた。
 タイムズの記者らは、イスラエル人の女性や少女が性的暴行や肉体の切断を受けたとみられる場所を少なくとも7か所特定した。 私の同僚によって報告された証言の多くは耐えがたいものであり、視覚的な証拠を見るのは不快なものだ。
 ある写真には、太ももと股間に数十本の釘が打ち込まれた女性の死体が写っていた。 イスラエル軍が提供したビデオには、膣内を直接撃たれたとみられるイスラエル兵2人の死体が映っていた。 目撃者は私の同僚に、ハマスのテロリストの一人が女性をレイプし、別のテロリストが胸を切り落としたと語った。
 私の同僚は、ビデオ映像、写真、携帯電話の GPS データ、および目撃者、医療関係者、兵士、レイプカウンセラーを含む 150 人以上へのインタビューを使用して証拠をまとた。
 司法改革:イスラエルの最高裁判所は、1月中旬にイスラエルの裁判所を徹底的に改革するというベンヤミン・ネタニヤフ首相の計画について判決を下す予定である。
 北方戦線: ヒズボラのロケット弾がレバノンからイスラエルに着弾する中、イスラエル当局は国境沿いでの軍事行動を強化している。
【コメント】
 決して許されない行為だが、憎悪に満ちた攻撃に性的暴行がつきものなのは歴史の教訓だ。ハマスに対するイスラエルの強硬な態度は変わりそうもない。
 この記事はイスラエル批判一辺倒の世界の世論に一石を投じるものであり、そうした意図を持っている。

2.移民増加に向けた米国の対応策
【記事要旨】
 毎日数千人の移民が到着する中、米国当局はメキシコ国境の混乱に対処するのに苦労している。 この急増はバイデン政権に影響を与える可能性があり、民主党の選挙に不利に働く恐れが懸念される。
 到着者数は再び記録的な水準に達しており、急増する違法越境を阻止するための国境の両側の法執行機関の能力が試されている。 先週、逮捕者の数は1日当たり1万人以上に達した。
 国境警備隊員は「われわれにはこれに対処する能力がない」と語った。 「これは人道上の災害だ。」
 移民にはスーダンの戦争から、メキシコの麻薬カルテルから逃れてきた人もいる。 ほとんどが容赦ない暴力、絶望、貧困から逃れようとしている。
 タイムズの調査では、職場での移民の子供たちを含む問題を探す監査は、800 億ドル規模の世界産業に成長した。 しかし、オレオ、ガーバー、マクドナルドといった米国企業は一貫して児童労働を見逃してきた。
【コメント】
 毎日1万人と言うのは大変な数だ。日本でそのような事態になったらどういう対応がありうるだろうか。What ifで準備が必要だろう。

3.中国の不動産危機がスパイラルに
【記事要旨】
 中国最大の金融会社の一つである中信信託は2020年、その新しいファンドは不動産に投資するので安全だと述べた。 その後、開発者がデフォルトした。
 私の同僚たちは、同社の事例を糸口に中国の不動産セクターのより広範な問題を分析した。 住宅不況として始まった事態が、今では本格的な危機となっている。 不動産収入に依存していた地方自治体の財政は不安定化している。 そして中国の金融システムへのショックにより、資本市場は枯渇した。
 中国中央政府はついに介入の意欲を示し、今月「不動産リスクを積極的かつ慎重に解決」し、企業が「合理的な資金需要」を満たすよう支援すると約束した。
【コメント】
 中国では最後は政府が面倒を見てくれると皆が思っている。日本のバブル崩壊前もそうだった。

その他の記事より:
・ロシアの奪還
 Russia retook some of the land Ukraine had won in its counteroffensive.
・ブルキナファソの軍政
 The military junta in Burkina Faso has been forcibly conscripting its critics, human rights groups said.
・リベリアでのタンカー爆発
 More than 40 people died when a fuel tanker exploded in Liberia. They had gathered to try to scoop up the fuel.

2023年12月29日 金曜日