銘柄選定のヒント

日本株投資に対して顧問先から厳しい制約を受けている筆者は投資対象として海外株を見ることになる。日本の政治の劣化や経済の低迷を見ると、嬉しい制約に見えてくる。
最近得た海外株の情報を備忘録的にまとめてみた。

グロース株からバリュー株への転換を説くのがBarron’sやWSJで最近目立つ主張だ。
Barron’sの2月11日の記事では、6つの個別株が推薦されている。
株式名 市場 ティッカー 予想PER 株価
(2022/2/18終値)
Anthem  NYSE ANTM 16X  446.24
Brunswick  NYSE BC    10X   95.32
Freeport-McMoRan NYSE FCX 12X 43.02
Microchip Technology NASDAQ MCHP 16X 71.78
Owens Corning NYSE OC   10X   98.07
Stellantis NYSE    STLA  4X   18.90

一方、四半期ごとに投資先の開示「フォーム3F」の公表を受けて、米国の著名投資家の投資先についての記事も目に付く。
バークシャー・ハサウェイ:
保有上位:アップル、バンカメ、アメックス、コカ・コーラ、クラフト・ハインツ
買い増し:シェブロン、新規取得:ゲーム株(アクティビジョン・ブリザード)
アパルーサ:
新規購入:Dick’s Sporting Goods、Gap、Nordstrom等小売株、GM
買い増しMacy’s
サードポイント:
買い増し:Rivian(EV)、アクセンチュア、アマゾン
売却:ディズニー、Upstart(AI)
ソロス・ファンド:
新規購入 Rivian
ブリッジ・ウォーター:
買い増し:アリババ、JDドットコム、ビンドゥオドゥオ、百度(いずれも中国銘柄)
売却:Netflix全株
Melvin Capital:
経済再開銘柄を買い増し:Live Nation Entertainment、ヒルトン、Expedia

投資の達人たちの選択は示唆に富むが、これらの中では、資源株としてのシェブロン、個人的になじみのあるAMEX、中国の検索を独占する百度、電気自動車二匹目のRivianあたりが面白いかと思う。ホテルチェーンではMarriotの方が好きなのでHiltonでなくMarriotで見てみる。

株式名  市場   ティッカー  予想PER  株価
(2022/2/18終値)
Chevron NYSE CVX      16    133.40
AMEX   NYSE AMX      19      194.88
BIDU  NASDAQ   BIDU     21      157.72
Rivian  NASDAQ  RIVN     NA      66.37
Marriot NASDAQ MAR    52     174.92

さて、どの銘柄が投資対象になるほど面白そうか。結論は一晩考えます。

(2022.2.19 Saturday)

こんな時はどうする?

【難局だなー】
 当方は、地政学の素人であるが、「孫子」に学ぶまでもなく、ロシア
とNATOの軍事衝突は双方にとってメリットがないので、今後数カ月のうちに外交的な手法で落としどころが見つけられると確信する。
 しかし、バイデン大統領が、ロシアがクライナを今にも侵攻する兆候があると述べたことにより、日米の株価指数は再び大きく下落した。
 ウクライナ情勢が前門の虎だとしたら、米国のインフレ対策としての金融引き締めは後門の狼だ。
 米国10年国債利回りは今週2019年7月以来となる2%台に乗せた。FOMC議事録は想定の範囲内だったが、利上げ情報に一喜一憂しボラティリティが高い展開が続くと思われる。

【個人投資家としてはどうする】
 銘柄選択の手法は、グロース株投資か、バリュー投資かの二分法。
 投資タイミングとしては、上がったら買う順張りと、下がったら買う逆張りにの二分法が一般的だ。筆者は生来、バリュー株好きで、逆張り好きだ。

 今、アメリカの経済誌では、「バリュー株投資の復活」とか「テック株の下がった今が買い時」という記事が目立ってきており、地合いは私好みだ。

【良い株を選ぶには】
 私好みの地合いだとしても、投資の究極の結局は「良い株を良いタイミングで買い」資産価値を極大化してゆくことだ。なお、個人投資家として、空売りは使わない前提で議論をしている。

 今日は紙面が尽きたので、明日、今どんな株に注目すべきか米国の経済誌や最近の日経の報道も参考にしながら考えてみたい。

 なお土曜、日曜は、「世界の動き」はお休みですので念のため。

(2022.2.18 Friday)

 

世界の動き 2022.2.18 Friday

N.Y. Times電子版より

1.米はロシアの侵攻はここ数日でいつでも起こりうると警告
【記事要旨】
 ブリンケン国務長官はウクライナ周辺へのロシア軍の増強は続き、侵攻はいつ起きてもおかしくないと述べる。NATO首脳と会談したオースチン国防長官も同じ発言。
 ウクライナ東部では木曜に砲弾が幼稚園に損害を与え3人の民間人が負傷した。ウクライナ政府は親露分離主義者の行為だと非難。露はウクライナ側から最初の攻撃があったと主張。
 露は在モスクワ米国大使館員の1人を強制退去。冷戦終了後30年、欧州の満足感が大きく後退している。
【感想】
 盧溝橋事件が日中戦争の契機になった教訓。軍事力をある限界以上に準備すると使わざるを得なくなる。ささいなきっかけでも。捏造してでも。

 本当に軍事侵攻があったときに米国はどのようにウクライナを守るべきかは米国内でも議論になっている。中国の台湾進攻への試金石。

2.カナダ警察はデモ隊鎮圧を準備
【記事要旨】
 警察はデモのトラックに警告ビラを配布。トラックの多くは警告を無視している。
 ワクチン接種義務化反対から始まったデモは右翼主義者が加わり反政府・反トルドーへと変化してきた。
【感想】
 もう一か月近くデモが継続。市民の支持も失われており、早晩解決すると見る。

3.変化する韓国のコロナ対策
【記事要旨】
 これまで3つのT政策testing, tracing and treatingからselect and focusに転換。これまで一日最大新規感染者7849人で抑え込んでいたが、オミクロン株の急増で木曜には93135人に急増。政府は今月後半には170000人まで増加すると予想している。
 今後の主要策はfocus on people in their 60s and older and those with pre-existing medical conditions — supplying them with at-home treatment kits and calling twice a day to check on their conditionということ。
【感想】
 ある閾値を超えると、韓国も日本と酷似する対策になるのだなと思った。韓国では、弱者切り捨てとの批判も大きいようで、大統領選にどんな影響があるか注目したい。

その他:
オリンピックのお土産が人気のようです
A New York Times reporter in Beijing sought out souvenirs of Bing Dwen Dwen, the ice-suit-clad panda who is the mascot of the Games, only to find hourslong lines and low stock on the most popular items.

フランスはアフリカにまだ介入していたんですね
France and its allies said that they would begin a military withdrawal from Mali, where its troops have been fighting insurgents for a decade. France’s decision capped a bitter breakdown in relations with Mali’s ruling junta.

(2022.2.18 Friday)

『孫子』再読

『孫子』は紀元前500年頃(春秋戦国の時代)の軍事思想家孫権が著したと言われる兵法書で、現在でも世界各国で広く読まれている。岩波文庫のKindleなら無料で読める。

【孫子の戦争観】
 「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべからず」(戦争は国家の大事であって、国民の生死、国家の存亡がかかっている。よく考えねばならない)
 戦争は、戦争という一事象のみから考察するのではなく、国家の運営と戦争との関係を俯瞰する政略から導き出されたものである。
「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」
「百戦百勝は善の善なるものに非ず」むしろ戦わずして敵を屈服させる方が優れている。
 偉大な戦略家は最も効果的なところで力を使う策略の名手でなければならない。「敵の兵力の優秀なところは避け、敵の備えが手薄なところを攻撃する」
 「上兵(最上の戦い方)」とは、敵の戦略を打ち破る、あるいは「謀を討つ(敵の計略を未然に防ぐ)」ことだ。さらに「交(敵と連合国の外交関係)」を絶つこと。さらにその次が「兵(敵の軍)」を攻撃することだ。稚拙なのは敵の城を包囲することだ。
 戦争長期化によって国家に与える経済的負担を憂慮する。と述べている。

【感想】
 紀元前500年頃にこのような国家戦略を述べた書物が著されたとは驚きだ。
 孫子の考えが、現在のウクライナ情勢に完全に当てはまるのがよくわかる。プーチンもバイデンも、もう一度、頭を冷やして戦いを避ける工夫をしてほしいものだ。

(2022.2.17 Thursday)

世界の動き 2022.2.17 Thursday

N.Y. Times 電子版より

1.西側はロシアの撤退を確認せず
【記事要旨】
 米とNATOは、プーチン大統領の、外交努力の継続と一部兵力の撤退、との表明の実行を見ているが、いまだ兵力の撤収は確認されていない。
 ブリンケン国務長官は、Unfortunately there’s a difference between what Russia says and what it does. And what we’re seeing is no meaningful pullback. On the contrary, we continue to see forces. と語っている。NATOも同様の見解で中欧での大規模戦闘に備えている。
 ロシア国防省は一部撤兵のビデオを発表した。
 プーチンが海外首脳との会談に使った巨大な白いテーブルが話題に。二つのメーカーがわが社製だと発表。
【感想】
 お互いにどこまで相手の状況を把握しているかは情報戦の一種で双方の発表をどこまで信用できるか注意が必要。
 言行不一致は国際政治ではよくある話だが、外交的解決に一歩進んでいるのは確実とみる。

2.香港でコロナ感染が拡大
【記事要旨】
 香港での急拡大を受け、習主席はあらゆる手段を講じるように指示。
 過去2年、香港はコロナを上手くコントロールしてきたがオミクロン株の拡大でコントロール不能になってきたと香港長官は語った。
 中国本土のゼロコロナ政策で、香港ではコロナとの共存政策は取れない。
 夏までに1000人以上の死者が出る恐れがありこれは過去二年の死者総数の4倍との予想が出ている。
【感想】
 「一国一制度」下の香港は、中国本土での感染拡大の糸口になりかねないと思われる。香港と接する、深圳や珠海での感染に注目したい。

3.日本の組合の変化を起こす女性
【記事要旨】
 性差別、賃金差別、セクハラが無視されてきた日本の労働組合では、多くの女性が組合活動を断念してきた。日本最大の労働組合組織である連合の会長に芳野友子が就任し、それらを変えようとしている。最初の課題は賃金の上昇を目指す春闘だ。
 男女間の平等を目指す方針は大きな支持を集めており、傘下の組合に結果を出すように圧力をかけていると芳野は語っている。
 ワールドエコノミックフォーラムによれば日本の男女平等は世界の156か国中120位で、先は長い。
【感想】
 N.Y. Timesに大きく取り上げられたのはGood!
 私がカナダの銀行でCOOをしていたころJob Equityに取り組んだことがある。1995年頃の昔の話だ。全ポジションに点数をつけて、同じ点数の人は同じ給料にするという大掛かりな作業だった。男女間の差別は当然許されなかった。
 日本は随分遅れている。政府のせいもあるが労働組合の怠慢も大きいと思う。そうした怠慢と、大企業労働者・官庁労働者としての特権維持活動が、結果的に20%を下回る組合の組織率につながっている。
 芳野氏指導下の連合の政府協調路線がどう実を結ぶか見守りたい。労働者が割を食わないように頑張ってもらいものだ。

その他:
トップもワークライフバランス?ボーナスもらって辞める言い訳でしょ。
The Great Resignation has reached the executive level, with leaders of companies quitting over burnout and work-life balance issues.
アジア系の俳優の悲哀。老兵は皆同じですな。
Older Asian American actors have often been limited to playing frail grandparents. “Older people in the theater exist. We’re here, we’re underused and we have experience.”

(2022.2.17 Thursday)