世界の動き 2022年7月5日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「エンゲージメント調査」
 エンゲージメントとは従業員が仕事にやりがいを持ち、企業と従業員が強い絆で結ばれている状態のこと。エンゲージメントの状況を全社的に調査し、離職が少なく業績が上がる組織作りを目指すためにKPIとして活用するのがエンゲージメント調査だ。
 昨日の日経一面の囲み記事で「パナソニック子会社でエンゲージメントの結果を執行役員のボーナスに反映する」というのがあった。
 本来エンゲージメント調査は企業の状況把握のための「手段」だが、その結果を執行役員のボーナスに反映させるのには違和感を感じる。「手段」が「目的」化しないかという懸念だ。調査の結果を上手に活用し業績向上に結び付けるのが経営の腕の見せ所なので、そこが評価されるべき点なのだ。

1.シカゴ近郊で銃乱射
【記事要旨】
 シカゴ近郊の裕福なエリアであるハイランドパーク市で独立記念日のパレードに向け建物屋上からライフル銃が乱射され少なくとも6人が死亡24人以上が負傷した。犯人は捕まっていない。パンデミック後の銃乱射事件の増加が懸念されており特にメモリアルデー(5月最終月曜)や独立記念日(7月4日)といった暖かくなった時期の祝日に増加ずる傾向。
【コメント】
 Home Aloneに出てくるような豊かな白人居住地域での乱射事件だ。犯人の意図は何なのだろうか。

2.ロシアはウクライナ東部を制圧
【記事要旨】
 クリミアを2014年に奪取して以来のロシアの領地(ルハンスク州)の獲得でありロシアは戦略的な勝利と発表。ロシアは5日間の猛砲撃後戦車と歩兵で攻撃し占領地を拡大。
【コメント】
 ロシアが生物化学兵器・さらには核兵器を使用した際のNATOの対応はどうなるのだろうか。

3,中国の億万長者の裁判
【記事を理解するためにwikipediaより】
 Xiao Jianhua (Chinese: 肖建华, born c. 1972) is a Chinese-Canadian businessman and billionaire known for managing assets for descendants of prominent Chinese leaders. He was abducted to Mainland China in 2017.
【記事要旨】
 5年前に香港の高級ホテルから忽然と消えた肖は現在裁判に掛けられているが罪状は不明だ。肖は中国高官の財産の運用で58憶ドルもの財産を築いたと言われる。ある時点では多くの中国企業を傘下に収め、Tomorrow Groupは中国の金融システムを揺るがすほど巨大になり、習近平の腐敗撲滅キャンペーンの対象になった。同様の億万長者Lai Xiaomin (Chinese: 赖小民; 21 July 1962 – 29 January 2021)は死刑判決を受けた。
【コメント】
 中国やロシアと言った強権国家ではいつ寝首をかかれるかわからない。怖い怖い。

その他:
スリランカの経済危機は深刻
Sri Lanka’s energy minister said the country had less than a day’s worth of fuel left, Al Jazeera reports. The crisis forced the country to extend school closures.
上海ではデベロッパーが債務危機
A big Shanghai developer defaulted on its debt, CNN Business reports, deepening China’s real estate crisis.
ベニスでは入場制限
Venice is trying to limit tourists by introducing a reservation system and a daily fee to see the city.

(2022年7月5日 火曜日)

世界の動き 2022年7月4日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「EUの最低賃金」
 EUでは最低賃金制度の共通化の法案が6月8日に可決された。EU加盟各国の法定最低賃金は、月額500ユーロ未満のブルガリアやルーマニアから、2,000ユーロ超のルクセンブルクまで大きな開きがある。デンマーク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、イタリア、キプロスの6カ国は驚いたことに法定最低賃金を定めていない。日本国内でも安い地域と高い地域の違いがあるがそれが国家間に拡大していると考えればわかりやすい。多数の個人事業者を含む経営者は共通ルールの導入に反対しており実際の運用がどうなるかは不確定だ。アジア域内で同様のルールが適用されると仮定すると、日本はシンガポール、香港、韓国を下回ることがはっきりする。恰好悪いですね。

1.ロシアはルシチャンスクを占領
【記事要旨】
 ルハンスク州最後のウクライナ側拠点が陥落しロシアがドンバス地域の殆どを制圧したことになる。ロシアは自国内のベルゴロドで爆発が起き市民4名が死亡とウクライナを非難。ウクライナのスロビアンスク市が攻撃され市民多数が死傷。ロシアはソ連時代のミサイルを使用し一般市民への攻撃を加速。
【コメント】
 無言

2.熱波が日本を襲う
【記事要旨】
 史上最悪の熱波により政府はエアコン使用を推奨するも電力供給危機。ここ数日で4500人以上が熱中症で病院に搬送された。東京では最高気温35C以上が土曜で八日連続。ウクライナ戦争以来のLNG価格上昇で発電コストが増嵩している。
【コメント】
 インドやパキスタンと同列の熱波記事。寂しい。

3.パキスタンでの性転換者の権利
【記事要旨】
 4年前にパキスタンは性転換者の権利を法律で認める少数の国の一つとなった。当初はカミングアウトが進んだが近時このような人たちへの暴力行為が頻発している。法律の施行には地域でばらつきがあり、カミングアウトしていない人が殆ど。
【コメント】
 イスラム国での法制化は画期的だが、宗教規範は法律より強いのだろう。

その他:
シドニーでも豪雨 環境保護派への規制強化
Heavy flooding has engulfed Sydney, the BBC reports. At least one man died and thousands more have evacuated.
A new law in the Australian state of New South Wales has sharply increased punishment for demonstrators who disrupt economic activity. Climate activists say they are the target.
日本の同調圧力
Japan never mandated masks or vaccinations. Instead, peer pressure and a fear of public shaming helped the country avoid the worst of Covid.
また北欧で銃乱射
Several people were shot and killed at a mall in Copenhagen yesterday. Danish police have arrested a suspect.

(2022年7月4日 月曜日)

Miles Davis “My Funny Valentine”

 今朝の日経新聞17面「名作コンシェルジューMusic」で取り上げられている。Milesのクインテットが1964年2月12日にNYCリンカーンセンターでのコンサートを収録したLPだ。

 YouTubeで捜してLPを聞いてみる。(何と便利な世の中になったものだろうか!)日経新聞で解説者吉田俊宏氏が書いているように素晴らしい演奏だ。これには理由があるが記事では触れられていない。

 LPの最初にクインテットを紹介するリンカーンセンターの司会者の言葉が収録されている。彼は「リンカーンの誕生日にセンシティブは問題に興味を持つ聴衆が素晴らしい演奏を聴くために集まった」と言っているのだ。

 確かに2月22日はリンカーンの誕生日だ。ではセンシティブとは何を指しているのか? 1963年はケネディ大統領が人種差別を禁ずる公民権法の議会通過に大変な努力を払った年だ。ケネディは同年11月22日にダラスで凶弾に倒れ、1964年になってジョンソン大統領の下でやっと議会で承認された。

 黒人のMilesが、ケネディが凶弾に倒れた後、公民権運動のさなかにリンカーンセンターで記念すべき演奏をしていたわけだ。Milesの入魂の演奏の理由がわかる。

(2022年7月3日 日曜日)

統合報告書について

 投資対象選定の資料にすべく統合報告書を今調べている。そもそも、統合報告書とは何か。

 「統合報告書とは、企業の売上や資産など法的に開示が定められた財務情報に加え、企業統治や社会的責任(CSR)、知的財産などの非財務情報をまとめたもの。
 欧米を中心とした海外機関投資家が投資の際、企業の社会的責任を重要視し始めたことを契機に、海外の企業で財務情報と非財務情報をまとめて発行するようになった。
 日本でも金融庁と東証が策定したコーポレートガバナンス・コードにおいて、企業側に対し、非財務情報の開示を主体的に取り組むことを促しており、統合報告書を発行する企業が増加している」。(以上、野村証券の説明)

 なぜ統合報告書に注目しているかと言うと、財務諸表だけには現れない企業経営のひだ(ガバナンスの実際のあり方、CSRへの取組、長期的な企業価値の向上を支える理念等)が、よくわかると思われるからだ。

 現在筆者は非上場の飲食チェーンのアドバイザーをしているので、手始めに、飲食業の上場企業ではどこが統合報告書を発行しているか調べてみた。驚くほど少ない。ロイヤルホールディングスと吉野家の2社だけが発行している。発行していることだけで+を差し上げたい。

 比較の詳細説明は省くが、非財務項目として挙げている項目を簡単に比較したい。

 両社が共通して挙げている項目
 ・従業員/パート社員数 (総数の表示にどういう意味があるか不明)
 ・女性管理職比率 (ロイヤル9.4% 吉野家25%)
 ・障害者雇用数/比率 (ロイヤル166人.2.7% 吉野家5.0%)

 一社のみ(吉野家のみ)が挙げている項目
 ・定期健康診断受診率  89.7%
 ・子供食堂への食事提供回数 396回
 ・Co2排出量 100450t(厳密に計算するのは結構大変そうだ)

 ロイヤルの報告書は32ページ、吉野家の報告書は33ページでありコンパクトにまとまっており、投資対象を選ぶ際の参考にすべき内容だと思った。特に吉野家の報告書は読んでいて面白かった。まだ統合報告書を読んだことのない読者には業種のわかりやすさもあり、お勧めだ。

(2022年7月2日 土曜日)

世界の動き 2022年7月1日 金曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
「箱根駅伝予選会」
 来年は参加校が関東だけでなく全国に広げられるそうだ。現在駅伝の強豪校は関東勢で独占されている。例えば全国大学駅伝では上位15校を関東勢が占めているそうだ。箱根で走りたいと希望する高校生が関東に集まり関東の大学が強くなる循環だ。
 世界の大学ランキングに話を飛躍させると、知名度の高い英語圏の大学に世界の優秀な若者が集まり英語圏の大学のランキングが高まる循環がある。日本の大学の国際競争力を高めるには箱根予選会の変化に相当する改革が必要でありそうしたうねりを日本が作り出すことが必要だ。参院選の各党公約は「給食の無償化や高校無償化」が中心だ。もう少し世界との教育での競争力強化を考えなければ日本の地盤沈下は止まらない。

1.米環境保護庁EPAの権限に最高裁が制限
【記事要旨】
 米最高裁はEPAの発電所からの炭素ガス排出を制限する権限に制限を加えた。今世紀末までに大気汚染を半減するというバイデン大統領の公約実現を不可能にする動き。保守派6対リベラル3での判断。保守派のロバーツ裁判長は気候変動には触れず、議会はEPAにそのような権限を与えていないと説明。環境に関連するビジネスには良いニュース。Ketanji Brown Jackson女史が黒人女性初の最高裁判事に就任。
【コメント】
 妊娠中絶、銃規制、環境保護について米最高裁は保守的な判断を下している。司法の保守化で三権分立モデルは機能しにくくなっている。

2.習近平が香港を訪問
【記事要旨】
 香港の中国復帰25周年を祝すための訪問。習にとってコロナ後初の海外訪問。訪問化は厳しいコロナ対策が敷かれた。習は復帰後の輝かしい成果を謳うが、50年前に約束された一国二制度は大きく制限されている。
【コメント】
 香港の活力は今どうなっているのだろうか。

3.ウクライナがスネーク島を奪取
【記事要旨】
 ロシア政府は一週間前には島は堅持されていると報道していたが、撤退を発表した。ウクライナにとって黒海へ出るための要衝だが、ロシアは海上封鎖は続けている。G7とNATOの首脳会議で対露政策の一致を確認するがエネルギー価格の高騰は欧州の市民生活を直撃。終戦の見通しは立っていない。NATOの中国は戦略的挑戦と見做す発表に、中国は強烈に反発。
【コメント】
 占領地域の拡大縮小の報道の裏には血を流し戦っている多くの将兵がいる。民主国と専制国の戦いの長期化はどのように展開していくのだろうか。

その他:
フィリピンの新大統領
In his inauguration speech, Ferdinand Marcos Jr., the new president of the Philippines, praised his father’s legacy and spoke about the need to heal a deeply divided country.
北朝鮮の国家的ハッカー
North Korean hackers are stealing cryptocurrency, which they have been using to keep the economy afloat through sanctions and pandemic shutdowns.
弱気な見方が優勢
The U.S. economy is on the cusp of a recession, and its stock market closed its worst first six months of the year since at least 1970.

(2022年7月1日 金曜日)