世界の動き 2022年8月24日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「核兵器の使用の脅威」
 ウクライナとロシアの戦争は6か月経っても終わりそうもない。シカゴ大学のミアシャイマー教授は核戦争の危機を世界は甘く見ていると警告する。ロシアが戦争の膠着を打開したいとき。ウクライナが負けそうで米国が参戦するとき。ウクライナがロシアの占領地域を回復するとき。この3つの事態でロシアは核を使用する可能性が高いと教授は警告する。そうだとすると、戦争がどう進んでもロシアは核を使用することになる。教授の「世界の破滅のシナリオ」が現実にならないことを祈るのみだ。

1.マレーシアの前首相が刑務所へ
【記事要旨】
 2年前ナジブ・ラザク首相は巨額の収賄容疑に問われた。月曜に最高裁は同氏の控訴を棄却し、12年の刑が確定した。英国で教育を受けた元首相の息子で、ずっと政界の要職を占めてきたエリートであるナジブ前首相への判決確定はマレーシアの司法が独立して機能していることをしめす出来事。ナジブは1MDBという政府関連ファンドから9.8百万ドルを賄賂として受領して、ヨットやピカソの絵画の購入、息子が「Wolf of Wall Street」という映画を作る資金などに費消していた。ナジブはこれ以外に同ファンドから消えた98億ドルの資金への関与が疑われている。
【コメント】
 身分社会のマレーシアではナジブのような政治貴族は絶対罪に問われることは無いと信じられてきたが、三権分立と民主主義の勝利だ。

2.ウクライナの危機に瀕する原発
【記事要旨】
 国連安保理は火曜に緊急会合を開きザポリージャ原発を巡る危機を話し合った。原発への着弾に関しロシアとウクライナはお互いを非難している。原発はロシアが占領しウクライナの技術者が運営している。ウクライナからの要請を受け、状況が許せばIAEAが近日中に査察予定。米情報局は開戦6カ月目でウクライナの独立記念日でもある今日、ロシアが攻勢を強めると警戒。
【コメント】
 ロシアは巨大な原発を「人質」として核兵器と同様の脅威を欧州に与えている。

3.トランプは700ページに及ぶ極秘文書を所持
【記事要旨】
 トランプ大統領がホワイトハウスからフロリダの自宅に700ページに及ぶ極秘文書を持ち出したことが判明し、捜査当局はその重大性を精査している。トランプの弁護士は元大統領に与えられた特権だと主張。FBIは、トランプは「特別アクセスプログラム(SAP)」に関連する書類も保持していたと説明。
【コメント】
 米国の極秘書類とはどんな内容なのだろうか。なかなか想像するのが難しい。漏れると国の根幹が揺らぐような情報なのだろうか。

その他:
パキスタンの政治混乱
Imran Khan, the former prime minister of Pakistan, was asked to appear in court next week as prosecutors considered charging him with contempt on top of recent antiterrorism charges, Reuters reports.
ニカラグアでは
In Nicaragua, a wave of government attacks on Catholic church leaders has extinguished the last independent voice in the country.
ウクライナだけで資金枯渇
Soaring needs and wealthy countries’ focus on Ukraine have left U.N. aid agencies with too little money to address other crises, forcing them to cut programs.

(2022年8月24日 水曜日)