世界の動き 2024年9月5日 木曜日

今日の言葉
「株価の下落」
 今日のタイムズの記事にあるように世界中で株価が下落した(日経ダウは昨日は1638円安)。
 米国の景気が軟着陸するかどうか不確実性が高まったというのが一般的な説明だが、そうだろうか。
 一部のIT/AI株(特にNVIDIA)のばかばかしいほどの価格の高騰と、これら企業への時価総額の集中、経済指標の発表に過剰に反応する米国市場の状況がある。
 しばらく乱高下が続くだろうが、しばらく辛抱の時期だ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.ゼレンスキー大統領、政府大改造を計画
【記事要旨】
 ゼレンスキー大統領は、2年前に戦争が始まって以来、最も大規模な内閣改造の計画を発表した。同国外相は昨日辞意を表明した6人の高官の1人で、本日新たな閣僚名簿が発表される予定だ。
 ゼレンスキー大統領の内閣改造は、戦争の不安定な時期に行われる。ロシアのウクライナ全土への攻撃は増加し、この1週間で数十人が死亡した。一方、ウクライナ軍は、ロシア西部で奪取した領土の支配を維持しようとしている。
 一部のアナリストは、大統領が「戦争の新たな局面」を計画していることを示唆していると指摘している。今回の改造でよりゼレンスキー大統領に権力がさらに集中する可能性があると懸念する見方もある。
【コメント】
 知名度の高かった外相の交代は意外だったが、発表の詳細を待ちたい。

2.米国、ロシアの選挙干渉に反撃
【記事要旨】
 米国は、ロシアが国営メディアを利用して米国大統領選挙に影響を与えていると非難し、ロシア政府が米国の有権者を動揺させようとする計画に対抗する幅広い取り組みを発表した。
 メリック・ガーランド司法長官は昨日、ロシア国営放送局RTのロシア人従業員2人を起訴し、ドッペルゲンガーとして知られるロシアの悪意ある影響力キャンペーンを阻止すると発表した。RTはテネシー州の企業を利用して、何千ものロシア政府支持の動画をソーシャルメディアで拡散した。
 米国は、ロシア政府がウクライナに関するプロパガンダや偽情報を拡散するために使用しているとされるウェブドメインに対するさらなる制裁、起訴、押収を計画している。
 詳細:ロシア政府のキャンペーンは、カマラ・ハリス副大統領よりもドナルド・トランプを支持しているようだ。トランプの方が米国のウクライナ支援継続に懐疑的だと見ているようだ。
 ロシアだけではない。イランは偽情報ゲームにおける最大の脅威の1つになっている。ハッキングや偽ウェブサイトによるイランの取り組みはトランプ氏に不利な選挙戦を転換させる狙いがあるようだ。
 TikTokは、選挙の仕組みやメディアリテラシーに関するコンテンツをさらに追加すると述べた。米国の政治家の認証済みアカウントに対するセキュリティ要件も強化する。
【コメント】
 トランプ対ヒラリーの選挙戦ではロシアの諜報機関がトランプ支持で動いたと報じられている。今回はそれ以上の作戦が展開されているのだろう。
 今秋に予想される日本の総選挙でも気をつけないといけないポイントだ。

3.グレンフェル火災は嘘と監視不足が原因だった
【記事要旨】
 報告書によると、コスト削減、不正な販売慣行、規制の緩みが、ロンドンの公営住宅であるグレンフェルタワーで2017年に72人が死亡した火災の原因だった。
 公聴会では、保守党が運営する地方議会がコスト削減に熱心で、高層ビルでは決して使用すべきではないとサプライヤーが知っていた可燃性材料の広範な使用を承認したという非難の声が上がった。
 この災害は、第二次世界大戦以来の英国最悪の住宅火災であり、規制緩和の危険性と英国の首都における根強い社会的不平等の象徴となっている。
【コメント】
 大きなビルが炎に包まれる映像は記憶に残っている。以下BBCの報道だ。
『ロンドン西部の高層公営住宅グレンフェル・タワーの火災で72人が亡くなってから、14日で5年になる。5年たった今も、助かった住民や活動家は、正義を求めていると話す。
 2017年6月14日未明、24階建て127戸のタワー棟から出火し、大火災となった。刑事事件としての捜査は続いているものの、ロンドン警視庁は、独立調査委員会による中間報告が公表されるまでは、訴追に動かない方針を示している。
 内務省によると、具体的な立法措置につながった独立調査委による勧告は、半数以下にとどまっている。
 こうした対策の遅れから、多くの被害者や遺族は、先に進めないと感じている。』

その他の記事
ビジネス:
 事情に詳しい3人によると、バイデン大統領は国家安全保障上の理由で日本製鉄によるUSスチール買収を阻止する準備を進めている。
(コメント:労働者の雇用を問題にしているようだ。日本製鉄が買収しなければより多くの米国人労働者が失業するリスクを見ていないようだ。)
日本:
 同国の「無料」住宅ローンの時代は終わりを迎えつつある。(コメント:住宅ローン減税を考えると借金はプラスだった。そんな時代がやっと終わりそうだ)
経済:
 火曜日に米国で始まった市場の暴落は、世界経済と大手テクノロジー企業への懸念から、昨日もアジアと欧州で続いた。

2024年9月5日 木曜日