世界の動き 2025年9月29日 月曜日

今日の一言
「NIDECよ、おまえもか」
NIDECは大好きな会社の一つだ。カリスマ経営者永守氏のリーダーシップで業績を伸ばしてきた。昔、上場株の運用をしていた時、アナリスト向けの会社の説明会に永守氏が登壇した。ほかの会社では詳細な説明資料を配布するのだが、全く資料はなく、なんでも聞いてくれというスタンスだった。アナリストからかなり細かい質問が出たが、難なくすらすらと回答されていた。質問が出尽くすと、それじゃという感じで退席された。すごい経営者だと思ったものだ。
そのNIDECが不正会計に揺れている。事件の概要は以下だ。
ニデックNIDEC不正会計事件の概要(2025年9月28日時点)
1. 発端
• 中国子会社での不適切処理(2024年9月)
サプライヤーからの「購買一時金」約2億円を収益として計上する処理が不適切とされ、社内調査が開始された。
• イタリア子会社での関税申告問題(2025年6月)
モーターの原産国申告に誤りがあり、未払関税の可能性が浮上。これにより有価証券報告書の提出が延期された。
2. 調査と対応
• 第三者委員会の設置(2025年7月)
社内調査では限界があると判断され、外部専門家による第三者委員会が設置された。
• 監査法人(PwC Japan)による「意見不表明」
2025年3月期の有価証券報告書に対し、十分な監査証拠が得られないとして「意見不表明」が表明された。これは極めて異例で、財務諸表の信頼性に重大な懸念を示す。
3. 問題の本質
• 減損処理のタイミング操作疑惑
経営陣が資産の評価減を恣意的に操作していた可能性があるとされ、経営判断の透明性が問われている。
• 複数地域での不適切処理
中国、イタリア、スイスなど複数の子会社で、輸出手続きや税務申告に関する問題が次々と発覚。
4. 影響
• 株価の急落
第三者委員会設置の発表直後、株価は一時ストップ安(前日比22%安)に。
• 上場廃止リスク
「意見不表明」は東京証券取引所の上場廃止基準に該当する可能性があり、今後の調査結果次第ではそのリスクも否定できない。
この事件は、企業統治(コーポレート・ガバナンス)と内部統制の脆弱性を浮き彫りにしたものだ。
5.トップ経営層の関与に関する現時点の情報
• NIDECは2025年9月3日、「経営陣の関与または認識の下で不適切な会計処理が行われていた疑いがある」と公式に発表した。
日本で数少ない成長する製造業企業NIDEC. それを牽引してきた永守氏の行方に注目される。

ニューヨークタイムズ電子版より
米国の西半球戦略
【記事要旨】
●ベネズエラ情勢とアメリカの介入方針の変化
トランプ政権は、ニコラス・マドゥロ政権を麻薬カルテルと見なし、政権交代を暗黙の目的として軍事的圧力を強めている。カリブ海への米軍派遣や船舶攻撃など、軍事行動が活発化する中、マドゥロは危機感を募らせている。
● 国内外の反応と懸念
– ベネズエラでは、マドゥロの人権侵害や選挙不正に対する批判が強まり、野党指導者は米軍支援を歓迎。
– 一方で、米国の軍事介入に対する根深い不信感もあり、地元の外交官やビジネス関係者は流血や混乱の可能性を警告。
– 武装勢力による資源争奪の懸念もある。
●アメリカの戦略的視点
– トランプ氏は「対外戦争回避」を公約しつつ、ラテンアメリカへの強硬姿勢を強めている。
– ベネズエラを「アメリカの裏庭」と位置づけ、ウクライナやイラクとは異なる戦略的関心を示している。
– 同盟国であるブラジルやアルゼンチンには支援を行い、イデオロギー的な親和性が介入の背景にある。
●今後の展望
– 米国は「西半球の防衛」を重視する新たな国家戦略を準備中。
– ベネズエラへの介入は、アメリカの勢力圏における秩序維持と見なされつつあり、今後の外交・軍事方針に影響を与える可能性がある。
【コメント】
ヘグセス国防長官が軍トップの多くを招集する会議を行うそうだが、何が議論されるのか注目だ。米軍のアジア離れが懸念される状況だ。

ロシアによるキエフへの12時間にわたる無人機攻撃
【記事要旨】
ロシアは、ウクライナの首都キエフとその他の都市を、約600機の無人機と数十発のミサイルで攻撃した。この攻撃により、キエフでは少なくとも4人が死亡し、数十人が負傷した。
ウクライナは戦争初期において無人機戦において優位に立っていた。しかし、モスクワが自国製の無人機製造に多額の投資を行ったことで、その優位性は失われつつある。
【コメント】
プーチンの戦争激化の硬い意思が見受けられる。ロシア経済の息切れは間近という報道もあるが、実情はどうなのだろうか。

トランプ氏の報復キャンペーン
【記事要旨】
ジェームズ・コミー前FBI長官の起訴は、トランプ政権が大統領の敵対者を屈辱させ、捜査し、訴追するための法的措置を強化している中で行われた。
コミー氏は、2016年の大統領選におけるトランプ陣営とロシアとの関係疑惑に関する捜査において、FBIを率いていた。
【コメント】
トランプの復讐心の強さと執念深さがわかる動きだ。

その他の記事
イランは、国連が同国の核開発計画に対する厳しい制裁を再開したことを受け、さらなる経済的打撃に備えようとしている。
トランプ大統領は本日、米国政府閉鎖を回避するための期限前日、議会指導者らと会談する予定だ。
モルドバで行われた重要な選挙は、同国がEUに近づくのか、それともロシアに近づくのかを決定づける可能性がある。

2025年9月29日 月曜日