秋のお彼岸の仲日から5日経った。「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざ通り、酷暑もようやく凌ぎやすくなって来た。彼岸花は季節をたがえず、ここぞとばかりに咲き誇っている。
先日、伊藤隆俊教授の訃報に接した。マクロ経済学の世界的な泰斗であり、惜しい人を失った。昨日、那須から戻る車中で、NHKの歌謡番組で谷村新司の特集をしていた。名曲を、まだまだ作曲してほしい人だった。7月には、音楽評論家の渋谷陽一氏が亡くなったのには驚いた。私にロックのすばらしさを教えてくれた人だった。
これら3人に共通した点は、享年が74歳ということだ。私は今74歳だ。10月に横須賀高校の同窓会があるが、幹事の説明では50人のクラスの10人が物故しているそうだ。統計的に言えば、男性の平均年齢である82歳までにはあと15人が亡くなることになるのだろう。統計的な事実だが、やや寂しい。一方、75歳まで生きた人の4人に一人は90歳まで生きるそうで、死亡確率を越えて、長生きリスクもありそうだ。
尊敬する銀行の先輩は86歳で亡くなるまで、ほぼ現役だった。国勢調査の紙が届いたが、職業欄にはなんと記入したらよいのだろうか。常勤の勤務先がないので無職か?自前の会社があるからフルタイム勤務か?どちらも事実と異なる気がするが、どちらに書くかで統計結果は大きく変わるだろう。
那須の裏庭の赤松が枯れてきた。昔は目立たなかったが、今は20mを超える巨木に成長した。ブナが葉を落とす中、冬も緑を誇った木だったが、木にも寿命はありそうだ。重機の入らない御用邸へ続く道沿いの保護樹林なのだが、費用は誰が負担するのだろうか。
Equinox+5. 時に内省的になり、時に財布を心配する秋だ。
2025年9月28日 日曜日