今日の一言
「ウルフパック」
今日は企業買収に関する言葉を取り上げたい。「金融庁がウルフパックについての規制を強化する」という報道があるが、何のことか。
ウルフパックとは何か
定義:形式上は「共同保有者」として届け出をしないまま、複数の投資家がひそかに連携し、同じ銘柄を分散して買い集め、タイミングを合わせて経営陣への攻勢(取締役選解任、株主還元要求、買収提案など)をかける戦術を指す。
背景にあるのは「5%ルール」(大量保有報告制度)で、1者あたりの保有比率を5%未満にとどめて分散させることで、大量保有報告やTOB規制を形式上回避しつつ、実質的には塊の株主として影響力を行使できる点が問題視されている。
なぜ問題視されているか
上場企業や当局から見ると、「誰がどの程度まとまった影響力を持っているか」が見えにくくなり、不意打ち的な買収・経営権争いにつながるリスクがある。
現行の大量保有報告制度やTOBルールは、単独主体や形式的な「共同保有者」を前提に設計されているため、事前の取り決めを巧妙に避けた“ゆるい協調”や暗黙の合意によるウルフパックは捕捉しにくい。
金融庁が規制強化を検討している方向性
・大量保有報告制度・TOB制度の見直し
市場での取引を含めたTOB義務の拡張や、公開買付け義務発生の持株比率の閾値引き下げ(3分の1→30%など)の改正が決まっており、結果的にウルフパック的な市場内買い上がりにも歯止めをかけやすくする方向。
大量保有報告書の虚偽記載に対する課徴金額の大幅引き上げ(対象銘柄の時価総額に応じた数千万円規模)も方針として示されており、「5%ルール」の実効性を高める狙いがある。
・「共同保有者」概念や実効性の見直し
金融商品取引法上の共同保有の捉え方や、「共同して」行動しているとみなす範囲の明確化・拡張を通じて、形式的に契約を結んでいないウルフパック型の協調にも規制が届くようにする方向性が、ワーキンググループ等で議論されている。
投資家・企業側への意味合い
・投資家側
アクティビストやファンドが、他投資家と緩く連携しながら少しずつ持ち分を積み上げる手法について、「どこから先が共同保有と評価されるか」「報告義務やTOB義務が発生するか」の線引きが厳格化・明確化される可能性が高い。
・企業側
これまで「誰がどれくらい組んでいるのか分からない」状態で突然の株主提案・取締役差し替えにさらされるケースに対し、一定の透明性確保と防御余地が広がる一方、正当な株主連携との切り分けをどう運用するかが実務上の論点になる。
ニューヨークタイムズのニュースレターより
【年頭のあいさつ】
世界の皆さん、新年おめでとうございます!今年はニュースが目白押しの一年でした。アメリカ政治の混乱、ウクライナとガザでの戦争、そしてAIが至る所で蔓延する中、2026年も勢いは衰えそうにありません。スイスの大晦日は、スキーリゾート地のバーで壊滅的な火災が発生し、悲劇的な一幕を迎えました。ニューヨーク市では、ゾーラン・マムダニ氏が同市初のイスラム教徒市長に就任しました。
1.スイスのリゾート地で火災が発生、数十人が死亡
【記事要旨】
スイスアルプスのスキーリゾート地、クラン・モンタナのバーで大晦日のパーティー中に火災が発生した。警察によると、約40人が死亡、約115人が負傷し、多くが重傷を負った。
スイス大統領は「我が国が経験した最悪の悲劇の一つ」と述べた。
午前1時30分頃、複数の国から集まった犠牲者たちがル・コンステレーション・バーに集まっていたところ、火災が発生した。スイス当局によると、火災はフラッシュオーバー(室内の可燃物がほぼ同時に発火し、致死的な速度で炎が燃え広がる現象)を引き起こし、その後すぐに少なくとも1件の爆発が発生した。
当局は、原因やバーでの安全上の不備の可能性についてコメントするのは時期尚早だとしながらも、テロの可能性は否定している。
バーには約30人のイタリア人がいたとみられ、16人が行方不明となっている。複数の医療関係者は、犠牲者の若さにも言及している。重度の火傷を負った22人が搬送されたローザンヌ市の病院長は、スイスのニュースサイト「24 Heures」に対し、犠牲者のほとんどが16歳から26歳だったと語った。
【コメント】
クラン・モンタナCrans-Montanaはローヌ谷を見下ろす標高1500mの高台にあるフランス語圏の代表的な山岳リゾート。 西のクラン地区と東のモンタナ地区に分かれている。セレブの別荘も多く、高級ブランドのブティックが並ぶ通りはエレガントな雰囲気。世界屈指の絶景コースといわれ、ヨーロピアンマスターズが開催されるゴルフコースでも有名だ。
2.マムダニ氏がニューヨークで市長に就任
【記事要旨】
ゾーラン・マムダニ氏は昨日、市庁舎前で行われる公式就任式の数時間前、廃墟となった地下鉄駅で非公開の式典が行われ、ニューヨーク市長に就任した。
34歳の民主社会主義者であるマムダニ氏は、アメリカ最大の都市を統治する初のイスラム教徒かつ南アジア系市民となった。「多くの人が注目している。彼らは左派が統治できるかどうかを知りたいのだ」と就任演説で述べた。
マムダニ氏が新時代の起爆剤となるか、それともすぐに忘れ去られる失敗した理想主義者として見られるか、今後の展開に注目だ。
その他の記事
・ウクライナはロシアによる全面侵攻を受けて今年で4年目を迎える。ウクライナ東部で戦闘を繰り広げている兵士の中には、これが最後だと考えている者はほとんどいない。
【日本は第二次大戦で3年8か月戦い焦土が残った。ウクライナはすでに4年目に入った戦争を戦っている。嗚呼】
・国境なき医師団を含むガザ地区の多くの援助団体は、イスラエルの新たな規則により活動停止処分を受けており、3月までに撤退を余儀なくされる。
・シリアのアレッポにある検問所で自爆テロが発生し、治安部隊員1人が死亡、2人が負傷した。
・ギニアのクーデター指導者、ママディ・ドゥンブヤ大佐は、自身の統治を正当化することを目的とした大統領選挙で勝利したと、速報値が発表された。
・トランプ大統領、その家族、そして側近たちは、広範囲にわたる取引の網に絡み合ってきた。米国の利益とトランプ大統領の側近の利益の境界線は曖昧になっている。
【究極のガバナンスの劣化だ。このようなトップをいただく国では企業統治を語るのは無意味だ】
+スポーツ欄:ゴルフ 日本で最も成功したゴルファー、尾崎将司さんが78歳で亡くなった。【世界的にも有名な人だったのだ】
2026年1月2日 金曜日
いつも早朝ラジオを聞いている。5時台の、文化放送の「おはよう寺ちゃん」はすでに平常放送をしていた。コメンテーターで会田卓司氏が登場。彼の考えには同意できないが、2日から働いている点には敬意を表したい。6時半からはTBSの「森本毅郎スタンドバイ」を聞くが、こちらはまだ、お正月仕様だ。