今日の一言
「トップ経営者の突然の辞任」
一昨日はネスレ、昨日はサントリーのCEOが突然辞任した(解任された)ニュースで驚かされた。二つの事件の概要と、どうすれば防ぐことが出来たかを考えたい。
ネスレの事例:倫理規範違反によるCEO解任
2025年9月、ネスレはCEOローラン・フレイシェ氏を、部下との未申告の関係が企業倫理規範に違反したとして解任しました。これは、従業員からの内部通報を受けて外部調査が行われた結果です。同社は1年以内に2人のCEOが交代する異例の事態となり、投資家からの信頼低下や株価下落を招きました。(ロイター)
サントリーの事例:法的問題によるCEO辞任
同じく2025年9月、サントリーホールディングスのCEOである新浪剛史氏が、違法性が疑われるサプリメントの購入に関する警察の調査を受け、辞任しました。新浪氏は違法性を否定しましたが、企業の透明性と信頼性を重視し、自ら辞任を選択しました。(東洋経済)
私は社外監査役を務めているが、もし自分が当該社の監査役だったとしたらこのような事件を防げただろうか。
まず、以下の点への注意が必要だ。
• トップの私生活・行動規範違反や倫理的リスク
社内規範や行動基準に違反する可能性(例えば部下との未申告な恋愛関係、法令違反につながる私的行動など)がSNS等で拡散し、重大なガバナンスリスクとなり得る点。
• 企業の文化・ガバナンスへの社会的批判の高まり
トップの行動に関する情報が外部へ漏れた際、社会やメディアが逸早く企業ガバナンスや経営陣の倫理観を批判・拡散する傾向。
• 違法性の可能性がある事案への即時対応力
法令違反(違法サプリ疑惑等)やコンプライアンス違反が発覚した場合、会社として速やかに調査・辞任勧告・危機対策を打てる体制が求められる。
• トップの交際関係・プライベートが職務に影響を与えることへの備え。
プライベートな行動が職務や組織運営に直結する時代になり、監査役も広い視野と多様な情報ルートを持つことが重要だと思われる。
監査役への実務的示唆は以下だ。
• 公式な通報経路だけでなく、社内外の情報に敏感になる
• トップの行動や関係性について、組織内規範や利益相反への視点を徹底
• コンプライアンス・ガバナンス規程の運用状況の定期点検
• 外部批判・社会動向・メディア報道等を含めた危機シナリオ想定を重視
組織の信頼維持のため、監査役は「新たな兆候や情報の拡散」にもより敏感かつ迅速に対応すべきご時世なのだ。
ニューヨークタイムズ電子版より
地獄のような地下鉄駅がウクライナ戦争を語る
【記事要旨】
モスクワで開催された大規模フェスティバルの一部には、汚れたニューヨーク地下鉄と豪華なモスクワ地下鉄を対比させる展示があり、ロシア当局はこれを通じて「ロシアは西側より豊かで秩序ある社会である」とアピールしている。これは国民の目をウクライナ戦争から逸らすだけでなく、ロシアの回復力を示し、西側の衰退や混乱を強調する広報戦略の一環である。
実際、西側諸国では政治的混乱が目立ち、民主主義への信頼も揺らいでいる。その一方で、非西側諸国の多くはロシアに肯定的な見方を持ち、ロシアは中国やインドなどの支援を得て制裁に対抗している。結果として、アメリカや西側の影響力は低下し、プーチン大統領は国際舞台で存在感を示す一方、国内では高い生活満足度が記録されている。
この状況は、ウクライナ戦争の停戦交渉が難航している背景とも関係しており、ロシアが「戦い続けられる」という物語を国内外に発信することに成功している。
【コメント】
この大規模フェスティバルが何か、調べたがわからなかった。Trip Advisorで調べると、数多くの大規模イベントがモスクワで行われている。そのことに驚かされた。
その他の記事
中国:同国は本日、ミサイル、兵士、そして北朝鮮の金正恩氏やロシアのウラジーミル・プーチン氏といった指導者らによるパレードで、第二次世界大戦における日本の敗戦を記念する。
米国:判事は、トランプ政権によるロサンゼルスへの軍派遣は違法だとの判決を下した。司法省は控訴する見込みだ。
災害:アフガニスタンの地震による死者数は少なくとも1,400人に上った。スーダンでは、ダルフール地方で発生した地滑りで数百人の村人が死亡した。
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イスラエル:ベンヤミン・ネタニヤフ首相がガザ紛争終結に向けた包括的合意を主張していることをめぐり、政治指導部と軍指導部の間で亀裂が生じている。
2025年9月3日 水曜日