今日の一言
「既視感」
今年もあと2か月ほどになった。米国株も日本株も史上最高値を更新中で、警戒感は薄い。
筆者は、こんな状況を1989年の年末に経験した。株価は年末の最高値38,915円87銭(終値)まで、ほぼ一直線に上昇した。高名な経済評論家たちは日経平均は6万円に近づくとはやし立て、多くがそれに賛同していた。
当時は高い株価を説明するために、通常のPERやPBRといった指標に加えTobinのQとかも現れてきた。
米国では、オープンAIが約200兆円のインフラ投資でいびつな取引を繰り返している。NVIDIAなどから巨額資金の提供を受け、同社から人工知能(AI)開発用半導体を調達している。売り手と買い手で資金が循環する手法はIT(情報技術)バブル期に類似するという指摘もあるが、耳を貸す投資家は少ない。
「上昇する相場に乗り遅れるな」という考えには既視感がある。
ニューヨークタイムズ電子版より
1.ロシア・ウクライナのエネルギー戦争
【記事要旨】
戦争の激化
– 前線が膠着する中、両国は互いのエネルギー資産を標的とした攻撃を強化している。
– ウクライナはロシアの製油所に対するドローン攻撃を実施し、製油能力の約20%を損傷させた。
– ロシアはウクライナの電力・ガスインフラを破壊し、冬季の生活と士気喪失を狙う。
制裁と経済圧力
– 米欧はロシアの石油企業(ルクオイル、ロスネフチ)に対する包括的制裁を発表。
– トランプ大統領は、両社と取引する企業にも制裁を科すと警告。
– ロシアの軍事費は来年初めて減少見込み。資金不足が兵器補充や兵士の給与に影響する恐れが出ている。
冬季の影響と戦略
– 冬は地上戦を鈍化させるが、エネルギー戦争は激化。
– ウクライナでは発電所・変電所への攻撃により緊急停電が発生。
– ロシアはガス施設への攻撃も拡大し、ウクライナのガス生産能力の約60%が麻痺している。
市民生活への影響
– ウクライナでは暖房開始の遅れやガス不足により、寒冷地での生活に深刻な影響。
– ロシア国内でもガソリン不足が発生し、一般市民に戦争の影響が及ぶ。
和平の見通し
– 両国ともエネルギー攻撃を戦略的手段と位置づけ、譲歩の兆しは見えない。
– 前線が凍結し、和平交渉が停滞する中、エネルギー戦争が主戦場となっている。
【コメント】
ロシア専門家の小泉さんの論考によると、もう一歩でロシアが和平のテーブルに着くような雰囲気だが、どうなるのだろうか。
寒さの中で過ごすウクライナ市民を何とか助けたいが、なすすべがない。
2.中国と米国、貿易協定の枠組み合意
【記事要旨】
米中両国の貿易交渉担当者は昨日、今週予定されているトランプ大統領と習近平国家主席の会談に先立ち、関税などの問題に関する協定の枠組みで合意したと発表した。
ベッセント財務長官は、中国がレアアース(希土類元素)の輸出規制を1年間延期する見込みだと述べた。トランプ大統領は、コンピューターチップなど様々な製品の製造に不可欠なレアアースに対する中国の規制に対し、中国製品に100%の関税を課すと警告していた。ベッセント長官はまた、米中両国が「TikTok(ティックトック)に関する最終合意」に達し、木曜日に韓国で行われる会談で「合意をまとめる」と述べた。
中国との交渉におけるこの進展は、トランプ大統領がカナダ製品に10%の追加関税を課すと表明したことを受けてのものだった。
【コメント】
中国の横綱相撲が目立つ交渉だ。TikTokの最終合意はまだだったのかと驚いた。
3.ルーブル美術館強盗事件でフランス警察が逮捕
【記事要旨】
フランス全土を震撼させた華々しい強盗事件から1週間後、警察は昨日、この事件で逮捕者を出したと発表したが、逮捕者数は明らかにしなかった。1人の男はパリ空港で出国しようとしていたところを拘束された。
ルーブル美術館から盗まれた8点の宝石のうち、8800万ユーロ以上の価値があるもののうち、警察が回収したかどうかは現時点では不明である。
【コメント】
とりあえずは犯人が逮捕されてよかった。どのように換金するつもりだったのかに興味がある。
其の他の記事
・カンボジアとタイは、平和推進者としてのイメージ向上を目指したトランプ大統領も出席した式典で、国境紛争の解決に向けた合意に署名した。
・アルゼンチンでは、ハビエル・ミレイ大統領の経費削減策に対する支持を測る中間選挙が行われた。
・カマラ・ハリス氏はインタビューで、大統領選への再出馬を検討していると示唆した。
2025年10月27日 月曜日