世界の動き 2025年10月30日 木曜日

今日の一言
「退職代行」
 以前ある会社の社外役員をしていた時に退職社員の退職理由に「代行」というケースが多いので、何かと思ったら「退職代行」を使った社員で、退職理由がわからないケースだと知った。その数の多さに驚いた。
 退職代行とは、本人に代わって会社に退職の意思を伝えるサービスだ。近年、精神的負担を軽減する手段として利用されることが増えている。ただし、その業務内容によっては「非弁行為」と呼ばれる違法行為に該当する可能性がある。
 「非弁行為」とは、弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で法律事務を行うことを指す。これは弁護士法第72条で禁止されており、違反すると刑事罰の対象になる。法律事務には、退職に関する交渉や請求、和解などが含まれます。
 たとえば、退職代行業者が本人に代わって会社に「退職金を支払ってほしい」「未払い残業代を請求する」「有給休暇の消化を認めてほしい」といった交渉を行うと、それは法律事務に該当し、非弁行為となる可能性がある。一方で、単に「退職の意思を伝えるだけ」であれば、法律事務とはみなされず、非弁行為に該当しないとされる場合もある。ただし、会社側が退職を拒否したり、条件交渉に発展した場合は、紛争性が生じるため、非弁行為に該当するリスクが高まる。
 今回は隆盛する退職代行への警告的な司法の動きであり、行方が注目される。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.島嶼国からの警告
【記事要旨】
 ハリケーン・メリッサはジャマイカ、キューバ、ハイチ、バハマなどを直撃し、甚大な被害と死者を出した。温室効果ガスによる海水温の上昇が嵐の激化に関係しているとされ、島嶼国は以前からこうした災害の増加を警告してきた。
 島嶼国は気候変動の原因にほとんど責任がないにもかかわらず、最も深刻な影響を受けており、復興には経済規模に匹敵する債務を抱えるほどの負担が生じている。IMFは、地域の気候レジリエンス強化に約1,000億ドルの投資が必要としていますが、先進国の支援は約束に反して減少傾向にある。
 特に米国は、トランプ政権以降、気候変動対策への資金拠出をほぼ停止し、貧困国支援の体制も解体しました。こうした状況に対し、島嶼国の代表は「すべてが失われる可能性がある」と危機感を示し、国際社会のリーダーシップと支援の欠如を強く批判している。
 来週の国連気候変動サミットでは、資金問題が主要議題となる見込みであり、島嶼国の声が改めて問われる場となる。
【コメント】
 カリブ海地域を襲ったハリケーン・メリッサの壊滅的な被害を通じて、気候変動の影響と国際的な対応の不十分さを浮き彫りにする記事だ。カリブ海を裏庭にする米国がそっぽを向いている状況が根本原因に見えるが、トランプ政権は動かない。

2.イスラエルによるガザ攻撃
【記事要旨】
 イスラエルは、ガザ地区保健当局によると、少なくとも100人が死亡した攻撃の後、停戦を再開すると発表した。
 攻撃は火曜日遅くに開始された。イスラエル政府は、ハマスが捕虜の遺体を返還せず、ガザ南部でイスラエル軍を攻撃したことで停戦協定に違反したと非難していた。水曜日、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、攻撃で「数十人のハマス司令官」が死亡したと述べた。
 ハマスは声明で、イスラエルが停戦を妨害しようとしていると非難し、米国を批判した。ガザ地区保健省のムニール・アル・ブールシュ局長は、犠牲者には35人の子供が含まれていると述べた。
 イスラエル軍は、停戦が現地時間午前10時に再開されたと発表したが、水曜日の夕方、ガザ北部の武器貯蔵施設を攻撃したとする声明を発表した。
【コメント】
 イスラエルは状況を自国に有利に解釈し攻撃の自由を有する。薄氷を踏む停戦が継続するかどうか。トランプの興味はもうガザには無いようだ。

其の他の記事
・プーチン大統領は、ロシアが津波を引き起こすことを目的とした核兵器搭載の水中ドローンの試験を行ったと述べた。
・数ヶ月にわたる攻撃の後、ロシア軍が侵入したウクライナの戦略拠点ポクロフスクでは、激しい市街戦が繰り広げられている。
・ワシントンの連邦検察官2人は、1月6日に恩赦が与えられた後、バラク・オバマ前大統領の自宅前に武装して現れた被告に対し、厳しい判決を求めた後、休職とされた。

2025年10月30日 木曜日