1) 株式市場 月間リターン(8/1–8/30,)
米国
S&P 500(終値6460.26): +1.9%、NASDAQ(同21705): +1.6%、ダウ平均(同45636.90): +3.2%。8月最終週はパウエル講演を受けて長期金利が低下、月次でもプラスで終了。
日本
TOPIX(3075.18): +4.49%、日経225(42718.47): +約4%。月中にTOPIX初の3000超え・日経も史上高値圏(4.3万台)に到達、その後は持ち高調整でやや鈍化。
2) 8月の主な出来事と株価への影響
・ジャクソンホール(8/22):パウエル議長が労働市場の下振れリスクに言及し「慎重な緩和」へ含み。これで9月利下げ観測が台頭、株高・長期金利低下・ドル安に反応。
【本当に利下げの環境が整うのだろうか】
・米インフレ指標:7月PCEは概ね想定線、一方で7月PPIは強めのシグナルもあり、利下げのペースにはなお議論余地。
・ビッグテック/AI関連決算:NVIDIAは好決算でAIテーマを再点火、月末にはDell・Marvellがガイダンスを嫌気され軟調、AI関連は強弱混在で物色の回転が発生。
【利食い100人力。今は半分は利食いの時期】
・日本株の高値更新:TOPIXが過去最高、日経は史上高値圏。円安追い風と海外資金の流入が背景。月末は利益確定で一服。
3) 金利の動き(8月)
米国金利:10年国債利回りは4.22%近辺(8/29)まで低下。パウエル講演・ウォーラー理事の利下げ示唆でカーブは低下基調に。
日本金利:10年JGBは1.6%前後で推移。超長期ゾーンの需給不安で上振れする場面もあったが、月末は落ち着き。 BOJの国債買入れ漸減も続く。
【更なる金利上昇には要注意】
4) 為替(8月のドル/円・ドル指数)
ドル/円:月後半まで147–148円台中心、パウエル講演後は147円前後までドル安/円高に振れる局面。
ドル指数(DXY):月間で下落(約▲2%)。利下げ観測強まりドル安基調。
5) 今後の主なイベント(9月以降)と株価の推定
米国
CPI(8月分):9/11(米東部)。コアの減速が確認できれば利下げコンセンサスを後押し→グロース/AI・内需(住宅/小売)に追い風。逆に粘着なら金利再上昇で高PER株に逆風。
FOMC:9/16–17。足元は9月25bp利下げ観測が優勢。利下げ開始=短期は株式にポジティブ、ただし**「景気減速が理由の利下げ」なら景気敏感は選別**に。
日本
BOJの買入れ・長期金利:10年1.6%台が続くと銀行・保険に相対追い風、金利上振れはバリュー優位/グロース調整のシナリオに。超長期の需給・入札結果は引き続き要監視。
レンジ想定(1か月程度)
S&P500:+2%〜−3%のレンジ(CPIとFOMCの組み合わせ次第)。インフレ鈍化×利下げ示唆なら上限トライ、粘着インフレなら金利上振れ→テック主導の調整も。
日経225/TOPIX:円安一服なら輸出主導の上値はやや重く。一方、国内金利の高止まりは金融・商社・エネルギーに資金が回りやすい。
6) 注目セクター/個別トピック
米国
・AI関連の二極化:半導体(NVIDIA)は好業績で牽引、一方でAIサーバー需給や顧客集中を巡りサプライチェーン銘柄(例:Dell、Marvell)は決算敏感。**「コア(設計・最上流)」>「装置・部材・周辺」>「完成機」**の順で選別色。
・金利低下で:住宅関連、ディフェンシブ(ヘルスケア/公益)に資金回帰の余地。パウエル講演後のリリーフ局面では高PERの過熱感に注意。
日本
・金融(銀行・保険):イールド拡大の恩恵、超長期のボラはあるが中期で追い風。
・自動車・機械等の輸出:円安→利益率改善の継続テーマ。高値圏ゆえイベント前の利確圧力には注意。
・インフラ・エネルギー:国内金利の上昇・資源高局面では商社/エネルギーの相対優位が出やすい(選別)。
7) プライベートエクイティ(PE)&プライベートクレジット(PC)市況
PE
・ファンドレイズは鈍化継続(H1 2025で減速、Q2は前期比▲4.6%)。ただしセカンダリーや大型旗艦は引き合いが残る。北米偏重、クロージングまでの期間は平均17か月と長期化。分配の滞りがLPの新規コミットを抑制。
・ディール/エグジットは件数は伸び悩みも、金額は前年上半期比で回復。ストラテジック売却の復調が下支え。
プライベートクレジット
・AUMは高水準だが、未投資比率(ドライパウダー)が約24%との推計も。大型案件参加やセカンダリーの活性化で消化を狙う動き。利回り妙味は維持も、流動性・エクスポージャー集中など新たなリスクに注意。
一部機関投資家はPC配分のテンポを調整し、ヘッジファンド等へ回帰の兆しというサーベイ結果も。
2025年8月30日