世界の動き 2022年11月4日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「Jアラート」
 今のところ役に立たない騒音をまき散らすシステムだ。7時44分に発射されたミサイルへの警報が鳴ったのが7時54分だった。そのころには日本を飛び越えていた時間だ(実際には日本海に落下したようだが)。対象エリアの自治体は情報収集に大わらわだったようだ。
 精度の向上が無いと、我が国のミサイル防衛の在り方そのものに疑念を持たれる。迎撃能力に期待できなければ敵基地攻撃能力を持つしか対応策がない。

ニューヨークタイムズ記事
1.COP27の見込み
【記事要旨】
 地球温暖化防止を謳う国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日からエジプトで開かれる。温暖化ガスの排出削減は進んでいない。スコットランドで開催されたG7では193か国中26か国だけが目標値の一層の削減に合意しているに過ぎない。途上国の集まりであるG77の議長国は今年はパキスタンであり水害に苦しむ同国は途上国での大幅な支援を要請する見込みだ。ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー危機で、欧州では石炭回帰が起きており目標達成は困難な国が多い。最大の排出国である中国は昨年6%排出量を増やしている。
【コメント】
 原子力発電に対し国内には根強い不信感が残っているが、再生可能エネルギー至上国のドイツは原発全廃を撤回した。欧州議会も7月に原子力発電を地球温暖化対策に貢献する「グリーンなエネルギー」と認定した。33基の原発を持つ日本が福島事故から11年を経た今も10基の再稼働にとどまっている状況をどうするか真剣な議論が必要だ。

2.ナタニエフが権力を取り戻す
【記事要旨】
 約3年半で5回目となったイスラエル総選挙(一院制、定数120)は3日開票が終了し、ネタニヤフ元首相の支持派が過半数を獲得した。同氏は首相復帰に向け、勝利に貢献した極右政党などと連立政権樹立の協議を主導する。対パレスチナ政策が強硬になり、対米関係に影響する可能性がある。
【コメント】
 ネタニヤフ勝利を後押ししたのは極右政党「宗教シオニズム」の躍進だ。14議席に増え、第3党に浮上した。同党のベングビール議員はパレスチナ人の追放など過激な主張で極右の支持を集めた。ネタニヤフ氏はベングビール氏を入閣させる構えだ。

3.カーン氏が銃撃される
【記事要旨】
 パキスタンのカーン前首相が3日、政治集会で両足を撃たれた。カーン氏が率いる政党の関係者によると、暗殺未遂で命に別条はないという。カーン氏の他にも6人が負傷し、治療を受けているという。4月の不信任投票で首相を解任されたカーンは復帰を目指して政治運動を活発化させていた。2007年のブット首相の暗殺以来最大の政治家へのテロ行為だ。
【コメント】
 他国で起こると大きな衝撃を受ける。安倍前首相の暗殺も同じような衝撃を世界にもたらしたのだろうと思われる。

その他:
北朝鮮のミサイル発射
 North Korea launched six more missiles yesterday. Parts of Japan were on alert.
ショルツ首相の訪中
 Olaf Scholz, the German chancellor, is in China today, Deutsche Welle reports. He is the first E.U. leader to visit the country since the pandemic began.
一柳慧さんの死去
 Toshi Ichiyanagi, an avant-garde pianist and Japanese composer who was once married to Yoko Ono, died last month at 89.
(私は一柳さんを全く存じませんでした)

2022年11月4日 金曜日