世界の動き 2024年6月10日 月曜日

今日の言葉:
「米国の株高の行方」
 NVIDIAの株式分割が終わり、上期のハイテク株の過熱状況だけでは株高を維持できないという見方が広まっている。下期に株式市場が上期同様のリターンを出すには、株高の裾野の広がりが必要だ。
 テク大手の利益の伸びは今後著しく鈍化する見通しだが、素材やヘルスケアといった業界では利益拡大が見込まれており、株高を維持する可能性が高いというのが楽観的なシナリオだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.フランス大統領、EU投票後に再選挙を要求
【記事要旨】
 欧州選挙で極右に大敗したフランスのエマニュエル・マクロン大統領は昨日、下院を解散した。同大統領は6月30日から議会選挙を開始するよう要求した。
 マクロン大統領の決定は、欧州議会選挙の結果がいかに悲惨であるかを示すものだった。同大統領の中道政党は、フランスの第一党となるマリーヌ・ル・ペン氏の極右国民連合の約半分の支持を得て選挙を終える見込みだった。
 「国家主義者や扇動家の台頭は、我が国と欧州にとって危険だ」とマクロン大統領は述べた。「この日以降、何もなかったかのように過ごすことはできない」
 EU加盟27カ国が実施する欧州議会選挙の初期予測では、いくつかの極右政党が大幅な得票数を伸ばしたとみられる。結果が確定すれば、有権者の不満を測る強力な指標となり、政権与党への痛烈な非難となるだろう。
 「この動きは広く予想されておらず、その影響はまだ不明なので、マクロン大統領がなぜ今この動きを決めたのか、はっきりと言うのは少々難しい」とフランスを担当する同僚は語った。「しかし、彼の国内政策は過去2年間、下院で多数派によって妨げられており、極右勢力の強さが、これまで通りのやり方ではもう進めないと大統領を確信させたようだ。」
 右派の台頭:有権者がナショナリズムとアイデンティティに集中したため、右派政党は勢力を伸ばした。これらのテーマは移民や文化政策と結びつくことが多い。コロナ政策に対する長引く怒りも一因となった可能性がある。
 マクロン大統領の決断は、7月にパリで夏季オリンピックが開幕する数週間前に下され、フランスに深刻な政治的不確実性の時代をもたらした。
 ドイツ:同国当局によって公式に「疑わしい」過激派グループとされた極右政党「ドイツのための選択肢」が好成績を収めた。予測される結果では、同党はドイツで第2位の政党となるだろう。
【コメント】
 EU議会を巡る動きや指導者の腐敗・失政いついては以下の記事がとても役に立つ。
 「欧州議会選挙2024:フォン・デア・ライエン委員長再選を巡る議論」川口 マーン 惠美
 https://agora-web.jp/archives/240604235424.html

2.ベニー・ガンツ、イスラエル政府を辞任
【記事要旨】
 戦争内閣の主要メンバーであるイスラエルの政治家ベニー・ガンツは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相のガザ戦争への対応を理由に昨日政府を辞任した。この動きでネタニヤフ首相が辞任に追い込まれる可能性は低いが、ガンツの穏健な立場は政府の国際的信用を高めるのに役立っていた。
 先月、ガンツは、ネタニヤフ首相が人質の帰還やガザの将来の統治など、重要な問題に直ちに答えるよう努力しなければ辞任すると脅した。ガンツの政党がなければ、首相の政府は右派のリクード党、2つの極右政党、2つの超正統派派閥で構成されることになる。アナリストらは、ガンツの辞任は連立政権内の極右大臣らを勇気づける可能性があると述べている。
 戦争:イスラエルが土曜日にガザ中央部で人質4人を救出する作戦をとった際、激しい空爆と地上作戦が行われ、200人以上が死亡したと、同地域の病院関係者が語った。
 イスラエル:救出に対する高揚感はすぐに厳しい現実に取って代わられた。ガザには約120人の捕虜が残っており、イスラエル人は人質救出の時間がなくなりつつあることを恐れている。イスラエル当局は既に人質の約4分の1が死亡していると発表している。
 ガザ中央部:衛星画像では、ラファに逃げた人々が再び移動し、新たなテント村が出現している様子が映し出されている。
【コメント】
 4人の救出に狂喜するイスラエル市民の映像と、新たな空爆の犠牲となった多くのガザ市民の映像が同時に流れる。何度も繰り返すが「小の虫は殺しても構わない」イスラエルの国是は変らない。

3.モディ首相、3期目開始
【記事要旨】
 ナレンドラ・モディ氏は昨日、インド首相として3期目の就任宣誓を行った。連立政権を余儀なくされ、議会の過半数を失った今、同氏は謙虚に控えめな口調を取っている。
 同氏は金曜日の演説で「政府を運営するには過半数が必要だ。だが、国を運営するには合意が必要だ」と和解的な口調で語った。また、同氏は主要な連立パートナーを前面に押し出した。しかし、疑問は残る。モディ氏は、20年以上の選挙で政権に就いたが、合意形成の担い手になれなかった。
【コメント】
 とりあえず連立政権でのモディ首相のお手並み拝見というところ。

その他の主要記事
ベトナム:
 当局はフェイスブックへの投稿を理由にトップジャーナリストを逮捕し、「民主的自由を乱用した」と非難した。人権団体によると、この容疑は政府の批判者に対して頻繁に使われている。
英国:
 リシ・スナク首相は、フランスでのノルマンディー上陸作戦記念式典から早めに退席したことを謝罪した。
ウクライナ:
 米軍は、ロシアが依然として砲兵力で優位に立っているものの、米軍の砲弾は効果を上げていると述べている。
イラン:
 今月行われる大統領選挙には、国会議長を含む6人の候補者が出馬することが承認された。
米国:
 ノースダコタ州知事のダグ・バーグム氏が、ドナルド・トランプ氏の副大統領候補として浮上している。
西アフリカ:
 この地域における米国主導の長年にわたる高額な対テロ活動は、ほとんど失敗に終わった。

朝の読み物
 日本の円安は観光客を日本に引き寄せている。しかし、京都などの都市の人気観光地が手に負えないようになり、かつては観光客に知られていなかった場所に外国人観光客が殺到するようになり、一部の日本人住民は不満を募らせている。

2024年6月10日 月曜日

 

よくある不正事案 (備忘録的メモ)

Googleアラートで「金融庁」をフォローするといろいろな事案が上がってくる。最近の事案で最も大きいのが三菱UFGによる顧客情報の共有事件だ。

6月7日の Business Journal に詳しいフォロー記事が掲載されていた。示唆に富む記事なので引用したい。

『三菱UFJ銀行が顧客企業の事業統合などに関する非公開の情報を、同じグループ傘下の三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券に流していたとして、証券取引等監視委員会が3社を行政処分するよう金融庁に勧告する検討に入ったという。
7日付け日本経済新聞記事などが伝えている。三菱UFJ銀行が顧客企業に対し、証券2社との取引を条件に貸出金利を優遇することなども提案していたという。

三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスが合併して2005年に発足したのが三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。商業銀行、信託銀行、証券会社、カード会社、消費者金融会社、資産運用会社などを傘下に持つ総合金融グループだ。

連結総資産は約404兆円(2024年3月末時点)を誇る国内1位の金融グループ。24年3月期の純利益は過去最高の1兆4907億円で国内金融グループ1位であり、同期決算の純利益ベースでは1位のトヨタ自動車に次いで国内2位。中核の三菱UFJ銀行の預金残高は国内トップの約200兆円と名実ともに国内トップバンクの座にある。

MUFJの行動の何が問題か? 「銀行は融資などで顧客企業の生存を左右する力を持つ優先的地位にあり、その地位を利用してグループの証券会社を利用するよう圧力をかけていたことになり、『ウチの証券会社を使ってくれないなら、貴社は損することになりますよ』と脅しているようなもの。法的問題以前に銀行のモラルとしてアウトで、極めて悪質だ。また、銀行は一定の条件を満たせば証券の仲介はできるが、勧誘行為は認められておらず、貸出金利優遇をダシにグループの証券会社の利用を迫るというのは、まさに勧誘行為に該当する」(証券会社社員)

なぜMUFGは不正に走ったのか? 「旧三菱UFJ証券とモルガン・スタンレーの提携がスタートして10年以上たつが、純利益ベースでは野村ホールディングス、みずほ証券、大和証券に遠くおよばない状況が続いている。背後からは2年前の相場操縦事件の傷が癒えて業績が伸びているSMBC日興証券が迫ってきており、数年以内に抜かれる恐れもある。そうしたなかで、なんとか証券部門の業績を底上げしなければならないという強いプレッシャーが、グループ内で生じていたのではないか」(別の証券会社社員)』

海外ではこの手の事件は自分の報酬・ボーナスを大きくするのが主なインセンティブだ。日本では、ボーナスで巨額な違いが出るのはまれであり、優秀な成績を基に出世するのがインセンティブになっているのだろうと思われる。

いずれにしても、優越的地位を利用して顧客にいうことを聞かせるのは昔も今も変わらない金融機関の体質だ。画期的な商品の提供で顧客に納得してもらい儲けるのが商売の王道だ。

2024年6月9日 日曜日

ダイハツの内部監査(備忘的メモ)

 同社の「抜本的な再発防止策についてのご報告」(2024年2月9日公表)より

 具体的な再発防止策
 ⑥内部監査体制の強化
これまでは、監査部として執行側で行うべきコンプライアンスなどの事務局業務に工数の多くをとられ、本来行うべき内部監査業務を十分に行えていませんでした。
 今後は、幅広く、第三者的に監査部が内部監査に注力・専念できる組織にします。その為に、次の 3 点について対応を行います。

 一つ目は、これまでできていなかった、開発、認証プロセスも含めた会社の各機能に対して、網羅的に監査を実施します。
 二つ目は、監査を確実に行うために必要な知見及び人員のリソースを改めて検証したうえで、必要な人員を確保します。
  三つ目は、GRC 推進部(仮称)を設立し、本来執行側にて行うべきリスクマネジメント・コンプライアンスなどに関する事務局業務を移管し、本来取り組むべき内部監査に注力、専念します。

<監査部:内部監査対象>
 1) 経営・ガバナンス
 2) SDGs(人権、環境その他)
 3) 労務・購買・経理・情報管理
 4) 製品監査(開発~認証~生産)
 5) 販売・サービス

<専門組織・委員会の新設>
 会社全体のリスク・コンプライアンスを把握しコントロールする機能として、GRC 推進部(仮称)を新設します。
 各本部からリスク・コンプライアンスを吸い上げ、分析・評価を実施して、後述の GRC 委員会(仮称)へ上程します
 併せて、会社としてリスク・コンプライアンス情報を認知し経営判断を行う機関として、最高リスク管理責任者(取締役)をトップとした GRC 委員会(仮称)を立ち上げます。

<GRC 委員会(仮称)の概要について>
目的 :リスクマネジメント・コンプライアンスについての会社としての判断を行い、執行側の具体的活動、継続的改善を促進する。
開催頻度 :年 4 回
メンバー構成:最高リスク管理責任者(取締役)、
       取締役・監査役(外部)、本部長
立ち上げ時期:2024 年 4 月(予定)

【コメント】
 ダイハツの第三者委員会が出した調査報告書(2023年12月20日公表)によると、内部監査は2018年に、法規認定室を対象とした型式認定プロセスの適正性監査を実施した。業務プロセスは「上司の承認プロセスが遵守され、がんじがらめの内外ルールで不正の入り込む余地はない」と結論付けている。その後は同様の監査は実施されていない。
 内部監査が行う業務監査としては不十分と言わざるを得ない。
 今回の不正を踏まえ、内部監査には監査のスコープを広げ、能力のある監査人を揃え、適切な業務監査を行ってもらえる体制を整備するという経営陣の意思が読み取れる。
 GRC委員会を作り、ガバナンス、リスク・コントロール、コンプライアンスを一元的に管理する委員会を整備するのは一歩前進だが、「仏作って魂入れず」にならないように注視する必要がある。

2024年6月8日 土曜日

世界の動き 2024年6月7日 金曜日

今日の言葉
「株式市場の寡占」
マイクロソフト、エヌビディア、アップルの3社を合わせた時価総額は、今や中国の株式市場よりも大きい。
ブルームバーグがまとめたデータによると、時価総額の合計は約9兆2000億ドル(約1437兆円)で、最も価値のあるハイテク企業3社は、香港を除く中国株式市場の時価総額、約9兆ドルを追い抜いた。
モメンタムと成長を求める投資家は、強力な競争優位、高い利益率、堅固なバランスシートを理由にマイクロソフト、アップル、エヌビディアの3社を信頼し続けるだろう。
投資家としてはこれらの企業を外して株式投資することは出来ない。しかし、忘れてはならないのは、これらの企業はほぼ同業種と見做すことが出来るので、結果的に「卵を一つの籠に盛る」ことになることだ。
リスクをどうヘッジするかは大きな課題だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事(今日はインドの記事一つだけです)
1.モディ氏の選択
【記事要旨】
ナレンドラ・モディ氏は、予想よりもはるかに僅差ではあったが、インドの首相に再選された。3期連続の任期で、このカリスマ的な強権政治家は、数世代にわたってインドで最も重要な指導者としての地位を固めた。
10年間インドを率いてきたにもかかわらず、モディ氏はある意味では、自身のビジョンについて国民を当惑させてきた。インドの関係、経済、社会、政府といった主要な問題に関して、モディ氏がインドをどのような国にしたいのかは、まだはっきりしていない。
今日のニュースレターでは、4つの大きな疑問について説明しよう。

⓵インドはどこで友人を見つけるのか?
インドはここ数年、米国との関係を深めてきた。日本やオーストラリアなど米国の同盟国との距離を縮め、将来的に依存を生み出すような高性能の米国製兵器システムを発注した。インドが中国側につく可能性は低い。2020年、中国軍がインド支配地域に侵入し、小競り合いで兵士20人を殺害した。それ以来、モディ首相は北京と距離を置いてきた。
だが、73歳のモディ首相は、米国と同盟を組みたくないという姿勢を示している。側近の中には、依然として米国を警戒している政府関係者もいる。米国の外交官は、インド政府が民主主義の規範と少数派の権利を侵害しようとしていると不満を漏らしている。そのため、インドは選択肢を残している。ロシアがウクライナに侵攻した後、米国はインドに戦争反対の立場を取るよう説得しようとしたが、無駄だった。インドは今もロシアの石油を加工している(国際制裁によって生じた余剰分を引き取っている)。武器は今もロシアから購入している。
インドは冷戦中、非同盟国としての立場を取ろうとしてきた。古い習慣はなかなか消えない。

➁どのような経済にするか?
インドは最近、中国を追い抜いて人口が最も多い国となり、最も急成長している経済大国となった。それでも、国の大部分は依然として貧困状態にある。約8億人が腹を満たすための支援を必要としている。彼らを助ける方法に関するモディ首相の考えは、グローバル志向であると同時に保護主義的でもあるため、矛盾している。
1つの道は、輸出用の製品を製造することで貧困から脱却した東アジア諸国に倣うことだろう。そのために、モディ首相は2014年に「Make in India」イニシアチブを開始し、世界の工場として中国に取って代わる取り組みを始めた。しかし、モディ首相が新たな補助金を投入したにもかかわらず、輸出はほとんど伸びていない。一部のインド人経済学者は、ITや遠隔専門職などのサービスの輸出に重点を置く方が良いと述べている。
モディ首相のもう1つのビジョンは「自立したインド」であり、これはインドのグローバルサプライチェーンへの露出を減らすことになる。インド企業を外国との競争から守ることは、外国との競争に備えることと矛盾している。
大きな経済的決断を前に、モディは時々曖昧な態度を見せる。レーガンやサッチャーのように、彼は政府を縮小すると約束して権力を握った。実際には、政府はほとんどの分野で強権をふるい、急進的で、時には中途半端な改革を命令で押し付けている。

③少数派グループを保護する?
インドの建国者は、多様性のある世俗的な共和国のために憲法を作成した。モディは、国を明確なヒンズー教国家として作り変えてきた。彼は、国内で唯一イスラム教徒が多数派を占める州であるジャンムー・カシミール州を、厳重に警備された連邦領土に変えた。彼は、暴徒がモスクを破壊した紛争地に巨大なヒンズー教寺院を建てた。今年の選挙運動中、彼は人口の14%を占めるイスラム教徒を「侵入者」と呼んだ。インドのイスラム教徒は、自分たちが二級市民にされたと言っている。
モディ首相の3期目は試練となるだろう。ヒンドゥー教国家主義のプロジェクトは達成されたのか、それとも、ある宗教の優位性を主張するためにまだできることがあるのか​​。イスラム教徒を正しい位置に置こうという呼びかけは、モディ首相の政党の生命線であり、非常に多様でカーストに分裂したヒンドゥー教徒の中で多数派を獲得する。3期目には、歴史的なモスクをヒンドゥー寺院に置き換えるよう運動するなど、新たなターゲットを選ぶかもしれない。しかし、党のヒンドゥー教第一主義のプロジェクトに縛られていない新たな政治パートナーによって、モディ首相は制約を受けるかもしれない。

⓸どの程度の権威主義か?
モディ氏が長きにわたって人気を保っている理由の1つは、彼が効果的であることだ。モディ氏はしばしば突然改革を強行し、大胆さや驚きの要素さえも頼りにして官僚主義を打破する。税制を合理化し、半導体産業をゼロから立ち上げた。彼はいかなる障害にも我慢しない。
その結果、世界最大の民主主義国は多くの民主主義の規範を無視している。警察は野党指導者を投獄し、政治犯の数を増やした。選挙管理委員会はモディ氏支持の任命者で固められている。司法は政府の優先事項をほとんど妨げない。
モディ氏は職は保ったようだが、議会の過半数を失った。今度は連立政権のパートナーをなだめ、大きな変更について協議する必要がある。そうすれば、フェアプレーを維持するために作られた制度の一部が守られるかもしれない。
もう一つの可能​​性は、モディ首相がこれまで以上に厳しく取り締まり、直属の機関をフル活用して、活気あふれる競争相手に負けないよう党が優位に立つようにすることだ。モディ首相は弾圧に関する苦情にもかかわらずここまでやって来た。もし今、彼の足かせとなるものがあるとすれば、それは彼の新しい連立政権内部から来るだろう。
さらに詳しく:
インドやトルコのような国では、独裁主義的な指導者が権力を固めるのではないかと懸念されていたが、民主主義は強靭であることが証明された。
世界の投資家は中国では得られない利益を求めてインドに目を向けている。

ガザの戦争:
イスラエルの空爆により、数千人のパレスチナ避難民の避難所となっていた国連の学校施設で数十人が死亡した。
イスラエルは、目隠しと手錠をかけられたガザの人々を、法的代理人もつけずに軍事基地に拘留している。

D-Day80年
バイデン大統領:
ノルマンディーで、彼はロシアの侵攻に抵抗するウクライナの努力を、第二次世界大戦中にヨーロッパ中で激化した自由を求める戦いに例えました。
別の時代:
上陸作戦の80周年は祝賀行事ですが、厳粛なものだ。ヨーロッパは問題を抱え、不安に陥っており、過激主義が自由民主主義を蝕んでいる。

その他の記事
SpaceX:
同社のスターシップロケットは打ち上げに成功し、宇宙からの初の帰還を完了した。
EU:
議会選挙は日曜日に終了した。気候変動対策への反発が右派に力を与えた。
ウクライナ:
2022年にモスクワ軍を撃退したスミ市の住民は、新たな猛攻撃に備えている。
欧州:
欧州中央銀行は、インフレ撲滅キャンペーンの終了を告げ、ほぼ5年ぶりに金利を引き下げた。
ロシア:
当局は、ロシア軍に関する情報収集の疑いでフランス人を拘束した。
気候:
米国は、東南アジアの中国企業が製造した太陽光発電製品に関税を追加。
チリ:
高電圧送電塔に木が倒れ、首都サンティアゴで40万人以上が停電した。

2024年6月7日 金曜日

世界の動き 2024年6月6日 木曜日

今日の言葉
「プロにはプロ向けの説明で十分」
以下Bloomberg記事より。
『手数料開示は不要と判断
ヘッジファンドやプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社に手数料と経費の詳細を投資家に毎四半期説明することを義務付けた米証券取引委員会(SEC)の規則について、米連邦高裁は無効との判断を示した。
ニューオーリンズの高裁判事3人は、SECが権限を逸脱しており、プライベートファンドに資金を投じる「極めて精通している」投資家にこうした規則は不要だと主張する業界団体を支持した。
プライベートファンド業界を取り締まりたい当局にとって打撃となった。SECは判断を精査しており「適切な次の段階を決める」とした。』

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.戦争がスーダンを奈落の底へと突き落とした
【記事要旨】
NYタイムズの同僚のデクラン・ウォルシュと写真家のアイヴァー・プリケットは、過去1年間、外国人記者がほとんど立ち入ることができなかったスーダンで3週間を過ごした。2023年4月に紛争が勃発して以来、何百万人もの人々が避難を余儀なくされ、迫りくる飢きんが何十万人もの子どもたちの命を脅かしている。
首都でありアフリカ最大の都市の1つであるハルツームは、戦争で焦土と化した。2人の将軍の確執がスーダンを内戦に引きずり込み、この都市は世界最悪の人道的災害の震源地となった。
米国の推計によると、戦闘開始以来、15万人もの人々が死亡した。900万人が家を追われ、スーダンは世界最大の避難の危機の地となっていると国連は述べている。20年前に戦争犯罪の代名詞となった地域であるダルフールは、今や新たな大量虐殺の脅威にさらされている。
国連は、今後数か月で飢餓により22万人以上の子供が死亡する可能性があると警告している。放置すれば、1980年代のエチオピアの飢餓に匹敵する規模になる可能性がある。
現地の状況:静まり返った飢餓病棟では、飢えた赤ん坊たちが命を懸けて戦っている。数日ごとに、赤ん坊が1人ずつ死亡する。ナイル川上空に砲弾が舞い、病院や家屋を襲う。国営テレビ局は拷問室として使われた。
今後:米国主導の和平交渉は行き詰まっている。スーダン国家は崩壊しつつあり、脆弱な地域を巻き込む恐れがある。専門家は、チャド、エリトリア、南スーダンなどの近隣国が巻き込まれるのは時間の問題だと述べている。
【コメント】
スーダンはエジプトの南隣にある国だ。
首都:ハルツーム(ナイル川の源流である青ナイル川・白ナイル川の合流点、政治・軍の中枢)
言語:アラビア語(公用語)、英語も通用、その他 部族語多数
人種・民族:主としてアラブ人、ヌビア人、ヌバ人、フール人、ベジャ人等(200以上の民族が混在)
宗教:イスラム教、キリスト教、伝統宗教
面積:188万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口:4,565万人(2021年、世銀)

2.イスラエルは米国の世論に工作
【記事要旨】
イスラエルは昨年、偽のソーシャルメディアアカウントやニュースサイトを使って米国議員にガザ戦争への支持を訴えるキャンペーンを組織し、資金を提供していたことがタイムズ紙の調査で分かった。この秘密の取り組みは、イスラエルが米国の世論を動かすためにどこまでもやろうとしていたことを示している。
このキャンペーンは10月に始まり、Xで現在も活動中だ。ピーク時には、本物の米国人を装った何百もの偽アカウントが親イスラエルのコメントを投稿した。米国は長年イスラエルの最も忠実な同盟国の一つであったが、ガザ戦争は多くの米国人に不評で、民間人の死者が増えていることを前にバイデン大統領にイスラエルへの支持を撤回するよう求めている。
詳細:キャンペーンは広範囲に影響を及ぼさなかったと、MetaとOpenAIは先週述べた。Xはコメント要請に応じなかった。
ガザ:CIA長官はカタールで会談したが、イスラエルとハマスは最新の停戦提案をめぐって依然として大きな隔たりがあるようだ。
【コメント】
現在は情報戦でロシア、中国、北朝鮮、イスラエルが主に海外の世論を操作するために偽情報を流している。国内の選挙結果に影響を与えようと、日本、米国、インドと言った民主主義国でもこうした動きが出てくるのは不可避だ。怖い報道だ。

3.国連、地球の熱波は今後も記録を更新し続けると発表
【記事要旨】
地球はすでに過去10万年で最も高い気温のいくつかを経験している。しかし国連気象機関は本日、2028年までに地球がさらに最も暑い年を記録する可能性が90%近くあると発表した。
今からその時までの間に、世界の平均気温が産業革命の幕開けの頃よりも1.5度(華氏2.7度)高くなる可能性もほぼ同じくらい高い。これは2015年のパリ協定で各国が回避しようとしたレベルだ。
【コメント】
随分世界中で努力しているようだが、少しも効果がなさそうだ。

その他の主要記事
インド:
ラフ​​ル・ガンディーと彼の政党であるインド国民会議は、選挙で力強い結果を残し、復活の兆しを見せている。
宇宙:
NASAの宇宙飛行士2人が昨日、ボーイング社製のスターライナーカプセルで宇宙ステーションへの軌道に向かった。これまでの2回の打ち上げは中止されていた。
ニューヨーク:
知事は、米国初の試みとなるはずだったニューヨーク市の混雑料金制度を、施行の数週間前に棚上げにした。
ドイツ:
極右政党の市議候補がカッターナイフで切りつけられ、EU選挙を前に暴力沙汰への懸念が高まっている。
軍事:
米国と同盟国の諜報当局は、北京が元戦闘機パイロットを教官として採用する取り組みを強化しているとの報道を受け、元中国軍人を訓練しないよう警告した。
レバノン:
銃撃犯がレバノンの米国大使館に銃を乱射。同国の治安部隊に射殺された。
アマンダ・ノックス:
彼女は2007年にイタリアで同居人を殺害した事件に関して無罪となった。彼女はこれ以上の刑期を服さない。
ウクライナ:
ロシアの攻撃で電力網が弱体化したため、当局は計画停電を命じた。エネルギー消費がさらに増える冬に何が起こるのか、多くの人が心配している。
フランス:
刑務所の看守2人を殺害し、囚人1人を解放した武装した襲撃者の捜索は3週目に入った。容疑者はまだ逃走中である。
ヨーロッパ:
指導者たちは、ヨーロッパ大陸が米国と中国の生産性に追いつけないと懸念している。

ノルマンディ上陸80周年
今日は連合軍がノルマンディーに侵攻したDデイの80周年記念日だ。残された退役軍人の多くは、北フランスの海岸を訪れるのはおそらくこれが最後になるだろう。彼らの数は200人未満。平均年齢は約100歳だ。
その一人が、98歳のビル・ベッカー。彼はアメリカ人の砲手だった。「私は生き延びた」と彼は疲れた笑顔で言った。

2024年6月6日  木曜日