株価は底を打った!?

 多くの人にとって株価の先行きは大きな懸念事項であろう。現在の株価は更に下がるのか、あるいはこれから上昇して行くのだろうか。私見を述べてみたい。

 ウォールストリートの大勢は、まだ下がるというものだ。株価は景気後退入りの数か月前にピークを打ち、景気回復が始まる数か月前にボトムアウトする、と言うのが伝統的なウォールストリートの株価の長期トレンドに関する見方だ。それによれば、米経済のリセッション入りが来年初めだとすれば、株価はまだ下がるという見方だ。

 一方、11月2日のFOMCでの0.75%の政策金利の引き上げ決定後の会見でのパウエル議長のコメント「インフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む。誘導目標レンジの今後の引き上げペースを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」を受けて、インフレの鎮静化が間近であり。政策金利のこれ以上の大幅な上昇は無いので、株式投資の好機到来ととらえる投資家も出てきている。

 さて筆者はどう見るか。市場全般を見るとこれ以上の大幅な下落は無いのではないかと見る。ただ株式市場全体の動きにベットするのではなく、割安株を慎重に見極めることが従来以上に重要だと思われる。20年先の日常生活の変化を見込んで随分安くなっているメタを買ってみる、とか、安定配当を狙って鉄道株を仕込むと言った動きが考えられるだろう。

2022年11月5日 土曜日

世界の動き 2022年11月4日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「Jアラート」
 今のところ役に立たない騒音をまき散らすシステムだ。7時44分に発射されたミサイルへの警報が鳴ったのが7時54分だった。そのころには日本を飛び越えていた時間だ(実際には日本海に落下したようだが)。対象エリアの自治体は情報収集に大わらわだったようだ。
 精度の向上が無いと、我が国のミサイル防衛の在り方そのものに疑念を持たれる。迎撃能力に期待できなければ敵基地攻撃能力を持つしか対応策がない。

ニューヨークタイムズ記事
1.COP27の見込み
【記事要旨】
 地球温暖化防止を謳う国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日からエジプトで開かれる。温暖化ガスの排出削減は進んでいない。スコットランドで開催されたG7では193か国中26か国だけが目標値の一層の削減に合意しているに過ぎない。途上国の集まりであるG77の議長国は今年はパキスタンであり水害に苦しむ同国は途上国での大幅な支援を要請する見込みだ。ロシアのウクライナ侵略に伴うエネルギー危機で、欧州では石炭回帰が起きており目標達成は困難な国が多い。最大の排出国である中国は昨年6%排出量を増やしている。
【コメント】
 原子力発電に対し国内には根強い不信感が残っているが、再生可能エネルギー至上国のドイツは原発全廃を撤回した。欧州議会も7月に原子力発電を地球温暖化対策に貢献する「グリーンなエネルギー」と認定した。33基の原発を持つ日本が福島事故から11年を経た今も10基の再稼働にとどまっている状況をどうするか真剣な議論が必要だ。

2.ナタニエフが権力を取り戻す
【記事要旨】
 約3年半で5回目となったイスラエル総選挙(一院制、定数120)は3日開票が終了し、ネタニヤフ元首相の支持派が過半数を獲得した。同氏は首相復帰に向け、勝利に貢献した極右政党などと連立政権樹立の協議を主導する。対パレスチナ政策が強硬になり、対米関係に影響する可能性がある。
【コメント】
 ネタニヤフ勝利を後押ししたのは極右政党「宗教シオニズム」の躍進だ。14議席に増え、第3党に浮上した。同党のベングビール議員はパレスチナ人の追放など過激な主張で極右の支持を集めた。ネタニヤフ氏はベングビール氏を入閣させる構えだ。

3.カーン氏が銃撃される
【記事要旨】
 パキスタンのカーン前首相が3日、政治集会で両足を撃たれた。カーン氏が率いる政党の関係者によると、暗殺未遂で命に別条はないという。カーン氏の他にも6人が負傷し、治療を受けているという。4月の不信任投票で首相を解任されたカーンは復帰を目指して政治運動を活発化させていた。2007年のブット首相の暗殺以来最大の政治家へのテロ行為だ。
【コメント】
 他国で起こると大きな衝撃を受ける。安倍前首相の暗殺も同じような衝撃を世界にもたらしたのだろうと思われる。

その他:
北朝鮮のミサイル発射
 North Korea launched six more missiles yesterday. Parts of Japan were on alert.
ショルツ首相の訪中
 Olaf Scholz, the German chancellor, is in China today, Deutsche Welle reports. He is the first E.U. leader to visit the country since the pandemic began.
一柳慧さんの死去
 Toshi Ichiyanagi, an avant-garde pianist and Japanese composer who was once married to Yoko Ono, died last month at 89.
(私は一柳さんを全く存じませんでした)

2022年11月4日 金曜日

世界の動き 2022年11月3日 木曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
 「補欠監査役・補欠監査等委員」
 株式会社の監査役(以下監査等委員も同様)の人数は定款により定められるが、監査役の任期途中の辞任や解任、死亡などの理由により、必要人数を欠けてしまう場合がある。このような場合に備えて補欠の監査役を選任しておくことが可能であり、大手企業では選任しておくのが普通だ。
 最近の報道で、元JOC会長の竹田恒和氏がパーク24の監査等委員を突然に辞任した。パーク24のニュースリリースは以下になっている。「上記監査等委員の辞任により、当社監査等委員1名の欠員が生じることになりますので、後任の監査等委員が就任するまでの間、会社法第 346 条第1項の規定により、竹田恆和氏は監査等委員としての権利義務を有することとなります。会社法第 346 条第2項に規定する一時役員の職務を行うべき者の選任を裁判所に速やかに申し立てる予定であります。後任者につきましては、上記の手続きが完了次第、お知らせいたします。」
 パーク24が補欠監査等委員を選任していなかったためのドタバタだ。竹田氏の辞任の理由があれこれ憶測される理由になっている。

ニューヨークタイムズ記事
1.エチオピアの停戦
【記事要旨】
 エチオピアで戦闘を続けている政府軍と反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」は2日、南アフリカで開いていた和平協議で、停戦に合意した。エチオピア北部ティグレ(Tigray)州で2年前に始まった内戦はで50万人が死亡したとされる。エチオピア政府とTPLFとの正式な和平協議は今回が初めてで、10日間の交渉で合意した。和平交渉を仲介したアフリカ連合は「今日は、エチオピア、アフリカの角(Horn of Africa)、そしてアフリカ大陸全体にとっての新たな夜明けの始まりだ」としたが「この瞬間は和平プロセスの終わりではなく、始まりだ。本日署名された合意内容の履行が重要だ」と指摘した。
【コメント】
 この辺は全く日本では報道が無いが、2021年来何度か休戦が発表された記憶がある。停戦の継続を期待したい。

2.北朝鮮はミサイルを発射
【記事要旨】
 北朝鮮は昨日23発のミサイルを発射した。ミサイルが166キロ近くに着弾したウルルン島では警戒警報が鳴り響いた。韓国は空対地ミサイル3発を発射して対応した。北のミサイル発射は二日前に始まった米韓合同軍事演習への対抗と見られる。北は今年28発の弾道弾を発射し特に10月4日は日本を飛び越す長距離弾道弾を発射している。
【コメント】
 食料も電力も自国民に供給出来ない独裁者がミサイルを発射しまくって世界を挑発している。

3.ロシアは穀物協定に復帰
【記事要旨】
 ウクライナ産穀物の安全な輸送を保証する合意の再開をロシアが受け入れた。ロシアは週末に合意の一方的な停止を発表し、穀物市場の混乱と価格急騰を招いていたが、ロシア国防省が黒海経由の穀物輸出合意への参加を再開すると確認した。ウクライナから書面で、安全が保証された回廊は穀物輸出にのみ利用されるとの確約を受け取ったためだという。ウクライナは軍事目的に回廊を使用することはないと繰り返し主張している。ロシアの合意停止は、ロシアを支持的なトルコとサウジアラビアの強い反発を招いていた。
【コメント】
 事態はまだまだ流動的だと思われるがとりあえずは良いニュースだ。穀物市場は乱高下するだろう。

その他:
イスラエルの総選挙
 Benjamin Netanyahu has a growing lead in Israel’s election, as vote counting continues. Official results are not expected until tomorrow.
 The results are already a win for Israel’s emboldened right wing, but three small parties could still get enough votes to block Netanyahu’s ascent.
 Netanyahu, Israel’s longest-serving prime minister, would return to office in the midst of a corruption trial.
FEDの金利引き上げ
 The U.S. Federal Reserve raised interest rates again to fight persistent inflation. The move could have ripple effects across the globe.
カナダの移民受け入れ計画
 Canada is aiming to add 1.45 million immigrants by 2025, an effort to fill job vacancies.
(カナダの人口は39百万人だから約3.7%の移民受け入れになる。日本に当てはめれば4.9百万人の移民受け入れだ)

2022年11月3日 木曜日

世界の動き 2022年11月2日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「クラブカルチャー」
 BS放送で昨夜ベルリンのタクシー運転手の話を観た。運転手の一人がベルリンのナイトクラブを紹介していた。レディ・ガガやイーロン・マスクの入店を拒否した物的な豊かさを唾棄する左寄りのクラブや右寄りのクラブやいろいろなクラブがベルリンの夜を彩っているそうだ。ベルリンを訪問する観光客の3人に一人がクラブへ行くのが目的だそうだ。
 そういえばナチスが台頭する直前にもベルリンでナイトクラブの爛熟期があった。今後のクラブカルチャーの行方に注目したい。

ニューヨークタイムズ記事
1.イスラエルの総選挙
【記事要旨】
 不安定な政治状況が続くイスラエルで1日、4年で5回目となる異例の総選挙の投票が始まった。前回の選挙で政権の座を失い現在汚職で裁判中のネタニヤフ元首相が復権を果たすかどうかが最大の焦点となっている。選挙後の連立交渉でこれまでで最も右派とされる連立政権が誕生すれば、今後の地域での対立にも大きな影響を与えかねず、選挙の行方が注目されている。
【コメント】
 内閣改造ではなく総選挙が4年で5回だ。民主主義の下、民意を反映する手段ではある。ネタニヤフは根強い人気があるのは驚きだ。

2.ボルソラノは政権移行に協力
【記事要旨】
 ブラジルのボルソナロ大統領は1日、10月30日の大統領選決選投票の結果について声明を読み上げた。自身の敗北を認める発言はなかったが、ボルソナロ氏が退席した後に、ノゲイラ官房長官が「ボルソナロ氏は政権移行手続きを進めることを許可した」と表明した。ボルソナロ氏の支持者は全国で道路を封鎖するなどして選挙結果に抗議しているが、ボルソナロ氏はこうした抗議が「選挙プロセスへの憤慨と不公正の結果だ」と指摘。解消に向けた氏の動きが注目される。
【コメント】
 僅差の敗北だ。トランプのように敗北を認めず、結果を覆す動きがまだまだ続くのではないかと見る。

3.インドの橋崩落で逮捕者
【記事要旨】
 現地政府は民間企業Ajunta Manufacturing社と運営・保守契約を締結。当初8カ月から12カ月の予定で行われるはずだった改修工事は7カ月で終了した。同社は建築基準を満たしたことを示す「適合証明書」を取得しないまま、つり橋の通行を再開したと報じられている。同社は通行料を徴収していたが、人数制限はしていなかったため、つり橋の耐えられる重さをオーバーした可能性が出ている。逮捕された9人は同社の管理職に加え、チケット販売員、つり橋の改修業者、警備員と言う現地での安全管理責任者が含まれる。モディ首相は負傷者を見舞いに病院に訪問したが、病院が首相の訪問を迎えるためペンキを塗り替作業をしたことが批判を浴びている。
【コメント】
 か細い橋だが、20人最大と言う運用ルールが守られていれば崩落しなかったと思わるる。ソウルの事故と同様に動き始めた群衆をコントロールするのは至難だ。

その他:
ソウルの惨劇続報
Transcripts of desperate emergency calls exposed the failure of the South Korean government’s response to the deadly crowd crush in Seoul and contradicted official claims about when the disaster was first reported.
Here is what to do if you find yourself in a crowd crush.
日本のジブリパーク
Japan’s long-awaited Ghibli Park opened yesterday, CNN reports.
(英文表記は Jiburi でなく Ghibli です。発音できない!)
ペロシ自宅襲撃
The man accused of breaking into Nancy Pelosi’s home had plans to kidnap her and break her kneecaps, prosecutors said.

2022年11月2日 水曜日

世界の動き 2022年11月1日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「11月」
 今日から霜月だ。
 何もしないうちにのんべんだらりと過ごした一年だった。
 今年の残りは、たった61日、まだ61日。有意義に過ごしたいものだ。

ニューヨークタイムズ記事
1.ブラジル大統領選挙でルーラがボルソナロを破る
【記事要旨】
 開票作業は終了し、2003年から2期8年にわたって左派政権を率いたルーラ・ダシルバ元大統領が50.9%、右派の現職ジャイル・ボルソナロ大統領が49.1%となり、ルーラ氏が当選した。アマゾンの保護といった政策転換が見込まれるが憲法上の制約で政策の急変にはブレーキがかかる恐れある。ボルソナロ大統領は今回の選挙結果について、これまでのところ態度を明らかにしていない。
【コメント】
 ルーラ氏は年齢が77歳だと言うので驚いた。政治指導者の高齢化が世界で進んでいる。南米の左傾化、ピンクの波、が進んでいる。

2.インドで橋が崩落
【記事要旨】
 インド西部グジャラート州モルビで30日、つり橋が崩れ落ちる事故があり、132人が死亡した。多くの人が橋の上にいて、重さに耐えられなかった可能性がある。川に転落するなどして多数が負傷した。230メートルの長さの橋は補修工事を終え、グジャラート州の新年に当たる10月26日に一般開放されたばかりだった。百年以上の歴史があり、地元では「揺れる橋」として知られる人気の観光地だった。橋を故意に激しく揺らして楽しむ訪問者も多かったという。野党はモディ首相の出身地で安全確認がされずに橋の通行が許可されたと州政府を非難している。
【コメント】
 映像で見ると若者が橋を揺らしている。まさか落ちると思っていなかったのだろうが、危険な行為だ。

3.ロシアは戦争の対価をまかなう
【記事要旨】
 ウクライナ侵攻後西側諸国はロシアに制裁を課しているがロシアの貿易量は侵攻前より増加している。西側との取引が減資する反面、トルコとは198%、インドとは310%、中国とは64%貿易が拡大している。ロシアからの資源輸入が無いと経済が困難な国も多く、原油とガスの値段の上昇は、ロシアの輸出量の減少を補い外貨をもたらしている。ロシアはキーウの水供給の殆どを破壊。黒海を経由する穀物運搬船の航行の安全を保障しないと言っている。
【コメント】
 中国やインド、イスラム諸国の経済力が巨大になりG7をはじめとする西側諸国の締め付けが効果を発揮しにくい。西側からしか調達できない物資は多いはずなので辛抱強く制裁を継続するしかないだろう。

その他:
ソウルのハロウィンでの惨事詳報
Only 137 police officers were in the area in Seoul where more than 150 people died in a Halloween crowd crush. For comparison, the police dispatched 1,300 officers for a BTS performance last month in Busan, which drew 55,000.
The authorities also underestimated the size of the crowd, which swelled to 130,000. A politician in the opposition called it a “man-made disaster.”
More than 100 of the dead were in their 20s.
中国関連
China launched the third and final module of its Tiangong space station.
Chinese stocks whipsawed yesterday. The volatility may reflect investors’ unease about Xi Jinping’s tightening grip on power as China’s leader.
米国での憲法論議
The Supreme Court heard arguments on college admissions policies, and the conservative majority seemed skeptical of affirmative action.
Legal abortions fell around six percent in the two months after the Supreme Court overturned Roe v. Wade.

2022年11月1日 火曜日