世界の動き 2023年4月20日 木曜日

今日の言葉:
「蒲蒲線」
 東京の南西部の人しかご存知ないだろうが、京浜急行の京急蒲田駅から羽田空港へ向かう線路に、蒲田駅(東急とJR)に来ている線路を乗り入れさせて羽田空港への電車でのアクセスを一つ増やすプランだ。
 今大田区長選挙戦が3人の候補で争われているが、一人が「積極推進」、二人は「慎重に検討」の立場だ。
 蒲蒲線の問題は、京急が標準軌なのに対し、東急・JRは狭軌のため、簡単に相互乗り入れが出来ないこと。それによって費用がかさむ(数千億円と推定され大田区の負担は700億円と言われる)ことだ。
 蒲田駅と京急蒲田駅の間は徒歩8分。私は羽田空港へ行くときはいつもその間を歩いていく。困るのは雨の時に濡れることだけだ。
 恵比寿のガーデンプレイスのように動く歩道で結ぶことが出来ないのだろうか。費用はずっと安上がりだろうし、蒲田の商店街も活性化すると思うのだが。

ニューヨークタイムズ記事より
1.インドの経済はその人口に追いつくことができるか?
【記事要旨】
 国連によると、インドはまもなく世界で最も人口の多い国になり、中国に取って代わる。
 人口が 14 億人を超える規模になれば、インドが長い間求めてきた地政学的、経済的、文化的な力がもたらされる。インドの経済は、人口よりもはるかに速く成長しており、極度の貧困の中で暮らすインド人の割合が急落している。
 インドの労働力は若く拡大しており、先進国での高齢化や人口減をしり目に、 そのサービス部門は成功している。賃金コストは中国よりも低く、インドはハイエンドの製造業の中国の代替になることができる。
 ただ、インドの巨大な規模と持続的な成長は、多くの問題を露呈させている。ほとんどのインド人はいまだに世界基準で貧しいままだ。多くの若者は十分な教育を受けておらず、良い仕事が不足している。 正式な仕事に就いているインド人女性は全体の約 5 分の 1 に過ぎず、大きな男女格差がある。国のインフラは悪い状態にあり (政府はそれを変えようと努力しているが)モディ首相率いる与党のヒンズーナショナリズムが可燃性の環境(combustible environment)
を助長している。インドはいつその約束を果たし、中国や米国に匹敵する大国になるのだろうか?
【コメント】
 巨大な貧困層を食べさせ富ませるのは大変な作業だ。その点で中国共産党が果たした実績は素晴らしいと思わざるを得ない。モディも強権政治でそれを成し遂げようとしているように見える。

2.中国の核増強
【記事要旨】
 中国は核兵器を大幅に拡大しており、核大国として米露に加わり、新たな戦略的時代を先導している。 アメリカの当局者はここ数週間中国の軍事力増強を制限するのは宿命だと唱えてきた。
 中国は、核爆弾を製造するための主要な成分であるプルトニウムの製造に優れた原子炉を海岸に建設したが、北京はそれが民生用であると主張している。また、ミサイル技術と核兵器運搬方法をアップグレードし、3 つの広大なミサイル格納庫を構築している。
 ウクライナで戦場核兵器を使用すると脅迫しているロシアは、中国と協力して、合計規模で米国を圧倒する兵器生産する可能性がある。
 わずか 12 年前、アメリカの指導者たちは、核兵器の廃絶に向かう世界を思い描いていたが、現在、米国は、核抑止戦略の多くを覆し、3 つ大国の核競争をどう管理するかという問題に直面している。
 米国とロシアはそれぞれ 1,550 の長距離核兵器を保有しており、両国とも兵器の近代化を進めている。中国は現在、約 410 発の核弾頭を保有しており、米国防総省の最新の推定によると、この 10 年間で弾頭数は 1,000 発に増加する可能性がある。
【コメント】
 危険な隣人が破壊兵器を増大している。日本防衛の核心として核武装が数年中に議論になると見る。

3.ウクライナを悩ませるロシアのプロパガンダ
【記事要旨】
 ウクライナ東部の最前線に住む一部の人々は、自分たちの町への攻撃を、過去 8 か月にわたってこの地域を砲撃してきたロシア軍ではなく、ウクライナ軍のせいだと非難している。
 ウクライナの兵士は彼らを「ウエイター待つ人」と呼んでいる。なぜなら、彼らはロシアの攻撃の間、避難することを拒否し、ロシアの占領を待っているからである。 彼らは、ロシアへの支持で役人と警察を混乱させ、ロシアのプロパガンダを繰り返し、ロシア軍に情報を提供している。
 最前線の町コスティアンティニフカの警察署長は、10 年以上にわたる執拗なプロパガンダを非難した。 それは市民をキエフの政府に反対させ、2014年以来ウクライナ東部の一部を掌握したロシア代理軍を支持させている。
  親ロシア派のテレビやソーシャル メディアが何年もの間、この地域を埋め尽くしてきた。あるチャンネルでは、ロシアのミサイル攻撃の直前に、ウクライナ軍が迫撃砲を発射していると頻繁に発表している。

戦争のその他の展開:
 米国は、ウクライナに 3 億 2500 万ドル相当の新しい武器パッケージを送ります。
 ロイド・オースチン米国防長官はスウェーデンを訪問し、同国のNATOへの「迅速な加盟」に取り組むことを約束した。
【コメント】
 ロシアは国内同様にウクライナ東部でもプロパガンダ放送をしているのだろう。言語がほぼ同じだからプロパガンダはやりやすいだろうと思われる。
 ウクライナでの戦況はロシア国内ではどのように報道されているのだろうか。

その他:
中国ではEVが主流
 Electric vehicles took center stage at Shanghai’s auto show.
北京での火災の容疑者逮捕
 The Chinese authorities have detained a dozen people in connection with a hospital fire that killed at least 29 people in Beijing.
経口避妊薬はとりあえず使用可能
 The U.S. Supreme Court decided to continue to allow widespread access to a crucial abortion pill through Friday evening, giving the court more time to consider the case.

2023年4月20日 木曜日

世界の動き 2023年4月19日 水曜日

今日の言葉:
「割安株」
世界で見ると日本株が割安株の代表だ。アベノミクスでの急騰期を除いて、万年割安だ。PBR1倍以下の株について東証が改善策を公表するように求めたが、改善の引き金になるのだろうか。
対策が自社株買いや配当の増額では知恵が無い。自社の戦略を見直して収益力の抜本的な改善が求められるが、それを果たせる企業がどれだけあるかが日本経済の未来への基礎だ。

1.西側の兵器技術がロシアに到達する方法
【記事要旨】
ウクライナがロシアを領土から追い出そうとする中、米国とその同盟国は、武器システム、ドローン、戦車に必要なチップをロシアの手に渡さないようにするために、並行して戦いを繰り広げてきた。
しかし、米国とその同盟国がロシアへのチップの販売を停止したにもかかわらず、ロシアがチップを入手できないようにすることは困難だった。アメリカやヨーロッパからアルメニアやカザフスタンなどの中央アジア諸国へのチップスの販売が急増しており、これらがロシアに転送されていることを示している。ロシアのチップ輸入は、特に中国と香港から増加している。
ロシアと戦い続けるための武器をウクライナ人に提供する一方で、西側の技術はロシアが反撃するために使用されている。
ロシアは、ウクライナに侵攻する前に蓄えた武器や電子機器の備蓄を使い果たしている可能性があり、これらを入手することが緊急になっている。

戦争からの他のニュース:
ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領は、ウクライナ南部と東部の最前線地域を別々に訪問した。
露裁判官は、スパイ容疑で先月逮捕されたウォール・ストリート・ジャーナルのレポーター、エヴァン・ガーシュコビッチの拘留を支持した。
G7 は、ロシアと中国に対する米国とヨーロッパのアプローチに相違が生じた後、3 日間の会合を終了し、ロシアと中国に対する団結を示した。

【コメント】

これだけ世界経済がつながっている状況では完璧な制裁は望みがたいがロシアへボディーブローとして効いているいるのは間違いないだろう。続ける以外の選択肢はない。

2.スーダンで停戦失敗
【記事要旨】
発表された停戦の時間が過ぎると、スーダンの首都ハルツームの住民は大きな爆音と銃撃を報告し、国連のスポークスマンは、戦闘が弱まった兆候はないと述べた。
スーダン軍と民兵組織支援部隊RSFは、この国の支配権をめぐって 4 日間戦ってきたが、互いに停戦協定に違反していると非難した。 国中の治安が悪化し、多くの住民が電気や水が使えずに何日も家に取り残されており、10 を超える病院が閉鎖されている。
スーダンの EU 人道支援担当官のトップが首都で撃たれ、重傷を負った。 ブリンケン国務長官は、アメリカの外交団がハルツームで攻撃を受けたが全員無事であると述べた。
誰が国を支配しているか明らかでない。この戦闘により、少なくとも 185 人が死亡し、1,800 人以上が負傷した。
戦闘が周辺国を巻き込む可能性に懸念が高まっている。エジプトのアブデル ファタハ エル シシ大統領は、スーダンへのエジプトの軍事介入について発言した。 彼は軍の高官との会談で、エジプトはRSFの捕虜と なったエジプト部隊を守ると発言した。
2 人の軍事指導者の間の戦いは、スーダンが民主主義に移行するという希望を打ち砕いた。
【コメント】
スーダンの内戦は日本のメディアでも報道されるようになってきた。昨日も書いたがスーダンは「応仁の乱」状態だ。

3.インドにおける婚姻権の主張
【記事要旨】
インドの最高裁判所は昨日、同性婚を合法化する訴訟の審理を開始した。 同性愛者の婚姻を支持し、LGBTの権利を大幅に拡大し、社会での疎外を解除することが期待される。
インドのヒンドゥー民族主義政府は、同性婚に反対している。 月曜日の裁判所への提出書類の中で、それは「国の社会的精神から遠く離れた都市エリート主義の概念」と呼んだ。
しかし、裁判所は. ほぼ 5 年前、合意に基づく同性愛者のセックスを禁止するは違法だという判決を下した。この判決とその他の判決は、裁判所がモディ首相の政党に対する社会的リベラルな対抗勢力として機能することへの期待を高めた。
裁判所が決定に至るまでにどれくらいの時間がかかるかは不明だが、原告に有利な判決が下されれば、ほとんどの国がまだ同性婚を禁止しているアジアで、インドは特異な存在になる。
【コメント】
LGBTを巡る各国の規制はタイムズが好きなテーマの一つだ。世界一の人口を抱えるインドでの動きは影響が大きい。

その他:
中国経済の持ち直し
China’s economy expanded 4.5 percent from January through March compared to the same period in 2022, recovering faster than expected after the government lifted “zero Covid” restrictions.
米国でのFOXを巻き込む訴訟決着
The judge in the defamation trial against Fox News in the U.S. said that the case was resolved, just as the highly-anticipated trial was set to begin. The settlement included a $787.5 million payment from Fox, according to a lawyer for the company that filed the suit.
日本の空き家問題
Housing can be hard to come by in Japan, especially in crowded cities like Tokyo.
But akiya, or abandoned rural homes, abound — the most recent government data reported about 8.5 million of them, roughly 14 percent of the country’s housing stock. Now, officials are trying to make akiya more appealing, and some buyers are snapping up the inexpensive homes.

2023年4月19日 水曜日

世界の動き 2023年4月18日 火曜日

今日の言葉
「手製の武器」
岸田首相が襲われた際に手製爆弾が使われたようだ。安倍首相には手製銃が使われた。このような武器を作る方法はネットで簡単に検索でき、材料も容易に入手できる。
この容易さが、自分の考えをテロで実行する思想を広める可能性がある。選挙で何も変わらない無力感と無関心が広まると、テロの広まりを懸念する。

ニューヨークタイムズ記事より
1.プーチン批判者に長期刑
【記事要旨】
活動家でジャーナリストのウラジーミル・カラムルザは、ロシアのウクライナ侵攻を率直に批判したことで流刑地で 25 年の反逆罪の刑を宣告された。 非常に厳しい判決は国際的な非難を集め、カラムルザの支持者はそれをスターリン時代の抑圧と比較した。
開戦以来、多くのロシアの政治活動家が起訴されてきたが、カラ・ムルザの刑期はこれまでで最長で、ロシアの殺人者でさえより短い懲役刑を受けたと人権派弁護士は述べた。
この判決はロシアに残っている反戦活動家に身も凍るようなメッセージを送る可能性が高い。
【コメント】
これは恐ろしい判決だ。そういえば中国の反逆罪で収監された香港の活動家はどうなっているのだろうか。心配だ。

2.ハルツームを揺るがす衝突
【記事要旨)
昨日、スーダンの首都ハルツームで、対立する将軍たちの軍隊が国の支配をめぐって争った戦闘の 3 日目に、激しい市街戦と爆発が報告された。
戦闘により、市内の 500 万人の住民の多くが、電気や水道のない家に隠れており、医師や病院も戦場になり、増加する犠牲者に対処するのに苦労している。
全国で衝突が報告されているため、正確な犠牲者数は不明だが、国連によると、戦争前でも4,500 万人の人口の 3 分の 1 が食糧援助を必要としていたこの国で、人道的危機が悪化している。
【コメント】
二人の将軍のつばぜり合い。スーダン版「応仁の乱」だ。

3.パキスタンの静かなラマダン
【記事要旨】
ラマダンは、通常、毎日の断食と毎晩のごちそうの時期だが、パキスタンの急激なインフレにより、何百万もの家族が断食明けの食料を手に入れるのに苦労している。
ラマダンが始まったときのインフレ率は 35.4% で、過去 50 年間で最高だった。昨秋の大洪水は、農業地帯の多くを壊滅させた。 ウクライナでの戦争は、パキスタンの食糧供給をさらに圧迫している。
ラマダンが始まって以来、パキスタン全土の食品慈善団体や政府の配布サイトでの争いで、少なくとも22人が死亡し、数十人が負傷した。
パキスタンは歴史上最も困難な経済課題の 1 つに直面している。 デフォルトや不況に陥るのを避けるために、国際通貨基金IMFからの資金調達が必要だが、IMFとの合意の条件を守るために、当局は増税と補助金の削減を迫られている。これは、国内の最貧層にとって、食料、ガソリン、光熱費などの生活必需品をさらに高価なものにする恐れがある。
【コメント】
マレーシアにラマダンの時期に行き、現地の夜の食事に招かれたことがある。御馳走を家族や職場の同僚が囲んでいる美しい光景だった。この光景は平和の上に成り立つのだと今になって思い知らされる。

その他:
中国人が冒涜罪で逮捕される
A Chinese worker on a Pakistani dam project was arrested for blasphemy under laws that are rarely applied to foreigners.
日米韓の日本海での軍事演習
The U.S., South Korea and Japan conducted joint naval missile defense exercises after North Korea said it tested a new intercontinental ballistic missile last week, The Associated Press reports.
NYCで中国の警察関係者を逮捕
American federal agents arrested two men in New York City on Monday for conspiring to act as agents of China in connection with a police outpost in Manhattan’s Chinatown.

2023年4月18日 火曜日

世界の動き 2023年4月17日 月曜日

今日の言葉:
 「GXと言う言葉」Bloomberg記事より
 G7の気候・エネルギー・環境相会合が閉幕。日本政府が頻繁に使用してきた「グリーントランスフォーメーション(GX)」という言葉は国際社会に浸透するには至らず、共同声明に「GX」の二文字は盛り込まれなかった。日本の造語に対し、各国が必ずしも前向きな姿勢ではなかったことがうかがえる。フランスのクリストフ・ベシュ・エコロジー移行担当相は、GXという言葉について「イノベーティブだとは思うが、初めはそれが具体的に何を指しているのかは分からなかった」と語った。

ニューヨークタイムズ記事より
1.スーダンでの衝突
【記事要旨】
 スーダンの首都ハルツーム周辺地域で週末にかけて、軍の派閥間の緊張が全面的な戦いに発展し、軍の指導者が民間人が率いる民主的な政府に権力を譲るという希望を打ち砕いた。
 敵対する 2 人の将軍に率いられた部隊が、大統領官邸、主要空港、同国の軍事本部の支配権をめぐって争っており、少なくとも56人が死亡した。
 スーダンでは わずか 4 年前、30 年間にわたって広く忌み嫌われていた支配者であるオマール・ハッサン・アル・バシール大統領が、大衆の暴動によって打倒された。しかし18 か月前、最も強力な 2 人の将軍がクーデターで権力を掌握するために団結したとき、民主主義と国際的孤立の終焉への希望は弱まった。
 二人の将軍とは、陸軍長官のアブデル・ファッタ・アル・バーハン将軍と、強力な緊急軍事支援部隊の指揮官であるモハメド・ハムダン中将である。
【コメント】
 スーダンの位置わかりますか?今確認したところ、エジプトの南隣で、紅海を挟んでサウジアラビアと向かい合っています。タイムズのトップ記事になる理由はこの位置にあると考えられる。ここが不安定になるとエジプトとサウジにも影響が出る。

2.インドのテレビ生放送で殺害
【記事要旨】
 インドで悪名高い暴徒政治家と彼の兄弟が土曜日にテレビの生放送で殺害され、同国が超法規的暴力に向かっていることについて改めて警鐘を鳴らした。
 終身刑に服していたイスラム教徒のアティク・アーメドと彼の兄弟は、至近距離で射殺された。
 3 人の加害者 (そのうちの 1 人は警官の顔の前で腕を伸ばし、アーメドの頭に銃を突きつけた) は、2 人の男に数発の弾丸を浴びせた。 警官は加害者に立ち向かい、彼らが連れ去られている間、彼らは「ジャイシュリラム」とヒンズー教のラム神への賛美を叫んだ。 インドの国務大臣二人は、この殺害は神の正義に似ていると述べた。
 この殺害は、ウッタル プラデーシュ州の統治に、宗教的な意味合いを持つ超法規的暴力が浸透しているかについての懸念を引き起こした。 州の指導者である強硬派のヒンズー教の僧侶であるヨギ・アディティヤナートは、この殺害を称賛した。2017 年に 同氏が首相に就任して以来180 件以上の殺害があったという。
 政治家は、暴力がインドで政治的な利益をもたらす可能性があることを学びつつある。犯罪者はヒンドゥー右翼の英雄となり、政治指導者は、ヒンドゥーの権益の保護者として需要がある。
【コメント】
 これは荒っぽい事件だ。宗教の名のもとに反対派への暴力による弾圧が進んでいる。

3.北京のルーラ
【記事要旨】
 ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は金曜日に中国の習近平国家主席と会談し、ルーラは中国との関係を再構築しようとした。 二人は、ウクライナでの戦争と、複雑な地政学的再編成の中で関係を強化する必要性について話した。
 ウクライナについては、首脳は共同声明で、交渉が「危機から抜け出す唯一の実行可能な方法」であると宣言したが、「侵略」や「戦争」という言葉を避け、具体的な内容をほとんど示していない。どちらも一方の側に立つことを拒否し、ロシアとのビジネス関係を維持している。
 ブラジルは慎重な言葉遣いでロシアを批判したが、肥料をロシアに依存している。 ルーラは、ウクライナの大統領とNATOが責任を共有していると示唆し、ウクライナに武器を送るよう求める声には抵抗している。
 北京はロシアと同盟を結んでいるが、中国の当局者は、北京はロシアの側にいないと言っている。昨日、中国の李商福国防相はロシアでウラジーミル・プーチン大統領と会談した。 ロシアの侵略を抑制する可能性があるとして、ウクライナが中国に働きかけようとしているにもかかわらず、習主席はゼレンスキー大統領に電話していない。
 ルーラ氏は、台湾に関して中国の領土保全を尊重するよう求めたが、今月中国で習近平国家主席と会談した後、フランスのエマニュエル マクロン大統領が取ったものと同様の姿勢だ。
【コメント】
 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)諸国は西側民主主義と一線を画し、ロシアに融和的だ。
 グローバルサウス(既に中国が資金協力で取り入っているが)にG7各国がどのように一致した行動がとれるかが今後の地政学的なカギになる。

その他:
日本の首相へ爆発物
 Fumio Kishida, Japan’s prime minister, was safely evacuated from a site where he had been scheduled to give a speech on Saturday and shortly before an explosion was heard.
北朝鮮は弾道ミサイルを発射
 North Korea said it had tested a solid-fuel intercontinental ballistic missile for the first time, which would be a significant step for its missile program.
中国国内で中国メーカーのEVが外国勢を上回る
 Chinese car companies now sell more vehicles than do their multinational rivals, which have failed to keep up with Chinese consumers’ demand for electric vehicles.

2023年4月17日 月曜日

注意すべきシャドーバンクの動き

 米国での2つの銀行の破綻とクレディ・スイスの救済後、金融危機の表面化は回避されたように見える。安心して良いのだろうか。
 今日は世界経済の動きにベットして資金を動かすヘッジファンドの見方を紹介したい。
 Ed D’Agostino – Global Macro Update 2023/4/13 を基に、加筆修正を行った。
 銀行だけを見ているのでは不十分だ。シャドーバンクに十分注意を払うことが肝心だと言う結論だ。

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(引用)
理論から現実へ
  ストレステストはまさにテストです。 これは、有害事象とその理論的結果に関する仮定を組み合わせたものです。 皮肉なことに、FRB は 2023 年の銀行ストレス テストのシナリオを、最新の銀行危機が勃発するわずか数週間前に発表しました。
 FRB のシナリオには、商業用不動産の価値の 40% の下落、株式市場の 45% の暴落、深刻な不況、さらにはインフレなど、銀行に対して発生する可能性が高いと思われるほぼすべての深刻なイベントが含まれていました。
 しかし、今日の流動性危機の明らかなきっかけ、つまり金利の上昇を見逃していました。
 金融システムの安定性を脅かすかもしれないもう 1 つの要因は、シャドーバンキングです。 私が「かもしれない」と言うのは、それを知るのが難しいからです。それが問題です。

影だけが知っている
 悪名高い名前にもかかわらず、シャドーバンキングは完全に合法であり、経済に必要な要素です。 この呼び方は、貸し手として、または借り手と貸し手の間の仲介者として機能するノンバンク機関NBFIを表すために広く使用されています。
 2022 年 12 月の金融安定理事会のレポートによると、NBFI セクターは 2021 年に 8.9% 成長し、239.3 兆ドルになりました。 また、世界の金融資産全体に占める割合は、2021 年には 48.6% から 49.2% に増加しました。
 S&P グローバル レーティングは、投資ファンドが過去 10 年間で最も急速に成長したセグメントであり、すべての影の銀行の資産の 80% 近くを占めていると報告しています。

明確なハザードを伴う不透明なシステム
 S&P Global は別の危険を認識しています。危機の感染です。 大規模な影の銀行の破綻、または資金調達の意欲の低下は、伝統的な銀行部門に影響を与えるでしょう。
 同じ顧客ベースへのエクスポージャーが共有されていることと金融市場の損失による危機の感染があります。 システミックリスクの原因を特定して定量化することは難しいため、全体像は不明であり、特に懸念されるのは、金融市場のストレス時のノンバンクの行動です。
 国際決済銀行 (BIS) の 2023 年 2 月のワーキング ペーパーでは、「金融がタイトになると、NBFIは銀行よりもはるかに多くのシンジケートローンを契約します… [そして] ノンバンクとの融資関係は、金融危機時に借り手の信用へのアクセスを改善するわけでは無い」と書かれている。
 もしそれが今日当てはまるとすれば、NBFIセクターが市場ストレスの引き金となり増幅する機能を、すぐに再学習することになります。
 シャドーバンキングシステムがFRBの金融政策の引き締めをどのように減殺するかについての憶測がありましたが、逆の場合もあります。
 FRB が流動性を大幅に削減し、それによって経済を減速させ、できればインフレを遅らせようとする中、影の銀行からの融資が後退すれば、FRB の取り組み効果が増幅する可能性があります。
 今、銀行が財布のひもを締めていることを示す確かなFRBの最新データがあります。
 それによれば、銀行の 44.8% が融資基準を厳しくしており、融資の伸びは停滞しゼロに向かっているように見えさらに悪化する可能性があります。
 この 2 つの指標(融資基準と融資の伸び)の間には、2001 年と 2008 年の景気後退の直前または開始時に、融資基準の厳格化と融資の伸びの鈍化が現れました。今回は景気後退が差し迫っていることを示す景気後退のさらなる証拠にも見えます。
 Fed の H.8 レポート (毎週金曜日に発行される米国の商業銀行の資産と負債のスナップショット) は、貸付のより詳細な全体像を示しています。
 このレポートによると、シリコンバレー銀行の崩壊から 3 月末までのわずか 2 週間で、銀行貸出は 3,110 億ドル (1.77%) 縮小しました。 シャドーバンキングセクターが貸付において同様の調整を行っていると予想する必要があることを示唆する証拠もある。
(引用終わり)
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