世界の動き 2022.2.21 Monday

N.Y. Times 電子版より

1.ロシアの侵攻は今にも?
【記事要旨】
 米ta情報機関はプーチン大統領が侵攻を決意した証拠を得ていると発表。ウクライナを囲むロシア軍の40-50%が侵攻態勢を取ったとの情報。
 週末にはウクライナ東部でロシア軍が活動強化。ロシア系住民でロシアに脱出したものも。ベラルーシでの合同演習は延長の決定。
 ロシアはウクライナ東部でロシア系住民へのジェノサイド民族虐殺が行われているという根拠のない理由でウクライナ政府を非難。
 ゼレンスキー大統領は西側に支援要請するとともに西側の対応を批判。
 ロシアと中国は接近し、西側の結束にくさびを打つ意向。ロシアは冷戦後の欧州の態勢の転覆を目指している模様。
【感想】
 双方の非難合戦に武力小競り合いがおこり、一触即発になってきた。オリンピックが終わりロシアは国際批判を受けずに動きやすくなったとの見方が強い。
 中国はロシア一辺倒の印象も与えたくない様子あり。
 頭に血が上ったリーダーに「孫子」の知恵に学んでもらいたい。
今週の報道はウクライナ問題一色になるだろう。

2.北京冬季オリンピック閉幕
【記事要旨】
 パンデミック、緊迫する政治情勢、ドーピング疑惑に彩られ、輝きを欠いた五輪が閉幕した。
 米、加、英では視聴率が大きく減少。メダル獲得はノルウェイが金16個、全部で37個で首位。中国は金9個、全体で15個。
 Eileen Guが中国でのスターに。中国のパンデミック封じ込みは成功。
 スポンサー企業は米中対決に苦慮。
【感想】
 日本は史上最高のメダル獲得だと日本のメディア。若者に人気のある新しい競技数が大きく増えているのだから、メダル獲得数でなく獲得率で示さないと、強くなっているのかそうでないのかわからない。

3.エリザベス女王コロナに感染
【記事要旨】
 女王は風邪のマイルドな症状。女王がどこから感染したか不明だが、チャールズ皇太子は今月初め女王に面談した二日後にコロナ感染を発表。
 女王の健康状態を国民は心配。
 ジョンソン首相は残るコロナ規制を月曜に撤廃する意向。その中には、法的な感染者の隔離、も含まれる。

【感想】

 God save the Queen!英の「感染者の隔離が不要になる」判断は驚き。

その他:
スイス銀行の守秘義務誰のためにあったか?
Recently leaked data from the 1940s until the 2010s showed how Credit Suisse held millions for strongmen, spies and human rights abusers.
国家が破たんするとしわ寄せは国民に
Syrians are mixing wheat flour with corn to cope with shortages, after years of conflict and climate change destroyed the country’s breadbasket.

(2022.2.21 Monday)

相場格言シリーズ No.5 “Cash is king”

Cash is king. 「現金は王様」は運用先に困った際に思い出す格言だ。
 通常、運用の専門家は手持ち資金を「現金」(通常は銀行預金)で運用するのを恥じる。なぜなら彼・彼女の仕事は、預かった資金を最善の手段で「常時」運用するのが使命であり、素人でも出来る預金は運用手段足りえない。多くの運用会社では、現金で運用することを禁じてさえいる。

 昨日から、いろいろな情報源を使い、今買うべき株は何か考えてきたが、確定的な考えは浮かばなかった。ウクライナ情勢が不透明、米欧の金利情勢不透明、サプライチェーンの混乱の継続、といった明らかなマイナス材料に、コロナ禍の鎮静化、一部企業の好業績といったプラス材料がどれだけ立ち向かえるのか自信が持てないこと。そもそも数次にわたる中央銀行の金融緩和によりもたらされた過剰流動性が押し上げた株価がどこまで維持できるかわからないので、しばらくは現金で運用するのがベストと考えるに至ったのだ。

 定期預金を比較するとネット銀行で0.2-0.3%pa程度。 私が取引しているメガバンクは大口預金者への優遇で0.004%paで預かってくださるそうだ。馬鹿にしている。
 そうした中、いま、大和証券ではキャンペーンをしていて、7%paで3か月間定期預金で預かってくれる。ただし、新規資金の2/3を投資信託やファンドラップで運用すると、1/3を定期で運用できるという条件になっている。

 先が見通せない中で、3か月間様子見をするのも悪くなかろう。
 Cash is king.

(2022.2.20 Sunday)

銘柄選定のヒント

日本株投資に対して顧問先から厳しい制約を受けている筆者は投資対象として海外株を見ることになる。日本の政治の劣化や経済の低迷を見ると、嬉しい制約に見えてくる。
最近得た海外株の情報を備忘録的にまとめてみた。

グロース株からバリュー株への転換を説くのがBarron’sやWSJで最近目立つ主張だ。
Barron’sの2月11日の記事では、6つの個別株が推薦されている。
株式名 市場 ティッカー 予想PER 株価
(2022/2/18終値)
Anthem  NYSE ANTM 16X  446.24
Brunswick  NYSE BC    10X   95.32
Freeport-McMoRan NYSE FCX 12X 43.02
Microchip Technology NASDAQ MCHP 16X 71.78
Owens Corning NYSE OC   10X   98.07
Stellantis NYSE    STLA  4X   18.90

一方、四半期ごとに投資先の開示「フォーム3F」の公表を受けて、米国の著名投資家の投資先についての記事も目に付く。
バークシャー・ハサウェイ:
保有上位:アップル、バンカメ、アメックス、コカ・コーラ、クラフト・ハインツ
買い増し:シェブロン、新規取得:ゲーム株(アクティビジョン・ブリザード)
アパルーサ:
新規購入:Dick’s Sporting Goods、Gap、Nordstrom等小売株、GM
買い増しMacy’s
サードポイント:
買い増し:Rivian(EV)、アクセンチュア、アマゾン
売却:ディズニー、Upstart(AI)
ソロス・ファンド:
新規購入 Rivian
ブリッジ・ウォーター:
買い増し:アリババ、JDドットコム、ビンドゥオドゥオ、百度(いずれも中国銘柄)
売却:Netflix全株
Melvin Capital:
経済再開銘柄を買い増し:Live Nation Entertainment、ヒルトン、Expedia

投資の達人たちの選択は示唆に富むが、これらの中では、資源株としてのシェブロン、個人的になじみのあるAMEX、中国の検索を独占する百度、電気自動車二匹目のRivianあたりが面白いかと思う。ホテルチェーンではMarriotの方が好きなのでHiltonでなくMarriotで見てみる。

株式名  市場   ティッカー  予想PER  株価
(2022/2/18終値)
Chevron NYSE CVX      16    133.40
AMEX   NYSE AMX      19      194.88
BIDU  NASDAQ   BIDU     21      157.72
Rivian  NASDAQ  RIVN     NA      66.37
Marriot NASDAQ MAR    52     174.92

さて、どの銘柄が投資対象になるほど面白そうか。結論は一晩考えます。

(2022.2.19 Saturday)

こんな時はどうする?

【難局だなー】
 当方は、地政学の素人であるが、「孫子」に学ぶまでもなく、ロシア
とNATOの軍事衝突は双方にとってメリットがないので、今後数カ月のうちに外交的な手法で落としどころが見つけられると確信する。
 しかし、バイデン大統領が、ロシアがクライナを今にも侵攻する兆候があると述べたことにより、日米の株価指数は再び大きく下落した。
 ウクライナ情勢が前門の虎だとしたら、米国のインフレ対策としての金融引き締めは後門の狼だ。
 米国10年国債利回りは今週2019年7月以来となる2%台に乗せた。FOMC議事録は想定の範囲内だったが、利上げ情報に一喜一憂しボラティリティが高い展開が続くと思われる。

【個人投資家としてはどうする】
 銘柄選択の手法は、グロース株投資か、バリュー投資かの二分法。
 投資タイミングとしては、上がったら買う順張りと、下がったら買う逆張りにの二分法が一般的だ。筆者は生来、バリュー株好きで、逆張り好きだ。

 今、アメリカの経済誌では、「バリュー株投資の復活」とか「テック株の下がった今が買い時」という記事が目立ってきており、地合いは私好みだ。

【良い株を選ぶには】
 私好みの地合いだとしても、投資の究極の結局は「良い株を良いタイミングで買い」資産価値を極大化してゆくことだ。なお、個人投資家として、空売りは使わない前提で議論をしている。

 今日は紙面が尽きたので、明日、今どんな株に注目すべきか米国の経済誌や最近の日経の報道も参考にしながら考えてみたい。

 なお土曜、日曜は、「世界の動き」はお休みですので念のため。

(2022.2.18 Friday)

 

世界の動き 2022.2.18 Friday

N.Y. Times電子版より

1.米はロシアの侵攻はここ数日でいつでも起こりうると警告
【記事要旨】
 ブリンケン国務長官はウクライナ周辺へのロシア軍の増強は続き、侵攻はいつ起きてもおかしくないと述べる。NATO首脳と会談したオースチン国防長官も同じ発言。
 ウクライナ東部では木曜に砲弾が幼稚園に損害を与え3人の民間人が負傷した。ウクライナ政府は親露分離主義者の行為だと非難。露はウクライナ側から最初の攻撃があったと主張。
 露は在モスクワ米国大使館員の1人を強制退去。冷戦終了後30年、欧州の満足感が大きく後退している。
【感想】
 盧溝橋事件が日中戦争の契機になった教訓。軍事力をある限界以上に準備すると使わざるを得なくなる。ささいなきっかけでも。捏造してでも。

 本当に軍事侵攻があったときに米国はどのようにウクライナを守るべきかは米国内でも議論になっている。中国の台湾進攻への試金石。

2.カナダ警察はデモ隊鎮圧を準備
【記事要旨】
 警察はデモのトラックに警告ビラを配布。トラックの多くは警告を無視している。
 ワクチン接種義務化反対から始まったデモは右翼主義者が加わり反政府・反トルドーへと変化してきた。
【感想】
 もう一か月近くデモが継続。市民の支持も失われており、早晩解決すると見る。

3.変化する韓国のコロナ対策
【記事要旨】
 これまで3つのT政策testing, tracing and treatingからselect and focusに転換。これまで一日最大新規感染者7849人で抑え込んでいたが、オミクロン株の急増で木曜には93135人に急増。政府は今月後半には170000人まで増加すると予想している。
 今後の主要策はfocus on people in their 60s and older and those with pre-existing medical conditions — supplying them with at-home treatment kits and calling twice a day to check on their conditionということ。
【感想】
 ある閾値を超えると、韓国も日本と酷似する対策になるのだなと思った。韓国では、弱者切り捨てとの批判も大きいようで、大統領選にどんな影響があるか注目したい。

その他:
オリンピックのお土産が人気のようです
A New York Times reporter in Beijing sought out souvenirs of Bing Dwen Dwen, the ice-suit-clad panda who is the mascot of the Games, only to find hourslong lines and low stock on the most popular items.

フランスはアフリカにまだ介入していたんですね
France and its allies said that they would begin a military withdrawal from Mali, where its troops have been fighting insurgents for a decade. France’s decision capped a bitter breakdown in relations with Mali’s ruling junta.

(2022.2.18 Friday)