トンガってどこ?

海底火山の大爆発で津波が発生したトンガ。どんな被害を受けたかはまだ断片的にしかわからない。「トンガで火山の爆発」、と聞いたとき、トンガがどこにあったか思い出せなかった。

ニューギニアとソロモン諸島までは太平洋戦争での激戦地だったので覚えているのだが、フィジー、バヌアツ、温暖化で海没すると言われるキリバス、今回のトンガは判然としなかった。

わかりやすい地図を見つけた。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ps_summit/palm_06/pdfs/map.pdf
オーストラリアから東に向かっていくと、ニューカレドニア(フランス領)、バヌアツ、フィジー、トンガと続く。トンガの北側にサモア、キリバスがある。

トンガの国旗を見て驚いたが、赤地の左上隅にスイスの国旗に似たものがある。スイスの国旗のようなものはキリスト教(国教だ)を、白は純潔を、赤はキリストの血を示しているという。キリスト教文明から地理的に最も離れたところでキリスト教を国旗に示しているのごい。

各国の言語も面白い。それぞれ現地の言葉があるが、これまでの経緯で英語とフランス語が広く使われている。英語圏であるオーストラリアに一番近いニューカレドニアがフランス語。トンガは英語。その中間のバヌアツでは英語もフランス語も広く使われているそうだ。太平洋の島嶼エリアでの英仏のこれまでの勢力争いを調べると面白そうだ。

さて、ニューカレドニアは「天国に一番近い島」と言われる。l’ile la plus proche du paradis ですね。

(2022.1.19 Wednesday)

世界の動き 2022.1.19 Wednesday

N.Y. Times 電子版より

1.ゲームとメタバース事業へ賭けるマイクロソフト           【記事要約】
 マイクロソフトはアクティビジョン・ブリザード社を68.7億ドルの現金で買収することに合意した。この買収でマイクロソフトはテンセントとソニーに次ぐ世界3位のゲーム企業になる。
 この買収は最近大流行りのメタバース分野でマイクロソフトのFBに対する競争力を強化する。
【感想】
 米当局がこの大型買収にどう対応するかは見ものと記事の中に記載あるが、テンセントを有する中国もちゃちゃを入れてくる可能性が大だと思われる。
 ソニーが世界二位のゲーム会社とは知らなかった。メタバースやEVの分野で息を吹き返すソニーを見てみたい。

2.オミクロンにより打撃を受ける米国の病院
【記事要約】
 コロナによる入院患者は全米で157000人で、2週間で54%増加。
 オミクロン株の感染はピークを過ぎたとの見方もあるがあと2週間程度は入院患者の増加が見込まれる。
 多くの医療関係者は疲弊しており、辞めた人も多い。
【感想】
 日本ではまたぞろマンボウが出た。飲食店のみを規制するやり方は、有効性に大きな疑問がある。病床には余裕があるようだが、どうなるのだろうか。
 香港でペットショップの2,000匹のハムスターが処分された、という記事もあり。中国なら何でもやるということでしょうね。犬や猫は大丈夫かな。

3.全豪オープンで大いなるカムバック
【記事要約】
 1年4か月を経てOsaka Naomiがコートに戻ってきた。いろいろあったが大いなるカムバックだ。
 女子はAshleigh BartyとOsaka Naomiが優勝候補。
 男子はDjokovic不在のすきに、Rafael Nadal と Roger Federer が4大大会の21勝目一番乗りを競っている。
【感想】
 Osaka Naomi頑張れ!

(2022.1.19 Wednesday)

犬を見る 

毎朝、大体9時ころに散歩している。道筋はほぼ決まっていて、途中で犬を見るのを楽しみにしている。ジャック・ラッセル・テリア(多分)でいつも犬小屋につながれている。9時頃までは犬小屋に朝日が当たるので、小屋の外に出ていることが多い。
彼(性別がわからない)が飼い主に伴われて歩いている姿を見たことが無い。彼は散歩に連れていってもらっているのだろうか。毎朝彼の顔を見て手を振る怪しい男を認識してくれているのだろうか。

散歩でよく合うのは、この犬。コッカスパニエル(多分)を二匹連れた体格の良い中年の女性。おじいさん(マスクあり) とおばあさん(いつもマスクなし)に連れられた幼稚園児と思われる女の子。先日は、コロナ以前に行っていた銭湯でよく見かけたおじさんを見た。無言ですれ違ったが、相手もわかったはずだ。同じ日に、丸子橋のたもとで、旧知の会計コンサルタントに出会ったときは驚いた。

人生をLPレコードに例えれば、私は輪舞曲(ロンド)を、回転するレコードの上で踊り続けてきた。その過程でいろいろな人々に出会ってきた。私と彼らのロンドに接点があったのだろう。コロナ下でロンドの接点がとても減ったが、犬と出会うのに楽しみを見出している自分がいる。

シェークスピアは人生を舞台に例えている。以下のマクベスのセリフは有名だ。
Out, out, brief candle! Life’s but a walking shadow, a poor player that struts and frets his hour upon the stage and then is heard no more.
哀れな舞台俳優より、輪舞曲を無心に踊り続けていくほうが幸せではないだろうか。

(2022.1.18 Tuesday)

世界の動き 2022.1.18 Tuesday

N.Y. Timesの電子版から

1.北京オリンピックの観戦チケットは国内一般客には販売せず
【記事要旨】
 新型コロナウィルスの感染状況に鑑み選手と参加者の安全を確保するため中国のオリンピック委員会は国内一般客に観戦させないことに決定した。
【感想】
 この件は日本でも大きく報道されているのでご存知の方が多いと思われる。
 中国政府のコロナ対策をゼロコロナ政策と日本では説明するが、中国政府はゼロと言っているのではなく「動態清零」という言葉を使って、適切に抑え込むと言っている。また、ロックダウンが全都市封鎖のように説明されているが、政府は感染状況に応じ、封鎖地区と制限地区をキメ細かく決めており全市封鎖しているのではないことを理解する必要がある。(この説明は、興梠一郎氏の説明の受け売りです)

2.中国の出生率が史上最低に
【記事要旨】
 これもご存知の方が多いニュース。
 英文の詳細では、Births fell to 10.6 million in 2021, compared with 12 million the year before. That was fewer even than the number in 1961, when Mao’s Great Leap Forward resulted in widespread famine and death.
 出生数は前年比10%以上減少。中国の成長率は4%台に鈍化が予想される。政府が子供を増やすように奨励しても、女性の社会的地位向上により子供を沢山欲しいという人は減っている。
【感想】
 中国共産党にとって大きな内憂。人口動態はすぐに改善しない。眼をそらすために外に牙をむく戦狼外交を継続する恐れ大。

3.テキサス州のシナゴーグ襲撃事件
【記事要旨】
 事件の理由に、2010年にアフガニスタンで米兵襲撃で逮捕され86年の禁固刑を下されたパキスタン人の女性科学者Aafia Siddiquiの存在がある。
 今回の犯人Malik Faisal AkramはSiddiquiを深く信奉し、襲撃で彼女の釈放を求めていた。
【感想】
 いわゆるイスラム過激派問題は、解決が容易でないFaithの問題。

その他
アジアの記事で、・トンガの海底火山の爆発、・北朝鮮の再度のミサイル発射、・マルコスJrが大統領候補に出馬することは問題ないと裁判所が判断(税務犯罪で有罪だったことがあるので資格がないと反対陣営から訴えられていた)が取り上げられています。

(2022.1.18 Tuesday)

投資の心得。必勝法?

 市場と付き合って30年以上になるが、株式投資では儲かることも損をすることもある。
 野村監督の名言に「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」という言葉がある。
 株に例えれば、理由がはっきりしないのに株価が上がって儲かる場合があるが、株価が下がる場合には確たる理由がある、ということであろう。

 個人的な経験で言おう。ある株を分析して、会社の内容に証拠を基に確信を持てる場合は(英語を言うとconviction)勝てる確率が高く、会社の説明を確証ないままに信用する(英語で言うとfaith)負ける確率が高い。会社の内容に関しては、会社の内部の人間と、外部の投資家の間には大いなる情報の非対称性があるから情報の見極めは至難の業だ。

 最近ある会社の株価の先行きを読み誤った。良い情報を信じ、リスクを軽視した。自分ではconvictionと思っていたのが、実はfaithだったわけだ。悪い情報に片目を閉じたlove だったのかもしれない。(全く別件になりますが、キリスト教の教義では、conviction faith, loveの概念の区別が重要だ。興味のあるかたはgoogleで検索すると沢山説明が出てきます)

 さて、情報の非対称性の下で、
・玉石混交の情報から正しいものを見つけ出すこと。
・その情報が会社の企業価値にどういう影響を与えるか判断すること。
・企業価値の上昇が株価にどういう影響を与えるか見通すこと。
 これらを正しく判断し株価の行方を予想するのはとても難しい。
 神ならぬ人間として、常に謙虚さ(humility)を忘れず投資活動に取り組むことが重要だ、という平凡な結論に帰着する。

(2022.1.17 Monday)