世界の動き 2025年4月2日 水曜日

今日の一言
「無謬性」
 誤りを犯さないこと。英語でinfallibilityという。
 現在のトランプの状況がこれだ。Signalを使った秘密情報のやり取りで注目すべきは、トランプの決断は無謬だからとして、誰も(作戦に反対の副大統領も補佐官も)トランプに軍事行為の再確認をしなったことだ。
 トップの無謬性を信奉し経営を誤った大企業は多い。トランプの無謬性がアメリカの進路を誤らせることが心配だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.2つの州選挙はトランプについて多くを語る
【記事要旨】
 昨日、2つの州で選挙が行われたが、これは大統領就任から10週間が経ったトランプ大統領について米国民がどう感じているかのヒントとなるだろう。
 ウィスコンシン州では、州最高裁判所の席をめぐる争いが、イーロン・マスクの政治における役割を問う国民投票へと変貌した。トランプ政権の経費削減を主導するこの億万長者と、彼と関係のある団体は、保守派候補の支援に2500万ドル以上を費やした。マスクはウィスコンシン州民の間で非常に意見が分かれる人物となっており、その多くはマスクに自分たちのビジネスに干渉してほしくないと述べた。
 「ここの州全体の選挙はほとんどが接戦だ」とウィスコンシン州の投票を取材している同僚のリード・エプスタインは語った。「1人の政治的支援者が1人の候補者にこれほどの資金を投じるのは、これまでなかったことだ」。
 トランプ氏が強い支持を得ているフロリダ州では、下院議員選挙の2回のうち1回が共和党にとって急に接戦となりそうだ。民主党は依然として敗北を予想しているが、党が優勢である兆候を注意深く見守っている。

トランプ氏についてさらに詳しく
・トランプ氏は、広範囲にわたる「相互」関税の最終計画をまとめ、本日発効する予定だとホワイトハウス報道官が述べた。
・トランプ氏は、近々予定されている「解放記念日」関税が標的を敵に回すかもしれないと懸念している様子を見せている。
・「我々は無力だ」:トランプ氏の関税は中国メーカーのビジネスを鈍らせている。
・トランプ政権は、合法的に米国に滞在していた男性をエルサルバドルに強制送還し、同国で投獄したのは「行政上のミス」だったと述べた。
・コリー・ブッカー上院議員は20時間以上前に上院で演説を開始し、トランプ政権下で米国が直面している「危機」に焦点を当てた。
【コメント】
 2州の選挙結果に注目したい。

2.国連、イスラエルがガザの救助隊員を殺害と発表
【記事要旨】
 ガザでの避難活動中に救助隊員15人が殺害されてから1週間後、国連は日曜日、イスラエルが彼ら全員を殺害し、遺体の大半を集団墓地に遺棄したと発表した。国連は通常、責任を明確に特定することに慎重であるため、これは珍しい非難である。
 イスラエル軍報道官は月曜日、殺害された9人はパレスチナ過激派であり、彼らの車両はこの地域への立ち入り許可を受けていなかったと述べた。しかし、国連および他の援助団体は、死者は人道支援活動家であり、車両には明らかにマークが付けられていたと述べた。イスラエル軍は救急車、消防車、国連車両をブルドーザーで押しつぶしたと国連当局者は述べた。
 レバノン:イスラエルは昨日、ベイルートの南郊で避難警報なしに空爆を開始した。1週間足らずで2度目であり、少なくとも4人が死亡した。
 政治:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は昨日、保守派の反発を受け、国内情報機関のトップ候補であるエリ・シャルビット氏の指名を取り下げた。
【コメント】
 イスラエルの非道ぶりがわかる事態だが、国連の無力さも浮き彫りにするものだ。

3.イスラム強硬派、バングラデシュに好機を見出している
【記事要旨】
 バングラデシュが独裁的な指導者を追放し民主主義の再建に努める中、イスラム過激派は同国を原理主義へと向かわせようとしている。
 ある町では若い女性はサッカーをしてはならないと宣言した。別の町では、公共の場で髪を覆っていない女性に嫌がらせをした男性を警察が釈放するよう強制した。首都ダッカでの集会では、イスラム教を軽視する者には死刑を要求した。
 批評家らは、ノーベル賞受賞者のムハマド・ユヌス氏が率いる同国の暫定政府は、より強く抵抗する必要があると述べている。しかし、彼の側近らは、言論と抗議の自由の権利を守るという微妙なバランスを取る必要があると述べている。
【コメント】
 イスラム原理主義は政情不安と貧困に付け込んで浸透する。バングラデシュもその条件を満たしている。ユヌス政権の安定を世界で支えなければならない。

その他の記事
ミャンマー:マンダレーの建設ブームの象徴であるスカイヴィラ複合施設が地震で倒壊。住民の一部は瓦礫に埋もれた。
台湾:中国は、大統領の「独立派の挑発」に対する「厳罰」と称する軍事演習を開始した。
アイスランド:火山の噴火によりグリンダヴィークの町が危険にさらされ、ブルーラグーンスパが閉鎖された。

中国:シャオミ社製の電気自動車が自動運転機能の作動中にガードレールに衝突し、大学生3人が死亡した。
ビジネス:中国最大の国営自動車メーカー2社、東風汽車と長安汽車が合併交渉中。
テクノロジー:OpenAIは、この有名企業の評価額​​をほぼ2倍の3000億ドルに引き上げる資金調達契約を締結したと発表した。

2025年4月2日 水曜日

世界の動き 2025年4月1日 火曜日

今日の一言
「April Fool」
 私が子供の頃は「四月バカ」と言ったものだ。今のように英語をそのまま使うことが一般化していなかったためだろう。June Brideは六月の花嫁などと言っていた。
 ・今日株価は急上昇し40000円を回復する
 ・お米が5キロ2500円に下落する
 ・ガソリン代が一リットル120円になる
 いずれもApril Foolだが、いずれも遠くない過去に実現していた数字だ。
 近所のスーパーで、今日一日、April Fool Saleと称して大安売りをする。私がいつも食べているビフィダスヨーグルトが109円だ。その他の商品はいつもと比べどのくらい安いかわからないが、極端に安い値段が付いているようだ。
 番組再編で今日から新番組が始まる。ラジオの語学講座は昨日から始まった。こちらはApril Foolにしないようにしっかり頑張りたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.フランスの極右指導者が選挙への立候補を禁じられる
【記事要旨】
 極右指導者マリーヌ・ル・ペンは昨日、横領の罪で有罪となり、5年間公職に立候補する資格を剥奪された。
 この判決は、フランスで新たな政治的混乱につながる可能性のある危機を引き起こした。世論調査によると、フランスで最も人気のある政治家であるル・ペンは、この判決により、2027年の大統領選挙から脱落した。
 この判決は、反移民の国家主義政治家ル・ペンを激怒させた。彼女は、この判決は彼女を妨害するための「政治的」な試みであると主張し、法的に勝てる見込みは薄いが反撃することを誓った。「私は民主主義の否定にそう簡単に屈するつもりはない」と彼女は怒りを込めて語った。
 背景: 裁判所は、ルペン氏が2004年から2016年にかけて、欧州議会の資金数百万ユーロを党経費に使う違法な計画で「中心的な役割」を果たしたと判決を下した。ルペン氏は2004年から2017年まで欧州議会議員だった。
 分析: 数百万のルペン支持者が今、途方に暮れ、怒っている。フランスでは、政治的抗議運動の嵐と、世界の極右からの攻撃が予想される。
 反応: 欧州全土で、極右指導者たちが裁判所の判決を厳しく批判した。ハンガリーのビクトル・オルバン首相は、ソーシャルメディアに「Je suis Marine!(私はルペンだ!)」と投稿した。
【コメント】
 今やマクロンは自由と民主主義の最後の砦のようだ。ただ、彼は自国内でも多数派ではない。

2.トランプ大統領の新たな関税が迫る中、株価は急落
【記事要旨】
 トランプ大統領の貿易相手国に影響を及ぼす新たな関税に備え、昨日は世界市場が急落した。トランプ大統領は世界貿易体制を改革すると約束し、明日は他国が米国の輸出品に課している輸入税やその他の政策に匹敵する「相互関税」を発表する予定だ。
 トランプ大統領は関税発効予定の4月2日を「解放記念日」と呼び、関税の発効により他国が「米国をだましてきた」数年が終わると主張している。ホワイトハウスの報道官カロリン・リービット氏は昨日、一部の国が土壇場での猶予交渉を試みている中、「現時点では例外はない」と述べた。木曜日には、米国に出荷されるすべての自動車と自動車部品に25%の関税が別途課される予定だ。
 アジア市場は急落し、日本の日経平均株価は調整局面に陥った。S&P500は2022年以来最悪の月となった。欧州株は下落した。
 矛盾したメッセージ:ホワイトハウスの貿易顧問は、関税により今後10年間で約6兆ドルの増税が見込まれると述べた。しかし、関税を利用して増税することは、製造業を米国に戻すという政権の目標と矛盾すると専門家は指摘する。
 国内:関税により、米国の消費者が海外から購入する自動車、電子機器、その他の製品の価格が上昇すると予想される。しかし、トランプ大統領とその側近は、米国人に価格上昇を納得させることができると賭けている。それが裏目に出る可能性もある。

トランプについてさらに詳しく
・米国はこれまでにグアンタナモ湾で約400人の移民を投獄するために4000万ドルを費やしたと国防総省は推定している。
・トランプ氏は3期目の出馬を何度も持ち出している。
・トランプ政権はハーバード大学に与えられた約90億ドルの資金を再検討していると述べ、同大学が反ユダヤ主義を野放しにしていると非難した。
・移民に依存している米国企業は、労働者の適切で合法的な流れを確保するための法律制定を求めている。
・経済学者は、トランプ氏の科学研究への削減は米国に長期的なリスクをもたらす可能性があると述べている。
【コメント】
 ripping us off 我々を騙してきた。
 トランプの物言いはいつもながらどぎつく下品だ。
 早く米国の物価が上がり、トランプ支持者の多くが離反する日が来ることを望みたい。

3.ミャンマー軍、反政府勢力の都市への支援を遅らせる
【記事要旨】
 地震による死者数が2,000人以上に上る中、昨日ようやくミャンマーの辺境都市サガインに救援が届き始めた。同都市では僧院やアパートが破壊された。住民によると、金曜日に発生した地震で同市の80%以上が破壊された。
 軍は4年前のクーデター以来、反政府勢力とサガインの支配権をめぐって戦っている。医師らは入域を阻止されボランティアらは救出活動が中止されたと述べた。当局は安全上の懸念から重要な橋も閉鎖し、同地域はさらに孤立した。
【コメント】
 国が分断すると援助が届かないいつものパターンだ。

その他の記事
ガザ:イスラエル軍はガザ地区南部に広範囲にわたる撤退命令を発令し、同地で激しい攻撃を再開する可能性があることを示唆した。
イスラエル:ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、最高裁が現職の解任を差し止めたにもかかわらず、新たな国内情報長官を任命した。
パキスタン:昨日、数千人のアフガニスタン人が国外退去の期限を迎え、タリバンの迫害に最も弱い人々の間で恐怖が高まっている。

分析
ロシア:ウラジミール・プーチン大統領は、ここ数十年で最も友好的なホワイトハウスの忍耐力を試している。
外交:トランプ大統領と中国の習近平国家主席との会談の調整は、時間がかかり困難であることが判明している。
イタリア:トランプ大統領と欧州の間で緊張が高まる中、ジョルジア・メローニ首相は板挟みになっている。

2025年4月1日 火曜日

世界の動き 2025年3月31日 月曜日

今日の一言
「年度末」
 3月決算の多くの企業で今日は年度末。学校が4月はじまりの日本では、今日は特別の日だ。
 桜の花は満開。国の予算も成立した。株式市場は、米国での経済の行方が不確かだが、市場はいつも不確かであることだけが確かだ。
 季節外に寒い日。新年度に備え考えをめぐらしたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.余震と空爆がミャンマーを襲った
【記事要旨】
 ミャンマーでは、この1世紀以上で最悪の地震が発生し、週末に1,600人以上の死者が確認され、3,000人以上が負傷した。
 昨日、マンダレーで余震が発生し、それまでは無事だった建物がいくつか倒壊した。行方不明者を心配する声は多く、72時間という重要な生存期間が終わる今夜以降、行方不明者の生存の可能性は急激に低下する。
 自然破壊が続く中、軍事政権は週末も爆撃作戦を続けた。国連によると、地震以前から2,000万人近くが避難所と食糧を必要としている。
 権力:地震が内戦の行方を変える可能性がある。強力な反政府勢力であるアラカン軍は、ラカイン州の大部分を掌握し、国軍から国南部を奪取する可能性がある。
 援助:他国からの支援は届いているが、ミャンマー軍が切望されている救援物資をどのように分配するかについては疑問が残る。
 「彼らは援助を武器として利用してきた長い実績がある」と、2016年から2020年までミャンマー駐在の米国大使を務めたスコット・マルシエル氏は述べた。
 タイ:地震によりバンコクの建物1棟が倒壊し、少なくとも11人が死亡した。
【コメント】
 震災の姿は他人事ではない。日本での首都直下型地震、東南海地震が発生した際の阿鼻叫喚を考えるだけで恐ろしい。自分で出来ることを準備することが今すぐ必要だ。
 トランプは解体予定のUSAIDを派遣すると言い出している。彼の思考回路は不明だ。

2.ウクライナ戦争の秘められた歴史
【記事要旨】
 2022年にロシア軍がウクライナに侵攻した後、2人のウクライナ将軍が秘密裏にドイツの米軍施設に赴いた。そこで彼らは、これまで知られていたよりもはるかに緊密にアメリカを戦争に巻き込むパートナーシップを締結した。
 少数の当局者しか知らなかったこの協定は、バイデン政権がウクライナを救出し、第二次世界大戦後の西側諸国の秩序を守るための取り組みと位置付けたものの一部となった。また、この協定により、ウクライナ人ははるかに大きく、はるかに強力な敵との3年間の長い戦いを生き延びることができた。
 トランプ大統領はこの協定の一部を撤回し始めた

トランプ氏についてさらに詳しく
・トランプ氏は、ロシアがウクライナとの停戦交渉を妨害した場合、ロシアの石油を購入する国に関税を課すと脅した。
・トランプ氏はNBCニュースに対し、3期目については「冗談ではない」と語り、憲法で定められた2期の制限を回避する「方法」があると示唆した。
・トランプ政権は南アフリカ出身の白人アフリカーナーに難民の地位を与えていることが文書で示されている。
【コメント】
 プーチンののらりくらり戦術にトランプもややイライラし始めたようだ。飴を先に渡したあとで鞭を使おうとしても上手くいきそうもない。

3.シリア、新政権を樹立
【記事要旨】
 シリア暫定大統領のアハメド・アル・シャラ氏は週末に新暫定政権を発表し、昨日23人の閣僚の宣誓を終えた。数人は親しい同盟者だが、その他は独立している。同氏は各主要民族の出身者を大臣に指名した。23人の中には、内戦前に務めたアサド政権時代の大臣が5人含まれている。
 アル・シャラ氏は公権力の大半を掌握し、親しい同盟者に防衛、外交、内政を任せた。
 今後の予定: 政府は5年間政権を握り、恒久憲法の採択と選挙が行われる。
 その他の地域では、イスラエルとハマスが停戦交渉再開を示唆したが、詳細は不明。
【コメント】
 シリアの新政権が安定することを心から望みたい。ここからの多くの難民が欧州の右傾化の大きな要因だ。

その他の記事
フランス:マリーヌ・ル・ペンの横領裁判で本日が下される覚悟。有罪権が出れば、彼女の大統領選への野望は終わるかもしれない。
南太平洋:米国の監視サービスによると、マグニチュード7.0の大地震が発生し、トンガに一時「津波の目撃」が起きた。
中国:習近平は、サウジアラムコ、BMW、トヨタ自動車、フェデックスなど十数の外国企業の幹部と面談した。

2025年3月31日 月曜日

満開の花

先ほど散歩で桜坂を見に行った。

坂を数百メートル前にして桜の花々が桜色の雲のように見える。少し近づくとほのかに桜餅のにおいがする。並木にたどり着けば、桜は満開で、大きな鳥が十数匹桜の花びらの蜜をついばんでいる。朱色の桜橋は見物客で一杯だ。

満開の花と言えば、ウクライナのヒマワリだ。実物を見たことは無いが、ソフィア・ローレン主演の映画で画面を埋め尽くすヒマワリに感動した。

ウクライナ賛歌
「森がある。緑が深く、風雨や酷暑から旅人を守り憩わせる森だ。
河がある。東部を潤し黒海へそそぐ大河だ。交通の要衝であり、キャビアの産地でもある。
晴れた空が広がる。国旗のように、青く透き通った雲一つない空だ。
子供たちが平原で輪になって遊んでいる。未来への希望だ。」

戦禍のウクライナよ、いつまでも美しくあれ、気高くあれ。
ロシアにもアメリカにも屈せず、自由・平和・独立を維持して欲しい。自分に何が出来るかと言えば、全く無力なのだが。

現実の桜坂にフラッシュバックした。
「君よずっと幸せに
風にそっと歌うよwoo yeah
愛はいまも愛のままで」
福山雅治の歌の出だしは物悲しい。

「揺れる木漏れ日 薫る桜坂
悲しみに似た 薄紅色」と続く。

今年も満開の桜を見ることが出来た。あと何回見ることが出来るだろか、と自問すると、竹内まりやの「人生の扉」になってしまう。

And they say it’s still good to be 80.
But I’ll maybe live over 90.

そうだよ。終楽章はまだ始まってもいないのだ、ご同輩!

2025年3月30日 日曜日

プライベート資産にいくらまで投資するか

 伝統的資産で構成されるポートフォリオに、プライベート資産をどのくらい組み込んだらよいかは、ファンドマネジャーにとっての大きな課題だった。

 最近のように伝統資産の上値が重い際には、伝統資産との値動きの関連性の低さと、価格の洗い直しの頻度の低さで、プライベート資産が注目されてきている。2025.3.27のBloombergに記事を見つけた。 

 『資産運用大手の米ブラックロックは複雑なプライベート資産投資を既製ポートフォリオにまとめて個人投資家に提供する。同社はオルタナティブ資産のメジャープレーヤーになるべく、280億ドル(約4兆2000億円)を費やして複数のディールをまとめたばかりだ。
  上場株と債券に複雑なPE資産とクレジットファンドを組み合わせたモデルポートフォリオは、資産運用業界では初の試みだとブラックロックは説明。いずれは他のオルタナティブ投資もこれに加える可能性があるという。
  ファイナンシャルアドバイザーは26日にローンチしたこの運用モデルを用いて、プライベート市場の投資経験が乏しい顧客にオルタナティブ資産投資を提案しやすくなる。
  ブラックロックで富裕層向け事業の共同責任者であるジェイミー・マジェラ氏は「アドバイザーは長年、プライベート市場へのアクセスを求めていた」とインタビューで指摘。「従来はファミリーオフィスや極く一部の超富裕層向けだったプライベート市場で、より広い富裕層にアクセスを拡大することが目標だ」と語った。アドバイザーからの引き合いは「非常に強く、毎日のように問い合わせがある」ということだ。
  このポートフォリオ中にプライベート資産が占める比率は平均15%で、カスタマイズが可能だ。手数料は開示されていない。
   株式と債券の低コストファンドを提供することで知られるブラックロックは、1年前から手数料の高いプライベート市場への進出を加速させている。125億ドルでグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズを、25億5000万ポンド(約4900億円)で英データ会社のプレキンを買収したブラックロックは、120億ドルを投じてプライベートクレジット会社のHPSインベストメント・パートナーズ買収を完了する過程にある。
  ブラックロックは個人投資家にさまざまなプライベート市場へのアクセスを単一のポートフォリオを通じて提供するため、スイスのプライベート資産管理会社パートナーズ・グループ・ホールディングと昨年提携した。』

 ブックロックはプライベート資産の拡充を目指し、運用会社だけでなく、データも資産管理業務も買収で強化しようとしている。
 組み込み比率が15%と言うのも参考になる。5億円の金融資産を持つ個人投資家であれば、7500万円ほどはプライベート資産に投資することを薦めても良いということだ。
 PE市場の一層の拡大に希望を持たせる記事だ。

2025年3月29日 土曜日