今日の一言
「ゴキブリが一匹いれば」
米国金融大手の第3四半期決算の話だ。総じて好調だが警戒感も出ている。
業績好調
• JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなどが前年同期比で大幅な増益を報告。
• ゴールドマン・サックスは過去最高の四半期売上を記録。
• 投資家にとっては、政府統計が滞る中で経済の健全性を示す重要な指標となっている。
銀行経営陣の懸念
• 一部のCEOやCFOは、AIブームによる過熱感や資産バブルの兆候を指摘している。
• ゴールドマンのソロモン氏は「規律あるリスク管理が不可欠」と警告。
• JPモルガンのダイモン氏は「バブル期に入りつつある資産が多い」と発言。
信用リスクと破綻事例
• 自動車金融会社トリコロールや部品メーカーファースト・ブランズの破綻が懸念材料になっている。
• アポロのローワン氏は「景気サイクル終盤の事故は驚きではない」とコメントしている。
• ダイモン氏は「ゴキブリが1匹いれば他にもいる」と例え、信用リスクの広がりを示唆した。同氏は、破綻した上記の2社がプライベートクレジットを多用していたことに懸念を示し「ゴキブリ」という言葉をあえて使用したとみられる。プライベートクレジット業界からはこの言い方に反発が出ている。
楽観的な見方も
• ブラックストーンのグレイ氏は、破綻事例を「炭鉱のカナリア」とする見方を否定し、 一部の金融リーダーは、好景気の終焉とは限らないと考えている。
次回FOMCでの利下げ観測が高まり、米株式市場にはプラスに働く部分があるが、経済の不振が現実となれば下落するだろう。さて、どう動くか注目だ。
ニューヨークタイムズ電子版より
1.内向的でも健康で長生きするために
【記事要旨】
社交的な人が長寿傾向にある一方で、内向的な人も適切な人間関係を築くことで、同様の健康効果を得られる。重要なのは「人脈の数」ではなく「質」である。大切な4つの要素は以下だ。
1. 精神的サポート
– 親しい友人や家族との深い関係が、孤独感やストレスを軽減。
– 慢性的な孤独は炎症を引き起こし、心疾患や認知症のリスクを高める。
2. 物的サポート
– 日常の助け(送迎、食事の差し入れなど)や、困難時の支援が重要。
– 親しい友人は4〜6人が理想的。頼りすぎを防ぎ、バランスを保てる。
3. 健康的な習慣の促進
– 支え合う関係が、運動・食生活・医療受診などの健康行動を後押し。
– 健康への意欲は、自分を大切にする姿勢からも生まれる。
4. 精神的な刺激
– 家族以外の人との会話(スーパーや通勤中など)が認知機能を刺激。
– 言葉選びや思考力が求められ、脳の活性化につながる。
【コメント】
珍しいタイプの記事だ。
内向的な人でも、心地よい範囲での社交を通じて、健康と長寿を実現できる。孤独を避け、質の高い人間関係を意識することが鍵だと結論付けている。
2.トランプ大統領、プーチン大統領と再会談へ
【記事要旨】
トランプ大統領は昨日、数週間以内にブダペストでウラジーミル・プーチン大統領と会談し、ウクライナにおけるロシアの戦争終結に向けた方策を協議する計画だと述べた。
トランプ大統領は、プーチン大統領との2時間以上に及ぶ電話会談後にこの計画を発表した。また、マルコ・ルビオ国務長官を含むロシアと米国の高官が来週会談する予定だと付け加えた。クレムリンは、両首脳がアラスカでの会談から約2か月ぶりに新たな会談について協議したことを確認した。
トランプ大統領は本日、ホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定だ。ゼレンスキー大統領は、米国からのさらなる兵器、特にトマホーク巡航ミサイルの提供を求めるとみられる。トマホーク巡航ミサイルは、米国がウクライナに供与した兵器の中で、これまでで最も射程の長いものとなる。クレムリンによると、プーチン大統領はトランプ大統領に対し、ミサイルをウクライナに送らないよう警告したという。
【コメント】
今回トランプはどのようにプーチンに圧力をかけようとするのだろうか。ロシア軍の死傷者はすでに100万人を越え、原油に依存するロシア経済の疲弊が目立つとの報道もなる。プーチンも潮時と考えているかもしれないという淡い期待がある。
3.アサド政権の執行者たち
【記事要旨】
シリアの独裁者バッシャール・アル=アサドは、20年間、そして50万人の死者を出した13年間の内戦の間、自らの統治を支えるために手下たちのネットワークに依存していた。
彼らは民間人を拷問し、化学兵器を製造・使用し、政府の資金源となる麻薬を密輸し、病院への爆撃を命じた。そして、2024年12月にアサド政権が崩壊すると、彼らの多くは姿を消した。私と同僚たちは、彼らが犯したとされる犯罪の証拠を暴き、彼らが今どこにいるのか、例えばロシアにいるのか、あるいはレバノンで復讐を企んでいるのかを突き止めようとした。
私たちは断片的な情報を追いかけた。Facebookに投稿されたダマスカスの豪邸の写真、制裁文書に記載された小さな村の名前、記者にひっそりと提供されたロシアの国番号付き電話番号などだ。法的書類を読んだり、戸別訪問をしたり、人々の友人、家族、同僚に電話をかけたりするなどした。多くの政府職員が深夜のフライトで脱出した経緯を含め、彼らがどのようにして脱出したのか詳細を突き止めた。
【コメント】
タイムズ得意の調査報道だが、so whatという印象を免れない。
其の他の記事
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・イエメンのフーシ派民兵は、軍参謀総長が空爆で死亡したと発表した。イスラエルがこの攻撃の犯行声明を出した。
・フランス政府は議会での不信任決議を辛うじて乗り切ったが、予算をめぐる激しい争いが今後待ち受けている可能性がある。
+
・昨年韓国で発生した済州航空機墜落事故で犠牲者の遺族の一部は、ボーイング社に対し、機体のシステム更新を怠ったとして訴訟を起こした。
・トランプ大統領がニコラス・マドゥロ大統領への圧力を強める中、米国はベネズエラ近海にB-52爆撃機と特殊作戦ヘリコプターを派遣した。
2025年10月17日 金曜日