世界の動き 2025年4月1日 火曜日

今日の一言
「April Fool」
 私が子供の頃は「四月バカ」と言ったものだ。今のように英語をそのまま使うことが一般化していなかったためだろう。June Brideは六月の花嫁などと言っていた。
 ・今日株価は急上昇し40000円を回復する
 ・お米が5キロ2500円に下落する
 ・ガソリン代が一リットル120円になる
 いずれもApril Foolだが、いずれも遠くない過去に実現していた数字だ。
 近所のスーパーで、今日一日、April Fool Saleと称して大安売りをする。私がいつも食べているビフィダスヨーグルトが109円だ。その他の商品はいつもと比べどのくらい安いかわからないが、極端に安い値段が付いているようだ。
 番組再編で今日から新番組が始まる。ラジオの語学講座は昨日から始まった。こちらはApril Foolにしないようにしっかり頑張りたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.フランスの極右指導者が選挙への立候補を禁じられる
【記事要旨】
 極右指導者マリーヌ・ル・ペンは昨日、横領の罪で有罪となり、5年間公職に立候補する資格を剥奪された。
 この判決は、フランスで新たな政治的混乱につながる可能性のある危機を引き起こした。世論調査によると、フランスで最も人気のある政治家であるル・ペンは、この判決により、2027年の大統領選挙から脱落した。
 この判決は、反移民の国家主義政治家ル・ペンを激怒させた。彼女は、この判決は彼女を妨害するための「政治的」な試みであると主張し、法的に勝てる見込みは薄いが反撃することを誓った。「私は民主主義の否定にそう簡単に屈するつもりはない」と彼女は怒りを込めて語った。
 背景: 裁判所は、ルペン氏が2004年から2016年にかけて、欧州議会の資金数百万ユーロを党経費に使う違法な計画で「中心的な役割」を果たしたと判決を下した。ルペン氏は2004年から2017年まで欧州議会議員だった。
 分析: 数百万のルペン支持者が今、途方に暮れ、怒っている。フランスでは、政治的抗議運動の嵐と、世界の極右からの攻撃が予想される。
 反応: 欧州全土で、極右指導者たちが裁判所の判決を厳しく批判した。ハンガリーのビクトル・オルバン首相は、ソーシャルメディアに「Je suis Marine!(私はルペンだ!)」と投稿した。
【コメント】
 今やマクロンは自由と民主主義の最後の砦のようだ。ただ、彼は自国内でも多数派ではない。

2.トランプ大統領の新たな関税が迫る中、株価は急落
【記事要旨】
 トランプ大統領の貿易相手国に影響を及ぼす新たな関税に備え、昨日は世界市場が急落した。トランプ大統領は世界貿易体制を改革すると約束し、明日は他国が米国の輸出品に課している輸入税やその他の政策に匹敵する「相互関税」を発表する予定だ。
 トランプ大統領は関税発効予定の4月2日を「解放記念日」と呼び、関税の発効により他国が「米国をだましてきた」数年が終わると主張している。ホワイトハウスの報道官カロリン・リービット氏は昨日、一部の国が土壇場での猶予交渉を試みている中、「現時点では例外はない」と述べた。木曜日には、米国に出荷されるすべての自動車と自動車部品に25%の関税が別途課される予定だ。
 アジア市場は急落し、日本の日経平均株価は調整局面に陥った。S&P500は2022年以来最悪の月となった。欧州株は下落した。
 矛盾したメッセージ:ホワイトハウスの貿易顧問は、関税により今後10年間で約6兆ドルの増税が見込まれると述べた。しかし、関税を利用して増税することは、製造業を米国に戻すという政権の目標と矛盾すると専門家は指摘する。
 国内:関税により、米国の消費者が海外から購入する自動車、電子機器、その他の製品の価格が上昇すると予想される。しかし、トランプ大統領とその側近は、米国人に価格上昇を納得させることができると賭けている。それが裏目に出る可能性もある。

トランプについてさらに詳しく
・米国はこれまでにグアンタナモ湾で約400人の移民を投獄するために4000万ドルを費やしたと国防総省は推定している。
・トランプ氏は3期目の出馬を何度も持ち出している。
・トランプ政権はハーバード大学に与えられた約90億ドルの資金を再検討していると述べ、同大学が反ユダヤ主義を野放しにしていると非難した。
・移民に依存している米国企業は、労働者の適切で合法的な流れを確保するための法律制定を求めている。
・経済学者は、トランプ氏の科学研究への削減は米国に長期的なリスクをもたらす可能性があると述べている。
【コメント】
 ripping us off 我々を騙してきた。
 トランプの物言いはいつもながらどぎつく下品だ。
 早く米国の物価が上がり、トランプ支持者の多くが離反する日が来ることを望みたい。

3.ミャンマー軍、反政府勢力の都市への支援を遅らせる
【記事要旨】
 地震による死者数が2,000人以上に上る中、昨日ようやくミャンマーの辺境都市サガインに救援が届き始めた。同都市では僧院やアパートが破壊された。住民によると、金曜日に発生した地震で同市の80%以上が破壊された。
 軍は4年前のクーデター以来、反政府勢力とサガインの支配権をめぐって戦っている。医師らは入域を阻止されボランティアらは救出活動が中止されたと述べた。当局は安全上の懸念から重要な橋も閉鎖し、同地域はさらに孤立した。
【コメント】
 国が分断すると援助が届かないいつものパターンだ。

その他の記事
ガザ:イスラエル軍はガザ地区南部に広範囲にわたる撤退命令を発令し、同地で激しい攻撃を再開する可能性があることを示唆した。
イスラエル:ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、最高裁が現職の解任を差し止めたにもかかわらず、新たな国内情報長官を任命した。
パキスタン:昨日、数千人のアフガニスタン人が国外退去の期限を迎え、タリバンの迫害に最も弱い人々の間で恐怖が高まっている。

分析
ロシア:ウラジミール・プーチン大統領は、ここ数十年で最も友好的なホワイトハウスの忍耐力を試している。
外交:トランプ大統領と中国の習近平国家主席との会談の調整は、時間がかかり困難であることが判明している。
イタリア:トランプ大統領と欧州の間で緊張が高まる中、ジョルジア・メローニ首相は板挟みになっている。

2025年4月1日 火曜日

世界の動き 2025年3月31日 月曜日

今日の一言
「年度末」
 3月決算の多くの企業で今日は年度末。学校が4月はじまりの日本では、今日は特別の日だ。
 桜の花は満開。国の予算も成立した。株式市場は、米国での経済の行方が不確かだが、市場はいつも不確かであることだけが確かだ。
 季節外に寒い日。新年度に備え考えをめぐらしたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.余震と空爆がミャンマーを襲った
【記事要旨】
 ミャンマーでは、この1世紀以上で最悪の地震が発生し、週末に1,600人以上の死者が確認され、3,000人以上が負傷した。
 昨日、マンダレーで余震が発生し、それまでは無事だった建物がいくつか倒壊した。行方不明者を心配する声は多く、72時間という重要な生存期間が終わる今夜以降、行方不明者の生存の可能性は急激に低下する。
 自然破壊が続く中、軍事政権は週末も爆撃作戦を続けた。国連によると、地震以前から2,000万人近くが避難所と食糧を必要としている。
 権力:地震が内戦の行方を変える可能性がある。強力な反政府勢力であるアラカン軍は、ラカイン州の大部分を掌握し、国軍から国南部を奪取する可能性がある。
 援助:他国からの支援は届いているが、ミャンマー軍が切望されている救援物資をどのように分配するかについては疑問が残る。
 「彼らは援助を武器として利用してきた長い実績がある」と、2016年から2020年までミャンマー駐在の米国大使を務めたスコット・マルシエル氏は述べた。
 タイ:地震によりバンコクの建物1棟が倒壊し、少なくとも11人が死亡した。
【コメント】
 震災の姿は他人事ではない。日本での首都直下型地震、東南海地震が発生した際の阿鼻叫喚を考えるだけで恐ろしい。自分で出来ることを準備することが今すぐ必要だ。
 トランプは解体予定のUSAIDを派遣すると言い出している。彼の思考回路は不明だ。

2.ウクライナ戦争の秘められた歴史
【記事要旨】
 2022年にロシア軍がウクライナに侵攻した後、2人のウクライナ将軍が秘密裏にドイツの米軍施設に赴いた。そこで彼らは、これまで知られていたよりもはるかに緊密にアメリカを戦争に巻き込むパートナーシップを締結した。
 少数の当局者しか知らなかったこの協定は、バイデン政権がウクライナを救出し、第二次世界大戦後の西側諸国の秩序を守るための取り組みと位置付けたものの一部となった。また、この協定により、ウクライナ人ははるかに大きく、はるかに強力な敵との3年間の長い戦いを生き延びることができた。
 トランプ大統領はこの協定の一部を撤回し始めた

トランプ氏についてさらに詳しく
・トランプ氏は、ロシアがウクライナとの停戦交渉を妨害した場合、ロシアの石油を購入する国に関税を課すと脅した。
・トランプ氏はNBCニュースに対し、3期目については「冗談ではない」と語り、憲法で定められた2期の制限を回避する「方法」があると示唆した。
・トランプ政権は南アフリカ出身の白人アフリカーナーに難民の地位を与えていることが文書で示されている。
【コメント】
 プーチンののらりくらり戦術にトランプもややイライラし始めたようだ。飴を先に渡したあとで鞭を使おうとしても上手くいきそうもない。

3.シリア、新政権を樹立
【記事要旨】
 シリア暫定大統領のアハメド・アル・シャラ氏は週末に新暫定政権を発表し、昨日23人の閣僚の宣誓を終えた。数人は親しい同盟者だが、その他は独立している。同氏は各主要民族の出身者を大臣に指名した。23人の中には、内戦前に務めたアサド政権時代の大臣が5人含まれている。
 アル・シャラ氏は公権力の大半を掌握し、親しい同盟者に防衛、外交、内政を任せた。
 今後の予定: 政府は5年間政権を握り、恒久憲法の採択と選挙が行われる。
 その他の地域では、イスラエルとハマスが停戦交渉再開を示唆したが、詳細は不明。
【コメント】
 シリアの新政権が安定することを心から望みたい。ここからの多くの難民が欧州の右傾化の大きな要因だ。

その他の記事
フランス:マリーヌ・ル・ペンの横領裁判で本日が下される覚悟。有罪権が出れば、彼女の大統領選への野望は終わるかもしれない。
南太平洋:米国の監視サービスによると、マグニチュード7.0の大地震が発生し、トンガに一時「津波の目撃」が起きた。
中国:習近平は、サウジアラムコ、BMW、トヨタ自動車、フェデックスなど十数の外国企業の幹部と面談した。

2025年3月31日 月曜日

満開の花

先ほど散歩で桜坂を見に行った。

坂を数百メートル前にして桜の花々が桜色の雲のように見える。少し近づくとほのかに桜餅のにおいがする。並木にたどり着けば、桜は満開で、大きな鳥が十数匹桜の花びらの蜜をついばんでいる。朱色の桜橋は見物客で一杯だ。

満開の花と言えば、ウクライナのヒマワリだ。実物を見たことは無いが、ソフィア・ローレン主演の映画で画面を埋め尽くすヒマワリに感動した。

ウクライナ賛歌
「森がある。緑が深く、風雨や酷暑から旅人を守り憩わせる森だ。
河がある。東部を潤し黒海へそそぐ大河だ。交通の要衝であり、キャビアの産地でもある。
晴れた空が広がる。国旗のように、青く透き通った雲一つない空だ。
子供たちが平原で輪になって遊んでいる。未来への希望だ。」

戦禍のウクライナよ、いつまでも美しくあれ、気高くあれ。
ロシアにもアメリカにも屈せず、自由・平和・独立を維持して欲しい。自分に何が出来るかと言えば、全く無力なのだが。

現実の桜坂にフラッシュバックした。
「君よずっと幸せに
風にそっと歌うよwoo yeah
愛はいまも愛のままで」
福山雅治の歌の出だしは物悲しい。

「揺れる木漏れ日 薫る桜坂
悲しみに似た 薄紅色」と続く。

今年も満開の桜を見ることが出来た。あと何回見ることが出来るだろか、と自問すると、竹内まりやの「人生の扉」になってしまう。

And they say it’s still good to be 80.
But I’ll maybe live over 90.

そうだよ。終楽章はまだ始まってもいないのだ、ご同輩!

2025年3月30日 日曜日

プライベート資産にいくらまで投資するか

 伝統的資産で構成されるポートフォリオに、プライベート資産をどのくらい組み込んだらよいかは、ファンドマネジャーにとっての大きな課題だった。

 最近のように伝統資産の上値が重い際には、伝統資産との値動きの関連性の低さと、価格の洗い直しの頻度の低さで、プライベート資産が注目されてきている。2025.3.27のBloombergに記事を見つけた。 

 『資産運用大手の米ブラックロックは複雑なプライベート資産投資を既製ポートフォリオにまとめて個人投資家に提供する。同社はオルタナティブ資産のメジャープレーヤーになるべく、280億ドル(約4兆2000億円)を費やして複数のディールをまとめたばかりだ。
  上場株と債券に複雑なPE資産とクレジットファンドを組み合わせたモデルポートフォリオは、資産運用業界では初の試みだとブラックロックは説明。いずれは他のオルタナティブ投資もこれに加える可能性があるという。
  ファイナンシャルアドバイザーは26日にローンチしたこの運用モデルを用いて、プライベート市場の投資経験が乏しい顧客にオルタナティブ資産投資を提案しやすくなる。
  ブラックロックで富裕層向け事業の共同責任者であるジェイミー・マジェラ氏は「アドバイザーは長年、プライベート市場へのアクセスを求めていた」とインタビューで指摘。「従来はファミリーオフィスや極く一部の超富裕層向けだったプライベート市場で、より広い富裕層にアクセスを拡大することが目標だ」と語った。アドバイザーからの引き合いは「非常に強く、毎日のように問い合わせがある」ということだ。
  このポートフォリオ中にプライベート資産が占める比率は平均15%で、カスタマイズが可能だ。手数料は開示されていない。
   株式と債券の低コストファンドを提供することで知られるブラックロックは、1年前から手数料の高いプライベート市場への進出を加速させている。125億ドルでグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズを、25億5000万ポンド(約4900億円)で英データ会社のプレキンを買収したブラックロックは、120億ドルを投じてプライベートクレジット会社のHPSインベストメント・パートナーズ買収を完了する過程にある。
  ブラックロックは個人投資家にさまざまなプライベート市場へのアクセスを単一のポートフォリオを通じて提供するため、スイスのプライベート資産管理会社パートナーズ・グループ・ホールディングと昨年提携した。』

 ブックロックはプライベート資産の拡充を目指し、運用会社だけでなく、データも資産管理業務も買収で強化しようとしている。
 組み込み比率が15%と言うのも参考になる。5億円の金融資産を持つ個人投資家であれば、7500万円ほどはプライベート資産に投資することを薦めても良いということだ。
 PE市場の一層の拡大に希望を持たせる記事だ。

2025年3月29日 土曜日

世界の動き 2025年3月28日 金曜日

今日の一言
「前門の虎、後門の狼」
 驚くべき記事がBloombergにあった。
 『米国はウクライナで将来行われる主要インフラ投資全ての管理権を要求している。
 ブルームバーグが入手した草案では、トランプ政権が要求しているのはインフラと天然資源に関連する全ての投資プロジェクトの「優先交渉権」で、ウクライナとの改定版パートナーシップ協定で規定される。
 草案にはこのほか、ウクライナの特別復興投資基金を米政府が管理し、同基金に移管される利益について米国が優先的に請求できるとの内容も盛り込まれた。』
 第二次大戦直前のナチスドイツとソ連に侵食されるポーランドにそっくりだ。米国はウクライナを支援する意志は無く、この機会に自分の利益を極大化しているように見える。カナダ首相が言うように、米国は信頼できるパートナーでは無いようだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.トランプ大統領の自動車関税は貿易戦争のリスクを高めた
【記事要旨】
 トランプ大統領が米国に輸入される自動車と部品に25%の関税を課す計画は、世界の自動車業界に衝撃を与えた。昨日は多くの自動車メーカーの株価が下落し、アジア、欧州、米国の市場は動揺した。
 トランプ大統領は水曜日に関税を発表し、昨日はEUとカナダが報復に結束すれば標的にすると脅してリスクを高めた。報復措置の議論は世界的な貿易戦争の可能性を高めた。
 米国に輸出されるすべての自動車と一部の自動車部品に対する関税は4月3日に発効する予定である。メキシコ、日本、韓国、カナダは米国の自動車輸入の約75%を占めている。
 反応:カナダのマーク・カーニー首相は、米国は「もはや信頼できるパートナーではない」と述べ、来週には自国も報復関税を発表すると述べた。米国への大口輸出国である自動車産業を持つドイツでは、ロバート・ハーベック経済相が「EUが関税に対して断固たる対応をすることが極めて重要だ」と述べ、「我々が引き下がらないことを明確にしなければならない」と付け加えた。

トランプ氏についてさらに詳しく
・トランプ政権は、保健福祉省の職員1万人を解雇すると発表した。
・米国の戦闘機パイロットは、ピート・ヘグゼス国防長官が攻撃情報を漏らしたことに憤慨した。「誰かを殺すことになる」とあるパイロットは語った。
・トランプ氏は、下院で共和党が僅差で多数派を占めていることへの懸念から、エリーズ・ステファニク氏に議会に留まり国連大使を務めないよう求めた。
【コメント】
 自動車関税についてはやりやる詐欺では無かったようだ。アメリカの自動車メーカーが乗りたい車を消費者に提供できなかったのが輸入の原因だが、トランプ氏には原因を根治する意向は無いようだ。

2.ロシアはウクライナ交渉で優位に立っているようだ
【記事要旨】
 昨日パリで、欧州首脳らは、紛争終結後にウクライナに「再保証部隊reassurance force」を派遣するというフランスの提案について議論した。フランスのマクロン大統領は、そのような部隊の輪郭はまだ調整中であると述べた。
 この会合は、今週サウジアラビアで米国が仲介した3日間の協議でロシアとウクライナの間でエネルギーインフラと黒海に関する限定的な停戦合意が成立したことを受けてのものだ。
 タイムズのロシア担当記者とのQ&A。
Q: ロシアは協議にどのように臨んだのか?
A: ロシアが真剣に交渉に取り組んでいるのか、それとも時間を稼いでいるだけなのか、多くの疑問がある。黒海での停戦の前に特定の制裁と制限を解除するよう要求することで、クレムリンは交渉を長引かせている。その理由の1つは、要求している内容の一部は米国だけでなく欧州の行動も必要とするからである。
 今週の声明から判断すると、ウクライナにとって利益となるものはほとんどなかった。ウクライナはすでに黒海西部を経由して農産物を輸出しており、ロシア海軍をこの地域から追い出している。
Q: これらの制裁が解除された場合、モスクワはどのような利益を得るのだろうか?
A: ロシアの食品と肥料は制裁対象ではない。しかし、ロシアの海運、保険、銀行に対する制限は、モスクワにとって農産物の輸出をより困難かつ高価にするため、モスクワはこれらの制限の緩和を望んでいる。また、欧州もロシアの魚製品に対する制限を設けており、これも緩和を望んでいるようだ。
 ロシアはまた、国営農業銀行に対する制裁の解除と、国際決済システムSwiftへの再接続を望んでいる。しかし、そのためには、協議から除外されている欧州の同盟国の同意が必要になる。
【コメント】
 ウクライナにとって得るものの無い交渉を、成果があたったと声高に叫んでいるトランプ氏。裸の王様のように見える。

3.ガザで反ハマス抗議デモが拡大
【記事要旨】
 過去3日間、戦争とハマス支配の終結を求めるまれな抗議デモがガザの多くの町に広がった。デモのほとんどは小規模だが、2023年に戦争が始まって以来、ハマスの権威に対するこれまでで最も大胆な挑戦となっている。
 「ハマスは消え去る必要がある」とデモの呼びかけに協力したアフマド・アル・マスリ氏は語った。「そうしなければ、流血、戦争、破壊は止まらない」
 イスラエル:ベンヤミン・ネタニヤフ首相の連立政権は裁判官を選ぶ権限を拡大し、戦争前に国を分断した改革に戻った。
【コメント】
 紛争前まで得ていたガザ住民の支持をハマスは失いつつあるようだ。

その他の記事
韓国:1,000年の歴史を持つ仏教寺院2棟が、同国史上最大の山火事で破壊され、27人が死亡した。
トルコ:BBCは、同局の記者マーク・ローウェンが反政府デモを取材した後、イスタンブールで拘束され、国外追放されたと発表した。
考古学:カイロ南部で、推定3,600年前の無名のファラオの巨大な墓が発掘された。
分析
イエメン:中東の専門家は、トランプ大統領の側近がシグナルチャットで何を話し合ったかにかかわらず、イランが支援するフーシ派は簡単には倒されないだろうと述べた。
中国:北京はトランプ政権との関係の変化を模索する中で、米国の同盟国を説得し、また対立している。

2025年3月28日 金曜日