世界の動き 2024年6月17日 月曜日

今日の言葉
「平和サミット」
 NYタイムズでは大きく取り上げられていないが、 Bllombergでは大きく取り上げられている。
 『スイスで開催されたウクライナ「平和サミット」が2日間の日程を終了して閉幕。ウクライナのゼレンスキー大統領は、新興国を中心とする「グローバルサウス」の一部主要国からの支持を取り付けることはできなかった。
 15-16日に開催された同会議の共同声明には、インド、インドネシア、南アフリカ、サウジアラビアなどが署名をしなかった。主催者が配布したリストによれば、会議に参加した計100余りの国・機関のうち、共同声明に署名したのは84にとどまった。
 ウクライナ当局者はロシアを孤立させるためにはBRICS諸国の取り込みが不可欠と考えていたが、今回の会議に中国は不参加で、オブザーバーとして参加したブラジルも共同声明に署名しなかった。』
  メキシコ、タイなど西側寄りと思われる国で署名しなかった国もある。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.イスラエル、一部の戦闘を毎日一時停止と発表
【記事要旨】
 イスラエル軍は昨日、ガザ南部の国境検問所付近での昼間の軍事作戦を「追って通知があるまで」停止すると発表した。この動きは、支援団体が食糧やその他の基本物資の不足についてますます緊急の警告を発する中、より多くの人道支援を飛び地に入れるための取り組みである。
 イスラム教の祝日イード・アル=アドハーに行われたこの発表は、米国、カタール、エジプトが仲介する停戦合意に向けた交渉が活発に行われている中で行われた。これらの交渉の難題の1つは、いかなる敵対行為の停止も永続的かどうかについての意見の相違である。
 イスラエル軍は昨日、停止は限定的であり、ラファでの攻撃は継続され、ガザ南部全体では「戦闘停止はない」と強調した。
 政府は、ネタニヤフ首相がニュース報道で停止を知り、不承認の意向を示したと示唆した。しかしアナリストらは、ネタニヤフ首相は計画とその展開のメッセージについて認識していた可能性が高いと述べ、それぞれがさまざまな聴衆に合わせて調整されているとした。
 ガザの人々: 戦争が長引くにつれ、人々はハマスに対して声を上げる意欲が高まっている。
【コメント】
 毎日数時間でも定期的に戦闘が停止すれば援助物資の搬入はずっと楽になるだろう。ガザの人々がハマスに声をあげるようになってきているというのは良いニュースだ。

2.トランプへの新たな抵抗勢力が出現
【記事要旨】
 民主党関係者、進歩的な活動家、監視団体、元共和党員らの広範なネットワークが、トランプ氏の第2期大統領就任の可能性に備えて異例の措置を講じている。   彼らはトランプ氏の政策を民主主義への脅威とみなし、11月の選挙でトランプ氏が勝利した場合に反撃するための準備を進めている。
 計画の時期の早さと規模は前例がない。トランプ氏が公言しているように大量強制送還を実行した場合に備えて、訴訟を準備している者もいる。American Civil Liberties Union(A.C.L.U.)は、国税庁の介入を阻止するために新たな監査人を雇った。民主党が統治する少なくとも5つの州では、中絶薬の備蓄さえ行われている。
 トランプ氏が勝利した場合:同氏は、司法省を利用して敵対者に復讐したり、民主党が統治する都市に連邦軍を派遣したりするなど、権威主義的な色合いを帯びた政府への幅広い改革を公然と計画している。
【コメント】
 トランプは阻止したいが、バイデンもまずい。G7会議に遅刻したり、居眠りしたり失態続きだ。選挙資金パーティーのために首脳の夕食会を欠席するというのもいただけない。

3.イランとスウェーデンの囚人交換
【記事要旨】
 イランとスウェーデンは土曜日に囚人を交換し、遺族に安堵をもたらしたが、交換がイランの人質外交に報いるものという懸念も生じている。イランは西側諸国から譲歩を引き出すため、外国人を捏造した容疑で組織的に逮捕している。
 イランはEU外交官とイランとスウェーデンの二重国籍者を釈放した。スウェーデンは人道に対する罪で有罪判決を受けた初のイラン政府高官を釈放した。彼は拷問、戦争犯罪、1988年の反体制派5000人の大量処刑で有罪判決を受け、スウェーデンの裁判所で終身刑を宣告されていた。当時の彼の有罪判決は、国境を越えた正義の画期的な事例として人権擁護団体から歓迎された。
 反応: 犠牲者の家族やイランに拘留されたままの人々の家族は憤慨した。スパイ行為とイスラエル支援の容疑で死刑判決を受けている科学者アフマドレザ・ジャラリ氏を含め、依然投獄されている数人はスウェーデン国籍だ。ジャラリ氏は容疑を否認している。
【コメント】
 人質外交と言う言葉は知らなかった。強権的な国への訪問は十分注意しなければならない。いつ逮捕され対外交渉用の駒に使われないとも限らないからだ。

気候
メッカ:
 ヨルダンの巡礼者14人がハッジ関連の儀式中に猛暑で死亡した。
カリフォルニア:
 急速に広がる山火事により、約1,200人が避難を余儀なくされ、ロサンゼルス北西部の1万エーカー以上が焼失した。
オーストラリア:
 雪がまばらなため、一部のスキー場は営業に苦戦している。

ロシアウクライナ戦争
ロシア:
 国営メディアによると、特殊部隊が昨日、地方の拘置所で短期間の反乱を鎮圧した。彼らは、独房から脱走した被拘禁者を殺害した。その中にはテロ容疑者もいた。
外交:
 スイスでの会議で、80カ国以上が「すべての当事者間の対話」を求めた。しかし、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、領土を譲る交渉を拒否した。
ウクライナ:
 2022年、モスクワとキエフは和平交渉を行った。タイムズ紙が確認した文書は、和平が達成しにくい理由を示している。

その他の記事
ドイツ:
 ハンブルクで欧州選手権の試合が開催される数時間前、サッカーファンで混雑した路上で斧を振り回す男が警察に射殺された。
英国:
 キャサリン妃ががんの診断を発表して以来初めて公の場に姿を現した。
フランス:
 土曜日、極右政党「国民連合」に反対する数万人の集会が開かれた。
中国:
 同国の#MeToo運動の有力な指導者2人が国家転覆罪で有罪判決を受けた。この曖昧な文言の容疑は長い間、反対意見を封じ込める手段として見なされてきた。
南アフリカ:
 脆弱な連立政権が金曜日、シリル・ラマポーザを大統領として2期目に選出した。
G7:
 中国の台頭への懸念が会議に大きく影を落とした。最終声明で中国に言及した28か所のほぼすべてが、北京を悪意ある勢力と表現していた。
イタリア:
 フランシスコ法王がローマのプライド祝賀会に出席し、出席者は同法王がここ数週間で2度使ったと非難されていた同性愛者に対する侮辱的な中傷を歓迎した。

2024年6月17日 月曜日

Google Lens-Search What You See

 那須で庭の手入れをしている。花屋や植木屋で何の考えもなく目にした草木で面白そうなものがあると、庭に植えてきたのだ。数年経って伸びてくると、さて、名前がわからない。

 こんな時に便利なのはGoogle Lensだ。このソフトは、いろいろな商品を見つけ出してヤフオクでいくらぐらいで入手できるか面白半分に調べるのに重宝していた。ニューヨークで買ったカエルの人形を調べたら、出品している人がいて驚いた。

 草木の名前を調べるのにもとても便利だ。
 家の前庭の好位置に「ライラック」だったはずの木がある。ところがGoogle Lensで調べたら「イボタの木」と出て来て驚いた。説明を深堀していくと、ライラックはイボタの接ぎ木をして生育するのが一般的だそうだ。時には、原株のイボタの方が生育がよく、ライラックがあまり育たないこともあるそうだ。これがまさに我が家のケースだと理解できた。凄いぞGoogle Lens!

 こんな便利な機能だが、AppleのiPhoneにはOSS Document Scannerという使いづらく情報も少ない機能しか備わっておらず、結局は、App StoreからGoogle Lensソフトをダウンロードせざるを得ない。

 Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)と幹部らは先週、「iPhone」や「iPad」、「Mac」にオープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」を搭載する画期的な提携を発表した。
 オープンAIとの提携は、AppleにとってAIへの幅広い取り組みの一環。今年の世界開発者会議(WWDC)の基調講演では、ChatGPTとの提携以外に、「Apple Intelligence」と名付けた社内で設計した機能も発表し、開発の独自性をアピールした。

 AppleのOpenAIとの提携はChatGPTの利便性を飛躍的に高めると思われる。一方、Appleのlofty高尚な独自技術への執着が Google Lensの二の舞にならなければ良いと懸念する。

2024年6月16日 日曜日

関税100%

今日は那須で土産物の買い物をした。

お菓子はさておき、美味しそうなおかずになりそうな食べ物がある。例えば「那須の花豆」「椎茸旨煮」「おかずショウガ」等々だ。栃木県は農業県なのに、原産国を見るとほぼすべてが中国だ。

米どころ新潟県の煎餅メーカーの袋を見ると、原料のコメの原産地が中国でがっかりすることが多いが、同じような失望を感じる。

現在中国からの輸入食糧品にはほとんど関税がかかっていないと思われるが、トランプに倣って、関税を100%掛けることにしたら、さすがに国内産原料を使うほうが安くなるだろう。

多少のコスト高になっても、食の安全の観点から農業の国産化を高める工夫が必要だろう。当然ながら、取扱いが難しい隣国の報復措置への対策も練っておかなければなるまい。

2024年6月15日 土曜日

世界の動き 2024年6月14日 金曜日

今日の言葉
「アルメニア」
 最近二つの報道が目立った。
1.アルメニアのパシニャン首相は12日、旧ソ連圏6カ国でつくるロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」から脱退する方針を正式に表明した。伝えた。アルメニアは隣国アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフを巡る軍事紛争で敗北し、昨年に実効支配を失った。この問題でパシニャン氏はCSTOの支援がなかったことに不満を抱き、外交政策を転換して欧米への接近を図るとともに、CSTOがアルメニアを守る姿勢を明確にしない限り、脱退も辞さない姿勢を示していた。
 CSTOはモスクワに本部があり、ロシアのほかカザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ベラルーシが加盟している。
 パシニャン氏はCSTOについて、アゼルバイジャンと協力してアルメニアへの戦争を計画したと改めて非難した。
2.大阪万博のAタイプ(参加国が自国のデザインで建築する)パビリオン建設で最も進んでいるのがアルメニアだ。
 ところが、
 2025年大阪・関西万博で参加国が自前設計・建設する海外パビリオン「タイプA」に関し、外観の完成を10月中旬を目安に済ませるという日本国際博覧会協会(万博協会)の構想が事実上、破綻していることが13日、分かった。6月中の着工を予定するタイプAのアルメニア館関係者が間に合わないと明言した。現実的なスケジュールの提示など、協会は計画の練り直しを迫られそうだ。
 協会のスケジュールでは、来年1月中旬までに内部の改装などを終え、展示品の設置も進めて4月13日の開幕を迎える。しかし、今年10月中旬に外観まで完成しなければ、後のスケジュールも遅れ、開幕までに完成しない可能性が高まる。
 タイプAは資材価格の高騰や慢性的な人手不足などで希望する国が60カ国から53カ国まで減少。このうち14カ国で建築業者が決まっていない。決定済みの39カ国のうち31カ国は着工済み、8カ国は未着工となっている。
 どのような万博になるのか、見てみたい気もしてきた。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.G7首脳、ウクライナに500億ドルの融資で合意
【記事要旨】
 イタリアでのG7サミットで、加盟国はウクライナに500億ドルの融資を行い、武器の購入と損傷したインフラの再建を支援する計画で合意した。この新たな支援策は、ロシアが戦場で勢いを増している戦争の重要な時期に実施される。
 この融資は、主にベルギーの金融機関にある凍結されたロシア資産3000億ドルの利子を使って返済される予定だ。
 バイデン大統領はまた、ウクライナ政府と10年間の安全保障協定に署名し、同国に対する米国の長期的なコミットメントを示した。これは、ウクライナのNATO加盟への架け橋となるように設計されている。日本もウクライナと10年間の安全保障協定に署名し、45億ドルの拠出を約束した。
 一方、NATOの国防長官らは昨日ブリュッセルに集まり、キエフに追加の武器を約束した。また、来月ワシントンで開催される首脳会談で発表される長期的な軍事的コミットメントの準備のためにも会合した。ウクライナにとっての追い風は、ハンガリーが軍事同盟の戦争活動には貢献しないが、それを阻止しないとの合意だ。
 バイデンの視点:安全保障協定は、ドナルド・トランプが今秋大統領選に勝利しても米国はウクライナを支援し続けると同盟国を説得するバイデンの最新の取り組みだ。
 G7についての詳細:首脳の大半は、苦境に立たされ、苦戦し、危険にさらされながら首脳会談に臨んだ。その多くは、立場を弱める選挙に直面している。
【コメント】
 日本の岸田首相の支持率は低迷している。フランス、英国、ドイツの与党も同様だ。米国でももしトラが起こりそうだ。
 弱いリーダーたちが勝手に決定しているとロシアや中国は見ている。

2.米最高裁、中絶薬の入手を支持
【記事要旨】
 最高裁は、広く入手可能な中絶薬であるミフェプリストンへの幅広い入手を支持した。全員一致の判決は、米国で圧倒的に最も一般的な方法である薬物中絶へのアクセスが当面続くことを意味する。これは、国内でのすべての中絶の終結を積極的に求めている中絶反対運動にとって大きな損失だ。
 最高裁は、米国の規制当局によるミフェプリストンの承認を覆そうとする中絶反対団体と医師の申し立てを却下した。しかし、中絶をほぼ全面的に禁止している14州で薬物中絶が依然として違法であるという事実は変わらない。
 数字:2023年に中絶を受けるために州外に旅行した人は17万1000人以上いる。

3.中国の自動運転車に乗る
【記事要旨】
 ますます人気が高まっている自動運転車のテストに、中国ほど積極的に取り組んでいる国はない。政府も協力している。公道に大規模なテストエリアを設けるほか、検閲官は安全事故や衝突事故に関するオンライン上の議論を制限し、この技術に対する国民の不安を抑えている。
 タイムズに北京支局長は、世界最大の自動運転車の実験に参加するために武漢を訪れた。「加速もブレーキもスムーズだ。人間の運転手が運転する場合よりも、曲がるときに少しぎくしゃくするだけだ」と彼は語った。
【コメント】
 EVと自動運転では中国が世界をはるかにリードしている。中国製の自動車が世界にあふれる未来が予見される。

その他の記事
ロシア:
 検察当局は、スパイ容疑で投獄されているアメリカ人ジャーナリスト(WSJの記者)、エヴァン・ガーシュコビッチの起訴を確定した。同氏は今後、スパイ容疑で裁判にかけられる。
レバノン:
 イスラエルとヒズボラは2日連続で空爆を繰り広げ、本格的な戦争への懸念が高まっている。
気候:
 新たな研究によると、カナダのハドソン湾南部のホッキョクグマは、海氷の薄化により、早ければ2030年代にも絶滅する可能性がある。
ウクライナ:
 同僚らは、ロシアがウクライナ北東部の国境を越えて侵攻を開始してから1カ月が経ち、現在は廃墟となっているヴォフチャンスクの町から報告した。
海底:
 アーネスト・シャクルトンの最後の船、クエスト号の残骸が今月、カナダ沖で発見された。

2024年6月14日 金曜日

世界の動き 2024年6月13日 木曜日

今日の言葉
「プロスポーツ」
 今日のTimesで面白かったのはサウジがプロボクシングを制覇しようとするという以下の記事だ。
 『サウジアラビアはプロゴルフの敵対的買収を開始し、世界サッカーに数十億ドルを投資した。そして今、プロボクシングも掌握しようとしている。
 計画を直接知る2人の人物によると、ボクシングの経済、構造、未来を再構築するサウジの計画は、承認の最終段階にあるという。初期投資は20億ドルにも上ると言われている。コンサルタント会社の協力を得て開発されたこのプロジェクトは、事実上、男子ボクサーのトップ約200人を擁する世界規模の単一のボクシング団体を創設することになる。
 ​​プロモーターと認可団体の絡み合ったネットワークによって運営されているこのスポーツは、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップにファンを着実に奪われており抜本的な改革が必要だ。』
 資金力に明かせているとも見えるが、国際団体4つが乱立している状況はわかりにくく不自然だ。サウジの試みが上手く行けばボクシングは昔日の人気を取り戻せるかもしれない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.G7サミットでバイデン氏はロシア資産をウクライナのために使うよう主張する
【記事要旨】
 西側同盟国は2年間、凍結されたロシア資産3000億ドルをどう扱うかを議論してきた。今日からイタリアで会合を開くG7首脳らは妥協案を発表するようだ。
 欧州首脳らは資産を差し押さえれば国際法に違反するのではないかと懸念した。そこでバイデン政権は、資産から得られる利子を、ウクライナに即時に融資する計画を考案した。
 融資は500億ドルにまで膨らむ可能性があり、ロシアの資金から得られる利益で時間をかけて返済される。  G7の財務相らは詳細を詰めており、米報道官はサミットでその取り組みについて「全会一致」が得られると予想していると述べた。
 首脳らはまた、中国がロシアに軍備再建のため「軍民両用」のマイクロエレクトロニクスやその他の装備を売りつけ、ロシアを後押しするのをどう阻止するかという問題にも取り組む予定だ。バイデン政権は昨日、中国がウクライナ侵攻で露政府を支援するのを阻止することを目的とした制裁を追加すると発表した。
 関連ニュースでは、ウクライナは戦争資金と経済支援のために国有企業約20社を売却する計画だ。
【コメント】
 これはEU首脳が心配してきたように国際法違反ではないだろうか。元本は差し押さえないが、利息はウクライナのために使わせてもらうのは大丈夫だと言う論理が理解できない。 ロシアは烈火の如く怒り対立は深まるだろう。

2.EU、中国製電気自動車にさらなる関税を課す
【記事要旨】
 EUは昨日、中国から輸入される電気自動車EVに最大38%の追加関税を課すと発表した。EU首脳らはこれを不公平な競争から製造業者を守るための措置と呼んでいる。この措置は、米国が中国製EVへの関税を4倍の100%に引き上げてから1か月後のことだ。
 「消費者が中国製の低価格輸入品を購入するのが高価になることで、欧州でのEVの普及が遅れ、排出量削減の進展も遅れる可能性がある。しかし、関税は欧州の自動車メーカーの雇用喪失を防ぐことにも役立つ可能性がある。欧州の脱炭素化の取り組みが近年の急激な価格上昇に憤慨する有権者の反発をますます招いている中、この保護策は環境保護活動に対する政治的支持を維持するのに役立つ可能性がある」とタイムズの同僚は語る。
【コメント】
 EUが一枚岩で関税をあげることが出来るのだろうか。中国に融和的な国々やEVを輸入に頼る国々からは反対が出るに違いない。

3.移民が西側政治をどう形作っているか
【記事要旨】
 最近の欧州議会選挙は、移民が西側を形作る力を持っていることを示す最新の兆候だと、デイビッド・レオンハートは書いている。移民の流れを減らすと約束していた右派政党が勢力を伸ばし、中道右派政党はより制限的な姿勢を採って1位となった。
 西側諸国における移民の増加には大きな利点があったが、欠点もあった。競争が激化すれば労働者に悪影響が出る。政府は社会福祉の提供に苦慮し、社会の変化に不快感を覚える人もいる。歴史的に見て、移民の急増は、Brexitのように政治的反発を招いてきた。
 長年、西側の主流派政治家は移民に対する有権者の懸念を無視し、多くの有権者を極右政党に送ってきた。しかし最近、左派と中道派は移民の扱いに関して世論をより尊重し始めている。
【コメント】
 移民にも選挙権が与えられれば、移民を厚遇する政策も採用され、移民排斥一辺倒にはならないだろう。
 扉を開けると閉じるのは困難だ。我が国では労働力の確保と言う観点でしか移民について議論されない。今後の国の姿を見据えた議論が必要だ。

中東情勢
戦争犯罪:
 国連の10月7日とガザ戦争に関する最も詳細な調査報告書の中で、委員会はイスラエルとパレスチナ両グループを犯罪で告発した。
停戦:
 米国務長官アントニー・ブリンケンは、ハマスが人質交渉に提案したいくつかの変更は実行不可能だと述べた。
レバノン:
 イスラエルの攻撃でヒズボラの著名な司令官が死亡、ヒズボラは激しいロケット弾攻撃で応戦した。

その他の主要記事
フランス:
 エマニュエル・マクロン大統領は、極右が政権を握れば混乱、無法状態、そして「真のフランス国民とそれ以下の国民」が混在する社会になると警告した。
クウェート:
 昨日、低所得労働者が多数住む建物で火災が発生し、少なくとも49人が死亡した。その多くはインドからの移民だった。
パキスタン:
 国内最大の都市カラチで、致命的な路上犯罪が再び発生している。
ギリシャ:
 猛暑のため、一部の学校が閉鎖され、アクロポリスは訪問時間を制限した。今日の気温は記録を更新するかもしれない。
バチカン:
 フランシスコ法王は、司祭との会合中に反同性愛の侮辱を繰り返したと非難された。
英国:
 脱工業化地域の有権者は保守党に不満を抱いている。
オランダ:
 著名な犯罪ジャーナリスト、ピーター・デ・フリース氏の殺害で3人の男が有罪判決を受けた。

2024年6月13日 木曜日