世界の動き 2024年6月13日 木曜日

今日の言葉
「プロスポーツ」
 今日のTimesで面白かったのはサウジがプロボクシングを制覇しようとするという以下の記事だ。
 『サウジアラビアはプロゴルフの敵対的買収を開始し、世界サッカーに数十億ドルを投資した。そして今、プロボクシングも掌握しようとしている。
 計画を直接知る2人の人物によると、ボクシングの経済、構造、未来を再構築するサウジの計画は、承認の最終段階にあるという。初期投資は20億ドルにも上ると言われている。コンサルタント会社の協力を得て開発されたこのプロジェクトは、事実上、男子ボクサーのトップ約200人を擁する世界規模の単一のボクシング団体を創設することになる。
 ​​プロモーターと認可団体の絡み合ったネットワークによって運営されているこのスポーツは、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップにファンを着実に奪われており抜本的な改革が必要だ。』
 資金力に明かせているとも見えるが、国際団体4つが乱立している状況はわかりにくく不自然だ。サウジの試みが上手く行けばボクシングは昔日の人気を取り戻せるかもしれない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.G7サミットでバイデン氏はロシア資産をウクライナのために使うよう主張する
【記事要旨】
 西側同盟国は2年間、凍結されたロシア資産3000億ドルをどう扱うかを議論してきた。今日からイタリアで会合を開くG7首脳らは妥協案を発表するようだ。
 欧州首脳らは資産を差し押さえれば国際法に違反するのではないかと懸念した。そこでバイデン政権は、資産から得られる利子を、ウクライナに即時に融資する計画を考案した。
 融資は500億ドルにまで膨らむ可能性があり、ロシアの資金から得られる利益で時間をかけて返済される。  G7の財務相らは詳細を詰めており、米報道官はサミットでその取り組みについて「全会一致」が得られると予想していると述べた。
 首脳らはまた、中国がロシアに軍備再建のため「軍民両用」のマイクロエレクトロニクスやその他の装備を売りつけ、ロシアを後押しするのをどう阻止するかという問題にも取り組む予定だ。バイデン政権は昨日、中国がウクライナ侵攻で露政府を支援するのを阻止することを目的とした制裁を追加すると発表した。
 関連ニュースでは、ウクライナは戦争資金と経済支援のために国有企業約20社を売却する計画だ。
【コメント】
 これはEU首脳が心配してきたように国際法違反ではないだろうか。元本は差し押さえないが、利息はウクライナのために使わせてもらうのは大丈夫だと言う論理が理解できない。 ロシアは烈火の如く怒り対立は深まるだろう。

2.EU、中国製電気自動車にさらなる関税を課す
【記事要旨】
 EUは昨日、中国から輸入される電気自動車EVに最大38%の追加関税を課すと発表した。EU首脳らはこれを不公平な競争から製造業者を守るための措置と呼んでいる。この措置は、米国が中国製EVへの関税を4倍の100%に引き上げてから1か月後のことだ。
 「消費者が中国製の低価格輸入品を購入するのが高価になることで、欧州でのEVの普及が遅れ、排出量削減の進展も遅れる可能性がある。しかし、関税は欧州の自動車メーカーの雇用喪失を防ぐことにも役立つ可能性がある。欧州の脱炭素化の取り組みが近年の急激な価格上昇に憤慨する有権者の反発をますます招いている中、この保護策は環境保護活動に対する政治的支持を維持するのに役立つ可能性がある」とタイムズの同僚は語る。
【コメント】
 EUが一枚岩で関税をあげることが出来るのだろうか。中国に融和的な国々やEVを輸入に頼る国々からは反対が出るに違いない。

3.移民が西側政治をどう形作っているか
【記事要旨】
 最近の欧州議会選挙は、移民が西側を形作る力を持っていることを示す最新の兆候だと、デイビッド・レオンハートは書いている。移民の流れを減らすと約束していた右派政党が勢力を伸ばし、中道右派政党はより制限的な姿勢を採って1位となった。
 西側諸国における移民の増加には大きな利点があったが、欠点もあった。競争が激化すれば労働者に悪影響が出る。政府は社会福祉の提供に苦慮し、社会の変化に不快感を覚える人もいる。歴史的に見て、移民の急増は、Brexitのように政治的反発を招いてきた。
 長年、西側の主流派政治家は移民に対する有権者の懸念を無視し、多くの有権者を極右政党に送ってきた。しかし最近、左派と中道派は移民の扱いに関して世論をより尊重し始めている。
【コメント】
 移民にも選挙権が与えられれば、移民を厚遇する政策も採用され、移民排斥一辺倒にはならないだろう。
 扉を開けると閉じるのは困難だ。我が国では労働力の確保と言う観点でしか移民について議論されない。今後の国の姿を見据えた議論が必要だ。

中東情勢
戦争犯罪:
 国連の10月7日とガザ戦争に関する最も詳細な調査報告書の中で、委員会はイスラエルとパレスチナ両グループを犯罪で告発した。
停戦:
 米国務長官アントニー・ブリンケンは、ハマスが人質交渉に提案したいくつかの変更は実行不可能だと述べた。
レバノン:
 イスラエルの攻撃でヒズボラの著名な司令官が死亡、ヒズボラは激しいロケット弾攻撃で応戦した。

その他の主要記事
フランス:
 エマニュエル・マクロン大統領は、極右が政権を握れば混乱、無法状態、そして「真のフランス国民とそれ以下の国民」が混在する社会になると警告した。
クウェート:
 昨日、低所得労働者が多数住む建物で火災が発生し、少なくとも49人が死亡した。その多くはインドからの移民だった。
パキスタン:
 国内最大の都市カラチで、致命的な路上犯罪が再び発生している。
ギリシャ:
 猛暑のため、一部の学校が閉鎖され、アクロポリスは訪問時間を制限した。今日の気温は記録を更新するかもしれない。
バチカン:
 フランシスコ法王は、司祭との会合中に反同性愛の侮辱を繰り返したと非難された。
英国:
 脱工業化地域の有権者は保守党に不満を抱いている。
オランダ:
 著名な犯罪ジャーナリスト、ピーター・デ・フリース氏の殺害で3人の男が有罪判決を受けた。

2024年6月13日 木曜日