世界の動き 2025年11月7日 金曜日

今日の一言
「支持率」
 高市首相の支持率は80%越え、トランプ大統領の支持率は40%すれすれ、という支持率の報道が相次ぐ。
 もし私に支持率調査の電話がかかってきたらどう応えるだろうか。首相の経済政策や安保政策、外国人対策のすべてに同意できないが、前任の石破首相よりまだましだという判断で、支持すると答えるかもしれない。
 同じ議員内閣制を採用している英国やカナダでは、二択でない支持率調査が一般的だ。英国では、ONS(国家統計局)の「オピニオンとライフスタイル調査」が広く使われている。回答形式は、賛成・反対だけでなく「どちらとも言えない」「わからない」など複数選択肢になっている。カナダでは、PSPC(公共事業調達省)傘下のPORD(世論調査局)が、賛否に加え「中立」「未定」「関心なし」などを含む選択肢だ。
 二択では、支持と不支持の間を世論が大きく揺れ動くことになる。日本の大新聞も、ちょっとした工夫が必要だと思うのだが。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.私は燃えている:テストステロンの期待と危険性
【記事要旨】
 テストステロン療法をめぐって女性たちの期待と葛藤がある。
1. 背景と変化
– スーザン・ドミナスの過去の記事が、更年期とホルモン療法に対する誤解を正し、議論を活性化。
– ソーシャルメディアや医師の発信により、ホルモン療法への関心が高まり、テストステロン療法を試す女性も増加。
2. テストステロン療法の実態
– 一部の女性は高用量のテストステロンを使用し、性生活や活力に劇的な変化を経験。
– しかし、こうした用量は本来の生理的レベルを大きく超えており、科学的な裏付けは乏しい。
3. 副作用とリスク
– 攻撃性の増加、脱毛などの副作用が報告されている。
– テストステロンペレットは一度挿入すると3か月間除去できず、予期せぬ反応に苦しむケースも。
– 長期的な健康リスク(がん・心疾患など)は未解明で、低用量でも十分なデータはない。
4. 文化的な視点と変革
– 更年期女性のセクシュアリティが再評価されつつあり、「性的存在としての権利」への理解が広がっている。
– イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどがホルモン療法の普及と安全性向上に積極的。
– アメリカでは保守的な文化背景が変化を遅らせており、女性の不満が高まっている。
【コメント】
 アメリカが保守的なら日本は超保守的だ。
 日本では ホルモン補充療法(HRT)の普及率は2%未満とされ、欧米(米国40%、スウェーデン医療従事者80%)と比べて極めて低い。 「更年期は病気ではない」「気の持ちよう」といった文化的な価値観が普及を妨げてきた。
  日本産婦人科医会のガイドラインでは、テストステロンは女性への治療薬として承認されておらず、使用例もほとんどない。 更年期障害に対しては、エストロゲン製剤(貼り薬・飲み薬・腟錠)と黄体ホルモン製剤の併用が基本だ。
 遅ればせながら、普及が進むのだろうか。

2.アマゾン気候サミット
【記事要旨】
 外交官や首脳らは昨日、アマゾン熱帯雨林の端に位置するベレン市で、毎年恒例の国連気候変動会議を開会した。
 ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は、中国製のEV(電気自動車)を多数乗り入れて会場に到着し、中国の技術が世界中でどのように発展してきたかを強調した。こうした車両の選択は、トランプ政権が今年の気候変動会議に出席していないことを浮き彫りにした。一部の参加者にとっては、それで十分だった。
 COP30として知られるこの会議は、今年も世界中で記録的な猛暑と異常気象に見舞われている最中に開催される。
【コメント】
 COP30は「理念から実行へ」の転換点とされ、企業や自治体のESG戦略にも直結する内容が多く含まれている。
 ただし、決議の実効性は、資金の透明性・KPI評価指標の運用・各国の政治的意思に依存している現状だ。

3.なぜトランプ大統領はナイジェリアで軍事行動を脅かしているのか?
【記事要旨】
 トランプ大統領とその支持者たちは、ナイジェリアではキリスト教徒が宗教を理由に殺害されていると主張している。
 Timesの同僚によると、ナイジェリアでは様々な地域で様々な種類の暴力が発生しており、宗教は多くの要因の一つだという。都合の良い事件だけを取り上げて、まるで国全体が混乱状態にあるかのように見せるのは簡単だが、実際にはそれだけが全てではない。
【コメント】
 簡単に勝てる戦争には手を出しそうなトランプだ。

其の他の記事
・台風カルマエギはベトナムへ移動し、フィリピンでの死者数は117人に上った。
・ロシアはウクライナの戦略都市ポクロフスクを占領しようとしており、これは2023年以来最大の戦利品となる。
・政府閉鎖による米国の航空交通量の削減は、主要40空港へのフライトに影響を与える。そのリストは以下の通り。
・スーダンの準軍事組織RSFは、自国軍による残虐行為に対する国際社会からの圧力の高まりを受け、米国主導の仲介者グループによる停戦提案を受け入れた。

2025年11月7日 金曜日