世界の動き 2024年10月24日 木曜日

今日の一言
「投票率」
衆議院議員選挙の投票率の推移をみる。戦後最初の昭和21年(第22回)には72%。その後平成2年(第39回)の73%までは、70%台を維持してきた。
最近の数字を見ると、平成24年(第46回)選挙で59%となって60%を切り、その後平成26年に53%、平成29年は54%、令和3年56%と50%台で推移してきた。
この間、「選挙に強い安倍首相」が自公で3分の2以上の議席を押さえ、いわゆる安倍・菅政治を推し進めてきた。投票率が50%だと有権者の25%以上の支持を獲得すれば、議席を獲得できることになる。
是非今回の選挙では投票して国政への意志を表示したいものだ。
因みに2020年の米国大統領選挙の投票率は66%で、米国民1億6000万人が投票した。この投票率は120年ぶりの高さだったそうであり、米国の投票率も意外に低い。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事(今日はTop2でした)
1.米国大統領選挙が世界にとって何を意味するか
【記事要旨】
世界中の人々が、最終段階に差し掛かる米国の選挙戦を注視している。11月5日の選挙の結果は、世界中に影響を及ぼすだろう。ドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏の2人の候補者は、世界的な危機や課題について、しばしばまったく異なる見解を持っている。
米国大統領選挙が海外でどのように見られているのかをタイムズ紙のヨーロッパ担当特派員と話した。
Q: 世界中の選挙ウォッチャーはどのように感じているか?
A: ヨーロッパの生活や政策の多くがノースカロライナ州、ジョージア州、アリゾナ州の有権者にかかっているという、ある種の興味とほとんど怒りが渦巻いている。米国大統領は全世界の市民に影響を与えるからだ。
Q: カマラ・ハリス氏は、バイデン大統領との差別化を図ろうとしているが、彼女の政権はどのように異なるだろうか?
A: 彼女の経験と私生活は、カリフォルニア出身でインド系とジャマイカ系のハーフという点でまったく異なる。バイデンはアメリカ最後の真の大西洋横断主義者という決まり文句があるが、第二次世界大戦はずっと昔のことで、ハリスの見方は異なるだろう。
例えばガザに関しては、ハリス氏の方がパレスチナ人の苦しみにバイデン氏よりも共感しているように感じられる。彼女はイスラエルに対して同じコミットメントを共有しているのか、彼女の外交政策に関してはわからない。
Q:第2次トランプ政権は第1次政権と大きく異なるのか?
A:前回、トランプ氏は勝つ準備ができていなかったため、よく知らない人たちを集め、そのほとんどは典型的な共和党員と軍人で、ほとんどの時間をトランプ氏がやりたいことをしないように説得することに費やしました。
今回、トランプ氏が勝利すれば、彼の周囲には、システムの仕組みを知り、トランプ氏の直感を政策に反映させたいと考えている、非常に賢く、はるかにイデオロギー的な人々が大勢いるだろう。
Q:人々が特に懸念しているのはどのような問題か?
A:最大の問題は国家安全保障で、これはヨーロッパ、実際はウクライナとNATOにとっての問題だ。この2つはつながっている。ドナルド・トランプ氏には不安がある。なぜならトランプ氏は多くの問題で、言葉では強硬だが、実際には予測不可能だからだ。トランプ氏は、NATOは人々が会費を払わなければならないクラブであり、誰も十分な額を払っておらず、アメリカはだまされていると考えている。
トランプ氏が、例えばNATOを信じていない、あるいは防衛費を十分に払っていない加盟国を守らないと言い始めたら、NATOの信頼性と第5条への信頼を損なうのではないかと心配する人もいる。それが次の本当の懸念、ウクライナにつながる。ウクライナが陥落すれば、ロシアはポーランド国境に立つことになる。
これに関連して、共和党が大統領と議会を制した場合、トランプ大統領に対する制約が弱まるのではないかという懸念もある。
最近の動き:
・トランプ陣営は、英国与党労働党を「露骨な外国の干渉」と非難した。
・トランプ政権で最長の首席補佐官であったジョン・ケリー氏は、トランプ氏はファシストの定義に当てはまると考えていると述べた。
・ハリス氏とトランプ氏は、ジェンダー問題に直接言及することはめったにない。しかし、選挙は多くの点で、米国における女性の役割に関する国民投票である。
・偽情報の専門家によると、選挙をめぐって渦巻く半真実、嘘、捏造の洪水は、これまでのどの事件よりも激しい。
【コメント】
無事選挙が行われ終了することを祈るばかりだ。

2.米国は北朝鮮軍がロシアにいると述べた
【記事要旨】
ロイド・オースティン米国防長官は昨日、北朝鮮がウクライナ戦争で戦うためにロシアに軍隊を派遣したと述べ、北朝鮮の存在は「非常に深刻な」緊張の高まりだと述べた。
オースティン長官は、ウラジーミル・プーチン大統領が北朝鮮の傭兵を必要としていることを絶望の表れとみなした。米国国家安全保障担当報道官は、北朝鮮が少なくとも3,000人の兵士をロシア東部の訓練場に派遣したと述べた。
北朝鮮がロシア支援のために軍隊を派遣する決定は、中国を外交的に厳しい立場に追い込む可能性がある。
【コメント】
北朝鮮は精鋭部隊を派遣したとの報道もある。ならず者国家の親分と子分がそろい踏みした印象だ。

その他の記事
トルコ:
国営航空宇宙企業で当局が「テロ攻撃」と呼ぶ事件で5人が死亡、22人が負傷。
(この企業はドローンやミサイルの製造で知られている)
外交:
中国の習近平国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相が5年以上ぶりに会談し、関係改善の見通しが高まった。
日本:
東京メトロの株価は取引初日に45%急騰した。

野球:
大谷翔平選手の50本目のホームランボールがオークションで記録的な439万2000ドルで落札された。

2024年10月24日 木曜日

世界の動き 2024年10月23日 水曜日

今日の一言
「暗雲か」
Bloombergの記事より要旨
『ウォール街の大手銀行2行が米国株式市場の今後数年の行方について対照的な見解を示している。
ゴールドマン・サックスは、S&P500指数の年率リターンが3%程度にとどまると予測し、相場の高水準や米国債利回り上昇による資金流出の可能性を指摘している。
一方、JPモルガンはより楽観的で、主要企業の株価が今後10~15年間も投資家のポートフォリオの柱となり、年率6.7%のリターンを見込んでいる。
ただし、バリュエーションの低下は避けられないとしつつも、堅実なファンダメンタルズがそれを補うと予測している。両行の見解の違いは、利下げ後の市場不確実性を反映している。』
筆者の考える不確定要因
・金利上昇懸念:レバレッジを利用する投資ファンドにとっての運用資金コストの上昇
・米国大統領選挙後の政治の不安定化
・イスラエル、ウクライナを巡る戦乱の継続
いずれにしてもあまり明るい見通しは持てない。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.共和党議員らが選挙に疑念を植え付ける
【記事要旨】
ドナルド・トランプ氏が11月5日の選挙は不正選挙になるだろうと広く主張する中、同氏の同盟者の一部はすでに今年の投票に疑問を呈している。彼らの取り組みは、トランプ氏が負けた場合に選挙結果を覆すための下地作りに役立つ可能性がある。
トランプ氏が2020年の選挙結果を覆そうとするのを支援したペンシルベニア州選出のスコット・ペリー下院議員も、この取り組みを主導する1人だ。同氏と共和党議員らは州政府を相手取り訴訟を起こし、軍人や海外在住の米国人が投じた投票用紙を検証するシステムが不十分だと主張している。これは、有権者名簿や外国人有権者などの問題に関連して共和党同盟者が起こした約100件の訴訟の1つだ。選挙管理当局者や他の専門家は、これらの主張には根拠がないと述べている。
大統領選挙のその他の動き:
・ロシアは米国の選挙結果をめぐる抗議行動や暴力を煽る行動を取る可能性があると、諜報当局は昨日警告した。
・トランプ氏は、若者にアプローチする戦略の一環として、ジョー・ローガン氏とのポッドキャストインタビューを収録する予定だ。
(ジョー・ローガンは格闘技に関する著名なコメンテーターでポッドキャストで大人気。世論調査では、男性の36%、女性の32%がポッドキャストのリスナーで、よく聴くポッドキャスト番組を尋ねた結果、男性は「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」と「ベン・シャピロ・ショー」と回答し、女性は「ニューヨーク・タイムズ ザ・デイリー」と「ディス・アメリカン・ライフ」と回答している。)
・ハリス陣営は、フェイスブック広告やワッツアップチャンネルの集中攻撃が、幻滅したイスラム教徒やアラブ人の有権者の支持獲得に役立つことを期待している。
・タイムズ紙の分析によると、保守派による政府再編計画「プロジェクト2025」は、トランプ氏の主張とは裏腹に、トランプ氏とその陣営と多くのつながりがあることが判明した。
【コメント】
ジョー・ローガンか。いかにもトランプらしい目の付け所だ。

2.ハマスのゲリラ戦術は敗北を困難にしている
【記事要旨】
ハマスのトップ司令官の殆どは死亡し、一般兵士は壊滅し、隠れ家や備蓄の多くは破壊された。ハマスの戦闘員はイスラエル軍と正面から戦うには敵わないが、ハマスはそういう戦い方をしていない。
小規模な一撃離脱攻撃により、ハマスはイスラエルに損害を与え続け、敗北を免れている。ハマスの広大な地下トンネル網は、イスラエルの破壊努力にもかかわらず、ほぼ無傷のままである。アナリストらによると、ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワルの死でさえ、ガザ北部のハマス戦闘員の能力に影響を与える可能性は低い。
外交:アントニー・ブリンケン国務長官は昨日イスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、シンワル殺害を「利用」してガザ戦争を終わらせるよう圧力をかけた。
【コメント】
イスラエルとしてはどこまでハマス組織を破壊しつくせば安心できるだろうか。軍事組織としては破壊できても思想を根絶することは不可能だ。

3.ウクライナへの500億ドルの融資
【記事要旨】
米国と欧州は、凍結されたロシア中央銀行の資産を担保とする500億ドルの融資をウクライナに提供する計画をほぼ最終決定したと、米国財務長官が昨日述べた。
今週、ワシントンで国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会中に財務相と中央銀行総裁が協議するため、発表が行われる可能性がある。「これは、ロシアがウクライナに与えている損害のコストと費用をロシアに負担させる方法だ」とジャネット・イエレン財務長官は記者会見で述べた。
関連:米国は、長距離ドローンの製造のためにウクライナに8億ドルの軍事援助を提供することに合意した。
インフレ:IMFは報告書で、世界の中央銀行が金利を数年ぶりの高水準に引き上げたにもかかわらず、世界経済は景気後退に陥るのをなんとか回避したと述べた。
【コメント】
石破内閣での蔵相は誰か覚えていますか?

その他の記事
ロシア:
西側諸国から孤立しているウラジミール・プーチン大統領は、中国、インド、南アフリカの首脳を首脳会談に迎え入れ、外交上の勝利を収めた。
外交:
インドと中国は、ヒマラヤの国境問題で合意に達し、敵対関係が緩和される可能性がある。
インド:
イスラムの政治活動家ウマル・ハリド氏は、裁判も受けずに4年間投獄されている。ハリド氏は、声を上げることの代償の象徴となっている。

2024年10月23日 水曜日

世界の動き 2024年10月22日 火曜日

今日の一言
「民主主義の危機」
 ドイツの話だ。ブランデンブルグ州の議会選挙で、与党の社会民主党SPDが僅差で勝利した。極右政党とされるドイツのための選択肢AfDが第二党になった。
 AfDは既にチューリンゲン州では第一党になった。AfDに政権を取らせないために第二党のキリスト教民主同盟は緑の党や共産党系の政党との連立を模索している。保守派から極左まで連合してAfDに政権を渡さない構えだ。
 極右政党であるAfDの躍進は民主主義の危機かも知れない。しかし、AfDを支持する多数の世論に反し、その他の政党が右から左まで連立するのは、これも民主主義の危機だ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.米国大統領選は実質的に同点
【記事要旨】
 11月5日の投票まで2週間となった今、世論調査ではドナルド・トランプ氏とカマラ・ハリス氏が接戦を繰り広げている。
 ペンシルベニア、ミシガン、ネバダ、ウィスコンシン、ノースカロライナの5つの重要な激戦州におけるタイムズの世論調査平均では、ハリス氏とトランプ氏は実質的に同点だ。どちらの候補も1ポイントもリードしておらず、これらの州のいくつかではどちらの候補も0.2パーセントポイント以上リードしていない。
 しかし、選挙は世論調査で決まるのではなく、有権者によって決まる。世論調査平均で0.2ポイントリードしているかリードしていないかは、勝敗を分けるものではない。
 陣営とも、まだ獲得できる数少ない有権者を必死に追い求めている。両陣営とも若年層、黒人、またはラテン系を追求している。ハリス陣営は白人で大学教育を受けた女性にも注目している。
最近の動き
・国内の多くの地域で期日前投票が行われている中、トランプ氏は選挙が不公平になるという証拠は見当たらないと述べたが、それでも疑念を植え付け続けた。
・ハリス氏はトランプ氏に疑念を抱く共和党員にアピールするため、激戦州3州を訪問した。
・ヒンズー教徒の母とキリスト教徒の父を持つハリス氏の経歴は、彼女が率いようとしている多宗教、多元主義、そしてますます世俗化しているアメリカを体現している。
・ジル・スタイン氏に近い人々は、ハリス氏から重要な票をはぎ取るかもしれないとして、彼女に大統領選への出馬をやめるよう懇願しているが、スタインは無視している。
【コメント】
 Jill Steinは米国緑の党の党首で、独立した政治活動家だ。

2.レバノン紛争は「制御不能」と米国当局者が発言
【記事要旨】
 バイデン大統領のレバノン特使は昨日、イスラエルとヒズボラの紛争は「制御不能にエスカレートしている」と述べた。
 ベイルートを訪問したアモス・ホクシュタイン特使 は、イスラエル軍のレバノンからの撤退と両国国境沿いのヒズボラの武装解除を求める国連決議の実施を求めた。
 その後、イスラエル軍はベイルート近郊で新たな一連の空爆を開始した。レバノン保健省によると、政府病院付近での攻撃で少なくとも子供1人を含む4人が死亡、20人以上が負傷した。
中東のその他の動向:
・アントニー・ブリンケン米国務長官は中東への再訪問に出発する予定。
・イスラエル当局は、イランのために情報収集していたイスラエル人7人からなるスパイネットワークを解体したと発表した。
・イスラエルとパレスチナの紛争の二国家解決は依然として米国と西側諸国の目標だが、この地域の多くの人々は、その見通しは遠いと述べている。
【コメント】
 特使のコメントを待つまでもなく、制御不能なのは明らかだ。

3.ロシア、西側諸国を追い越すべく各国をホスト
【記事要旨】
 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)サミットが今日、ロシア南西部の都市カザンで始まる。ウラジミール・プーチン大統領は、この会議で、ロシアが世界的に孤立しているにもかかわらず、依然として重要な経済的同盟国がいることを西側諸国に示すことを期待している。
 何が問題か:ロシアは、西側諸国が支配しない新しい世界秩序を形成するために、各国を連合に引き入れたいと考えている。プーチン大統領がホストを務める一方、中国の最高指導者、習近平が、首脳会議に主導的な立場で出席する。アナリストらは、習近平が近年米国に接近しているインドのナレンドラ・モディ首相とどのように交流するかに注目すると述べている。
【コメント】
 類は友を呼ぶ。Birds of a feather flock together,
 西側の自由民主主義国が世界の基軸ではないことを忘れずに世界情勢に対応する知恵が必要だということだ。

その他の記事
モルドバ:
 国民投票の結果、同国はロシアではなく欧州との緊密な関係に僅差で「賛成」票を投じた。
自然保護:
 世界各国の代表団が、史上最大規模となると見込まれる国連生物多様性会議のためにコロンビアを訪れている。
パキスタン:
 議会は最高裁判所長官の任命手続きの全面見直しを可決したが、批評家らは最高裁の統制を狙った動きだと指摘している。

2024年10月22日 火曜日

世界の動き 2024年10月21日 月曜日

今日の一言
「米大統領選=プロレス」
 我々から見ると狂人にしか見えないトランプが50%の支持を得ているのは何故か。米大統領選をプロレスと考えるとわかりやすい。
 プロレスでは善役と敵役が戦う。観客の多くは敵役を応援し、うっぷん晴らしをする。今回は善役がハリスで、敵役がトランプであるのは明白だ。
 タイトルマッチでは、敵役が乱暴狼藉を繰り返し、善役を倒す。しかし、タイトルは移動しない。「反則勝ち」ではタイトルは移動しないというルールだからだ。
 怒った敵役は更に荒れ狂い、観客の怒りもしばらくおさまらない。
 今回の大統領選の結果を見るようだと思いませんか。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエル、ヒズボラ関連の金融機関の支店を標的に
【記事要旨】
 イスラエル軍は昨日、ヒズボラ関連の金融機関アル・カード・アル・ハサンの支店を標的にレバノン全土で一連の空爆を開始した。
 この機関は、伝統的な銀行部門が崩壊しているレバノンの多くの地域で、民間人向けの融資および金融サービス提供者として活動している。支店の多くは住宅ビルの1階にある。攻撃に先立ち、イスラエル軍のスポークスマンは、このシステムが「ヒズボラのテロ活動の資金源として利用されている」と述べた。
 これは、今週末にガザとレバノンで行われた複数の攻撃のうちの1つである。パレスチナ当局によると、イスラエルの大規模な空爆で少なくとも87人が死亡し、ガザ北部では救助隊が生存者の捜索を行っていた。イスラエルのジェット機は週末、レバノン首都近郊のヒズボラ拠点も爆撃した。
 先週のヤヒヤ・シンワルの死は、戦争終結に向けた交渉が新たな勢いを得るかもしれないという期待を一部で高めた。しかし、イスラエル政府、ハマス、そしてその同盟国ヒズボラは、いずれも譲歩しない姿勢を示している。週末の攻撃は、暴力が激化している可能性を示唆している。
 情報漏洩:金曜日、イランへの攻撃の可能性に備えているイスラエル軍の最近の衛星画像を説明する米国の極秘文書がテレグラムで流通し始めた。
 暗殺未遂の可能性:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、私邸近くでのドローン攻撃はヒズボラによる暗殺未遂だと述べた。
【コメント】
 レバノンのあらゆる都市と建物がヒズボラを支援する組織という名目で、イスラエル軍の空爆の対象になる。レバノンは独立国家と呼べない状況だ。

2.激戦州での暮らし
【記事要旨】
 大多数の有権者にとって、大統領選挙はまだ先だ。しかし、選挙日が近づくにつれ、 7 州の有権者だけが選挙戦の戦場にいることになります。彼らはテレビ広告、テキスト メッセージ、インターネットのポップアップ バナー、夕食時の電話、投票を呼びかける戸別訪問に埋もれている。
 投票資格のあるアメリカ人のうち、この 7 州に住んでいるのは 20% 未満だが、これらの人々は選挙結果に対して不釣り合いな影響力を持っています。彼らの多くは選挙が終わるのを心待ちにしています。

以下、読者からの質問がある。
Q: 激戦州以外の有権者は、どこに投票の動機を見出すのでしょうか。私が理解している米国のシステムでは、彼らの投票はほとんど意味がありません。そして、フォローアップとして、なぜ彼らはこれにもっと抗議しないのでしょうか。 — マルセル・シュッテ、オランダ
A: 激戦州以外の有権者は、自身の州や地方の役職に投票しているので、彼らの投票はそれらの選挙で重要です。政治的なメッセージを送るという感覚もあります。ニューヨークやテキサスが大統領選挙の結果を変える可能性は低いですが、これらの州での政党支持の変化は、新大統領が率いる政治的使命に影響を与える可能性があります。大統領選挙は全国規模の選挙であり、有権者は自分の意見を聞いてもらいたいと考えています。
 選挙人団を廃止するには憲法改正が必要ですが、その可決は極めて困難で、不可能に近いでしょう。制度を変える明確な方法がないため、ほとんどのアメリカ人は経済、移民、中絶の権利、さらには外交政策など、より差し迫った問題に焦点を当てています。
その他の動き
・州の集会で、ドナルド・トランプはカマラ・ハリスを「クソ副大統領」と呼ぶなど、下品な発言を新たなレベルにまで落とし込んだ。
・カマラ・ハリスは重要な世論調査の質問でトランプに追いついているかもしれない。
・ピーター・ベイカーは、主要政党の大統領候補でこれほど何度も不正行為を非難された者はいないと書いている。しかし、トランプはこうしたスキャンダルに直面しても成功している。
【コメント】
 どうせプロレスですから。

3.インドネシア大統領が辞任、複雑な遺産を残す
【記事要旨】
 昨日辞任したジョコ・ウィドド氏はインドネシア大統領としての2期で国を変革し、広大な群島から極度の貧困を事実上根絶した。インドネシア国民の何百万もが、ジョコ氏は一般の人々とつながり、重要かつ具体的な進歩をもたらした唯一の大統領だと語っている。
 しかし、ジョコ氏は息子の権力を維持するために法律を曲げて政治王朝を樹立しようとし、軍や長年確立された政治エリート出身ではない同国初の大統領となることを可能にした民主主義そのものを弱体化させたと多くの人が考えている。
【コメント】
 毀誉褒貶はつきものだが、国を一体化させ経済成長を成し遂げた手腕は認めたい。

その他の記事
モルドバ:
 同国の大統領選挙と、ロシアの勢力圏を離れて最終的にEUに加盟するかどうかの憲法改正国民投票の投票が始まった。
日本:
 与党の自由民主党本部への攻撃で男性が逮捕された。
ニューヨーク市:
 重大犯罪で告発される若者の数が37%増加し、警察は警戒している。

2024年10月21日 月曜日

企業経営の容易さ

 「人的資本経営」について楠木建氏の講演記録を読んだ。at産経新聞オンライン・セミナー  以下、同氏の講演内容だ。
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 マスコミ、評論家、政治家は国難、100年に一度の危機、戦後最大の危機などの言葉を使いやすいが、皆が自分の利益を追求しているので安定期や平常期は起こりえない。激動は論理的に連続しない。商社3.0、インダストリー4.0、ソサエティー5.0などの言葉は、「目指せ甲子園」と同じ掛け声に過ぎない。ソサエティー1.0は狩猟、同2.0は農耕、同3.0は工業、同4.0は情報社会だったが、ソサエティー5.0は新しい社会と言われることがあるが、その意味が不明だ。掛け声だけの経営者は成功しない。
 商売のゴールは長期利益をあげることであり、それを明確に具現化しているのは私がアドバイザーをしているファーストリテイリングだ。顧客満足度が高くないと、長期利益をあげることはできない。儲かる商売があってこそ、雇用を作って守れ、給料を払える。企業の社会貢献は法人所得税の支払いである。
 企業には3つの市場(労働、競争、資本市場)に、3つの評価の場(働きがい、長期利益、株価)がある。利益を否定する人はNPOに行った方がよい。長期利益経営はほぼ自動的にESG条件を満足させる。企業は社会的存在で、社会があって企業がある。渋沢栄一も、「論語と算盤」で、道徳的な商売がいちばん儲かることを示唆した。女性登用も消費者の約半分は女性であり、女性登用が儲かるから企業経営上重要になる。
 昨今、日本的経営の課題が指摘されているが、日経ビジネスは1976年9月27日号の創刊7周年記念特集で、「揺らぐ日本的経営」との記事を掲載していた。しかし、日本的経営は半世紀経っても、崩壊し切っていない。終身雇用・年功序列は、戦後復興から高度成長期には有効だった。終身雇用・年功序列には極端な透明性・客観性と評価コストの節約のメリットがあった。会社はジョブの組織であり、社会組織ではないため、本来雇用は「ジョブ型」しかないはずだ。今ようやく「普通の時代」が来たといえる。
 人的資本への「投資」とは、「仕事をしたら払います」ではなく、「これだけ投資するから成果を出してくれ」という意味合いがある。生産設備(モノ)への投資は歩留まり30%アップがせいぜいだが、ヒトへの投資では成果が5~10倍に上がることも珍しくない。
 仕事の報酬は良い給料と良い仕事の2つしかない。テクノロジーの本質は、人間がやっていた仕事の外部化である。AIが特定の領域で人間を凌駕するのは当然であり、そうでなければ外部化する意味がない。スキルの投入努力と成果の因果関係が明確である一方、センスではそれらが不明確だ。スキル×センスが仕事の成果になる。スキルはコモディティ化しやすい一方、センスの源泉は好き嫌いだ。賃上げなどの誘因(インセンティブ)と自らのやる気である動因(ドライブ)の区分が重要だ。
 仕事の好きは命令できない。センスは余人をもって代え難くなる。究極の人的資本経営は、個人が好き嫌いを語り、経営がそれをくみ取り、好きな仕事を思い切り凝ってやれる状態を作ることであり、それが生産性を高める最上のアプローチだ。
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 如何であろうか。読み応えのある講演内容だ。
 一つ指摘しておきたいのは、日本の企業経営の容易さだ。これは政治との比較で考えると良くわかる。
 政治では、対象となる有権者は、右から左まで思想の違う広範な人たちだ。知的に優れた人もそうでない人もいる。広い標準偏差の高さの低い巨大な山を考えてみればよい。
 一方、企業経営では、特に優良な企業は、構成員は思考の似た知的レベルの揃った集団だ。狭い標準偏差の高さの高い小さい山を考えればよい。だから人的資本経営などと言ってもその難しさはたかが知れているのだ。
 日本企業の経営のしやすさは、現代は米国企業の多様性や尖った新技術の開発に大きく後れを取った理由だ。金太郎あめの人的資本経営は意味が無いことに、優秀な学者も気が付いていない。

2024年10月20日 日曜日