世界の動き 2025年1月20日 月曜日

今日の一言
「Figma山下祐樹CPO」
 McKinseyのニュースレターにYuhki Yamashita on ‘user love’ as the fuel for product-led growthという記事が大きく載っていた。日本人が取り上げられたのは、最近では稀有の例だ。https://mail.google.com/mail/u/0/#inbox/FMfcgzQZSjgXStDcSkBssgwqTbBqtCXr
 調べてみるとForbes Japanに長文のインタビュー記事が載っていた。『マイクロソフト、グーグル、Uberで学んだ Figma山下祐樹CPO「私の働きかた」』と言う記事だ。https://forbesjapan.com/articles/detail/71186
 いずれも、山下氏が米国を代表する3つの会社で製品開発と販売を主導した稀有な経験が述べられている印象的な記事だ。一読をお薦めしたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ガザでの停戦開始
【記事要旨】
 イスラエル軍によると、イスラエルとハマスの間で42日間の停戦合意が発効し、昨日、ガザでのイスラエル人人質数名が解放され、家族と再会した。
 最初に解放された人質は、3人の女性でした。イスラエルは、人質と引き換えに、女性または未成年のパレスチナ人囚人90人を解放する予定だ。停戦により、ガザでは祝賀ムードが広がり、イスラエル人捕虜とパレスチナ人囚人の家族は安堵し、15か月に及ぶ壊滅的な戦争の終結への期待が高まった。
 イスラエルは、解放される人質3人の名前を受け取っていないと述べ、6週間のフェーズの開始がほぼ3時間遅れた。この遅れの間、イスラエル軍はガザ地区の標的への攻撃を続けた。
 人質と囚人:ハマスは、停戦の第一フェーズで、現在拘束している約100人のうち33人の人質を段階的に解放するとみられる。引き換えに、イスラエルはイスラエルの刑務所に収監されている1,000人以上のパレスチナ人囚人の解放を開始するとみられる。
 イスラエルとハマスは、到達できるかどうか確信が持てない「第二フェーズ」まで争いを先送りすることで、停戦合意に達した。第一フェーズでは、毎日600台のトラックがガザ地区の人々に援助物資を運ぶことが許可される。イスラエルは引き続きガザ地区の一部を占領し、著名な囚人を拘束する。
【コメント】
 パレスチナを代表するのはハマスかアッパース議長か?停戦を責任をもって執行するのは誰なのだろか。

2.TikTokが米国の携帯電話から一時的に消えた
【記事要旨】
 TikTokは昨日、主要なアプリストアから削除され、米国のユーザーから消えてからわずか数時間後に再び現れ始めた。この変化は、トランプ次期大統領が昨日、自身のプラットフォームTruth Socialで、連邦政府による禁止を遅らせるための大統領令を発令すると述べた後に起こった。
 金曜日の最高裁判所の全員一致の判決は、アプリの親会社であるバイトダンスが日曜日までにアプリを売却しなければ、国家安全保障上の懸念によりアプリが禁止されるという法律を支持した。
 日曜日の投稿で、トランプ氏は「合弁事業で米国が50%の所有権を持つことを望む」という考え以上の詳細は明らかにしなかった。
 トランプ氏は2020年に同アプリを米国企業に売却しようとし、その後TikTokを禁止しようとしたが、昨年3月に方針を転換した。その後、彼は大統領選挙期間中に同プラットフォームで成功を収めた。
 影響: トランプ氏が大統領令を発令した場合、それは議会で幅広い超党派の支持を得て可決された法律を一時的に無効にしようとする試みとなり、同氏の行動は法的に争われる可能性がある。TikTokは訴訟書類の中で、一時的な無効化に対して損害賠償を求める姿勢だ。
【コメント】
 ここまでユーザーが多いとToo big to lose.ということだろう。イーロン・マスク氏が買収することになれば利益相反が大きな議論になるだろう。

3.トランプ政権への移行はすでに始まっていた
【記事要旨】
 ドナルド・トランプは昨日、大統領就任式前夜の一連の訪問先のひとつとして、アーリントン国立墓地を訪れた。また、屋内アリーナで集会も開いた。これは、2021年1月6日の議事堂襲撃以来、ワシントンで初めての集会である。
 ベンチャーキャピタリストでトランプの初期の支持者であるピーター・ティールは土曜日、ワシントンの自宅でパーティーを主催し、次期副大統領のJD・ヴァンス、マーク・ザッカーバーグ、そしてOpenAIの最高経営責任者サム・アルトマンを含む他の数人のテクノロジー界の大物らがゲストとして参加した。シリコンバレーの右傾化を物語っていた。
 ジョー・バイデンは大統領としての最後の日に、5人の活動家と公務員を恩赦した。彼は、黒人民族主義運動を組織し、1923年に郵便詐欺で有罪判決を受けた公民権運動指導者マーカス・ガーベイに、死後の恩赦を与えた。
【コメント】
 まあ就任式を見守りましょう。岩屋外相はどんな位置に座るのだろうか。

その他の記事
イラン:
 当局はテロ攻撃と表現したこの攻撃で、最高裁判所の外で著名な裁判官2人が射殺され、3人目が負傷した。
タイ:
 中国での迫害から逃れて拘留されているウイグル人男性は、迫りくる国外追放を阻止するためのハンガーストライキの2週目に入った。
韓国:
 尹錫悦大統領は昨日早朝、反乱容疑で正式に逮捕され、107平方フィートの独房で床に寝ている。

野球:スター投手、佐々木朗希との契約をめぐる争いの最終週を振り返る。

2025年1月20日 月曜日

AIによる概要

 最近、検索すると冒頭に出てくる「AIによる概要」についての「AIによる概要」の回答は以下だ。

 『AIによる概要は、Googleが提供する検索結果に表示される自動生成型の要約機能です。検索キーワードから関連情報を分析し、ユーザーが求める情報を短くまとめて表示します。
「AIによる概要」の機能は、次のとおりです。
・検索結果の上部に要約が表示される
・複雑な質問や具体的な情報を探している際に役立つ
・概要に含まれる情報を補完するリソースへのリンクが表示される
・検索広告やショッピング広告が表示される』

 このサービスは、2024年5月にアメリカで提供が開始され、8月には日本でも利用可能になったので、語句検索をすると必ず出てくるようになった。説明の満足度は、私の場合はほぼ80%というところだ。
 とても便利な機能だが、AIが回答を出しくれることをうざく感じるユーザーも多いようで、機能の消し方も調べると出てくる。

 ここまでAIが進むと、人間が機会に対して誇っていた「考える力」でもすぐに追いつかれそうで恐怖だ。例えば投資銀行に入ったばかりの若手はいろいろな情報ソースを使って業界や企業の情報を収集し、その中から自分の結論を導く情報を組み合わせる(=考える)ことを仕事にしてきた。朝早くから夜遅くまでジュニアバンカーは頑張ってきた。今、その機能はAIが果たせそうな状況だ。うーんと唸るが、どうなるのだろうか。

2025年1月19日 日曜日

片岡義男へのオマージュ

1980年代にヒット作を連発した作家だ。ドライな文体でアメリカの地方を描いた作品が多い。彼のコピーを使ったパイオニアのカーステレオのCMを今でも鮮明に思い出す。
「夕方ワイフの生まれた町を通った。人口800に満たない小さな町だった」とか「ニューメキシコナンバーの車とすれ違った。一瞬ニューメキシコの風が通った」とか、ライ・ク―ダ―の音楽と一緒に流れた。(文章はうろ覚えです)
今日は彼へのオマージュだ。

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彼は大都会から200キロ北の別荘に車を走らせている。半分過ぎたところにあるSAで、カブリオレのトップを開けた。空から降る日光が車内と前方を明るく照らす。
カブリオレは冬の方がずっと心地が良いと彼は思う。日の光と暖房があればそれほど寒くない。夏はどうやっても暑くて高い湿度が不快だ。
別荘まで20キロ手前の小さなSAの出口で高速を下りる。出口からすぐのところにリンゴ園があるのだ。リンゴ園の上の道で車を降り、なだらかな道を下って行く。数匹の猫が出迎えてくれる。リンゴを二袋頼み、用意が出来るまで、日向で猫と遊び運転で固まった体をほぐす。
二つの袋とおまけに4個のリンゴをおばさんが持ってきてくれた。全部で16個のリンゴ。太陽の光を閉じ込めた甘くて少し酸味がある、
両手にリンゴを抱えて車に戻り、再び高速道路に乗る。少し寒くなってきたが、陽光はまだ眩い。屋根は開けたまま走ろう。あと20キロ、ほんの一走りだ。
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2025年1月18日 土曜日

世界の動き 2025年1月17日 金曜日

今日の一言
「阪神淡路大震災30年」
 もう30年も経ってしまったのかというのが率直な感想だ。
 当時はトロントに勤務中で、倒壊した高速道路と燃え上がる長田地区の映像に衝撃を受けた記憶がある。勤務先のカナダ人従業員が自発的に支援募金の活動をビルの入り口で始めたのに感銘を受けたものだ。
 長田地区では大規模な再開発が昨年完成したそうだが賑わいは戻らないというニュースを見た。震災後5年程度で完成する計画が大幅に遅れ、その間に人の流れや購買のパターンが大きく変わったそうだ。
 南海トラフ地震が来る来ると言われているが、住宅の耐震化や避難施設の建設は遅々として進んでいない。起こった震災に対する国民の耐性は強いが、将来を見据え現状を大きく変えられない性質は気になるところだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.紛争により停戦に関するイスラエルの投票が遅れる
【記事要旨】
 イスラエル内閣は昨日、15か月に及ぶガザでの壊滅的な戦争の終結への期待を高めた停戦協定を批准するために会合を開く可能性は低いと述べた。
 イスラエルの強硬派国家安全保障大臣は、協定が承認されれば辞任し、党を政府から排除すると脅した。
 ネタニヤフ首相のスポークスマンは、ハマスはガザとエジプトの国境沿いのイスラエル軍の配置変更と、「特定のテロリスト」の釈放を要求したと述べた。
 バイデン政権は、イスラエル当局者や仲介者と引き続き協力していると述べ、「日曜日に実施が開始されると確信している」とブリンケン国務長官は述べた。
 タイムズが入手した合意書コピーによると、合意は人質33人とパレスチナ人囚人数百人の解放を含む段階から始まり、人道支援物資を積んだトラック600台が毎日ガザに入ることを許可する内容だ。
【コメント】
 イスラエルはいまでもガザでの攻撃を続けている。合意受け入れも怪しい状況になってきた。

2.中国は国内の治安を強化
【記事要旨】
 中国政府は国内で相次ぐ襲撃事件を受けて、問題を起こす者を根絶し社会不安を抑える取り組みを強化している。
 この動きは、昨年起きた複数の大規模襲撃事件を受けてのものだ。11月には、珠海市で運転手が群衆に突っ込み、少なくとも35人が死亡した。その後、無錫の学校で元生徒が刺殺事件を起こし、8人が死亡した。それからわずか1週間後、常徳市の小学校付近で男性が集団に車で突っ込んだ。2件の自動車襲撃事件の運転手はすぐに死刑判決を受けた。当局によると、3件の襲撃事件の犯人はいずれも経済状況に不満を抱いていたという。
 背景:若者の失業率の高さ、住宅差し押さえの急増、国際関係の悪化により、将来に対する不安が広がっている。経済に関連する抗議活動は昨年大幅に増加した。
【コメント】
 従来から監視と取締は強力に行ってきたが、更なる規制強化はどのように実施されるのだろうか。

3.スーダン軍が化学兵器を2度使用
【記事要旨】
 スーダン軍は、同国支配をめぐって戦っている準軍事組織RSFに対し、2度にわたり化学兵器を使用したと、米国当局が昨日発表した。化学兵器は遠隔地でRSFに対して使用されたが、当局は、兵器が首都ハルツームで使用される可能性を懸念している。
 米国は、部隊による残虐行為が記録されているとして、スーダン軍のトップに対する制裁を発表する準備を進めている。
 この内戦は、最大15万人が死亡、1100万人以上の難民、世界最悪の飢餓を引きおこしている。
【コメント】
 内戦に使われる資源が国の発展に使われていたら随分ましな国になっていたと思われるが、人のサガは何ともやるせないものだ。

その他の記事
政治:
 バイデン大統領はアメリカ国民に退任演説を行い、米国の超富裕層の間で「寡頭政治」が台頭していると警告した。
カナダ:
 カナダ政府は、ドナルド・トランプ次期大統領がカナダ製品に関税を課した場合に備えて、米国からの輸出に対する数十億ドル相当の報復措置を準備している。
テクノロジー:
 最高裁の判決でTikTokが禁止される可能性がある中、米国のユーザーは中国所有のアプリに対する国家安全保障上の懸念をあざ笑っている。

ゲーム:
 任天堂は、人気の高い Switch コンソールの後継機である Switch 2 を今年発売すると発表した。
(大ヒットを予想するアナリストが多いが)

2025年1月17日 金曜日

世界の動き 2025年1月16日 木曜日

今日の一言
「関税」
 就任初日にトランプ次期米大統領は外国からの輸入品に課す関税を徴収する「外国歳入庁」の創設を表明した。選挙戦で掲げていた包括的な関税の導入を実行に移す姿勢を改めて鮮明にした。「米国との貿易で不当に利益を得ている者たちに課税を開始することで、彼らはようやく公平な負担を支払うことになる。2025年1月20日が外国歳入庁の創設日だ」と、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。(以上、Bloomberg記事より) 

 トランプ氏は関税を負担するのは商品の輸出業者ではなく、輸入業者だということを知らないのだろうか。輸入業者は関税の増加分を価格に転嫁するので、米国の消費者が関税分を最終的に負担することになるのは自明だ。中国からの輸入が関税のせいで減少したとしても米国が中国に「公正な負担を支払わせる」ことには全くならない。
 トランプの多くの行為をshananigans とIan Bremmerは評している。「悪ふざけ」という意味だ。トランプの行為は一切悪ふざけと見て落ち着いた対応が必要だろう。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ハマスとイスラエルが停戦合意に至った
【記事要旨】
 バイデン大統領とカタール政府は、イスラエルとハマスの交渉担当者らが昨日、ガザでの42日間の停戦と人質解放に合意したと発表した。
 カタールの首相は、合意は日曜日に発効すると述べた。イスラエルとカタールの当局者らは、両国がまだ最終詳細を詰めている最中で、イスラエルの内閣と政府が批准する必要があると述べた。
 合意により、数万人のパレスチナ人を死に至らしめた1年以上の戦争がまもなく終結するかもしれないという期待が高まった。ハマスはテレグラムの声明で停戦合意を確認し、戦争に直面したガザの人々の「伝説的な回復力」を称賛した。
 バイデン氏は、合意が守られることに「自信がある」とし、第一段階で米国人人質が解放されると述べた。当局者によると、停戦合意は米国が5月に公表した3段階の枠組みとほぼ同様だという。
 詳細:第一段階は6週間続く。イスラエル軍は人口密集地域から東に撤退し、42日間で約33人の人質が解放されるとカタールの首相は述べた。バイデン氏は、解放に加えて、パレスチナ人は自宅に戻ることができ、人道支援物資の急増にもアクセスできると述べた。
【コメント】
 待っていた嬉しいニュースだ。三段階の合意が実行に移され、維持されることを切に望みたい。

2.米上院の承認公聴会
【記事要旨】
 トランプ次期大統領が国務長官に指名したフロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員が昨日、上院に出席した。同氏は来月、容易に承認されると広く見込まれている。
 イスラエルとハマスが一時停戦で合意したと発表されたのは、公聴会開始から2時間後のことだった。同氏はこれまで、戦争におけるイスラエルの行為を擁護してきた。公聴会で同氏は、ウクライナはロシアと和平を結ぶ必要があると主張し、「双方が譲歩しなければならない」と述べた。同氏は、依然としてNATOを支持しているが、欧州は集団防衛にもっと資金を投入すべきだというトランプ氏の見解に賛同していると述べた。
 ルビオ氏はまた、中国についても言及し、中国が米国を追い抜いて世界一の大国になることを目指していると警告した。
 その他の公聴会:トランプ大統領が司法省長官に指名したパム・ボンディ氏は、ホワイトハウスの圧力に逆らうつもりはないと明言することや、トランプ大統領が2020年の選挙で敗北したことを認めることを拒否した。ボンディ氏は2020年の最初の弾劾裁判でトランプ大統領の弁護団に所属していた。
 ホワイトハウス:バイデン大統領は大統領としての最後の演説を国民に向けて行い、50年にわたる政治キャリアの集大成となる。
【コメント】
 立法府の行政府の主要メンバーへの厳しいチェックでチェックアンドバランスがとられていることがよくわかる。議院内閣制ではこうは行かない。

3.韓国大統領が拘束される
【記事要旨】
 韓国の尹錫悦大統領は昨日、刑事捜査で拘束された同国史上初の現職大統領となった。先月一時的に戒厳令を宣言したことで尹大統領が起こした混乱は同氏の拘束で終わった。
 今後の展開: 捜査官らは尹大統領を48時間以内に尋問し、その後正式に逮捕するかどうかを決定できる。逮捕された場合、捜査官らは20日以内に起訴しなければならない。これとは別に、憲法裁判所は尹大統領を解任すべきかどうかの審議を開始した。
【コメント】
 高位公職者犯罪捜査処で尋問されている。同処は韓国の国家機関。 大統領、国会議長、大法院長などの高位公職者の犯罪捜査を専門とする独立機関である。 高位公職者が判事、検事等の場合には、起訴する権限も有している。

その他の記事
カリフォルニア州:
 突風と危険なほど低い湿度により、ロサンゼルスで新規または既存の山火事が急速に拡大する恐れがあると予報されている。
政治:
 次期大統領ドナルド・トランプ氏のパナマ運河返還の脅しは、米国との関係拡大を望むパナマ政府の意向を弱める可能性があるとアナリストらは指摘する。
宇宙:
 テキサス州のファイアフライ・エアロスペースと日本のispaceのロボット車両が同じスペースXロケットで打ち上げられた。両社とも月面を目指している。

2025年1月16日 木曜日