上高地考

梅雨の上高地へ2泊3日で行ってきました。有名な行楽地へ生まれて初めての旅行でした。

ツアーにしたのは、面倒を避けようというのとなかなか取りにくい帝国ホテルに2連泊するのが主目的でしたが、最初の2日間は雨に降られました。

1日目はホテルにチェックイン後、河童橋まで小雨の中を散策。2日目は、明神池までのガイド付きウォーキング往復でしたが、雨がひどかったので河童橋でリタイアしました。3日目はすっきりと晴れて、大正池へのガイド付き散策を楽しみました。焼岳と大正池、晴天に山容を表した穂高連峰の姿は、上高地ならではのものだと感激しました。

何点か気づいたことを記します。
・帝国ホテルのサービスには感心しました。傘も、雨合羽も、ウォーキングシューズまで貸し出してくれるのでした。なんの準備もせず平服で行っても、散策を楽しめるのでした。
・サービスは至れり尽くせりでしたが、朝晩の料理は東京の方が美味しいと思いました。昼食のカレーライスは東京と同じ味でした。
・ガイドブックで有名な、河童橋近辺のチーズケーキとアップルパイを食べましたが、東京と同じレベルの味だと思いました。世界中の美味しいものは東京に集まっているというのが実感です。
・中国人の旅行客は上高地にも多く、子供連れの旅行者の多くは中国人でした。河童橋周辺のビジネスはインバウンドに依存している印象でした。日本の観光客は大学生のような若者が多かった。みなマナーは良かった。
・いまはオフピーク時と聞きましたが、ピーク時にはどれほど散歩道が混むのかとても危惧しました。

参加したツアーは高齢者が多かった。交通は東京から上田まで新幹線、上田から松本経由で上高地入るものでした。個人でアレンジするとこのルートは面倒だと思いました。新宿から7:15のバスに乗ると帝国ホテルに11:59に着くバスがありますが、バスにそれだけ乗るのも苦痛です。

新幹線の駅からのアクセスの容易さが行楽地のポイントになるのではないかと思いました。軽井沢や那須は、俗化していますが、行くには便利だと改めて思いました。

上高地の旅行客が集中豪雨で閉じ込められて、自衛隊に救出されたことが何年か前にあったと思いますが、水流の激しさと山肌の軟弱さをみて、さもありなんと思いました。
今回は、3日目に晴れたので「終わりよければすべてよし」の旅行になりました。

2024年7月14日 日曜日

世界の動き 2024年7月10日 水曜日

今日の言葉
「日経平均史上最高値」
 明るい見出しが新聞各紙に踊っている。
 41000円を突破と言っても、ここ数年の円安を勘案すれば(30%と仮定して)28000程度にしかならない。海外の投資家にすれば納得のいかない投資成果だろう。
 円高の進展は国内の物価にプラスなだけでなく、海外からの資金流入にも大きなプラスであることを忘れてはならない。
 安く仕入れた不動産を隣国の金持ちに円安を機に売りさばこうというのは国益を損なう行為だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.NATOサミットではバイデンに注目
【記事要旨】
 NATO創設75周年は、NATO加盟国の潜在的敵対国に対し、西側同盟国のより大きなグループが侵略に対抗するだろうと思い出させることが目的だった。
 ところが、昨日ワシントンで始まったサミットは不確実性に覆われているようだ。バイデン大統領は引き続き2期目を目指し、ドナルド・トランプが大統領に復帰したら何が起きるだろうか?
 バイデンは、あと4年は務められない兆候がないか厳しい監視を受けながら、3日間のイベントを主催している。民主党議員らは昨日、バイデン候補の立候補に関する懸念を話し合うため非公開で会合を開いたが、バイデンを追い払うつもりはないようだった。
 トランプは在任中、NATOから米国を脱退させると脅し、かつては同盟を「時代遅れ」と宣言した。今年、トランプは、貢献が不十分だと見なした加盟国に対してはロシアが「やりたい放題」させると述べた。米国の欧州同盟国は、トランプ政権の2期目が同盟にとって何を意味するのか、そして米国の支援なしにロシアとの戦争でウクライナを支援し続けることができるかどうかについて議論し始めている。
 NATOの新リーダー、10月にNATO事務総長に就任する予定のマーク・ルッテ氏は、実利主義者として知られている。
【コメント】
 アメリカと言う親分を欠く事態が発生したらどうするかはNATOとして当然考慮すべきシナリオだ。
 日本ものんきなことは言っていられない。米政権はASIA PIVOTと言いながら中国への対抗措置を怠ってきた。欧州に無関心なトランプはアジアにはもっと無関心だろうと思われる。

2.米国、ロシアはウクライナの防衛に苦戦していると発言
【記事要旨】
 ロシアが今後数カ月でウクライナで多くの領土を獲得する可能性は低く、これは戦争の力関係に大きな変化をもたらすと米国当局者は述べた。
 春から初夏にかけて、ロシアは訓練不足の部隊が西側諸国の兵器で強化されたウクライナの防衛線を突破するのに苦戦し、数千人の死傷者を出した。ウクライナがロシアがすでに奪取した領土をすべて奪還する可能性は低いが、ウクライナを強化する西側諸国の努力は功を奏しているようだ。
 NATO首脳らがワシントンで会合を開く中、彼らはウクライナへの武器供給を調整し、新たな資金を約束し、ウクライナが最終的に同盟に加わる可能性があるという誓約を強化するとみられる。
 懸念事項:ロシアは徴兵制度の導入などの転換を通じて大きな前進を遂げる可能性があると米国当局者は述べた。ウクライナがインフラの安全を維持する能力や、米国大統領選挙が米国の支援にどのような影響を与えるかについても懸念がある。
【コメント】
 ここでも、もしトラだ。

3.モディ首相のプーチン大統領への友好的な訪問
【記事要旨】
 ロシア国営メディアによると、インドのモディ首相はロシア訪問中、プーチン大統領を温かく迎え、モスクワのインド人コミュニティーに対し「ロシアはインドの真の友人だ」と語った。
 この訪問は、月曜日にウクライナ最大の小児科病院が壊撃を受けたことで揺れるキエフで注目された。ウクライナのゼレンスキー大統領は、モディ首相の訪問を「世界最大の民主主義国の指導者がモスクワで世界で最も血なまぐさい犯罪者を抱きしめるのを見るのは、平和への取り組みに対する壊滅的な打撃だ」と非難した。
 背景:ロシアを孤立させようとする西側諸国の努力は失敗に終わり、インドとモスクワの関係は両国に利益をもたらした。戦争が始まって以来、インドは制裁にもかかわらずロシア原油の第2位の輸入国となっている。
【コメント】
 モディはQUADにも参加している。国益を最優先し是々非々の姿勢は外交では望ましいスタンスだろう。

その他の記事
ロシア:
 裁判所は、アレクセイ・ナワリヌイ氏の未亡人であるユリア・ナワリナヤ氏の逮捕を命じた。ナワリナヤ氏は2021年にロシアを出国した。
中東:
 国連とイスラエル当局は、ガザ地区で支援物資の輸送車列が密輸されたタバコを売ろうとする集団に襲われていると述べている。
フランス:
 極左のリーダーであるジャン=リュック・メランション氏と彼の政党は議会で最多の議席を獲得したが、彼の不人気により連立政権を率いることができない可能性がある。
英国:
 キール・スターマー氏が新首相に就任し、英国と米国は再び足並みを揃えた。しかし、いつまで続くのだろうか?
インドネシア:
 麻薬治療を装って656人を自宅の敷地内で奴隷にしたとして告発された元職員が、人身売買の罪で無罪となった。
テスラ:
 米国の電気自動車販売でかつて圧倒的なシェアを占めていた同社のシェアが、新たな推計で50%を下回ったことがわかった。
ハイチ:
 ギャングが何千人もの人々を殺害した国の新首相として、ギャリー・コニールは、この地域の指導者の中で最も困難な仕事の1つを担っていると言っても過言ではない。
宇宙:
 ヨーロッパが待ち望んでいたアリアン6号ロケットの打ち上げが成功した。
ハッジ:
 多くの巡礼者が、正式な許可手続きを回避するために違法なツアーオペレーターに頼っており、しばしば危険にさらされている。
アレック・ボールドウィン:
 俳優が「ラスト」のプロデューサーを務めたことは、映画の撮影監督の射殺事件での裁判とは無関係であると裁判官が裁定した。
テイラー・スウィフト:
 彼女の最新アルバム「The Tortured Poets Department」は、11週連続で1位を獲得した。

2024年7月10日 水曜日

世界の動き 2024年7月9日 水曜日

今日の言葉
「列福」beatification
今日は耳慣れない言葉を取り上げました。
カトリックにおいて,その信仰と徳により模範的生活を送った人物を,死後特に崇敬の対象として公式に認めること。列福された者は福者Blessedと称される。列福の手続きは,候補者の生涯の記録の聴取・調査,調査記録の合法性・有効性の確認,ローマ教皇庁における手続き,最終決定という段階を踏んで行なわれる。
10代で亡くなったゲーム愛好家のイタリア人、カルロ・アクティスさんがミレニアル世代(1981~90年代半ば生まれ)で初めてカトリック教会の聖人に列せられることが決まった。教会当局がアクティスさんの列聖の理由を承認した。アクティスさんは2006年、白血病のため15歳で死去した。コンピューターの技術を使ってカトリックの信仰を広めたことで知られ、「神のインフルエンサー」の異名を取った。
カトリック教会で聖人と認められるまでに数十年かかる場合もあるが、アクティスさんは世界中に熱心な支持者を集めていることから、承認が素早く進んだ。時代の変化に合わせて変化する宗教の姿が見られる。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.フランスは今後数カ月、複雑な状況に直面
【記事要旨】
フランスの有権者は極右が支配する国を拒否したが、今や分裂し、機能する政府への道筋の不透明さに直面している。
議会は左派、右派、中道派に分かれ、いずれも過半数に達するだけの議席を持っていない。左派政党連合の新人民戦線が最多議席を獲得し、これにエマニュエル・マクロン大統領の中道ルネッサンス党とその同盟が続いた。極右の国民連合は3位だった。
タイムズの同僚は、最終的に機能する政府を生み出すには骨の折れる交渉が必要になると書いている。フランスにはそのような妥協の文化はなく、混乱を解消するには数カ月かかる可能性がある。マクロン大統領は昨日、首相に対し「当面」は「国の安定を確保する」ために職にとどまるよう要請した。
考えられるシナリオ:マクロン氏は党外から首相を任命し、権力を分担する可能性があるが、極左・極右政党を「極端すぎる」と批判しており、他の政治団体は同氏と協力する意欲をほとんど示していない。一部のアナリストは、3大政党による幅広い連立政権を提案しているが、協力することに関心が薄いようだ。
【コメント】
フランスは連立政権に慣れていないようだ。もうじきオリンピックだし、連立交渉には時間がかかりそうだ。

2.バイデン氏は選挙戦に残ることに「固く決意している」と述べた
【記事要旨】
バイデン大統領は昨日、討論会でのパフォーマンスが党内をパニックに陥れた後、大統領選から撤退するよう求める民主党の要求を無視した。バイデン氏は民主党議員に宛てた書簡で、「選挙戦に残ることに固く決意している」と述べた。
バイデン氏の誓約は、大統領としての最も重要な週の始まりとなった。バイデン氏は民主党議員からの支持が崩れ、11月にドナルド・トランプ氏に大敗するという懸念が高まっている。
朝のニュース番組でのインタビューで、バイデン氏は、退くよう促す「大物」の誰一人として気にしないと述べた。「私が出馬すべきでないと考える人がいたら、私に対抗して出馬してください」と同氏は述べた。「さあ、大統領選に出馬を表明してください。党大会で私に挑戦してください」
健康上の懸念:公式訪問者記録によると、パーキンソン病の専門家が昨年の夏から今春にかけてホワイトハウスを8回訪問した。ホワイトハウスは、専門家がバイデン氏について相談するために来ていたかどうかは明らかにしなかったが、大統領はパーキンソン病の治療は受けていないと述べた。
今後の予定: バイデン氏はワシントンでのNATOサミットのホストを終えた後、おそらく木曜日に記者会見を開く予定だ。バイデン氏のパフォーマンスは、トランプ氏との討論会で苦戦したような即興のプレッシャーに対処できるかどうかを見極めたい民主党員によって精査されるだろう。
【コメント】
一人で長時間のパフォーマンスには耐えられそうにない印象で、パーキンソン病の初期かも知れない。老いの一徹も病気の症状か。。

3.ウクライナで小児病院が攻撃を受ける
【記事要旨】
昨日、ロシアのミサイルがウクライナ最大の小児病院を破壊した後、キエフで必死の捜索救助活動が行われた。この攻撃は、ウクライナ全土の都市で少なくとも38人が死亡した大規模な爆撃の一部である。
地元当局によると、病院では2人が死亡、7人の子供を含む10人が負傷した。少なくとも3人の子供が瓦礫の中から救出された。
病院長によると、病院が攻撃を受けたとき、600人以上の子供が治療を受けていたという。爆発でメインの病院の窓が吹き飛び、建物に破片が飛び散った。医師によると、生存者は別の病院に移送されている。
背景:ミサイル攻撃はウクライナの防空体制の現状に疑問を投げかけた。NATO首脳は今日ワシントンで会合を開き、防空体制の強化方法について話し合う予定だ。
【コメント】
病院やスーパーを攻撃するロシアの非道は開戦当初からだ。ウクライナの防空体制強化が望まれるが、西側の支援が不可欠だ。

その他の記事
インド:
モディ首相はモスクワでプーチン大統領と会談し、西側諸国の圧力にもかかわらずロシアとの関係を維持するインドの決意を示した。
ハンガリー:
オルバーン首相は中国の習近平国家主席との会談のため北京に姿を現し、欧州を驚かせた。
イスラエル:
ネタニヤフ首相は、停戦への期待が高まる中、ハマスとの恒久停戦に反対する姿勢を改めて表明した。
ロシア:
劇作家と演出家が、イスラム国に関する劇で「テロを正当化した」として、それぞれ懲役6年の刑を言い渡された。
スリランカ:
気候変動と汚染水が相まって、30代と40代の男性を中心に腎臓病が蔓延している。
米国:
熱帯暴風雨ベリルがテキサス州の200万人以上の顧客への電力供給を遮断。少なくとも2人が死亡した。

ビジネスと経済
日本:
円が40年ぶりの安値を記録し、戦後最大の軍備増強計画が台無しになった。
パラマウント:
同社はスカイダンスとの合併に合意し、CBS、ニコロデオン、いくつかの主要映画シリーズに新たな時代をもたらすことになる。
(これだけではわかりにくいのでBloomberg記事を引用します)
『テレビ局CBSと音楽専門ケーブル局MTVの親会社である米メディア・映画大手パラマウント・グローバルは、映画制作会社スカイダンス・メディアとの合併で合意した。ハリウッドの伝説的スタジオであるパラマウントの経営権をプロデューサーのデービッド・エリソン氏に譲渡する取引となり、劇的な展開を招いた買収劇に終止符が打たれた。
同社の7日の発表によると、ここ数カ月進められてきた複雑な取引の一環として、パラマウントのシャリー・レッドストーン会長は、同社の議決権付き株式の約77%を保有するレッドストーン一族の会社ナショナル・アミューズメンツをエリソン氏に24億ドル(約3850億円)で売却することで合意した』
ボーイング:
航空機メーカーのボーイングは、737マックスジェット機の2件の致命的な墜落事故に関する重罪容疑で有罪を認める予定。

2024年7月9日 火曜日

世界の動き 2024年7月8日 月曜日

今日の言葉
 「東京都知事選挙」
  午後8時の開票速報開始と同時に小池知事の当選確実が出てがっかりした。
 酷暑の中60%を超える投票率を記録した選挙で都民は現状維持を選んだわけだ。
 小池氏は、反自民を掲げて初回当選を果たした後は、巨額な税金を投じた東京五輪をはじめ自民党べったりの政策を推進してきた。今回の選挙でも自民党と公明党の水面下での強力な支援があったようだ。
 蓮舫氏の敗因は、地方選挙に国政を持ち込んだことと、声高に政策を主張する姿が支持を得られなかったからだ。主張も若者への可能性の拡大や子育て支援で、小池さんとの違いが不明だった。
 石丸氏は、若年層にアピールしたようだが、開票速報番組でのインタビューを聞くと、コミュニケーション能力とEQに大いにい不安のある人と思われた。
 いずれにしても、これから4年間、小池知事のパフォーマンスを見、馬鹿丁寧な言葉遣いの発言を間くかと思うとうんざりだ。3期目は、本当に都民のためになる政策を推し進めて欲しいものだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.極右はフランス選挙で3位に終わると予想
【記事要旨】
 フランスの議会選挙では、新人民戦線として知られる左派政党連合が1位になり、極右の国民連合やエマニュエル・マクロン大統領の中道ルネッサンス党よりも多くの議席を獲得すると予想された。
 予備結果に基づく予測は、1週間前の第1回投票で優勢だったマリーヌ・ルペンの右派で反移民の国民連合の明確な勝利の予想を覆した。
 フランス全土の候補者は3者対決から撤退し、国民連合に対抗して団結を呼びかけた。今や、第2回投票で国民連合を阻止するために中道派と左派が「共同戦線」を結成しようと奮闘したことが功を奏したようだ。
 それでも、マクロン大統領にとって選挙は大きな打撃であり、同大統領は自身の政党とその同盟が保持していた議席の3分の1以上を失った。下院は深刻な分裂に陥り、連立政権はすぐには成立せず、パリオリンピックは3週間以内に開幕する予定だ。政治的行き詰まりが続く可能性は十分にある。
 新人民戦線は、最低賃金の月額引き上げ、法定退職年齢の引き下げ、富裕税の再導入、エネルギーとガスの価格凍結を掲げて選挙運動を展開した。国民連合が公約した移民削減の代わりに、同連合は難民申請手続きをより寛大かつ円滑にすると述べた。
【コメント】
 反国民連合の集結は効を奏したが、単独過半数を占める勢力が無くなり、政策が大いに違う左派と右派の連立政権樹立には時間がかかりそうだ。

2.イランの大統領選で改革派候補が勝利
【記事要旨】
 イランで行われた大統領選挙で、穏健な国内政策と西側諸国との関係改善を主張する候補が土曜日の決選投票で強硬派候補に勝利した。この特別選挙は、5月にエブラヒム・ライシ大統領がヘリコプター墜落事故で亡くなった後に実施された。
 69歳の心臓外科医、マスード・ペゼシュキアン氏は1630万票を獲得し、保守派の対立候補サイード・ジャリリ氏の得票数を約300万票上回った。これは、ここ数年脇に追いやられてきたイランの比較的穏健な改革派陣営にとって大きな勝利だった。
 第1回投票は、多くのイラン国民が抗議のため投票をボイコットしたため、投票率が過去最低を記録した。しかし、強硬派政権が誕生すると、厳しい社会規範が強化され、国際制裁解除交渉に失敗することで経済問題が悪化する恐れがあり、有権者の決選投票への参加を促したようだ。
 イランの最高指導者、アヤトラ・アリ・ハメネイ師は政府内で最も権力を握っている。しかしアナリストらは、次期大統領が国内政策を決定し、外交政策の方向性に影響を与えるだろうと指摘している。
 今後の展開: ペゼシュキアン氏が大統領に就任すれば、イランは絶対主義的な外交政策を軟化させ、外交の新たな展開のチャンスさえも得るかもしれない。
【コメント】
 イランの外交政策の柔軟化に期待したい。

3.残忍な拉致事件がケニアを震撼させる
【記事要旨】
 人権監視団や数十人の活動家へのインタビューによると、過去2週間で少なくとも32人がケニアで拉致または恣意的に拘束された。そのうち5人は拘束されたと証言している。弁護士によると、数人がまだ行方不明だという。
 東アフリカの国で物議を醸している増税法案に反対を唱えた後、政府治安部隊に拉致され、殴打され、尋問されたと話す人も数人いる。ケニアのウィリアム・ルート大統領は先月、国内で起きた抗議活動で少なくとも39人が死亡した後、同法案を放棄した。
【コメント】
 外務省HPより
 ナイロビ周辺はレベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
 ソマリアとの国境地帯、北東地域はレベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
 南スーダン及びウガンダとの国境地帯並びに南部一帯はレベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

英国選挙
労働党党首:
 英国の新首相キール・スターマーは、今週は米国で開催されるNATOサミットで、来週は自らが主催する欧州首脳の会合で、迅速にリーダーシップを発揮する必要がある。
分裂した投票:
 スターマー率いる労働党は国会議員の圧倒的多数を獲得したが、得票率は国民の分裂と不安定さを示している。
右派の将来:
 保守党は大きな敗北を喫した。ナイジェル・ファラージと改革英国党は、英国の右派を再編する可能性がある。

米国の政治
バイデン:
 大統領はこれまでのキャリアで個人的な悲劇と政治的困難を乗り越えてきた。その粘り強さは今や盲目的な反抗とみなされる危険があるとケイティ・ロジャーズが書いている。
民主党:
 数十人の民主党員へのインタビューによると、当局者、議員、戦略家はバイデンの立候補は持続不可能であるとますます考えている。
トランプ氏:
 前大統領の副大統領候補選びのプロセスにより、2028年の選挙でリードする可能性のある共和党員のリストが作成された。

その他のニュース
イスラエル:
 ガザでの戦争が始まって9か月、紛争の重要な節目に全国的な抗議活動が行われた。しかし、潜在的な停戦はおなじみの難題に直面している。
ラファ:
 タイムズ紙はガザでの取材旅行で破壊とイスラエルの戦略の限界を目撃した。
ネパール:
 昨日、当局が発表したように、地滑りと洪水で少なくとも15人が死亡した。
パキスタン:
 カラチは熱波で衰退し、水が不足し、停電が頻繁に発生している。
日本:
 とんでもない数の候補者が東京都知事選に出馬したが、その多くはとんでもない候補者だった。

2024年7月8日 月曜日

NVIDIAの次を狙う

米国で最も著名な成長株投資家であるキャシー・ウッド氏の投資については多くのフォロー記事が書かれており、我々も参考に出来そうだ。彼女が最近投資しているといわれる3つの株式を見てみよう。

1.パランティア・テクノロジーズ[PLTR]
ウッド氏の10大保有銘柄の1つで、諜報機関向けにソフトウェアツールを提供するパランティア・テクノロジーズPLTRは、2023年初来で株価は4倍近くに上昇している。
市場はまだ、パランティア・テクノロジーズの可能性に追い付いていない。6月17日には、アーガス・リサーチのアナリスト、ジョセフ・ボナー氏が同社株を買い推奨としたことを受け、株価は6%上昇した。ボナー氏は、PLTRが従来の公共部門だけでなく、民間の商業セクターにも進出していることで、株価上昇の余地が大幅に拡大するとみている。2024年第1四半期には、商業部門向け売上高は前年同期比40%増となり、全社売上高の21%増と比べて2倍近い成長率となった。
ボナー氏は、2024年にPLTRの収益力が大幅に上昇し、キャッシュフローが急増するとみている。
しかし、株価は決して割安ではない。ボナー氏の予想利益に基づく2024年予想株価収益率(PER)は76倍であり、2025年予想PERでも63倍と、かなり割高だ。
【コメント】
著名な株式ブロガーであるKeith Fitz-Geraldも一押しの銘柄だ。割高だが個人にも購入しやすいレベルで(現在の株価は26ドル程だ)人気がでる可能性が高い。

2.インテリア・セラピューティクス(NTLA)
インテリア・セラピューティクス(Intellia Therapeutics Inc)は臨床段階のゲノム編集会社であり、Clustered、 Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats/CRISPR Associated 9(CRISPR/Cas9)技術を用いた治療薬の開発に注力する。
【事業内容】CRISPR/Cas9はゲノム編集のための技術であり、ゲノムデオキシリボ核酸の選択された配列を改変するプロセスである。CRISPR/Cas9は、アンメットニーズの高い疾患に対するin vivoおよびex vivo治療を推進するためのモジュール式プラットフォームの活用に注力する。In vivoの主要候補であるNTLA-2001は、トランスサイレチン(ATTR)アミロイドーシスの治療薬であり、遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療薬であるNTLA-2002は、CRISPR/Cas9をベースとした最初の治療薬候補であり、ヒトの標的組織内の遺伝子を高精度に編集するために、静脈内注入により全身投与される。また、免疫腫瘍学や自己免疫疾患に対処するための生体外アプリケーションも開発中である。
ウッド氏の率いるARKKと投信ARKG ETF全体で合計6万6,147株を取得した。この動きは、ARKが遺伝子編集企業への出資比率を高めていることを強調するもので、一貫した買いが見られた数日前の動きと一致している。
【コメント】
この段階のゲノム創薬企業への投資はまさにハイリスクハイリターンだろう。

3.メタ・プラットフォームズ[META]メタ
最後は良く知った銘柄だ。METAはFacebook、Instagram、WhatsAppといった主要なソーシャルネットワークを擁し、毎日32億人が同社のサービスを利用している。同社は既にAIを活用しており、FacebookやInstagramの各ユーザーのためにコンテンツのフィードを調整し、それぞれのユーザーに最も関連性の高い投稿が表示されるようにしている。2023年には、こうした機能のおかげで両プラットフォームのエンゲージメントが増加し、メタに莫大な広告収入をもたらした。
同社にとってさらに大きなAI機能を活用できる場は、Llamaと呼ばれる大規模言語モデル(LLM)かもしれない。Llamaは世界最大のオープンソースモデルであり、開発者は独自のAIアプリケーションを構築するのに、無料で利用することができる。一方でメタにとっては、テストをクラウドソース化することで、改良スピードを速めることができる。Llamaはメタの既存プラットフォーム向けに新たなAI機能を生み出すためのカギとなるため、これはとても重要だ。
例えば、メタは2023年に、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppからアクセスできる「Meta AI」と呼ばれるチャットボットを発表した。Meta AIは他のチャットボットと同様に、複雑な質問に回答したり、画像を生成したりできるだけでなく、グループチャットに追加してお勧めのレストランや旅行を提案したり、プレゼントのアイデアを出すこともできる。Meta AIは、現在はLlama3を搭載していますが、同社は既に次世代モデルの訓練を進めており、さらに優れた機能が期待される。
最終的に、メタのアプリを利用するすべての企業は、Meta AIをベースにパーソナライズされた独自のチャットボットを持つようになり、顧客からの問い合わせに対応したり、売上処理もしてくれる可能性もある。これは、メタにとって新たな収入機会となる。
メタ株の最大の長所は、株価が割安なことだ。12ヶ月実績1株当たり利益(EPS)17.41ドルに基づくと、株価収益率(PER)は28.9倍であり、ナスダック100指数のPER31.9倍に対して9.4%のディスカウントとなっている。
ウォール街が予想する2025年EPSの21.59ドルに基づくと、PERはわずか23.3倍だ。つまり、ハイテクセクター全体と同水準のバリュエーションになるだけで、メタの株価は2025年末までに36.9%上昇する可能性がある。
【コメント 】
ここに書かれていることの半分ぐらいしか私には理解できないが、AIソフトウェアに関するウッド氏の予測が正しく、そしてシナリオ通りに事が運べば、AIによる全く新しい収益機会が開かれることになる。
GAFAになかで今拾うとしたらメタかもしれないと思わせる記事だ。

2024年7月7日 日曜日