世界の動き 2025年6月25日 水曜日

今日の一言
「小学校のプール」
 多くが老朽化し改修の予算が乏しいそうだ。教員による管理も負担になり、多くの学校でスポーツクラブでの水泳授業に切り替えるケースが増えているそうだ。
 市場原理主義者としては、こうした変化は正しい動きに思えるのだが、教育の無償化に伴う巨額の財政負担の一部を割けばプールの維持も可能ではないかとも思う。
 小学校のプールで水をゲボゲボしながら泳ぎを覚えたノスタルジーがなせる業だろうか。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イランへの米軍攻撃の詳細が明らかに
【記事要旨】
 イスラエルとイランの停戦が維持されているように見えた中、米国の機密報告書によると、イランの核施設3カ所への攻撃は、イランの能力をわずか数ヶ月しか低下させなかったという。
 報告書の、爆撃により2カ所の施設の入口が封鎖されたものの、地下施設は崩壊していなかったという調査結果は、イランの核施設が壊滅したというトランプ大統領の発言が誇張されていたことを示唆している。ホワイトハウス報道官は、この機密評価は「完全に間違っている」と述べた。
 停戦の詳細は依然として不明である。イスラエル軍は紛争中に課されていた緊急事態制限を解除し、イラン大統領は国民向け演説で「イラン国民に課された12日間の戦争の終結」を称賛した。
 イランとイスラエルは月曜日の夜通しの攻撃を開始し、その後、どちらが責任を負っているのかをめぐって対立する主張を展開した。トランプ大統領は、短い戦争の終結を宣言した直後に攻撃を開始した両国を激しく非難した。
 しかし、数時間後には両国が戦闘終結を目指していることを称賛し、Truth Socialへの投稿でその成果を自らのものとして主張した。「すべての核施設と核能力を破壊し、そして戦争を止められたことは、私にとって大きな栄誉です!」
【コメント】
 「上手く行けば自分の手柄、失敗すれば前任者か部下のせい。」トランプ大統領の側近はどういう気持ちでこんな上司の下で働いているのだろうか。

2.トランプ大統領、NATO首脳会議に出席
【記事要旨】
 トランプ大統領は昨日、オランダのハーグで開催されるNATO年次首脳会議に向けて出発した。大統領専用機エアフォースワン内で記者団に対し、「我々は新たな一連の問題を解決する」と述べた。
 ロシアがウクライナへの攻撃を続ける中、イスラエルとイランの不安定な停戦が議題の中心となる可能性が高い。トランプ大統領はまた、長年の懸案であったNATO加盟国すべてが軍事費を国内総生産(GDP)の5%に増額することに合意したと主張するとみられる。しかし、すべての国が合意したわけではない。
 分析:NATO加盟国の大半にとって、差し迫った問題はロシアであるが、トランプ大統領の機嫌を損ねないため、この重大な問題に関する議論は控えられると予想される。NATO事務総長のマルク・ルッテ氏は、トランプ大統領を宥めようと躍起になり、彼の軍事費支出要求を「アメリカ、ヨーロッパ、そして世界にとって本当に重要な瞬間」として公に支持している。
【コメント】
 昔大学の一年生の時サムエルソンの経済学を読んで、「合成の誤謬」を習ったことを思い出す。
 各国がこれまで2%だった軍事費を5%に増やしても世界の安全が高まるわけではない。
 経済学の「大砲とバター」のたとえで言えば、バターに多くのお金を使うべき時期だと思うのだが。

3.新しいシリアを巡る旅
【記事要旨】
 今世紀で最も残虐な戦争の一つを経て、打倒された独裁者バッシャール・アル=アサドの悲惨な遺産から、新しいシリアが立ち上がろうとしている。人々は自由になったが、その犠牲は悲惨だ。50万人以上が殺害され、さらに数百万人が避難を余儀なくされた。
 私の同僚たちは、数週間にわたり、数百キロに及ぶ穴だらけの高速道路や未舗装道路を旅し、覆面の武装勢力、歓喜に沸く子供たち、そして生活を立て直す多くのシリア人たちと話をした。首都ダマスカスから、アサドの略奪者たちが「屋根を全部奪った」村まで、私たちの記者たちが見たものを紹介する。
【コメント】
 stole all the roofsという表現は真意がつかめませんでした。

その他の記事
中国:中国は韓国との国境にある海域に大型構造物を設置した。中国は養殖場だと主張しているが、韓国は別の用途があるのではないかと懸念している。
条約:EUとカナダは防衛協定を締結し、米国との関係悪化の中、軍事協力の緊密化に向けた一歩を踏み出した。
王室:ロンドン公園にエリザベス2世女王の記念碑が建設される予定で、2体の像とティアラを模した橋が設置される。

テクノロジー:インディアナ州の1,200エーカーのトウモロコシ畑で、AmazonはAIスタートアップ企業と共同で、史上最大級のコンピューターを製造している。

2025年6月25日 水曜日