世界の動き 2023年2月15日 水曜日

今日の言葉:
「高級ウイスキーの値上がり」
 日本の高級ウイスキーが世界中で人気を集め、値段が上がっているのは良く知られている。調べてみると値上がりしているのは日本のウイスキーだけではない。
 関連する数字を挙げると投資家は注目する。1961 年のボウモア 50 年シングル モルト スコッチの 1 本は、2020 年の 59,969 ドルから 2022 年には 96,923 ドルに値上がりした。上位 1,000 本のレアなウィスキー ボトルを追跡する Apex 1000 インデックスは、2012 年から 2022 年にかけて 416%上昇した。希少なスコットランドのシングル モルトのナイト フランク ウェルス レポートのインデックスは、同時期に586%上昇した。
 西欧ではウイスキーへの投資が人気を集め始めている。

ニューヨークタイムズ記事
1.トルコで奇跡の救出
【記事要旨】
 これまでにシリアとトルコで 40,000 人以上が死亡した地震から 1 週間以上が経過した後、救助隊は、がれきの中から 9 人の生存者を掘り出した。
 荒廃したカラマンマラス市では、チームが倒壊した壁、床、配管の山を通り抜けてトンネルを掘り、1 人の女性を救出した様子がテレビの生放送で放映された。17 歳と 21 歳の 2 人の兄弟は、同じ都市の倒壊した建物の下で 198 時間過ごした。 彼らはボディービルのサプリメントを受け生き残るために自分の尿を飲んだと語った。
 現在、家を失い、飢え、支援を待っている膨大な数の人々に不安が高まっている。トルコの農村部は特に深刻な打撃を受けており、一部の住民は、援助の遅れについて政府の調整不足を非難している。
 シリア北西部の反政府勢力が支配する地域では、地震の前は、反政府側に流れる国連の援助にたった 1 つの検問所しか使用されていなかったが、アサド大統領が検問所をさらに開くことに同意した後、人々に支援が届くかもしれない。
【コメント】
 既に捜索を終了した地域も出ているようだ。再建の道のりも険しそうだが何とか支援したいものだ。

2.気球はどこにでも
【記事要旨】
 中国の気球が浮かぶ前に、アメリカの空はすでに高空を飛ぶ気球で混雑していた。
 週末に米空軍が未確認の物体を 3 つ撃墜した後、専門家は潜在的な標的が「際限なく」あると警告した。 ある高高度気球メーカーは、「何千もの気球」が常に地球上空を飛んでいると語った。
 中国のスパイ気球の後、米国はレーダーと大気追跡装置を強化しました。 今回撃墜された3つの物体が中国の気球監視プログラムに関連していたという証拠をまだ発見していないし、対象の破片も発見されていない。
 気球の使用は頻繁だ。米国だけでも、国立気象局は毎年約 60,000 個の高空飛行気球をあげ、NASA はテキサスから数か月にわたって科学的任務のために 1,700 個以上の大型気球を打ち上げてきた。
 一方、北京では、中国はこの論争をアメリカの衰退の兆候として捉えようとしている。 人民日報の社説は、気球事件は「米国がこの事件にいかに未熟で無責任で、実にヒステリックであるかを世界に示した」と述べた。
【コメント】
 これほど多くの気球があげられているとは驚きだ。中国の撃墜された気球の調査の詳細を待ちたいが、「スパイ気球」と「調査気球」をどのように区別できるのだろうか。

3.インドがBBCのオフィスを強制捜査
【記事要旨】
 インドの税務当局は、モディ首相に批判的な BBC のドキュメンタリーの発表を阻止しようとした数週間後、ニューデリーとムンバイにある BBC のオフィスを捜索した。
 BBC は、税務当局に「全面的に協力している」と述べた。 モディの党のスポークスマンは、放送局が何か悪いことをしていなければ何も恐れる必要はないと述べた。
 モディの下で、インド当局は人権団体やシンクタンクだけでなく、他の独立系報道機関も強制捜査している。 活動家らは、強制捜査は組織の資金を標的にして反対意見を黙らせようとする政府の取り組みの一環であると述べている。
 モディ政権は、大学での上映前に電気を遮断し、学生指導者を拘留することで、ドキュメンタリー「インド: モディ問題」の配信を止めようとした。
【コメント】
 国内は反政府勢力とイスラムを弾圧。中国とは国境紛争を抱えながら国際舞台では直接対決を避けているモディ首相はしたたかな政治家だ。

その他:
米国大学での銃乱射
 A gunman killed three students at Michigan State University, before killing himself. It is the 67th mass shooting in the U.S. so far this year, according to an organization that monitors gun violence incidents.
ウクライナの戦争
 NATO defense ministers met to discuss ways of continuing military support for Ukraine and ramping up supplies of ammunition.
A Times visual investigation found that a U.S. aid worker was most likely killed by a targeted Russian missile strike and not indiscriminate shelling.
新日銀総裁
 Japan nominated the first academic of the postwar period to lead its central bank as the country faces rising inflation and a sinking yen.

2023年2月15日 水曜日

世界の動き 2023年2月14日 火曜日

今日の言葉
「受験シーズン」
 昨日東京駅の新幹線口を通ったら大きなキャリーケースを引いた若者であふれかえっていた。帰宅後家内に話したら「受験シーズンね」と一言。
 なるほど、そうだった。こんな厳冬期に受験したことを思い出した。地方の人は宿泊して受験するのだと改めて思った次第だ。
 3月に「サクラサク」になるように、頑張れ受験生!

ニューヨークタイムズ記事
1.気球論争がエスカレート
【記事要旨】
 米国が週末に未確認飛行物体3機を撃墜したことを説明したことや、中国が高高度気球を中国領空を無許可で飛ばしたとして米国を非難したことで、米国と中国の間の外交上の緊張が高まっている。
 ホワイトハウスの当局者は、飛行物体は民間航空機に脅威を与えたが、通信信号を送信しておらず、地上のアメリカ人が危険にさらされている兆候はなかったと述べた。
 中国外務省は、米国の気球が他国の空域に不法に侵入するのは「よくあること」であり、米国の高高度気球は昨年以来 10 回以上無許可で中国上空を飛んでいると批判した。 米国はこの主張を否定した。
 最新の応酬は、ほとんどの飛行機が非常に長く上空にとどまるには高すぎ、人工衛星にとっては低すぎる「近宇宙圏」での気球に対する中国の野心についての洞察をもたらしている。
 北米上空を飛行する物体が突然増えたかどうかは明らかではないが、偵察気球が検出されて以来、米国とカナダは、以前は通過が許可されていた可能性のあるいくつかの物体を注視し警戒している。
【コメント】
 気球の続報だ。言葉での応酬が続いているが、昨年の米中貿易は米日貿易の3倍だそうでデカップリングは全く進んでいない。

2.トルコで仮設住宅不足
【記事要旨】
 トルコとシリアを襲った大地震から 1 週間後、3 万 5,000 人以上が死亡し、100 万人以上がトルコで家を失い、廃墟となった都市や極寒の中で生き延びている。
 人々は、公園、歩道、モスクの中庭にテントや間に合わせの避難所を建てた。 トルコ政府は大量のテントを配布したが、災害の規模が大きいため、多くの人がまだ避難所が無い。
 トルコでは、現代の耐震基準に従って建設されたと思われる集合住宅の一部が地震で倒壊し、近くにある他の集合住宅は立ったままだった。 一貫性のない損傷により、建設規制の精査が強化されている。
 援助はトルコに流れ込んでいるが、アサド大統領の政府と戦っている反政府勢力によって支配されているシリア北西部には食料など緊急に必要な物資ほとんど届いていない。
 国連安全保障理事会は昨日会合し、トルコからシリアへの国境検問所をさらに開放することについて話し合った。
【コメント】
 死者数、被災者数が毎日増えている。トルコの被災者は2,000万人を超えるという報道があり、驚きだ。

3.バフムト陥落か
【記事要旨】
 ウクライナは、援助団体や民間人がバフムト市への立ち入りをもはや許可しないと述べたが、これは何ヶ月にもわたって激しい戦闘の中心となっているバフムトからのウクライナの撤退を示唆する可能性がある。
 ロシア軍は、街を三方から取り囲んおり、ポーランドに本拠を置くある分析グループは、バフムトが今週早々に崩壊する可能性があると述べた。
 ほぼ 1 年前の戦争は、新たな段階に入っているように見える。ロシアはミサイル攻撃を強化しており、訓練の不十分な部隊を東部に大量に集めている。 西側の戦車等を装備したウクライナは、独自の攻撃を開始するために必要なリソースを使い果たすことなく、ロシアの攻撃から身を守ている。
  I.M.F. 当局者は、ウクライナが数十億ドルの融資を求めているという報告を受けて、今週ウクライナ当局者と会う予定だ。
【コメント】
 どちらが優勢かよくわからない状況だ。地面が凍っている2月後半が戦車による攻勢には最適な時期だそうで、何かが起きるのは確実視されているが。

その他:
スーパーボウル
 Kansas City beat Philadelphia: 38-35.
 Rihanna performed for the first time in years at halftime and revealed that she’s pregnant.
 The Australia Letter: Here’s how two players, Jordan Mailata and Arryn Siposs, made it to the N.F.L.
FordはEVで中国と組む
 Ford Motor plans to build a $3.5 billion electric-vehicle battery factory in the U.S. using technology licensed by CATL, a Chinese company that is the world’s No. 1 maker of electric-car batteries.
宇宙の果ての話
 The Webb telescope has spotted a distant spiral galaxy with an eerie resemblance to our own Milky Way.

2023年2月14日 火曜日

世界の動き(2) 2023年2月13日 月曜日

ニューヨークタイムズ記事

結局スーパーボウルの結果記事は載らずに発信されました。

1.米国がU.F.O.を撃墜
【記事要旨】
 米国が大西洋上で中国の無人気球を撃墜した約 1 週間後、米国の戦闘機はミシガン州、アラスカ州、カナダ上空で 3 つの飛行物体を破壊した。
 米国当局は、日曜日にヒューロン湖で最新の物体を撃墜したと述べ、カナダのトルドー首相は「カナダ領空を侵犯した未確認物体の撤去を命じ、アメリカの F-22 ジェット機が、土曜日にユーコン準州上空でその物体を撃墜した。」とツイートした。
 当局者は、地球外活動の証拠はないという個人的な保証を発行したが、物体が何であるかを特定していないと述べた。
 約 2 週間前にアメリカ上空で中国のスパイ気球が発見された後、アメリカと中国の間の緊張が高まった。中国は、物体は民間の気象観測気球であると主張している。
 中国当局は、中国北部の日照市近くの海域で、まもなく正体不明の飛行物体を撃墜する可能性があると述べた。
【コメント】
 多くの報道は一体何なのだろうか。UFOが多数飛来しているという風にも読める。いろいろな国がスパイ気球を放出しているというのが妥当な解釈だと思うが、これまでどの国も気にしなかったということか。

2.トルコは建設業者を調査することを約束
【記事要旨】
 トルコと近隣のシリアで先週発生した地震で 33,000 人以上が死亡した後、トルコは致命的な建物の倒壊に関連する建設業者を追求することを約束した。
 同国の法務大臣は日曜日に記者団に、倒壊した建物に関連する容疑で134人が拘留されたと語った。調査対象の約 17 万棟のうち 2 万 4000 棟以上の建物が大きな損傷を受けているか、倒壊していると環境大臣は述べている。
 建築の専門家は、崩壊の原因の一つとして劣悪な建設を非難しており、トルコのエンジニアと建築家は、証拠として使用できる地震地帯からがれきのサンプルを収集している。
 日曜日、救助隊はまだがれきの捜索を続けており、6 歳の男の子を含む 2 人が、約 150 時間生き延びた後、廃墟から引き上げられた。
 トルコは、1999 年の地震で 17,000 人以上が死亡した後、建築基準を引き上げたが、専門家によると、基準はしばしば無視された。 ある都市計画者は、問題は組織的なものであり、建築業者だけを対象にしても問題は解決しないと述べた。
 シリア北部では 12 年以上にわたる内戦がもたらした複雑な政治状況のため、支援はほとんど届いていない。 地震は内戦の何よりも過酷な状況をもたらした。
【コメント】
 死者が東日本大震災を超えた。ビルの崩壊状況を見ると日本と同等の建築基準とは思えない。天災に巨大な人災が巨大な被害をもたらした。日本のビルの耐久性は次の大地震で試されるが東京は大丈夫だろうか。

3.ロシア人だがウクライナのために戦っている
【記事要旨】
 自由ロシア軍団は、自国民と戦ったり殺したりするロシア人だけで構成されたウクライナの軍事部隊だ。
 この部隊に参加する前に、ポリグラフ検査を含む広範な身元調査をロシア兵士は受けなければならない。ロシアがこの軍団へスパイを潜入させようと繰り返し試みているからだ。
 それでも、軍団はウクライナ司令官から十分な信頼を得て、ウクライナ軍での地位を確立しており、数百人のレギオンのメンバーが現在、ウクライナ東部の戦略的に重要な都市であるバフムートの近くに集中している。
 兵士たちは道徳的な怒り、第二の祖国であるウクライナを守りたいという願望、またはプーチン大統領に対する本能的な嫌悪のために武器を取った。
 ワグネル軍事組織は、バフムート近くの村を占領したと述べた.。 同組織のリーダーであるプリゴジンは、著名になり、政治的野心が疑われている。
【コメント】
 複雑な状況だ。ゼレンスキー大統領もロシア語の方がウクライナ語より堪能なそうだから、多くの人が敵方の言葉を流ちょうに操れる状況だ。
 親類が血で血を洗う市街戦を繰り広げているのは大変シュールな状況だ。

その他:
スーパーボウル(まだ予想記事です)
 Super Bowl LVII
 The Super Bowl, which will be played between two excellent teams with 16-3 records, is expected to be one of the closest in recent memory.
 For the first time, Black quarterbacks lead both of the Super Bowl’s contenders. Jalen Hurts versus Patrick Mahomes will be a match of contrasting styles.
 Rihanna will take the stage for the halftime show.
 Kickoff is at 6:30 p.m. Eastern time.

2023年2月13日 月曜日

世界の動き 2023年2月13日 月曜日

今日の言葉:
「宇沢ゼミ」
 東大経済学部で故宇沢弘文教授が主催したゼミだ。日銀新総裁に就く植田和男氏も、固辞したと言われる雨宮正佳氏も同ゼミの出身だ。まず入るのが大変で、さらに出来の悪い学生はどんどんキックアウトされるので有名だった。日本のマクロ経済で最も有名な吉川洋氏(現大正大学学長)も同ゼミ出身だ。経済学部の真の秀才が集うゼミとして有名だった。

ニューヨークタイムズ記事
 今日は多分配信が遅れると思われます。スーパーボウルの報道があるからです。配信は大分遅れると思いますのでご了解下さい。

2023年2月13日 月曜日

妥当な年齢とは?

今朝「サンデーモーニング」のスポーツコーナーに、中畑清と落合博満がコメンテーターとして出演していた。二人ともに69歳と字幕が出た。驚いたのはその老け方で、現役時代と比べると、当然とは言うものの、極めて老け込んで見えた。

昨年亡くなった村田兆治は72。今年訃報が届いた門田博光は74歳だった。二人ともここしばらくはメディアへの露出は激減していたから、それと比べると、中畑と落合はまだ元気なほうだと言えるのだろう。長島茂雄が脳梗塞で倒れたのは68歳の時だったから、野球選手の体力と知力の分水嶺は70歳程度だとザックリ言えるかもしれない。

大変な仕事で思い浮かぶのは軍人だが、大東亜戦争の緒戦を指導した山本連合艦隊司令長官は59歳で戦死した。軍人のピークは50代前半だと言われることが多い。

さて、今日取り上げたいのは日本銀行の総裁職だ。

次期総裁に植田和男が決まるようだが、彼は私と同年齢の71歳だ。中央銀行の総裁はかなり激務だと思うが大丈夫だろうか。

調べてみると、FRBのパウエル議長が70歳。ECBのラガルト総裁が67歳で、上田がとびぬけて高齢と言うわけでは無さそうだ。政策を判断する頭脳と、対政府の交渉力、メディア・国民への説明力を持つ人であれば、70歳越えても大丈夫と言うことであろう。

同年代の星として頑張ってもらいたい。

2023年2月12日 日曜日