世界の動き 2023年4月14日 金曜日

今日の言葉:
「消費者物価上昇」
国際比較では日本の物価上昇率は極めて低い。国際比較で使われる指数はコアコア消費者物価指数である。野村証券の証券用語集では、「物価の平均的な変動を測ることを目的に全国の世帯が購入したモノやサービスの価格を指数化した「消費者物価指数(CPI)」の一つで、天候や市況など外的要因に左右されやすい食料(酒類を除く)とエネルギーを除いて算出した指数の俗称。米国など海外諸国では物価の基調を把握するために同指数が利用されており、国内でも徐々に注目されるようになった。CPIには同指数のほか、全体を示す「総合指数」、値動きが激しい生鮮食品を除いた「コアCPI」と呼ばれる指数の3つがあり、総務省が毎月、公表している」と言うことだ。
我々の感覚で大幅に値上がりしている食品と電気・ガス代を除いているので低くなるのはある意味で当たりまえだ。コアコア指数での比較はギミックだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.米リーク事件で逮捕者
【記事要旨】
FBIは、機密情報文書の漏洩に関連していると思われる21歳の男を逮捕した。
タイムズ紙は、その男をマサチューセッツ空軍州兵の諜報部門のメンバーであるジャック・テイシェイラ Teixeiraと特定した。テエシェイラ は、文書が最初に登場した Thug Shaker Central という名前のオンライン グループを監視していたが、このグループは、銃、人種差別的なミーム、ビデオゲームへの愛好家の、主に若い男性20人で構成されていた。
司法長官メリック・ガーランドは昨日、テイシェイラをFBIが拘留し、機密の防衛情報を違法に共有したとして告発されていると付け加えた。
当局によると、数か月前から、オンライン グループのユーザーの 1 人が数百ページに及ぶインテリジェンス ブリーフィングをグループ内にアップロードし、メンバーに 世界の出来事に通じていることの重要性を広めた。
タイムズ紙は、ゲーム プロフィールやその他の記録を使用して、テイシェイラをグループに関連付けた。 ソーシャル メディアに投稿された彼の家族の写真も、流出した文書の一部の写真の余白の詳細と一致している。
漏洩文書は、中国がロシアへの軍事援助を検討していたという最近の米国の非難に光を当てた。2月中旬、米国は、ロシアの諜報機関が中国の最高軍事機関によるそのような援助の承認を報告した通信を傍受した。
文書はまた、ロシア政府内部の内紛を示しており、それは以前に理解されていたよりも広く、深いように見える。
【コメント】
漏洩情報は「生」なのか「加工」されているのか不明だ。もう少し事実関係が解明されるのを待ちたいが、詳細は明らかにされることはないかもしれない。いずれにしてもタイムズ紙の調査力は凄いと感心する。さらに驚くのは、州兵レベルの情報担当者が国家の最高機密にアクセスできることだ。日本ではどうなっているのだろうか。

2.WTAが中国に戻る
【記事要旨】
世界女子テニス協会のCEOは今年、中国でのトーナメント開催を再開すると述べた。 中国人選手の彭帥Peng Shuaiに関する懸念から、2021年後半から中国での開催は中断されていた。
WTA は、性的暴行で最高幹部を告発した Peng と直接話すことができるまで、中国に戻ることはないと述べていた。 その後、彼女は主張を撤回したが、WTAは彼女が自由に話すことができたかどうかを疑問視していた。
現在、16 か月にわたる膠着状態の後、WTAのCEOであるスティーブ・サイモン氏は、今年中国で 8 つのトーナメントを開催する予定であると語った。
サイモンは、この決定はすべて WTA の収益に関するものであるという考えを拒否したが、2019 年、WTAは中国で 9 つのイベントを開催し、年間収益の約 3 分の 1 を占めた。 パンデミックで短縮された2020年シーズン以降、WTAは大きな経済的逆風に直面している。
【コメント】
結局お金の力の前には立派な決意もうやむやになる。中国からの収入が3分の1であれば、こうした判断もやむを得ないだろう、営利団体としては。

3.中絶薬をめぐる米国の戦い
【記事要旨】
米国での中絶薬をめぐる法廷闘争は昨日、司法省が薬物の流通を制限し、入手しにくくする判決を差し止めるよう最高裁判所に求めると述べた後、エスカレートした。
水曜日に連邦控訴裁判所によって下された判決は、錠剤ミフェプリストンが利用可能であり続けるが、患者への郵送を禁止し、錠剤を入手しやすくすることを後退させた。
米国では中絶が制限されるにつれて、正式な医療制度の外で販売される中絶薬の市場が大幅に拡大している。最高裁が Roe v. Wade 事件を覆してから 9 か月間で、何万人もの患者が薬を求めてインターネットにアクセスした。
合法的なアクセスがさらに制限された場合、妊娠中絶薬の海外販売業者が利益を得る可能性がある。薬局の一部はインドとベトナムに拠点を置いており、中絶禁止をかいくぐろうとする人々に、違法ではあるが便利なルートを提供している。
フロリダ州議会は、妊娠 6 週以降の中絶を禁止する法案を可決しました。これは、米国で最も厳しい制限だ。
【コメント】
日本では医院で診察を受ければ使用可能のようだ。こうした問題についてコメントするのが難しいが、望ましくない出産を防ぐ手段としては選択肢の一つとしてありうるかもしれないとは思う。

その他:
北朝鮮のミサイル発射
North Korea fired a ballistic missile, its first such test in more than two weeks, South Korea said.
中国の邦人逮捕
China’s arrest of a Japanese pharmaceutical executive on espionage charges is testing Japan’s resolve. It prompted an unusually strong reaction from Tokyo.
フランスの年金反対
Hundreds of thousands of protesters marched in the streets in France to protest President Emmanuel Macron’s pension plan. A constitutional review, expected today, could give final approval.

2023年4月14日 金曜日

世界の動き 2023年4月23日 木曜日

今日の言葉:
 「人口が50万人減少」
 総務省の発表では、50万人減少の内訳は、日本人70万人減。外国人20万人増。地域では東京だけが増加。他の46府県は減少だ。
 外国人がずいぶん増えている印象だ。これらの人たちを労働力としてだけで観ると、アメリカや西欧のように、移民が閾値を増えると社会問題になる。
 全体で減っている人の多くが東京に流入し、東京だけの過密化は解消されない。地方の過疎化が進む。
 人口問題は政治が有効な手を打てる分野だ。統一地方選挙では「少子化対策」のみが論点になっているが、もう少し広い見地で議論してもらいたいものだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.バフムトに対するウクライナの流血の立場
【記事要旨】
 Timesのキエフ支局長アンドリュー・クレイマーと写真家のマウリシオ・リマは最近、バフムトを訪れた。 ウクライナ軍は、同盟国がコストに疑問を呈しているにもかかわらず、荒廃した都市を守ることを決意している。
 10 か月にわたる戦闘の後、ウクライナは都市の殆どを失い、兵士たちは、わずか約 20 ブロックの幅しかない縮小した半円形の廃墟に押し込まれた。ロシア人の近くの建物で話しが聞こえるほどだ。
 地下の掩蔽壕でインタビューを受けたある司令官は、毎日、至近距離で銃撃戦を行っており、部隊は砲弾、ジェット擲弾、手榴弾が不足していると述べた。
 何千人ものウクライナ兵は、まだ通行可能なアクセス道路を守り、これにより、ウクライナは補給を行い、バフムートから負傷者を避難させることができる。
 ロシアとウクライナはどちらも、数万人の死傷者を出したバフムトの戦いが相手を弱体化させるのに不可欠であると主張している。

戦争からの他のニュース:
 ゼレンスキー大統領は、ロシア兵がウクライナ人捕虜を斬首している様子を映したビデオがネット上に出現したことについて、世界の指導者らに対応するよう要求した。
 ウクライナの外務次官はニューデリーを訪問し、インドに「戦争のウクライナ側」に立つよう促した。
 リークされた国防総省の文書によると、西側諸国の少なくとも 5 か国から少数の特殊部隊が 2 月にウクライナに駐留していた。
 ポーランドは、韓国がウクライナへ送るための砲弾をワルシャワに売却するための交渉を米国が支援することを望んでいる。
【コメント】
 危険な最前線を取材した記事だ。21世紀の現在、独ソ戦のような市街戦が続いている。なんともやりきれない。

2.米国は電気自動車へのシフトを加速
【記事要旨】
 バイデン政権は、2032 年までに米国で販売される新車の過半数を完全に電気自動車にする計画を発表した。この提案は、これまでで最も野心的な同国の気候規制につながる。
 この規則は、自動車産業における革命だ。米国政府は、自動車メーカーに電気自動車の販売数を義務付けることはできないが、各メーカーが販売する自動車の総数によって発生する汚染を制限することが出来る。 提案された厳格な新しい汚染制限により、自動車業界は一定割合のゼロエミッション車を販売することで遵守することを余儀なくされる。
 提案された規制では、10 年以内に新しい乗用車の 3 分の 2 と新しい大型トラックの 4 分の 1 を完全にEVにする必要がある。 昨年、電気自動車は新車のわずか 5.8% を占めた。 全電動トラックは大型トラックの 2% 未満だ。
 新しい規則が制定された場合、米国は経済のすべての部門で 2 年間に発生する二酸化炭素排出量に相当する量を削減できる可能性があり、米国は、気候変動の最悪の影響を回避するためにすべての国に必要であると科学者が言うペースで排出量を削減する軌道に乗ることになる。
 この規則は政府の行き過ぎだと考える人もいれば、裁判所に介入を求める人もいる。失業や利益の減少を恐れる人もいる。
 中国は、リチウムをはるかに安価で豊富な材料であるナトリウムに置き換える、充電式電池の次の大きなイノベーションで競争をリードしている。
【コメント】
 日本はすっかりEVでは出遅れた。1970年代に米国で出来た排ガス規制のマスキー法対応でHONDAが真っ先に対応するCVCCエンジンを開発し、日本車が米国で爆発的に売れるさきがけになった。
 現在はそうした地位を米国、中国、韓国のメーカーに譲りそうだ。残念だ。

3.マクロン大統領の中国訪問の余波
【記事要旨】
 フランスのマクロン大統領は、習近平国家主席と北京で会談した後、一部の同盟国からの厳しい批判に直面した。 多くの人が彼を北京に融和していると見ている。
 マクロン大統領は、台湾はヨーロッパの問題ではないと示唆したことで非難を浴びた。 火曜日までに、仏大統領府は、マクロンが同盟国を動揺させたこと沈静化し、同盟への忠誠を明らかにすることを示唆していた。
 ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は明日、習近平国家主席と会談する予定だ。 彼は、戦争を終わらせるための和平協定のための彼自身の計画を共有する。
 米国が北京と西側の経済関係を弱めようとしているにもかかわらず、ドイツ企業は中国で事業を拡大している。
【コメント】
 日本にとってウクライナが遠いように、欧州にとって台湾は遠い。対中戦略は日本が自分自身で考えなければならないと痛感する。

その他:
アメリカがパンダを虐待?
 Ya Ya, a female giant panda, is returning to China from a zoo in Tennessee. A campaign accusing the zoo of mistreating her has resonated on Chinese social media.
ハリー王子は父の戴冠式に参加
 Prince Harry will attend his father’s coronation next month — but without Meghan and their children.
カナダでの中国企業の献金が政治問題に
 The leaders of a foundation honoring the father of Prime Minister Justin Trudeau of Canada resigned over a political storm created by a Chinese donation.

2023年4月13日 木曜日

世界の動き 2023年4月12日 水曜日

今日の言葉:
「黄砂」
 今日から数日間大量の黄砂が飛来するそうだ。車や洗濯物が汚れ、肺機能に障害をもたらす恐れがある。
 英語では単純にyellow sandと言うよりも、toxic yellow dust と表現するほうが適切だろう。憂鬱な数日になりそうだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.世界の成長に対するリスクを認識するIMF
【記事要旨】
 国際通貨基金IMFは、痛みを伴う景気減速が世界経済にとってより大きなリスクになっていると警告した。 この警告は、銀行システムに関する懸念と、金利の上昇により銀行が融資を削減せざるを得なくなる可能性があるという懸念の中で発せられた。
 金融危機は回避できるが、世界中の経済が景気後退に陥る可能性がある「ハードランディング」の可能性が高まっていることを示唆した。 IMFは世銀と共に長期にわたる停滞の期間について警告を発し、今後 5 年間の世界の成長率は 3% 前後で推移すると予想し、1990 年以来の最も弱い中期予測である。
 ウクライナでの戦争、パンデミック、世界中の物価高、発展途上国の債務負担により、世界経済の不確実性が高まっている。世界の銀行セクターは、米国での 2 つの銀行の破綻や UBS によるクレディ・スイスの買収など、数週間にわたる混乱に見舞われている。
 今年の世界経済成長率の予測を 2.8% に引き下げ、1 年前の 3.4% から低下している。日本、ドイツ、インドの成長予測はいずれも年初から下方修正された。

その他の経済ニュース:
 カリフォルニア州は、テクノロジーおよびエンターテインメント部門での人員削減の後、景気後退に対してより脆弱になることを恐れている。
 ビットコインは昨日、6 月以来初めて 30,000 ドルを突破し、ブームになっている。
【コメント】
 投資家にとっては本当に難しい局面だ。米国のハイテクは成長のエンジンだが業績が好調の内に人員削減を進めている。株式市場は日本より明るそうだが、ウォーレン・バフェットが日本株に強気と言う報道もあり、アセット・アロケーションをどうするか思案のしどころだ。最良の株を買えば負けることはないはずだが。

2.ミャンマーでは空爆で少なくとも100人死亡
【記事要旨】
 昨日の反乱軍支配地域であるミャンマー北西部のサガイン地域の村での集会を軍用ジェット機とヘリコプターによる爆撃での攻撃は、軍事政権が 2021 年のクーデターで権力を掌握して以来、最も多くの人命を奪った。
 少なくとも100人の死亡が確認され、さらに多くの人が行方不明のままで、死者の中には少なくとも30人の子供が含まれていた。
 軍のクーデター以降、民主化勢力はいくつかの武装民族グループと団結したが、レジスタンスの武装が強化されるにつれ、軍は空襲と民間人への攻撃を倍加させた。 先月は僧院で僧侶と民間人を殺害した。今回の犠牲者も殆どが民間人だった。
【コメント】
 ミャンマーにはどう対処するか。日本の軍事政権への姿勢は欧米に比べれば緩やかだ。平和と民主主義を標榜するからには、毅然とした態度が必要だ。制裁ではなく、親日国だから、亡命者の受け入れに熱心になるのも国際的にアピールできる良い手法と思う。

3.イエメンの平和を願って
【記事要旨】
 今週、イエメンの首都サナで、世界最悪の人道危機の 1 つを助長してきた 8 年間の内戦に終止符を打つための新たな協議が開始された。 これらの交渉と過去の交渉との違いは、戦争で反対側を支持してきたサウジアラビアとイランの間の驚くべき和解だ。
 交渉は、2015年からイエメンに軍事介入したサウジアラビアと、イランが支援する反政府勢力でありイエメンの首都と北西部を支配するフーシ派、を結びつけた。
 今回の会談が複雑な対立の別の段階に導くことを恐れる見方もあるが、楽観的な見方もある。フーシ派の当局者は、「サウジアラビアから真剣さを感じた」と語り、イエメンのサウジ大使はツイッターで、「持続可能で包括的な政治的解決」に到達するために「休戦と停戦を安定させ」、「対話の場を探る」ことを目指していると書いた。
 戦争は 350,000 人以上の人々の死につながり、多くは飢餓によるもので、すでにこの地域で最も貧しい国だ。
【コメント】
 恥ずかしいことだが、イエメンの首都の名前は知らなかった。イエメンを巡るサウジとイランの代理戦争が終結すれば習近平はノーベル平和賞ものだ。何たるアイロニー。

その他:
米国とフィリピンの合同演習
 The U.S. and the Philippines began their largest military exercises in decades yesterday, The Associated Press reports. More than 17,600 American, Filipino and Australian personnel will take part.
米国女子に広がる自閉症
 The proportion of girls diagnosed with autism in the U.S. has grown over the past decade.
中国でのストレスに満ちた若者の生活
 In China, some young people are trading high-pressure, prestigious white-collar jobs for light manual labor — even as youth unemployment reaches record highs. Their moves are reviving a debate about the futility of China’s rat race.
 “I was tired of living like that,” said a woman who quit her job as a designer to be a pet groomer for one-fifth the salary. “I didn’t feel like I was getting anything from the work.”

2023年4月12日 水曜日

世界の動き 2023年4月11日 火曜日

今日の言葉:
「インバウンド」
先日京都に旅行した。ホテルは外国人観光客であふれかえっていた。朝食の列に並んだ人に話しかけたらイスラエルから来たという。「過越し」の長い休みを利用しての来日だろうか。
これで中国人観光客が本格化したらどうなるのだろうか。観光従事者は良いが一般市民の生活は不可能になりそうだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.台湾周辺での中国の軍事ショー
【記事要旨】
中国は昨日、台湾に圧力をかける軍事演習の最終日に、記録的な数の軍用機、海軍艦艇、空母を台湾付近に派遣し3 日間の訓練を締めくくった。
月曜日だけでも、台湾は 91 機の中国軍用機が、台湾の防空識別圏に飛行したと述べ、その数は、2020年以来で最高だった。それ以前の最大は 71 で、12 月と土曜日に記録された。
演習中、中国の J-15 ジェット機が、空母山東から離陸した。 この戦闘機が台湾空域に入るのが確認されたのは初めてだ。
中国は空母を配備して、台湾を「取り囲む」ことができるという主張を強化した。西海岸だけでなく東海岸でも軍事行動ができるということだ。
演習は、台湾の蔡英文総統による米国訪問への報復だったが、米国議長ナンシー・ペロシが8月に台湾を訪問した後に実施された訓練よりも小規模で威嚇的ではなかった。
これとは別に、中国で最も著名な人権弁護士の 2 人である徐志勇と丁嘉熙は 14 年と 12 年の刑を言い渡されました。
【コメント】
やるぞやるぞと言うと必ずやることになる。習近平はそう言っている。中国軍は準備が出来ている。台湾の次の総統選挙で国民党の候補が選ばれないと侵攻が懸念される。台湾国民は、民進党と国民党のどちらを選ぶのだろうか。

2.バイデン氏を歓迎するアイルランド人
【記事要旨】
バイデン大統領は本日、北アイルランドとアイルランドへの5日間の訪問を開始する。家族がアイルランドにルーツを持つ大統領は、外交的な観点からではなく、感傷的な観点からアイルランドの問題に取り組むことで知られている。「アイルランド人であることは私の人生全体を形作った」とバイデンはかつて語った。
バイデン氏はベルファストで、25 年前に調印され、北アイルランドで数十年にわたる宗派間抗争を終わらせた聖金曜日協定を祝う予定だ。
米国では、この平和協定は大切な外交成果だ。ビル・クリントンは、ほとんどがカトリックで統一アイルランドを求めるナショナリストと、ほとんどがプロテスタントで英国にとどまることを望んでいるユニオニストの間を仲介した.1998年、バイデンは和平を支持したが、彼のアイルランド人のプライドが、彼をどちらかの側に立たせることがあると批評家は言う。
おそらくケネディを除けば、バイデンが米国大統領の中で最もアイルランド人であると言っても過言ではないだろう。
アイルランドでのバイデンの旅程には、2つの先祖代々の家への訪問が含まれており、地元の人々はバイデン訪問を祝う準備をしている。
バイデンは出発の前夜に大統領選に再び出馬する計画があると述べたが、公式には立候補を発表しなかった。
【コメント】
バイデンがアイルランド系とは知らなかった。G7の外縁部の友好国との関係強化と以前の成果の確認が目的だろうか。ご高齢のせいかゆったりした行程だ。

3.ネタニヤフ、大臣の解任を撤回
【記事要旨】
イスラエルのネタニヤフ首相は昨日、イスラエルの司法制度改革計画を批判していたヨアフ・ギャラント国防相を復職させたと発表した。 ギャラントの解任は抗議行動を引き起こし、政府は夏まで司法改革計画を一時停止した。
深刻な社会的分裂と動乱の時代に司法改革計画によって生み出された不安定性によりイスラエルの敵が大胆になる恐れの中での対応だ。
ギャラントの復職はイスラエルの大部分で安堵したが、ガザ、レバノン、シリアからの攻撃や、占領下のヨルダン川西岸での暴力が増加し、強さを誇示するよう求める声も高まっている。先週のレバノンからのロケット弾の集中砲火に特に警戒している。
ギャラントは、最高裁判所の影響力を制限する計画が、彼が監督する軍隊内で不穏を引き起こし、それがイスラエルの国家安全保障を危険にさらしていると述べた後、解雇された。
【コメント】
これでイスラエルの政局は安定するのだろうか。ネタニヤフは右派からの突き上げを上手く乗り切れるか疑問だ。

その他:
ダライラマの驚くべき行為
The Dalai Lama apologized after a video surfaced online showing him kissing a boy on the lips and then saying to the child, “Suck my tongue.”
韓国で米国のスパイ行為を批判
A group of opposition lawmakers in South Korea denounced the U.S. for spying after leaked documents revealed sensitive information about supplying Ukraine with artillery shells.
日本を許し中国に対峙すべし
From Opinion: Se-Woong Koo, a South Korean-born writer, argues that Koreans should forgive Japan for historical wrongs and turn their focus on China.
(水島注:Se-Woong Koo earned his Ph.D. from Stanford University and taught Korean studies at Stanford, Yale, and Ewha Women’s University. He has written for The New York Times, Foreign Policy, and Al Jazeera 影響力のある学者のようだ)

2023年4月11日 火曜日

世界の動き 2023年4月10日 月曜日

今日の言葉:
「地方議会」
 統一地方選が始まった。地方の首長や議員が誰になろうが自分には関係ないというのが多くの国民の実感ではないだろうか。
 私が住んでいる東京都のある特別区は、大手企業並みの財政規模だが、巨額の地方税を納めた上で私が実感する行政サービスはゴミの収集くらいだ。
 新幹線の車内で「Wedge4月号」を目にした。タイトルは「地方議会は誰のためにあるか」だ。
 一読して、地方政治の重要性と暮らしへのかかわりを再考してみたい。

 今日はメールの発信が遅れました。お詫びします。

ニューヨークタイムズ記事より
1.漏洩した米国の文書が明らかにすること
【記事要旨】
 ここ数日、国防総省の機密文書の山がソーシャルメディアに登場し、米国がロシアの軍事および諜報機関にどれほど深く浸透しているかを示している。文書はまた、米国がウクライナ、イスラエル、韓国などの同盟国をスパイしているように見えることも明らかにしている。
 文書は、ウクライナでの戦争で苦しんでいるボロボロのロシア軍と危機にさらされている露軍事機構を描いている。 2月下旬から3月上旬にかけてリークされた資料では、ロシアの攻撃のタイミングや特定の標的に関する攻撃のリアルタイムの警告も示されている。
 文書は、米国が重要な情報をウクライナに渡すことができたことを示している。しかし、今回のリークは米国が知っているロシアの機関を明らかにすることで、ロシアに情報源を遮断する機会を与えウクライナの戦争努力に損害を与える可能性がある。
 今回の情報漏洩は同盟国との関係も複雑にし、米国の秘密保持能力に疑問を投げかけた。 同盟国への盗聴を公表することは、ウクライナに武器を供給するために支援が必要な例えば韓国などとの関係を妨げ、情報共有を制限する可能性がある。

戦争からの他のニュース:
 ウクライナは、バフムートへの道をめぐる争いが膠着状態に陥ったと述べた。
 ヨーロッパは、ウクライナに 100 万発の砲弾を 1 年以内に供給するという約束を果たすことができない恐れがある。
 ウクライナ人の母親のグループが、ロシア占領地域から子供たちを取り戻すために 3,000 マイルも移動しました。
【コメント】
 アサンジ事件を思い起こさせる情報漏洩だ。米国と同盟国にとって何も良いことのない事件だ。ロシアのガードが固くなり、同盟国の米国への信頼を損ねる。

2.中国の台湾周辺での軍事演習
【記事要旨】
 中国は今日で台湾周辺での 3 日間の軍事演習を終了する予定だ。 この演習は、先週カリフォルニアで米国下院議長と会談した蔡英文総統の米国訪問に対応しているようだ。
 中国軍は、空と海の「戦闘準備」訓練が台湾の四方すべてで行われ、台湾に面する平潭島近くでの実弾射撃演習が含まれると述べた。 台湾は中国が71機の軍用機を台湾周辺の空に土曜に飛ばし、台湾海峡の中央線を45機が越えた と発表した。
 「これは、『台湾独立』分離主義勢力と外部勢力の共謀と挑発に対する厳しい警告だ」と、中国軍当局者は声明で述べた。
 中国の軍事力の誇示は、8月に米国下院議長ナンシー・ペロシが台北を訪れた際のよりも限定的だったようだ。
 フランス外交:エマニュエル・マクロン大統領の中国訪問後、中国は演習を開始した。 フランスの指導者は、独立したヨーロッパの立場を主張し、中国を抑制しようとする米国の努力を弱体化させた。
 マクロンの2回の訪中は、米国とヨーロッパが中国に対して異なる優先順位を持っていることを浮き彫りにした。
【コメント】
 フランスはドゴール以来の独立外交路線だ。米国への追随を潔しとせず自国の利益を優先する姿は独立国としては当然だろう。

3.世界銀行の変化
【記事要旨】
 今日から始まる世界銀行の年次会合のために株主がワシントンに集まっている。議論の中心にいるのは、今後数週間で銀行の頭取となると予想されるアジェイ・バンガだ。
 各国の指導者や学者は、気候変動に取り組む貧しい国々を支援するために、世界銀行にもっと多くのことをするよう求めている。何年もの間、批評家は、世界銀行が危機に適切に対応していないと述べ、大株主は、銀行がより多くの資金を貸し出し、より多くの民間投資を呼び込むことを可能にする合意を含む、いくつかの改革を承認した。
 バンガはバイデン政権によって指名されたが、米国は銀行が発展途上国における中国の影響力を弱め、代替の融資オプションを提供することを望んでいる. 専門家によると、世界銀行への追加資金をめぐる議論は、なぜ中国が世界銀行から借り入れを続けているのかという疑問を提起している。
 インドで育ったバンガは、発展途上国出身の最初の世界銀行総裁になる。Mastercard の最高経営責任者としての 10 年間で、彼は会社を現在 3,500 億ドルの価値を持つ企業に育て上げた。
【コメント】
 ターバンを巻いたシーク教徒だ。米国の人材供給の多様性を感じさせる。米国からの圧力をかわしつつ世界に信頼される国際金融機関としての世銀を上手にカジ取りしてもらいたい。

その他:
テスラは中国でバッテリー工場建設
 Chinese state media reports that Tesla will build a factory in Shanghai to make Megapacks, its large-scale batteries.
米は紅海へ原潜派遣
 The U.S. said on Saturday that it had sent an attack submarine to the Middle East after warning that Iran was preparing a drone attack against Israeli merchant vessels in the Persian Gulf and the Arabian Sea.
米政権はEVに本腰
 The Biden administration is looking for ways to drive up electric car sales by imposing what would be some of the most stringent auto pollution limits in the world.

2023年4月10日 月曜日