2025年8月の市場動向 (備忘メモ)

1) 株式市場 月間リターン(8/1–8/30,)

米国
S&P 500(終値6460.26): +1.9%、NASDAQ(同21705): +1.6%、ダウ平均(同45636.90): +3.2%。8月最終週はパウエル講演を受けて長期金利が低下、月次でもプラスで終了。
日本
TOPIX(3075.18): +4.49%、日経225(42718.47): +約4%。月中にTOPIX初の3000超え・日経も史上高値圏(4.3万台)に到達、その後は持ち高調整でやや鈍化。

2) 8月の主な出来事と株価への影響
・ジャクソンホール(8/22):パウエル議長が労働市場の下振れリスクに言及し「慎重な緩和」へ含み。これで9月利下げ観測が台頭、株高・長期金利低下・ドル安に反応。
【本当に利下げの環境が整うのだろうか】
・米インフレ指標:7月PCEは概ね想定線、一方で7月PPIは強めのシグナルもあり、利下げのペースにはなお議論余地。
・ビッグテック/AI関連決算:NVIDIAは好決算でAIテーマを再点火、月末にはDell・Marvellがガイダンスを嫌気され軟調、AI関連は強弱混在で物色の回転が発生。
【利食い100人力。今は半分は利食いの時期】
・日本株の高値更新:TOPIXが過去最高、日経は史上高値圏。円安追い風と海外資金の流入が背景。月末は利益確定で一服。

3) 金利の動き(8月)
米国金利:10年国債利回りは4.22%近辺(8/29)まで低下。パウエル講演・ウォーラー理事の利下げ示唆でカーブは低下基調に。
日本金利:10年JGBは1.6%前後で推移。超長期ゾーンの需給不安で上振れする場面もあったが、月末は落ち着き。 BOJの国債買入れ漸減も続く。
【更なる金利上昇には要注意】

4) 為替(8月のドル/円・ドル指数)
ドル/円:月後半まで147–148円台中心、パウエル講演後は147円前後までドル安/円高に振れる局面。
ドル指数(DXY):月間で下落(約▲2%)。利下げ観測強まりドル安基調。

5) 今後の主なイベント(9月以降)と株価の推定
米国
CPI(8月分):9/11(米東部)。コアの減速が確認できれば利下げコンセンサスを後押し→グロース/AI・内需(住宅/小売)に追い風。逆に粘着なら金利再上昇で高PER株に逆風。
FOMC:9/16–17。足元は9月25bp利下げ観測が優勢。利下げ開始=短期は株式にポジティブ、ただし**「景気減速が理由の利下げ」なら景気敏感は選別**に。
日本
BOJの買入れ・長期金利:10年1.6%台が続くと銀行・保険に相対追い風、金利上振れはバリュー優位/グロース調整のシナリオに。超長期の需給・入札結果は引き続き要監視。

レンジ想定(1か月程度)
S&P500:+2%〜−3%のレンジ(CPIとFOMCの組み合わせ次第)。インフレ鈍化×利下げ示唆なら上限トライ、粘着インフレなら金利上振れ→テック主導の調整も。
日経225/TOPIX:円安一服なら輸出主導の上値はやや重く。一方、国内金利の高止まりは金融・商社・エネルギーに資金が回りやすい。

6) 注目セクター/個別トピック
米国
・AI関連の二極化:半導体(NVIDIA)は好業績で牽引、一方でAIサーバー需給や顧客集中を巡りサプライチェーン銘柄(例:Dell、Marvell)は決算敏感。**「コア(設計・最上流)」>「装置・部材・周辺」>「完成機」**の順で選別色。
・金利低下で:住宅関連、ディフェンシブ(ヘルスケア/公益)に資金回帰の余地。パウエル講演後のリリーフ局面では高PERの過熱感に注意。
日本
・金融(銀行・保険):イールド拡大の恩恵、超長期のボラはあるが中期で追い風。
・自動車・機械等の輸出:円安→利益率改善の継続テーマ。高値圏ゆえイベント前の利確圧力には注意。
・インフラ・エネルギー:国内金利の上昇・資源高局面では商社/エネルギーの相対優位が出やすい(選別)。

7) プライベートエクイティ(PE)&プライベートクレジット(PC)市況
PE
・ファンドレイズは鈍化継続(H1 2025で減速、Q2は前期比▲4.6%)。ただしセカンダリーや大型旗艦は引き合いが残る。北米偏重、クロージングまでの期間は平均17か月と長期化。分配の滞りがLPの新規コミットを抑制。
・ディール/エグジットは件数は伸び悩みも、金額は前年上半期比で回復。ストラテジック売却の復調が下支え。

プライベートクレジット
・AUMは高水準だが、未投資比率(ドライパウダー)が約24%との推計も。大型案件参加やセカンダリーの活性化で消化を狙う動き。利回り妙味は維持も、流動性・エクスポージャー集中など新たなリスクに注意。

一部機関投資家はPC配分のテンポを調整し、ヘッジファンド等へ回帰の兆しというサーベイ結果も。

2025年8月30日

世界の動き 2025年8月29日 金曜日

今日の言葉
「日銀の政策目標」
FRB(米連邦準備制度)の政策目標は、FOMCの度ごとに日本で詳しく報道されるので、ご存知の方が多いだろう。
法律(Federal Reserve Act)で明記されていて、いわゆる「デュアル・マンデート」:
• 物価の安定(インフレーション抑制)
• 最大限の雇用(maximum employment)
となっている。
では、日本銀行の政策目標はどうなっているのか。
日銀の場合も、法律(日本銀行法)に基づいている。
日本銀行法第2条には次のように書かれている:
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うにあたっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
つまり公式の政策目標は 「物価の安定」 であり、FRBのように「雇用」までは明示されていない。
雇用状況を日米比較すると、
日本では確かに失業率が長期にわたり2〜3%台と低水準で推移しており、完全雇用に近い状態。(現在の失業率は2.5%) そのため日銀は 雇用水準を政策目標に掲げる必然性が低い。
逆に米国は労働市場の変動が大きいため、「最大雇用」がFRBの政策目標として制度的に組み込まれている。(現在の失業率は4.2%)  ということが言えそうだ。
日本の失業率の低さについてはまた稿を改めたい。現在の日本の地盤沈下の原因と考えるからだ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.ロシアによるキエフへの最大規模の攻撃
【記事要旨】
昨日、キエフに向けて数時間にわたるミサイルとドローンの集中攻撃が行われ、4人の子供を含む少なくとも18人が死亡した。トランプ大統領がプーチン大統領と会談してから2週間足らずでのキエフへの最大規模の攻撃は、アメリカの最近の外交努力がロシアとウクライナの平和に全く近づいていないことを示している。
「ロシアは交渉のテーブルに着く代わりに弾道ミサイルを選んだ。戦争を終わらせる代わりに、殺戮を続けることを選んだ。」とゼレンスキー大統領は述べた。」
トランプ大統領は、プーチン大統領によるウクライナへの攻撃に不満を表明しているが、ロシアに対する新たな制裁を課すという脅しは実行に移していない。
キエフにあるEUミッションとブリティッシュ・カウンシルの建物が攻撃で被害を受けた。英国は、ロシア大使を召喚し、攻撃に抗議したと発表した。
ゼレンスキー大統領は、首席補佐官と安全保障会議議長が本日ニューヨークでトランプ大統領のチームと会談し、将来の和平協定に含まれる安全保障上の保証について協議すると述べた。
ロシアとその同盟国は、米国とその同盟国がドイツ経由で軍事物資を輸送するために使用しているルート上空で偵察ドローンで飛行させている。
【コメント】
プーチン大統領に自制は無い。あるのはトランプの弱腰に乗じて、最大限の譲歩をウクライナから獲得することだ。アラスカ会談が開催されたので、トランプの和平への熱はすっかり冷めているようだ。

2.イスラエル予備役、ガザ攻撃に不参加?
【記事要旨】
イスラエルはガザ市攻撃のために数千人の予備役兵を招集する準備を進めている。しかし、当局はどれだけの人が戦闘に復帰するか確信が持てない。
ここ数ヶ月、イスラエル予備役兵の兵役不参加が増加している。戦争に幻滅した者もいれば、レバノン、シリア、ヨルダン川西岸といった複数の戦線での長期にわたる派遣と戦闘で疲弊した者もいる。
イスラエル政府は軍がガザ市への全面攻撃を計画していると発表したが、兵士はまだ市の大部分に展開していない。しかし、ガザ市のザイトゥーン地区では数週間前から作戦を展開し、それまでほぼ無傷だったザイトゥーンはイスラエル軍の爆撃によって壊滅状態にある。
【コメント】
なるほど。予備役の人たちも喜んで戦場に向かているわけではないのか。超正統派の扱いと並んで政府にとっては頭の痛い問題のようだ。

3.欧州諸国、対イラン制裁の復活へ
【記事要旨】
英国、フランス、ドイツは昨日、国連に対し、イランが2015年の核合意に違反したため、合意に基づき停止されていた制裁を復活させる計画だと報告した。
国連決議で概説されている「スナップバック制裁」への動きは、制裁が復活する前に30日間の交渉期間を設けるものだ。イランはこの動きを違法とし、国連の核監視機関との「継続的な対話プロセス」を損なうものだと主張した。
【コメント】
「スナップバック」は、2015年にイランと欧米などとの間で成立した国際的な取り決め、「核合意」によって解除されたイランに対する国連の制裁を再開させる措置です。
核合意の参加国がイランに合意違反があると判断した場合、国連安全保障理事会に通知したうえで、手続きを経て制裁を再開させるもので、措置の発動期限は、ことし10月18日までとなっています。
国連の制裁が再開された場合、イランはウラン濃縮活動の停止を求められるほか、金融や武器の取り引きなどが制限されることになります。(以上NHKより)

その他の記事
米国:FRB理事のリサ・クック氏は、トランプ大統領による解任決定を理由に訴訟を起こした。CDC長官のスーザン・モナレス氏は、ホワイトハウスが解任を表明したにもかかわらず、辞任を拒否した。
北朝鮮:金正恩委員長は来週、他の世界の指導者らと共に軍事パレードに参加するため北京を訪問する。
香港:メディア王のジミー・ライ氏の裁判は昨日終結したが、釈放されるかどうかは政治的な判断となる可能性がある。

インド:新たな50%の関税は、同国の新興太陽光発電産業を打撃を与えている。
小売業:トランプ大統領の高関税は、かつてはブラジルとインドを製造の安全な選択肢と見ていた米国の中小企業に大打撃を与えている。

文化
『K-POPデーモンハンターズ』の秘密
悪魔のようなボーイズバンドに立ち向かう3人のポップスターを描いたアニメミュージカル『K-POPデーモンハンターズ』は、じわじわと人気が高まり、一大現象へと発展しました。Netflix史上最も視聴された映画です。
同僚によると、この成功の最も知られていない側面の一つは、映画がファン層を理解している点です。この映画は、アニメやK-POPといったニッチなファン層を巧みに捉えています。ファンの存在は、映画のキャッチーな楽曲がポップチャートを駆け上がるのに貢献しました。ファン層は物語の重要な推進力でもあり、コンサートシーンでは熱狂的なファンのショットが数多く登場します。

2025年8月29日 金曜日

世界の動き 2025年8月28日 木曜日

今日の一言
「トランプ大統領の従軍慰安婦発言」
 李韓国大統領との会談中にトランプ大統領が全く脈絡が無く突然行った発言が波紋を呼んでいる。報道する記事ごとに、日本よりのもの(「韓国が固執している」)と韓国よりのもの(「韓国の経験に大統領は共感」)様々だ。
 原文を見よう。
 “The whole issue of the women. Comfort women. Very specifically. We talked and that was a very big problem for Korea, not for Japan. Japan was, wanted to go, they want to get on. But Korea was very stuck on that”. これは日本の見方に近い。
 実際の会談の様子を見ると、韓国民の多くが苦しんだことをTrumpは言及しており、韓国を支持する姿勢がうかがえる。
 微妙な問題は、報道の仕方や見方で、印象が微妙に異なる事例だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.海外のクリーンエネルギーを潰すトランプ氏
【記事要旨】
 トランプ大統領は米国内だけでなく海外に対しても化石燃料利用を促し、各国の気候変動対策を弱める圧力をかけている。
 具体策として、関税・ビザ制限・港湾使用料などで温室効果ガス削減協定に賛成した国を制裁すると表明。
 ほぼ全ての貿易協定で、相手国に米国産石油・ガスの大量購入を義務付けている。
 サウジなどと連携し、石油由来プラスチック生産の規制に反対。
 ホワイトハウスは「曖昧な気候目標で米国経済や安全保障を危険にさらさない」と主張。
 専門家や欧州当局者はこうした圧力が深刻と懸念。科学者は化石燃料から風力・太陽光などへの迅速な転換が不可欠と指摘している。
【コメント】
 掘って、掘って、掘りまくれと大統領選挙の時から公言していた。彼のこうした動きはわかっていたのに。。。

2.トランプ大統領の関税発動でインドは混乱
【記事要旨】
 トランプ大統領が50%の関税を課したことを受け、インド全土の企業は政府に支援を求めた。政府は、輸出業者が新たな市場を開拓し、融資を容易にできるよう、6年間で280億ドル規模のプログラムを発表した。
 業界団体は、労働者への賃金支払い、電力価格の引き下げ、銀行融資の実現を政府に強く求めた。トランプ関税は、インド経済の約2%を占める繊維産業など、大量雇用を生み出す産業に大きな打撃を与えるだろう。
【コメント】
 インドへ向けているトランプの怒りの矛先はなぜプーチンに向けられないのだろうか。不思議だ。

3.欧州の防衛への大きな賭け
【記事要旨】
 ウクライナ戦争に駆り立てられた欧州と英国の首脳は、数十億ドル規模の防衛費を投入している。彼らは軍事費支出を雇用と成長を生み出す経済対策として推進している。
 経済学者たちは、軍事備蓄ではなく研究開発に多額の資金を投入しない限り、その効果は小さいと警告している。公的債務ではなく税金による資金調達は、成長をさらに抑制する可能性がある。ドイツは再軍備のための借入を拡大しており、債務を抱えるフランス、イタリア、英国はより厳しい選択に直面している。
【コメント】
 日本の選択肢はどうなるのだろうか。防衛国債の大量発行となれば戦前を髣髴とさせる事態だ。

その他の記事
米国:ミネアポリスのカトリック教会で、学生たちがミサを行っていたところ、窓から銃撃犯がライフル銃を乱射し、子ども2人が死亡、17人が負傷した。
諜報活動:トランプ大統領と密接な関係のあるアメリカ人がグリーンランドで「秘密裏に影響工作」を行っているとの疑惑が浮上したことを受け、デンマークは米国特使を招集した。
ガザ地区:トランプ大統領は、特使のスティーブ・ウィトコフ氏と義理の息子で元顧問のジャレッド・クシュナー氏と、ガザ地区の将来についてホワイトハウスで長時間会談した。
ドイツ:兵力不足に直面しているドイツで、軍の募集計画案は新たなインセンティブを提供しているが、入隊目標が達成されなければ徴兵制が復活する可能性がある。

テクノロジー:エヌビディアの売上高は前四半期に56%増加し、ウォール街の予想を上回り、AIブームが減速していないことを投資家に安心させた。

2025年8月28日 木曜日

世界の動き 2025年8月27日 水曜日

今日の一言
「GT-R」
 独特の感情を呼び起こす車だ。ケンとメリーのスカイラインは大学生のころだった。
 その後、スカイラインGTに乗っていたことがある。日産関連の会社の監査役をしていたため、その会社の売り上げ支援のために、当時、車のなかった私も車を買わざるを得なくなったのだ。
 当時のスカイラインGTRには触手が動かなかった。ワイルドで運転しにくい印象だった。
 日産復活の象徴として独自モデルとなったGT-R。2007年から18年間の生産が昨日修了した。これまで48000台が生産され、国内販売は17000台余りだった。
 最近街中で目立つのは、スポーツカーとは対極の車であるSUVばかりだ。
 もう一度GT-Rの、更には、スポーツカーがブイブイする日本の復活を望みたい。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.インドは米国との関係に困惑している
【記事要旨】
 かつて米国とインドは、中国への対抗を目的に緊密な協力関係を築き、テクノロジーや防衛分野での連携やサプライチェーン多様化が進んでいた。しかし2025年に入り、トランプ政権がインドに対し50%関税を課すなど強硬姿勢を示したことで、両国関係は急速に悪化。インド政府も米国の狙いが分からず「困惑」と表明している。
 インドは高関税や米国への貿易黒字、農業保護などで摩擦がある一方、米国からのエネルギー・防衛輸入増加でバランスを取ろうとしていた。しかしトランプ政権には響かず、インドのロシア産原油輸入増加への制裁的対応が一因となっている。中国も同様にロシア原油を購入しているが制裁を免れており、政策の一貫性が疑問視されている。
 こうした中、インドは外交軸を広げ、モスクワや北京との接触を強化。プーチン訪印やモディ首相の7年ぶりの訪中が予定されるなど、米国一辺倒からの転換が進む。20年以上続いた米印戦略の枠組みはこの数か月で大きく変化し、インドは今や米国に対抗する独自の立場を模索している。
【コメント】
 インドは非同盟の伝統があり、歴史的にロシアと緊密だ。中国とも表立って対立する姿勢を回避するしたたかさがある。
 のんきにこぶしを振り回すトランプの登場に本当に困惑perplexedしているようだ。

2.トランプ大統領、FRB理事解任を企て
【記事要旨】
 トランプ大統領が、住宅ローン詐欺の疑いで連邦準備制度理事会(FRB)の理事6人のうちの1人、リサ・クック氏を解任する意向を示したことを受け、ワシントンでは大規模な法廷闘争が勃発した。クック氏は昨日、解任に異議を唱えて訴訟を起こすと述べ、大統領には解任を命じる「権限はない」と主張した。
 FRBは政治的圧力から隔離されているはずなのに、トランプ大統領はFRB職員に対し、金利引き下げを企てようと次々と攻撃を仕掛けている。
【コメント】
 FRB(連邦準備制度理事会、Federal Reserve Board)の理事については以下のような仕組みになっています:
  任命権:アメリカ合衆国大統領が任命します。ただし、任命には上院(Senate)の承認が必要です。
理事の任期は14年と長期で、任期がずれているため、政権交代があっても一度に全員が入れ替わることはありません。
  解任権:大統領にはFRB理事を自由に解任する権限はありません。法律上、FRB理事は「just cause(正当な理由)」がある場合にのみ解任できるとされており、政治的理由での解任は基本的に認められていません。この独立性がFRBの重要な特徴です。
  要するに、任命は大統領(と上院の承認)、解任は正当な理由が必要であり大統領の恣意的判断ではできないというのが基本です。

その他の記事
ウクライナ:ロシア軍は初めてドニプロペトロフスク地方の村々を制圧した。ロシアとウクライナのエネルギー戦争は激化しており、送電網や石油・ガス施設への攻撃が急増している。
フランス:フランス株式市場は、政府が9ヶ月で2度目の崩壊に陥る可能性があるとの報道を受け、下落した。
英国:右派「改革英国」のナイジェル・ファラージ党首は、当選した場合、最大60万人の不法移民を英国から強制送還する計画を発表した。

気候:中国のアフリカへの太陽光発電輸出が急増している。

2025年8月27日 水曜日

世界の動き 2025年8月26日 火曜日

今日の一言
「Transcend」
 NHKの夕方6:30からの栃木のローカルニュースを好んで見ている。東京では知らないニュースが多い。
 昨日はBリーグ覇者の宇都宮BREXのファン感謝デーが大きく取りあげられた。今年のスローガンはTranscendだそうだ。
 以下Yahooニュースより
 「Bリーグ1部(B1)の宇都宮ブレックスが、2025ー26シーズンのスローガン「Transcend」を発表した。「超越する」という意味で、「全員で今までの自分たちを超えていく。過去のブレックスを超越する」シーズンにしていこうという思いが込められている。」
 チームメンバーの半数程度が外国人なので、彼らにもわかりやすいスローガンにしたのではないか。大学院レベルの英単語だ。
 Transcend BREX!
 Transcend Tochgi!
 Transcend Japan! これで難しい単語が覚えられた。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.イスラエル軍、ガザの病院を攻撃、ジャーナリスト5人死亡
【記事要旨】
 イスラエル軍が昨日、ガザ南部の都市ハンユニスの病院を2度にわたって攻撃し、ジャーナリスト5人を含む20人が死亡した。ネタニヤフ首相は「悲劇的な事故」と呼び、謝罪し、イスラエル軍が調査を行うと述べた。
 これは、約2年にわたる戦争中、ジャーナリストに対する最も致命的な攻撃の一つとなった。死者数を発表したガザ保健省は、さらに数十人が負傷したと発表している。負傷したジャーナリスト5人は、ロイター通信、AP通信、アルジャジーラなどのメディアに所属していた。
 「ダブルタップ」攻撃:カイロに拠点を置く放送局アル・ガドTVの生中継映像は、ナセル病院での爆発直後の様子を捉えていた。ニューヨーク・タイムズ紙が確認した映像には、救急隊員らが階段で白い遺体袋を移動させる様子が映っていた。その直後、2度目の攻撃が生中継で捉えられた。イスラエル軍は、部隊が「ダブルタップ」(同じ場所への二度攻撃)を実施したかどうかという質問に直ちに回答しなかった。人権団体はこのような攻撃を非難している。
 背景:ジャーナリスト保護委員会によると、ガザ紛争はジャーナリストにとって致命的なものであり、これまでに少なくとも192人が死亡している。イスラエルは国際特派員によるガザでの自由な報道を禁じているため、現在、世界の多くはガザからの報道をパレスチナ人ジャーナリストに頼っている。
【コメント】
 ウクライナでも使われているダブルタップ。以下読売新聞より。
 「ウクライナ侵略を続けるロシア軍は、「ダブルタップ」と呼ばれる攻撃手法を多用している。一度攻撃し、負傷者の救助に駆けつけた人たちを狙って時間差で再び攻撃を加える方法で、被害を拡大させる狙いがある。標的とされる消防士や救助隊員は、市民の命を救うため、それでも現場へ駆けつける。」

2.トランプ大統領、韓国大統領と会談
【記事要旨】
 トランプ大統領は昨日、ホワイトハウスで韓国の李在明大統領と初めて会談し、北朝鮮の独裁者、金正恩委員長を称賛した。2019年に歴史的な訪問で金委員長と会談したトランプ大統領は、金委員長との良好な関係を繰り返し強調し、北朝鮮には「大きな潜在力」があると述べ、金委員長と李大統領の会談をセッティングすることを申し出た。
 李大統領はまず、大統領執務室の金箔装飾を称賛し、米韓同盟に緊張の兆候が見られる中でもトランプ大統領を平和推進者として称賛した。権威主義体制をしばしば称賛してきたトランプ大統領は、「しかるべき将来」に金委員長と再び会談できることを楽しみにしていると述べた。
 背景:6月の就任以来、李委員長は朝鮮半島の緊張緩和への意欲を繰り返し表明してきた。しかし、北朝鮮は先月、この会談提案を拒否した。
【コメント】
 トランプのキムジョンウン関係の独演会は日本であまり報道されなかった。さて、日米交渉の対米投資部分は文書化するそうだ。米国が確認を求めているそうだ。

3.かつて中国最強の不動産会社、終焉
【記事要旨】
 かつて中国最大の不動産開発会社だった中国恒大集団(エバーグランデ)は、昨日、香港証券取引所から上場廃止となった。同社の破綻は、5年間中国経済を圧迫し、終わりの見えない住宅市場の低迷を引き起こした。
 16年前に香港で上場した同社は、2021年に3,000億ドルの巨額債務を抱えた債務不履行に陥り、中国経済の脆弱性と、成長を牽引する不動産への過度の依存を露呈したことで、記憶に残ることになるだろう。
【コメント】
 中国の不動産市場の現状。
 中国の不動産不況は2025年現在も深刻であり、回復の兆しが見えない状況が続いている。
・2025年1~7月の不動産投資は前年同期比で12%減少し、減少幅が拡大。
・住宅価格は依然として下落傾向にあり、多くの地域で中古住宅価格が連続的に下落。
・販売不振の影響で、中国全体の住宅在庫は5年分にまで積み上がっているとの報道もある。

その他の記事
フランス:新任の米国大使チャールズ・クシュナー氏は、フランス政府がユダヤ人市民の保護に十分な対策を講じていないと非難した後、外務省に召喚された。
ウクライナ:多くの軍が妊娠中の兵士を戦闘から外す中、ウクライナの女性は通常、妊娠7ヶ月まで兵役に就く。
外交:トランプ大統領にとって、一貫性よりも指導者同士の外交が重要だ。その結果、戦略的な混乱が生じていると、デイビッド・サンガー氏は書いている。

デンマーク:風力発電所開発会社Orstedの株価は、トランプ政権がロードアイランド沖で計画していた62億ドル規模のプロジェクトを中止したことを受けて急落した。
+(中国関連)
ドイツ:検察当局は、元軍事請負業者のアメリカ人を、機密性の高い米国の情報を中国に売却しようとしたとして起訴したと発表した。
ニューヨーク:マンハッタンの中国領事館が、中国政府に反対する地元政治家のキャリアを潰すために地域団体を動員していたことが、タイムズ紙の調査で明らかになった。
科学:中国の科学者が、脳死状態の男性に豚の肺を移植したと報告した。

2025年8月26日 火曜日