世界の動き 2025年6月2日 月曜日

今日の一言
「中国のハイテク株ファンド」
 マクロの中国経済の苦境は続きそうだ。しかし、中国のハイテク企業は米国からの「制裁」を受けながらもダイナミックに成長しているようだ。
 AIを搭載した軍事ロボットのデモ、ヒト型ロボットのマラソン大会・ボクシング大会、上海モーターショー、BYDのEV軽自動車での日本市場参入、等々のニュースを見聞きすると、中国のハイテク企業は侮れない。米国が孤立主義を進める中で、中国は世界展開を着々と進めている。
 現在余裕資金があれば、中国のハイテク株ファンド・ETFは注目すべき投資対象だ。国営企業を避け、時価総額の小さいものを避けて、選択してゆきたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.交渉を前に、ウクライナとロシアは激しい攻防を繰り広げる
【記事要旨】
 ウクライナは昨日、ロシア国内の空軍基地に対し、今戦争中最大規模の攻撃を仕掛けた。ドローンの協調作戦により、シベリアを含む複数の地域で数十機の航空機を破壊したとウクライナ当局者は発表している。
 キエフではロシア軍のミサイルがウクライナ軍訓練基地に着弾し、少なくとも12人の兵士が死亡するなど、甚大な被害を受けた。ロシアは開戦以来最大規模の夜間合同空爆を行った。
 ウクライナとロシアの代表団が本日イスタンブールで停戦交渉に臨む予定だが、戦闘は激化した。
 交渉:イスタンブールで行われた前回の協議で、双方は和平条件を共有することで合意した。それ以来、ウクライナ当局はロシアが交渉を遅らせていると非難している。
【コメント】
 ウクライナはドローンの関しては世界で一番運用能力が高い国になったようだが、ロシアの戦闘拡大能力に少しは影響が与えられたのだろうか。

2.ガザ地区の支援物資配布施設付近で20人以上が死亡
【記事要旨】
 地元保健当局によると、昨日、支援物資配布センターに食料を受け取るために集まっていたパレスチナ人が銃撃を受けた。当局者によると、少なくとも20人が死亡、100人以上が負傷した。ガザ地区保健省は31人というより多い死者数を発表した。
 イスラエル軍は当初、ラファ地区の支援物資配布施設でのイスラエル軍の発砲による負傷者は把握していないと発表していたが、後に軍当局者は犯罪容疑者に向けて威嚇射撃を行ったと発表している。
 赤十字国際委員会(ICRC)は、ラファ地区の野戦病院に179人の患者が搬送されたと発表した。その大半は銃撃や榴散弾による傷で、「患者全員が支援物資配布施設に向かおうとしていたと話していた」という。
 背景:イスラエルが3月にガザ地区への食料、燃料、医薬品の供給を遮断して以来、ガザ地区の人々は食糧難に苦しんでいる。イスラエルは先週、ガザ地区への救援物資の供給に向けた物議を醸す活動を開始し、一部の配給所では混乱が生じている。

ガザ地区のその他のニュース:
・ハマスが戦争の恒久的な終結の保証を求めた後、ホワイトハウスは停戦提案に対するハマスの回答を拒否した。
・イスラエル軍によると、ハマスの最高指導者ムハンマド・シンワル氏が先月、イスラエル軍の空爆で死亡した。
・イスラエル政府は、複数のアラブ諸国の外相が、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ指導者と会談することを禁止した。
【コメント】
 400か所の配給所を4か所に集約し、食料を受領しようとする飢えたガザ住民に銃撃を加える非道なイスラエルが浮かび上がる。イスラエルにはイスラエルの論理があり、ハマスの全面降伏まで続ける意向だ。誰もそれを止められない。

3.メキシコで初めて裁判官が選出された
【記事要旨】
 メキシコ国民は昨日、最高裁判所やその他数百の地方裁判所の判事を含む約2,700人の判事と治安判事を選出する投票を行った。司法制度改革を目的とした投票は国内初であり、大規模な民主主義国家が試みた司法制度改革の中も、最も大がかりなものの一つとなる。
 ​​今回の選挙は、2期連続で大統領を選出し、議会で超多数派を確保し、野党を存続の危機に追い込んだ左派政党「モレナ」の権力基盤強化につながる可能性がある。モレナの指導者たちは、汚職撲滅のために裁判官を直接選出することを決定したと述べたが、専門家は、この改革は健全な民主主義に求められる抑制と均衡に悪影響を及ぼす可能性があると警告している。投票所では、有権者は長く複雑な投票用紙に苦労した。
【コメント】
 メキシコの司法改革
 「メキシコの司法改革とは、2024年にアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領が提案した、憲法改正を伴う司法制度の改革案。具体的には、最高裁判所判事の公選制、裁判官の公選制、連邦裁判官審議会の廃止などが含まれている。この改革は、司法の独立性や三権分立を損なう可能性があるとして、国内国外から批判を浴びている。」
 選挙結果に注目したい。

その他の記事
フランス:サッカーチーム、パリ・サンジェルマンのチャンピオンズリーグ優勝を祝う騒ぎが暴徒化し、2人が死亡、200人以上が負傷した。
イラン:国連査察官がイランの核兵器級ウラン備蓄量の急増を報告したことを受け、米国は核合意の要素に関する初の正式提案を提出した。
ポーランド:大統領選決選投票の出口調査では、2人の候補者が僅差で接戦となった。公式結果は本日発表される見込みだ。

インド:インドは米国への留学生数を世界最多に誇る。米国がビザ面接を一時停止したことで、影響を受けている。
健康:新たな研究により、運動ががんの生存率を向上させるというエビデンスがさらに強化された。

ビジネスと経済
関税:米国の経済顧問は、トランプ大統領が最も厳しい関税の90日間一時停止を延長する計画がないことを示唆した。
石油:サウジアラビア、ロシア、およびOPECプラスに加盟する他の6か国は、7月も3カ月連続で増産を維持すると発表しました。
小売:355年前に毛皮商として設立されたハドソン湾会社は、カナダにある80の百貨店を閉鎖すると発表した。
【コメント】
 カナダに暮らしたことのある筆者にとって驚きの記事だった。カナダの最も老舗のデパートだ。
 Yahooニュースの報道。
 「カナダの老舗百貨店「ハドソンズ・ベイ(HUDSON’S BAY)」を展開するハドソンズ・ベイ・カンパニーが、清算セールを終了し全店舗を閉鎖する6月1日までに、従業員の約89%にあたる8347人を解雇する予定であることがわかった。現地時間5月26日に公表されたオンタリオ州高等裁判所による文書で明らかになった。」
 つまり民事再生をあきらめて清算するということで、消費者の消費行動を読み誤った企業に対する教訓だ。

2025年6月2日 月曜日