世界の動き 2026年1月15日 木曜日

今日の一言
「株価の重し」
 解散報道を受けて株式市場がさらに上昇。証券会社の一部は日経ダウの60000も間近とはやしている。マジか?
 根本的な懸念は少しも解決していない。

1. 財政赤字の持続不可能性 → 金利上昇リスク
 Fitchは、日本の財政赤字が再び拡大する方向にあり、長期的な債務圧力は依然として「重大」と明言している。さらに、2026年にかけて追加の利上げ(1.5%まで)を予測しており、国債費の増大は避けられない。
金利上昇は以下の経路で株価に逆風になる:
– 企業の資金調達コスト上昇
– バリュエーションの圧縮(特に高PER銘柄)
– 家計の可処分所得減少 → 消費鈍化
– 国債利回り上昇による株式から債券への資金シフト
つまり、財政懸念 → 金利上昇 → 株価の重石という構図は全く変わっていないリスクだ。円安で輸入物価が上昇し庶民の生活は全く楽にならない。

2. 業績改善ではなく自社株買いが株価を押し上げている
 2025年の株価上昇は「過去最大規模の自社株買い」による需給改善が大きかったとのアナリストレポートも多い。
 - 企業業績は予想を下回った
 - 米国関税の影響で製造業は伸び悩んだ
という現実もある。ファンダメンタルズが株価に追いついていない状況だ。需給主導の相場は、逆回転が始まると脆い。

3. 日銀のETF売却は「長期的な売り圧力」
 日銀は2025年からETFの売却を開始し、年間約6200億円のペースで売却する計画で、完了には100年以上かかる可能性があると報じられている。
 市場への影響としては:
– 日銀は日本株の約7%を保有 → 売却は需給悪化
– 特に大型株(TOPIX・日経225構成銘柄)に売り圧力
– 海外投資家のセンチメント悪化リスク
 長期的には確実に需給の重石になる。

4. 世界的な地政学リスクの高まり
 - 米中対立の激化
 - 中東・台湾海峡の緊張
 - AI・半導体を巡る国家間競争
 - 日本–中国関係悪化のリスク
これらは日本企業のサプライチェーンに直撃し、株価のボラティリティを高める。

【結論】高市トレードでしばらくは強い相場が続くだろう。その間に利益を確定しポートフォリオをリバランスするべきだ。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.まるで軍事政権下だ(ミネアポリスの現状)
【記事要旨】
 ミネアポリスでは、連邦捜査官によるレニー・グッド射殺事件から1週間、移民取り締まりの強化と強硬な逮捕が住民の怒りを招き、街は緊張状態にある。連邦政府は不法移民の摘発を強化し、住宅街や商業施設の駐車場で住民を拘束するだけでなく、米国市民まで乱暴に扱う事例が相次ぎ、SNSにはその映像が拡散している。
 住民や活動家は、連邦捜査官の行動を監視・記録し、時に妨害しようとしている。市議会議長を含む市民が武装した捜査官に押し倒されるなど、まるで「軍事占領」のようだとの声も上がる。
 一部の取り締まりは通常の法執行を逸脱し、車を衝突させて停止させるなど過激化。群衆が集まり捜査官に怒号を浴びせる場面も増え、暴力的な衝突への懸念が高まっている。
 トランプ大統領は事態の沈静化に関心を示さず、射殺の正当化を示唆し、さらに1000人の移民捜査官を追加派遣。ソマリア移民2,000人以上の保護措置の撤廃も発表した。ミネソタ州とミネアポリス、セントポール市は連邦政府の措置を差し止める訴訟を起こした。
 街では住民と捜査官の対立が激化し、催涙ガスやペッパースプレーが使用される事態も発生。ジョージ・フロイド事件から5年以上が経つが、警察署長は「2020年の再来」を懸念し、街が再び破壊される可能性を警告している。
【コメント】
 民主主義国家と権威主義国家の違いの一つは、治安部隊と市民の関係だ。民主主義社会では、警察官は市民の権利を守るために任命される。一方、治安部隊が市民に対して展開されると、それはしばしば権威主義の蔓延の兆候と見なされる。
 トランプ大統領はアメリカ各地の都市に移民税関捜査局(ICE)の職員を派遣し、ライフルや戦闘装備をつけた州兵を増派している。米国は対外的にも国内的にも権威主義国家と化している。

2.イラン情勢の緊張が高まる中、米国はカタールから人員を撤退
【記事要旨】
 トランプ大統領がイランによる反政府デモ弾圧への軍事対応を検討する中、国防総省はカタールの空軍基地から不要不急の人員の一部を撤退させ始めた。
 人権団体や遺族によると、イランはデモ参加者の死刑執行を計画しているという。しかしトランプ大統領は昨日、「イランでの殺害は既に停止しており、死刑執行の計画はない」との通知を受けたと述べ、イランがそのような死刑執行を実行した場合、「強力な措置」を取ると警告している。
【コメント】
 スターリンクで反政府運動の通信を助けることや、政府の通信をサイバー妨害することが軍事介入に先んじてとられる手段になりそうだ。ハメネイ氏のロシア亡命の噂があるが、どうなるだろうか。

3.グリーンランドをめぐる「根本的な意見の相違」
【記事要旨】
 デンマーク外相は昨日、ホワイトハウスでの会談後、協議は「率直」なものだったものの、グリーンランドの将来をめぐる米国との「根本的な意見の相違」は解決していないと述べた。
 デンマークとグリーンランドの外相は、J・D・ヴァンス副大統領とマルコ・ルビオ国務長官と会談した。これは、トランプ大統領がグリーンランドの購入または奪取を繰り返し脅迫していることについて両政府が協議する初の会談となった。これらの脅迫は、デンマークが加盟しているNATOにとって深刻な問題を提起する。NATO創設条約は、同盟国同士が攻撃した場合の対応について規定していない。
【コメント】
 ヴァンスやルビオの本心はどうなのだろうか。忠臣としてトランプに使えているのだろうか。彼らも同じように考えているのか。
 国内に大きな課題を抱えており、グリーンランドの領有問題の優先順位は極めて低いと思うのだが。

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2026年1月15日 木曜日