いわき信用組合で、金融機関として考えられないような乱脈経営が行われていた実態が明らかになってきた。以下NHKニュースから引用する。
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いわき信用組合 不正融資総額247億円に 第三者委が報告書公表 2025年5月30日 18時32分
福島県いわき市に本店があるいわき信用組合が不正に資金を流用していた問題で、実態を調査してきた第三者委員会が、30日に報告書を公表し、この中で不正は2004年から続けられ、不正融資と認定された総額は少なくとも247億円にのぼるなどと指摘しました。
いわき信用組合は去年11月、旧経営陣が大口の融資先の企業の資金繰りを支えるため、融資先の役員やその親族などの名義の口座に融資する形で、不正に資金を流用していたと発表し、外部の弁護士などでつくる第三者委員会が事実関係の確認を進めてきました。
第三者委員会は30日、いわき市で記者会見し、調査報告書を公表しました。
それによりますと、組合は、遅くとも2004年から実態のない企業3社を介した不正な融資を行い、さらに2007年からは、役員やその親族、それに一般の顧客の名義を無断で使用した口座を使い、融資を開始したとしています。
その後、この大口融資先が被災し、不正な融資の必要がなくなったにもかかわらず継続し、調査で認定された不正融資の総額は、去年11月までの20年間で少なくとも247億円にのぼるとしています。
また、不正が続けられてきた背景については、去年11月まで、20年にわたって理事長や会長として組織を率いた江尻次郎氏に権限が集中し、経営を監視する機能が働かず、コンプライアンス意識が欠如していたと指摘しました。
第三者委員会は、報告書の中で「約20年もの長期間にわたり、多くの役職員が関与して多数回の犯罪的な不正融資が行われていて、わが国の金融機関の歴史を見ても類例をみないほどに悪質だ」と厳しく批判しています。
組合はこのあと、第三者委員会の会見に続いて、本多洋八理事長らが記者会見を開き、今の経営陣の辞任や再発防止策などを発表するということです。
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預金量2110億円(以下、数字は2024年9月末ディスクロージャー誌より)、貸出金1239億円、経常利益545億円という規模の信用組合で、巨額の不正融資が組織をあげて行われていた。
不正融資も、迂回融資、無断借名融資と手が込んでいてたちが悪いものだ。
これまでの経営陣は総辞職し、再起を期すようだ。一般の預金者と借入人に迷惑が掛からないような再建が望まれるが前途は多難そうだ。
2025年5月31日 土曜日