黒部立山アルペンルートにて

2泊3日で、黒部立山アルペンルートと黒部渓谷トロッコ列車に乗るツアーに参加した。年配の参加者が多いゆったりとしたツアーだったが、帰宅後日経新聞に掲載された他のツアーの多くが1泊2日の日程であるのを見て驚いた。

新緑のグラデーションと立山での残雪を楽しむツアーだった。天気に(予報に反し)恵まれ、きれいな空気と美しい景色を満喫した。新幹線、電気バス、ケーブルカー、ロープウェー、トロリーバス、トロッコ列車と、乗物を楽しむツアーでもあった。

アルペンルートでは、階段の多さ(エレベーターやエスカレーターは殆ど無し)と、和式トイレ(女子トイレ、男子の大)に改善の余地があるように思った。

日本各地からの大勢のツアー客に交じり、中国や韓国からの団体も多かった。大声で会話するのには辟易したが、マナーの悪いお客が目立つことは無かった。
1泊目のホテルでは中国からの団体客が宿泊客の3分の1ほどだった。

こうした隣国からのツアー客無しに、日本国内の観光は成り立たないと強く思ったが、経済の交流が出来れば(地方経済が潤えば)それでよいのだろうか。

日本政府は、竹島は韓国に不法占拠されているという立場を堅持している。尖閣は日本領土だと言いながら中国船の領海侵犯を連日容認している。「それはそれ、これはこれ」というご都合主義をいつまで続けるつもりなのだろうか。

政治で揉めると隣国からの観光客は急減する恐れが常にある。経済関係が良好な今こそ、我が国の立場を明確にする政治判断が必要で、そうした状況でのインバウンド客を考えに入れた観光策が必要だと、山の空気を吸いながら思った。

外交姿勢に関して再考が必要なのは領土問題がある隣国に対してだけではない。赤沢大臣の訪米回数の頻度は滑稽なレベルだ。今回は米国側窓口のベッセント氏との会談も出来なかった。米国の国務長官や大統領に面談するたびに、日米安保5条が尖閣に適用されるとの確認を重ねているが、中国が尖閣を実効支配すれば約束は反古になる。習近平の毅然とした対米姿勢と、赤沢氏に代表される日本の姿勢は好対照だ。

黒部立山アルペンルートから大きく話がそれた。標高400Mから2500Mへの移り替わる自然の姿を堪能した旅だった。一度は行かれることをお薦めしたい。

2025年5月25日 日曜日