伝統的資産で構成されるポートフォリオに、プライベート資産をどのくらい組み込んだらよいかは、ファンドマネジャーにとっての大きな課題だった。
最近のように伝統資産の上値が重い際には、伝統資産との値動きの関連性の低さと、価格の洗い直しの頻度の低さで、プライベート資産が注目されてきている。2025.3.27のBloombergに記事を見つけた。
『資産運用大手の米ブラックロックは複雑なプライベート資産投資を既製ポートフォリオにまとめて個人投資家に提供する。同社はオルタナティブ資産のメジャープレーヤーになるべく、280億ドル(約4兆2000億円)を費やして複数のディールをまとめたばかりだ。
上場株と債券に複雑なPE資産とクレジットファンドを組み合わせたモデルポートフォリオは、資産運用業界では初の試みだとブラックロックは説明。いずれは他のオルタナティブ投資もこれに加える可能性があるという。
ファイナンシャルアドバイザーは26日にローンチしたこの運用モデルを用いて、プライベート市場の投資経験が乏しい顧客にオルタナティブ資産投資を提案しやすくなる。
ブラックロックで富裕層向け事業の共同責任者であるジェイミー・マジェラ氏は「アドバイザーは長年、プライベート市場へのアクセスを求めていた」とインタビューで指摘。「従来はファミリーオフィスや極く一部の超富裕層向けだったプライベート市場で、より広い富裕層にアクセスを拡大することが目標だ」と語った。アドバイザーからの引き合いは「非常に強く、毎日のように問い合わせがある」ということだ。
このポートフォリオ中にプライベート資産が占める比率は平均15%で、カスタマイズが可能だ。手数料は開示されていない。
株式と債券の低コストファンドを提供することで知られるブラックロックは、1年前から手数料の高いプライベート市場への進出を加速させている。125億ドルでグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズを、25億5000万ポンド(約4900億円)で英データ会社のプレキンを買収したブラックロックは、120億ドルを投じてプライベートクレジット会社のHPSインベストメント・パートナーズ買収を完了する過程にある。
ブラックロックは個人投資家にさまざまなプライベート市場へのアクセスを単一のポートフォリオを通じて提供するため、スイスのプライベート資産管理会社パートナーズ・グループ・ホールディングと昨年提携した。』
ブックロックはプライベート資産の拡充を目指し、運用会社だけでなく、データも資産管理業務も買収で強化しようとしている。
組み込み比率が15%と言うのも参考になる。5億円の金融資産を持つ個人投資家であれば、7500万円ほどはプライベート資産に投資することを薦めても良いということだ。
PE市場の一層の拡大に希望を持たせる記事だ。
2025年3月29日 土曜日