ストックデールの逆説

Harvard Business Schoolのニューズレターでコロナ禍の先の見えない状況をどう耐えてゆくかのヒントとしてストックデールの逆説(Stockdale Paradox)が紹介されていた。

私は聞いたことのない概念だったので紹介したい。

ジェームス・ストックデールは海軍のパイロットとしてベトナム戦争に参加。撃墜され7年半ものあいだ北ベトナムの捕虜収容所で拷問に耐え生還した。

彼はその秘訣を以下のように話している。
This is a very important lesson. You must never confuse faith that you will prevail in the end—which you can never afford to lose—with the discipline to confront the most brutal facts of your current reality, whatever they might be.
「これはきわめて重要な教訓だ。最後にはかならず勝つという確信、これを失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない」
この言葉は、ジェームズ・C・コリンズの「ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則」で紹介され人口に膾炙するようになった。

「わたしたちが置かれている深刻な現実を受け入れつつ、明るい将来を信じる」というのが結論だ。

ここまで書いてきて、コレハ一体逆説であろうかと考え及ぶに至った。人の仕事の進め方は多かれ少なかれそのようなものだと思われるのだが。

(2020.8.20)