コロナ下の事業再生

私事で恐縮だが、「認定事業再生士」という資格を持っている。日本ではあまり知られていないが、米国では、Certified Turnaround Professional(CTP)という資格で、それなりに価値のある資格だ。

2000年代の初めに日本で事業再生の専門家を育成しなければならないという考えで、米国のTurnaround Management Association (TMA)という事業再生の専門家組織が行っている認定試験を日本に導入する形で、有志が作った資格だ。www.tmajapan.jp を参照されたい。

金融マンや弁護士、会計士、税理士の方々が事業再生の専門家資格であるCTPを獲得しようと頑張った。現在の有資格者は700名ほどではないだろうか、

2009年に金融円滑化法が成立すると、銀行が中小企業への借入返済の一時猶予が殆ど無条件で認めるようになった。さらに、貸出金利がほぼゼロになると、喉元過ぎれば熱さを忘れ、本格的な事業再生へのニーズが低まり、CTPへの興味も急速に萎んだ。

10以上経ち時代が変わった。新型コロナウィルス感染症の突然の蔓延で、苦境に立つ中小企業の「事業性評価」をして、企業が生き残り、発展するための「再生計画の作成」が要請されるようになった。

今回は、しっかり対象企業を分析し、事業性を評価し、将来的に発展する企業が生まれるのを支援する事業再生を目指したいものだ。

(2020.7.31)