世界の動き 2024年10月6日 火曜日

今日の言葉
「リセッションの可能性」
 2期連続の景気減速をリセッションと定義するが、その可能性は意外に高い。以下Bloombergの記事。
 『ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、米国が今後1年でリセッション(景気後退)に陥る確率を15%と、長期的な平均値と同じ水準まで戻した。先週発表された9月の米雇用統計が良好だったことを受けた。チーフエコノミスト、ヤン・ハッチウス氏は6日遅くの顧客向けリポートで、雇用統計は米金融政策当局が11月に利下げペースを25ベーシスポイントへ減速させるとの「われわれの確信を強めた」と述べた。』
 注目すべきは長期的な確率の平均値は15%ということだ。随分高い。米国の大手証券会社のアナリストは慎重なため(日本の商圏会社アナリストとは大違い)リセッションの確率が高まったということが多いが、平均値は15%だと覚えておくと一喜一憂しなくて済む。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエル人とパレスチナ人は、喪失の一年を振り返る
【記事要旨】
 10月7日の攻撃から1年を迎えた昨日、世界中で行われた集会や抗議活動は、怒りと苦痛で満ちていた。イスラエル人は、数百人が殺害された音楽祭の会場であるレイムの森で厳粛な追悼式を開いた。人質の家族は、テルアビブの人質広場として知られる大きな公共広場に集まった。
 ガザでは、パレスチナ人が、家が破壊され、生活が一変し、愛する人が殺された、前例のない喪失の一年を振り返った。
 タイムズ特派員のラジャ・アブドゥルラヒム氏に、過去1年間の彼女の報道と、彼女にとって印象に残った瞬間について話を聞いた。
 「戦争が始まって1年が経ち、ガザの人々と話をすると、戦争がどれだけ長く続いたか、停戦交渉が進展せず終わりが見えないことについての落胆ばかりが聞こえてくる」と彼女は語った。「彼らはまた、この恐ろしい戦争から国際社会の関心が離れてしまったとも話します。この戦争は、小さなパレスチナ領土に想像を絶する死と破壊をもたらしました。」
 1年が経ち、戦争の唯一の勝者である憎悪はイスラエルとパレスチナの二国間平和の灰の上にそびえ立ち、中東全体に広がる恐れがある。
 イスラエル軍は昨日、レバノン南部のヒズボラの標的に大規模な攻撃を行い、さらに部隊を派遣したと発表した。ハマスが珍しいロケット弾攻撃でテルアビブを標的にした後、ガザも攻撃した。
【コメント】
 「憎悪だけが唯一の勝者」。解決は全く見通せない。

2.ミシガン州のアラブ系有権者はハリス氏を拒否
【記事要旨】
 多くのアラブ系アメリカ人は、ガザ、そして現在はレバノンで戦争を繰り広げているイスラエルに対するバイデン政権の支援に憤慨している。アラブ系アメリカ人とイスラム教徒の有権者が多数を占める重要な激戦州であるミシガン州ほど、このことが政治的に重要な場所はない。
 デトロイト地域では、民主党候補への支持がほぼ消え去ったことが、今週末の有権者、活動家、地域リーダーへのインタビューで明らかになった。一部の有権者は、カマラ・ハリス氏ではなく、第三党候補やドナルド・トランプ氏への支持を検討している。「イスラエルには一切関与してほしくない」と、有権者の一人、ファティマ・クライト氏は語った。「でも、トランプ氏なら海外で与えるダメージは少ないと思う」
【コメント】
 激戦州での人種グループの投票動向は選挙戦の結果に影響をおよぼす。大学でデモを繰り広げていた若者はどう投票するのだろうか。

3.人間の寿命はピークに達したのか?
【記事要旨】
 過去1世紀にわたり、医療と技術の進歩により、平均寿命は大幅に延びてきた。しかし、1990年から2019年までのデータを調べた新たな研究では、多くの国で平均寿命は延びたものの、その伸び率は鈍化していることがわかった。
 新たな研究は、70代、80代、90代まで生きる人が増えている一方で、平均年齢をそれ以上に引き上げることは難しいだろうと示唆している。「基本的に、今生きているのと同じくらい長く生きられると示唆している」と、この研究を率いたS・ジェイ・オルシャンスキー教授は述べた。
【コメント】
 うん。だから何ですか?という記事だ。

その他の記事
ノーベル賞:
 ビクター・アンブロス氏とゲイリー・ルヴクン氏は、細胞がどのように発達し機能するかを決定するのに役立つマイクロRNAの発見により、生理学・医学賞を受賞した。
チュニジア:
 カイス・サイード大統領が出口調査で簡単に再選を果たしたことが示され、アラブの春発祥の地に権威主義が戻ってきたことを示す最新の兆候となった。
フィリピン:
 2022年に大統領を退任するロドリゴ・ドゥテルテ氏は、家族の政治的拠点であるダバオ市長に立候補する書類を提出した。

2024年10月6日 火曜日