世界の動き 2024年7月29日 月曜日

今日の言葉
「敗戦の弁」
大相撲7月場所は照ノ富士の優勝で幕を閉じた。14日目、15日目と負けが続き、優勝決定戦を経ての優勝だった。
この横綱は、勝っても負けても表情が変わらず、負けを悔しがったり、勝ち誇ったりする様子が微塵もない。「相撲道」の実践者のようだ。
パリ五輪では金メダルが期待された阿部詩選手が序盤で負け、泣きわめいていた。負けに慣れていないのだろうが、見苦しい印象だった。
病気を克服し出場した池江璃花子選手が100mバタフライで決勝に進めず悔しい敗戦の弁を述べた。「正直、頑張ってきた分だけむだだったのかというレースでした。最後は勝負の世界なので、勝てなきゃ意味ないですし、本当に自分の力を出し切れずに終わってしまった。また4年後、リベンジしに帰ってきたい」
いろいろな敗戦の弁を紹介したが、最悪なのは敗戦を決して認めないことだ。「選挙に不正があった」として前回の大統領選挙の結果を認めていないトランプ氏は今回も敗戦を認めることは決して無いだろう。彼の辞書には「敗戦の弁」という言葉は無いようだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエルとレバノンの戦争への懸念
【記事要旨】
土曜日、イスラエル支配下の町のサッカー場でレバノンからのロケット弾が少なくとも12人の子供と若者を殺害したことを受けて、西側諸国の外交官らは戦闘激化を阻止しようと動いている。
10月にミサイルとロケット弾の応酬を開始して以来、イスラエル支配地域への最も死傷者の多い攻撃であり、イスラエルは昨日早朝、レバノン全土への攻撃で報復した。全面戦争につながるとの懸念は残っている。
米国国家安全保障会議の報道官は声明で、ヒズボラが攻撃を組織したと述べた。ヒズボラは責任を否定した。
イスラエル外務省の報道官は、レバノン南部に非武装地帯を設置するという2006年の国連決議の未履行の実施により、全面戦争は回避できる可能性があると述べた。
イスラエル、カタール、米国の交渉担当者はローマで会合し、ガザ停戦に関する協議を再開した。
【コメント】
ヒズボラは中東情勢を複雑にする攪乱要因だ。ガザ情勢の解決には、イスラエルも両面作戦は米国からの軍事支援なければ困難なので、これを奇貨として沈静化を望みたい。

2.ベネズエラ国民が重要な選挙で投票
【記事要旨】
チャベス主義として知られるベネズエラの社会主義運動は、同国の民主主義を破壊し、経済を壊滅させ、世界最大級の移民危機を引き起こしてきた。昨日の選挙で、同運動は強力な挑戦に直面した。
チャベスの後継者であり大統領であるニコラス・マドゥロに対抗する対立候補は元外交官のエドムンド・ゴンザレスで、選挙から締め出された元議員マリア・コリーナ・マチャドの代理候補にあたる。
マチャドが開催する選挙イベントは大規模な巡礼のような雰囲気を醸し出し、世論調査ではゴンザレスへの支持が高いことが示された。しかし、選挙の結果は誰にも予想できず、国全体が緊張している。
【コメント】
支持率では20%近くゴンザレスがリードしているが、政府の選挙介入が常態化しており、結果はどうなるか不明だ。

3.警官がトランプ大統領暗殺未遂犯を発見した時刻
【記事要旨】
7月13日、ドナルド・トランプ前大統領が暗殺されそうになった約100分前の午後4時26分、警備交代勤務を終えて帰ろうとしていた地元の対狙撃警備官が、ピクニックテーブルに座っている若い男について同僚にテキストメッセージを送った。「彼は君たちがそこにいることを知っている」
タイムズ紙が独占入手したこのメッセージは、警察が暗殺未遂犯の存在をこれまでよりも約30分早く知っていたことを明らかにした。
午後5時38分、犯人トーマス・クルックスの写真がグループチャットで共有され、警官の間で別のテキストメッセージが送信された。「私は彼が距離計を持ってステージの方を見ているのを見た。参考までに。SSの狙撃兵に警戒するよう知らせた。私は彼を見失った」
【コメント】
警護の欠陥が次々に現れてくる。要人警備で先進的な米国でもこのようなことが起こりうるという教訓だ。

その他の記事
ロシア:
ロシア軍はドネツク東部地域で急速に勢力を伸ばし、ウクライナ前線の弱点の特定に長けている。
日本:
米国との合同部隊がインド太平洋地域の米国司令官の指示に従うことになる、と政府高官が述べた。
健康:
血液検査でアルツハイマー病の診断が90%正確で、認知テストやCTスキャンを使ったかかりつけ医よりも正確だった。

米国大統領選
資金調達:
カマラ・ハリスの選挙運動は、1週間足らずで2億ドルを集め、副大統領候補に迫っていると発表した。
トランプ:
土曜日のミネソタ州での演説で、前大統領は国家の団結を求める訴えを放棄し、ハリス氏を「邪悪」「常軌を逸した」「病んでいる」と呼んだ。
JD・ヴァンス:
ハリス氏は過去に「子どものいないキャット・レディ」を揶揄する発言やその他の失言で、トランプ氏の副大統領候補は守勢に立たされている。

2024年7月29日 月曜日