接待交際費の統制 (備忘的メモ)

支出項目の中で、「接待交際費」、「旅費交通費」、「外部委託費」は、使用者の自由度の高く実態が把握しにくい費目だ。こうした費目を使って不正が行われることもあり、監査をする際には注意してみないといけない。

接待交際費は一時的にコロナの影響で激減していたが、コロナの終息と景気回復とが相まって、増加してきている企業が多いだろう。交際費については、あれこれ言われなくでも「抑制的」に使い人もいるが、多くの人は、何も言われなければ「浪費的」に使うものだと理解しておこう。

社内で適正な交際費管理をするにはどうすればよいだろうか。以下に標準的な考えを示してみたい。

1. 経費方針の確認 :
まず、会社の経費方針とガイドラインを確認する。それらが明確で包括的であり、経費管理に関する会社の目標や価値観と一致していることを確認する。

2. 経費レポートの分析:
最近提出された営業チームの経費レポートを徹底的に分析する。支出のパターン、トレンド、および異常を調べる。過剰な支出や営業活動と関係のなさそうな支出の領域を特定する。

3. 効果の評価:
営業チームによって負担された経費の効果を評価する。これらの経費が新規クライアントの獲得、売上の増加、またはクライアント関係の改善などの具体的な利益をもたらしているかどうかを検討する。チームとの面談やインタビューを行い、彼らの支出の影響に関するフィードバックを集めることを検討する。

4. 期待の伝達:
経費が発生している金額とその効果に差異がある場合は、営業チームに明確な期待を伝える。経費口座を賢明に効果的に使用して会社の目標を達成する重要性を強調する。

5. トレーニングとガイダンスの提供:
経費管理のベストプラクティスについてのトレーニングセッションやワークショップを提供する。支出を優先し、ディールを交渉し、各支出に対する投資利回りを最大化する方法についてのガイダンスを提供する。

6. コントロールの実装:
支出をより密に監視し規制するための追加のコントロールや承認プロセスを実装します。これには、特定の種類の経費の事前承認が必要などが含まれる場合がある。

7. サポートの提供:
経費がかかりすぎずに営業チームが役割を果たすのを支援するためのリソースを提供する。これには、作業プロセスを合理化するツールやリソースへのアクセスを提供することや、ディールや契約の交渉を支援することが含まれる場合がある。

8. モニタリングと調整:
経費レポートを継続的にモニタリングし、実施された変更や介入の影響を評価する。継続的なコンプライアンスと効果を確保するために、必要に応じてポリシー、手順、またはガイドラインを調整する準備をする。

9. 非コンプライアンスへの対応:
経費口座の不正使用やコンプライアンスの問題がある場合は、会社の方針や手順に従って、適切な対処を行う。これには、カウンセリング、規律措置、またはその他の是正措置が含まれる場合がある。

10. 定期的なレビュー:
経費口座の定期的なレビューや監査を予定し、継続的なコンプライアンスと効果を確保する。これにより、事態がエスカレートする前に改善手段を実施することができる。

以上のようなプロセスを回して、経費管理に体系的なアプローチを取ることが肝要だ。そうすれば、営業の目標を支援するためにリソースが効率的・効果的に活用されることを確認しながら、財務上の規律を維持し、説明責任を果たすことができるはずだ。

2024年3月16日 土曜日