献杯

同年代の集まりがいろいろある。銀行の同期会とか、高校大学クラブの同窓会とかだ。現在私は72歳だが、この一年で亡くなった知人も少なくない。今日は、先日の高校クラス会の五日後に亡くなった仲間の訃報を聞いた。

訃報に接し故人を偲ぶことも多いが、むしろ、この先如何に生きるべきかに思いを馳せる機会になることが多い。故人が身近に引き寄せてくれた「あの世」を思い、いつ来るかわからないその時をどのように迎えるのか、どのように迎えれば家族が惑うことが無いか、などと考えるわけだ。特にいまの健康を神様に感謝する。「神様、健康を与えて下さってありがとうございます!」

ただ、殊勝な考えは一瞬しか続かない。すぐに、生き苦しい世の中をどのように楽に過ごすかということに、考えは戻ってくる。あの世よりこの世のことを考えるほうが楽しいし、現実的なのは確かだ。

現生での出会いの大切さを説く「一期一会」という言葉の意味がようやく分かるようになってきた。今年同期会であえた友人と来年は会えないかもしれない。今年は「献杯」する側だったが、来年はされる側に回る可能性を考えれば、今この時を大切にしないといけないとは思うのだ。

2024年3月17日 日曜日