世界の動き 2023年11月13日 月曜日

今日の言葉:

「サーバー攻撃」Bloombergの記事より。

 『港湾サービス会社DPワールドは、サイバー攻撃により大規模な操業停止を余儀なくされたオーストラリア港湾施設の復旧に苦戦している。同国政府の危機管理会議が週末に開かれたが、年末のホリデーシーズンを前に数万個のコンテナが立ち往生している。

  12日にオーストラリア政府が発表したところによると、DPワールドの情報技術(IT)システムが10日にハッキングされて以来、インターネットから切断されたままになっているため、4つの主要港での操業停止はさらに数日間続く見込みだ。DPワールド・オーストラリアは身代金の要求を受けておらず、どの組織の犯行か把握していないと、同社幹部は発言した。

  先週には、資産規模で世界最大級の銀行、中国工商銀行(ICBC )が身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」によるサイバー攻撃を受け、米国債の取引決済のクリアリング業務が広範にわたり遂行できなくなった。これはロシアのハッカー集団によるもののようだ。』

 日本企業や政府機関は十分ハッキングに備えておかないと甚大な被害を被ることになる。先日のトヨタのシステム障害の理由も明らかになっていない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ガザの病院の状況が悪化
【記事要旨】
 パレスチナ赤新月社は昨日、停電と燃料不足がガザの医療施設に大打撃を与え続けているため、ガザ市のアルクッズ病院が「もはや稼働していない」と発表した。 ガザ支援団体は、1万4000人以上の避難民が避難していると発表した。
 この発表は、ガザ人にとって新たな病院が利用できないことを意味した。 金曜日には、隣接する他の4施設、ランティシ小児病院、アル・ナスル病院、さらに2つの医療センターが避難した。 イスラエルの地上侵攻は、数万人の民間人に避難場所を提供してきた施設に徐々に迫っている。 イスラエルは、これらの場所は下のトンネルでハマスの軍事作戦を遮蔽していると主張している。
 ガザの主要病院であるアル・シファの状況も悲惨である。 数千人の重病人や負傷者、避難民が屋内に閉じ込められており、イスラエル軍の戦車と軍隊が敷地を取り囲んでいる。 ガザ保健省や医師、屋内に避難している一部の目撃者らによると、狙撃兵が時折発砲するという。 近くでは、激しい接近戦が行われている。
 世界保健機関は昨日、アル・シファとの連絡が途絶えたと発表した。ガザ保健省は前日、保育器に入っていた未熟児を含む少なくとも5人の負傷患者がこの攻撃による停電で死亡したと発表した。
 バイデン大統領の国家安全保障問題担当補佐官は昨日、ハマスがこうした民間施設を戦闘員の収容や武器の保管に「人間の盾」として使用しているというイスラエルの見解に同意すると述べたが、昨日イスラエルに対し、ガザ地区の病院で戦闘しないよう警告した。
 ネタニヤフ首相は昨日、戦後ガザに対する軍事的責任を負えるのはイスラエル軍だけであり、西側支援のパレスチナ自治政府が将来行政的な役割を果たすとは考えていないと述べた。 同氏の発言は、イスラエルによるガザ「再占領」を支持しないバイデン政権と対立しているように見えた。
 昨日フランス全土の都市で数万人が抗議活動を行い、同国のユダヤ人との連帯を示し、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃以来全国的に拡大している反ユダヤ主義行為を非難した。
【コメント】
 ガザ北部はイスtラエルが制圧したようだ。北からの住民が非難しているガザ南部でもハマスへの掃討戦が始まればますます多くの住民に死傷者が出るだろう。一度動き始めた戦争の歯車は誰にも止められ無い。

2.米国は中国との新たな対話を期待
【記事要旨】
 バイデン大統領の最高軍事顧問は金曜日、中国の大統領に宛てた書簡の中で、当時議長を務めていたナンシー・ペロシ氏の台湾訪問に抗議して中国政府が昨年停止していた軍間の連絡を再開することに米国は前向きであると述べた。
 この書簡は、今週のアジア太平洋経済協力会議に合わせて予定されているバイデン大統領と中国の最高指導者習近平との会談に先立って提出された。 米当局者らは両首脳が現地で軍事対話の再開を発表することを期待している。
 南シナ海では、20年以上にわたり、小さな岩礁に座礁した第二次世界大戦時代の朽ち果てた船シエラ・マドレ号は、中国に対するフィリピンの抵抗の象徴となった。 中国との海での衝突が何度もあった後、フィリピンは、船にまだ駐留している少数の人々に物資を補給する任務中、ニューヨーク・タイムズの記者たちにまれな立ち入りを許可した。
【コメント】
 1995年に中国がフィリピンのEEZ内にあるミスチーフ礁に建造物を作ったのに対抗して、船はフィリピンの領有権を主張するため1999年に人為的に座礁させたものだ。フィリピン軍の兵士10人が3-6か月の任期で駐在している。
 フィリピンは中国の圧力に出来る範囲で対抗してきたことがわかる。事なかれ主義でその場を凌いでいる我が国とは大きな差がある。

3.ミャンマーの反政府勢力が軍に対して重要な勝利を収める
【記事要旨】
 ミャンマーの3つの民族反乱軍の連合である同胞同盟は、過去数週間で国の軍事政権からいくつかの主要な都市を占領した。 2021年にクーデターで権力を掌握した軍事政権にとって最大の挑戦となっており、その成功は軍の支配が伸びきっていることを示す最新の証拠となっている。
 先月末にシャン州で始まった同盟の作戦は、国内の他の場所でも抵抗勢力を活性化させ、いくつかの町や軍事前哨基地も占領した。
【コメント】
 タイや中国と国境を接し、無法状態にある巨大なシャン州には、NUGと連携しなかったグループが複数いる。世界有数の違法麻薬の生産地としてよく知られているであろう同州は、近頃、カジノや詐欺センターといったビジネスで活況を呈しつつあり、反政府勢力の資金源になっている。
 国軍は経済封鎖で勢力が弱まっているようだ。このまま進むと、国が2分する危機が迫っているようだ。

その他の記事より:
・ネパールの空港
 After a New York Times article about the cost and quality of an airport built by China, Nepal is investigating.
・アイスランドの火山活動
 An Icelandic town was evacuated after earthquakes signaled a possible volcanic eruption.
・危機の白トリュフ
 Climate change has come for white truffles, one of the world’s most sought-after delicacies.

2023年11月13日 月曜日