今日の一言
「投機は創造の源」
米国の株式市場が乱高下している。市場はすでにバブル状況にあり、現在の株式市場への資金の流入は投資ではなく投機だとする見方が強い。
1929年の株式市場の大暴落は、しばしば「投機=悪」として語られるが、そうした見方は一面的だ。実際、投機はアメリカの経済成長と革新の原動力であり、破壊ではなく創造の源だった。
投機は単なるギャンブルではなく、信念を持ってリスクを取る行為だ。未来の不確実性に資本を投じることで、イノベーションが生まれる。電気自動車、COVIDワクチン、OpenAI、Amazon、インターネットなど、すべては「一見無謀な賭け」から始まった。
1929年当時の金融資本家たちは投資の民主化を信じていたが、レバレッジの危険性や市場の脆弱性を見誤った。結果として大惨事が起きたが、それでも投機そのものが悪だったわけではない。
1929年以降、アメリカは投機を禁止するのではなく、SECやFDICなどの制度を通じてリスクを管理する仕組みを整えた。これにより、投機はより健全な形で経済を支える力となってきた。個人の資金も安心して株式市場に参入できる状況が整備された。
リスクと報酬は表裏一体だ。重要なのは「投機をやめること」ではなく、「責任を持って投機すること」だ。投機資金の流入が米国でのたゆまぬ創造の源だ。
翻ってわが国では、投機どころか投資にも資金が回らない状況だ。新NISAは個人資金を投資に呼び込むための官製の仕組みだ。企業に対しては、内部留保課税の強化・再設計が俎上に上がってきている。一定以上の現金保有に対して課税することで、企業に投資や賃上げを促す官製の改革だ。
創造の源たる投機に対する彼我の考え方の差は大きい。
ニューヨークタイムズ電子版より
(以前は6時ちょうどに配信されたが、今は10分ほどの遅延が常態化している。今日は6:17にやっと届いた。ちょっとTimesはたるんでいる)
1.伝染するZ世代の革命
【記事要旨】
Z世代による抗議活動が世界各地で広がっており、ネパールやマダガスカルでは政権転覆にまで至った。これらの運動は、ソーシャルメディアを通じて国境を越えて連携し、共通の言語やミーム文化を共有することで拡散している。
共通点と背景
– 抗議のきっかけは国ごとに異なる(ネパール:SNS禁止、マダガスカル:インフラ崩壊)。
– 両国とも若年層が多く、失業率が高く、汚職や縁故主義が蔓延している。
– TikTokやDiscordなどを通じて、若者同士が国境を越えて影響を与え合っている。
パラドックスと課題
– 若者は変革を起こす力を持つが、運動後の政治的影響力や生活改善には限界がある。
– マダガスカルでは軍が権力を掌握し、旧体制の政治家が復権した。
– ネパールでは若者が暫定政権から排除されつつある。
– 根本的な問題(若者の失業、政治参加の困難)は構造的で、抗議だけでは解決が難しい。
歴史的文脈
– 1968年の西欧・米国の若者運動や、2010年代の「アラブの春」と同様に、Z世代も変化を求めて立ち上がっている。
– しかし、過去の例と同様に、政権交代が若者の未来を保証するとは限らない。
【コメント】
若者は変革の火種となるが、その後の持続的な成果を得るには、より深い制度改革と政治的包摂が必要だ。平均年齢の若い民主主義にまだ希望を見出す国々だけに起きる事象だろうか。
私が大学生だったころキャンパスには政治スローガンをあおるタテカンがあふれかえっていた。若者の政治への熱気は日本でははるか昔の出来事だ。
2.イスラエル、ガザ地区への攻撃を開始
【記事要旨】
イスラエルは昨日、ハマスがイスラエル軍への発砲と停戦違反を犯したと非難し、10月10日の停戦発効以来、最も激しい一連の攻撃をガザ地区に対して実施した。
イスラエル当局者は、今回の攻撃によりガザ地区への人道支援は停止されたが、爆撃が終息すれば支援は再開される見込みだと述べた。イスラエルとハマスは、過去3日間の暴力行為の激化を受け、互いに停戦違反を非難している。
しかし、双方とも依然として停戦維持に尽力していることを明確にしている。
停戦発効後、数千人のパレスチナ人がガザ市やガザ北部の他の地域に帰還した。多くの場合、彼らは自宅や近隣地域が壊滅状態にあるのを目にした。
【コメント】
ガザの映像を見ると瓦礫の山だ。どうやって住民の生活を再建するのだろうか。
3.ルーブル美術館で7分間の強盗
【記事要旨】
昨日、パリのルーブル美術館2階にあるアポロン・ギャラリーに、トラックのリフト装置を使って強盗が入りました。このギャラリーには、王室の宝石コレクションと王冠のダイヤモンドが展示されている。
フランス内務大臣によると、強盗たちは2つの展示ケースから貴重な宝石8点を奪い、スクーターで逃走した。しかも、逃走を急ぐあまり、1,354個のダイヤモンドと56個のエメラルドがちりばめられたウジェニー皇后の王冠を落としてしまった。
捜査当局は、強盗の精度とスピードから、3人か4人の強盗が関与しており、経験豊富な犯罪者集団だったとみている。
【コメント】
映像を見ると長いはしご車を使ってギャラリーのある上層階に侵入したようだ。ルパン三世のような犯行だ。
其の他の記事
・米軍は、カリブ海で麻薬を密輸しているとみられる船舶を攻撃し、男性3人を殺害した。これは9月初旬以降、7度目の船舶攻撃となる。
・アフガニスタンとパキスタンは停戦に合意し、数年ぶりの最悪の軍事攻撃激化を受け、緊張緩和を約束した。
・トランプ政権に反対する「ノー・キングス」集会が全米各地で開催され、大勢の人々が参加した。トランプ大統領は王冠をかぶった自身の動画を投稿した。
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スポーツ
・サッカー:アンジェ・ポステコグルー監督がノッティンガム・フォレストを率いた39日間の悲惨な日々の裏側。
・トライアスロン:アイアンマン世界選手権を完走したばかりの80歳の男性。
2025年10月20日 月曜日