橋の名前

大田区の我が家から1キロほどのところに多摩川があり、丸子橋がかかっている。

川崎側から東京の方へ向かうと「まるこばし」という橋の名前が書いてある。
東京から川崎へ向かうと「丸子橋」という名前が書いてある。

橋の名前の書き方には決まりがある。東京(江戸)へ向かう(上って行く)側はひらがなで、東京(江戸)から地方へ向かう(下ってゆく)側には漢字で書くのが決まりだ。

これは、地方から江戸へ向かうものは無学なためひらがなしか読めないのでひらがなで書かれているが、江戸で学問を収めたものは漢字が読めるので漢字で書かれるようになった、というのが理由だ。

東京ではこのルールが貫徹しているので確かめてみてください。

八百八橋と言われた大阪では別の決め方があると大阪市役所の方から聞いたことがあるが、詳細は聞き洩らした。残念。

我が家の近くに福山雅治のヒット曲でおなじみの「桜坂」があり、坂をまたぐ形で真っ赤な「桜橋」がかかっている。この橋の名前はどう書かれているだろうか? 橋を挟んで、学問のある側と、学問の無い側が橋の名前の書き方でわかるのだ。

期待を以って見たら、橋の両側に道を挟むかたちで2本の柱が立っていた。その片方にひらがなで、もう片方には漢字で、名前が書かれていた。橋の両側の住民に配慮した名前の書き方だ。

(2020.8.23)