世界の動き 2025年10月7日 火曜日

今日の言葉
「リベンジする」
スポーツ中継をTVで見る機会が増えた。負けた選手へのインタビューでよく聞かれるのが、「次はリベンジする」という言葉だ。
英英辞典で調べるとRevenge, reprisal, retribution, vengeance suggest a punishment, or injury inflicted in return for one received. Revenge is the carrying out of a bitter desire to injure another for a wrong done to oneself or to those who are felt to be like oneself: to plot revenge. となっており、相手に身体的な危害を与える復習を指す言葉だ。
昔、池江里佳子選手がオリンピックで敗れた時に「リベンジする」と言っていたのを聞いて強烈な違和感を感じたが、今では、高校生まで普通に使う言葉になっているようだ。大谷選手も使っている。目の大きい通訳の人は、英語で何と言っているのだろうか。

JICA/外務省の「ホームタウン」構想が頓挫した。もともと故郷を指す言葉だからアフリカ諸国が日本へ移住できるととらえたのも自然な解釈だった。和製英語の乱用と誤用には本当に注意すべきだ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1. 自国との戦争に直面するイスラエル
【記事要旨】
戦争の長期化と分断:ハマスによる2023年10月7日の攻撃から2年が経過し、イスラエルは深刻な分断と孤立に直面。ガザでは数万人のパレスチナ人が犠牲となり、イスラエル人の人質も未だ解放されていない。
二重のトラウマ:イスラエルはハマスとの戦争だけでなく、国内の政治的・社会的分裂とも戦っている。ホロコーストとナクバの記憶が両民族の被害者意識を強め、敵意を深めている。
国際的な視点と提案:トランプ大統領はガザの経済的繁栄による平和構築を提案するが、パレスチナ人の統治権が限定される構想には批判が集まっている。
人質問題と市民の怒り:イスラエルでは人質解放を求める市民の抗議が続き、ネタニヤフ政権への不信が高まっている。戦争の継続は政権維持のためとの批判もある。
ガザの壊滅的状況:ガザでは住民の34人に1人が死亡し、街やコミュニティは崩壊。人々は生き延びることに精一杯で、未来を描く余裕すらない。
【コメント】
和平交渉の行方はどうなるのだろうか。破壊しつくされた街に暮らすガザ住民の意思とは関係なく、交渉は進み、頓挫する。

2.フランス近代史上最短の政権
【記事要旨】
セバスティアン・ルコルニュ首相は昨日、組閣から24時間も経たないうちに辞任し、国民を驚かせた。政権は1か月も持たず、第五共和政史上最短の政権となった。
この辞任を受け、エマニュエル・マクロン大統領に対し、早期の議会選挙実施、あるいは辞任を求める圧力が高まった。マクロン大統領はこれまでこれらの選択肢を否定してきた。市場はルコルニュ氏の辞任に動揺し、フランスが年末までに急増する財政赤字に対処するための予算を成立させる可能性が危ぶまれる。
【コメント】
辞任に際し、ルコルニュ氏は「首相を続ける条件が整っていない」「各政治勢力が譲歩せず、妥協点を見出せなかった」と述べ、政局の硬直化を批判した。また、「普通の国として機能するために、党派を超えた協力が必要だ」と訴えた。

其の他の記事
オレゴン州とイリノイ州の指導者たちは、トランプ大統領によるポートランドとシカゴへの部隊派遣の試みを阻止しようとした。
ウクライナの防衛産業の多くは、汚職の歴史があるにもかかわらず、戦時中の秘密に包まれている。タイムズ紙による政府監査の調査で、懸念すべき点が見つかった。
シリア初の議会選挙の結果は、アサド政権打倒に尽力したスンニ派イスラム教徒の多数派に有利に働いた。
OpenAIは、ライバルの半導体メーカーであるNVIDIAとも同様の契約を結んだと発表してから数週間後、AMDから数十億ドル規模のコンピューターチップを購入すると発表した。
パキスタンは、アフガニスタンのタリバンの支援を受けて再燃した、ここ10年で最も激しいタリバンの反乱と戦っている。

ノーベル生理学・医学賞は、免疫システムに関する研究で、メアリー・ブランコウ、フレッド・ラムズデル、シモン・サカグチの3人に授与された。
【坂口志文博士、おめでとうございます。】

2025年10月7日 火曜日