世界の動き 2024年7月10日 水曜日

今日の言葉
「日経平均史上最高値」
 明るい見出しが新聞各紙に踊っている。
 41000円を突破と言っても、ここ数年の円安を勘案すれば(30%と仮定して)28000程度にしかならない。海外の投資家にすれば納得のいかない投資成果だろう。
 円高の進展は国内の物価にプラスなだけでなく、海外からの資金流入にも大きなプラスであることを忘れてはならない。
 安く仕入れた不動産を隣国の金持ちに円安を機に売りさばこうというのは国益を損なう行為だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.NATOサミットではバイデンに注目
【記事要旨】
 NATO創設75周年は、NATO加盟国の潜在的敵対国に対し、西側同盟国のより大きなグループが侵略に対抗するだろうと思い出させることが目的だった。
 ところが、昨日ワシントンで始まったサミットは不確実性に覆われているようだ。バイデン大統領は引き続き2期目を目指し、ドナルド・トランプが大統領に復帰したら何が起きるだろうか?
 バイデンは、あと4年は務められない兆候がないか厳しい監視を受けながら、3日間のイベントを主催している。民主党議員らは昨日、バイデン候補の立候補に関する懸念を話し合うため非公開で会合を開いたが、バイデンを追い払うつもりはないようだった。
 トランプは在任中、NATOから米国を脱退させると脅し、かつては同盟を「時代遅れ」と宣言した。今年、トランプは、貢献が不十分だと見なした加盟国に対してはロシアが「やりたい放題」させると述べた。米国の欧州同盟国は、トランプ政権の2期目が同盟にとって何を意味するのか、そして米国の支援なしにロシアとの戦争でウクライナを支援し続けることができるかどうかについて議論し始めている。
 NATOの新リーダー、10月にNATO事務総長に就任する予定のマーク・ルッテ氏は、実利主義者として知られている。
【コメント】
 アメリカと言う親分を欠く事態が発生したらどうするかはNATOとして当然考慮すべきシナリオだ。
 日本ものんきなことは言っていられない。米政権はASIA PIVOTと言いながら中国への対抗措置を怠ってきた。欧州に無関心なトランプはアジアにはもっと無関心だろうと思われる。

2.米国、ロシアはウクライナの防衛に苦戦していると発言
【記事要旨】
 ロシアが今後数カ月でウクライナで多くの領土を獲得する可能性は低く、これは戦争の力関係に大きな変化をもたらすと米国当局者は述べた。
 春から初夏にかけて、ロシアは訓練不足の部隊が西側諸国の兵器で強化されたウクライナの防衛線を突破するのに苦戦し、数千人の死傷者を出した。ウクライナがロシアがすでに奪取した領土をすべて奪還する可能性は低いが、ウクライナを強化する西側諸国の努力は功を奏しているようだ。
 NATO首脳らがワシントンで会合を開く中、彼らはウクライナへの武器供給を調整し、新たな資金を約束し、ウクライナが最終的に同盟に加わる可能性があるという誓約を強化するとみられる。
 懸念事項:ロシアは徴兵制度の導入などの転換を通じて大きな前進を遂げる可能性があると米国当局者は述べた。ウクライナがインフラの安全を維持する能力や、米国大統領選挙が米国の支援にどのような影響を与えるかについても懸念がある。
【コメント】
 ここでも、もしトラだ。

3.モディ首相のプーチン大統領への友好的な訪問
【記事要旨】
 ロシア国営メディアによると、インドのモディ首相はロシア訪問中、プーチン大統領を温かく迎え、モスクワのインド人コミュニティーに対し「ロシアはインドの真の友人だ」と語った。
 この訪問は、月曜日にウクライナ最大の小児科病院が壊撃を受けたことで揺れるキエフで注目された。ウクライナのゼレンスキー大統領は、モディ首相の訪問を「世界最大の民主主義国の指導者がモスクワで世界で最も血なまぐさい犯罪者を抱きしめるのを見るのは、平和への取り組みに対する壊滅的な打撃だ」と非難した。
 背景:ロシアを孤立させようとする西側諸国の努力は失敗に終わり、インドとモスクワの関係は両国に利益をもたらした。戦争が始まって以来、インドは制裁にもかかわらずロシア原油の第2位の輸入国となっている。
【コメント】
 モディはQUADにも参加している。国益を最優先し是々非々の姿勢は外交では望ましいスタンスだろう。

その他の記事
ロシア:
 裁判所は、アレクセイ・ナワリヌイ氏の未亡人であるユリア・ナワリナヤ氏の逮捕を命じた。ナワリナヤ氏は2021年にロシアを出国した。
中東:
 国連とイスラエル当局は、ガザ地区で支援物資の輸送車列が密輸されたタバコを売ろうとする集団に襲われていると述べている。
フランス:
 極左のリーダーであるジャン=リュック・メランション氏と彼の政党は議会で最多の議席を獲得したが、彼の不人気により連立政権を率いることができない可能性がある。
英国:
 キール・スターマー氏が新首相に就任し、英国と米国は再び足並みを揃えた。しかし、いつまで続くのだろうか?
インドネシア:
 麻薬治療を装って656人を自宅の敷地内で奴隷にしたとして告発された元職員が、人身売買の罪で無罪となった。
テスラ:
 米国の電気自動車販売でかつて圧倒的なシェアを占めていた同社のシェアが、新たな推計で50%を下回ったことがわかった。
ハイチ:
 ギャングが何千人もの人々を殺害した国の新首相として、ギャリー・コニールは、この地域の指導者の中で最も困難な仕事の1つを担っていると言っても過言ではない。
宇宙:
 ヨーロッパが待ち望んでいたアリアン6号ロケットの打ち上げが成功した。
ハッジ:
 多くの巡礼者が、正式な許可手続きを回避するために違法なツアーオペレーターに頼っており、しばしば危険にさらされている。
アレック・ボールドウィン:
 俳優が「ラスト」のプロデューサーを務めたことは、映画の撮影監督の射殺事件での裁判とは無関係であると裁判官が裁定した。
テイラー・スウィフト:
 彼女の最新アルバム「The Tortured Poets Department」は、11週連続で1位を獲得した。

2024年7月10日 水曜日