世界の動き 2024年4月22日 月曜日

今日の言葉
「海上自衛隊の事故」
 このような音響戦の訓練を夜間にやっていたとは知らなかった。第一列島線から外海へ出る潜水艦を補足するために死活的に重要な訓練だとわかる。
 殉職した方々に敬意を払いたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.米下院、対外援助パッケージを可決
【記事要旨】
 下院は土曜日、長年滞っていたウクライナ、イスラエル、台湾への対外援助950億ドルに賛成票を投じ、極右共和党の数カ月にわたる反対を押し切って可決した。 上院は早ければ明日にも同法案を可決する予定で、成立はほぼ確実となっている。
 下院は政策の一環として、TikTokの親会社である中国企業バイトダンスに対し、アプリを売却するか、米国全土での禁止するかのどちらかを強制する法案も提出した。
 ウクライナでは、軍隊の武器や弾薬が急速に不足しているため、投票は安堵をもって迎えられた。 国防総省は数日以内にウクライナへの武器輸送を再開する可能性があると述べた。
 法案可決に超党派の支持を結集した共和党のジョンソン下院議長はこの法案が成立しなければプーチン大統領がヨーロッパ中を進軍し続けるだろうと語った。
 詳細: この法案にはウクライナへの600億ドルが含まれている。 イスラエルとガザを含む紛争地帯の民間人への人道支援に260億ドル。 そしてインド太平洋地域には80億ドルの支援が入っている。
【コメント】
 ジョンソン下院議長の努力に敬意を払いたい。ウクライナにとって心強い支援だ。一方、下院はイスラエルへの支援も可決したようだ。UNRWAへの支援拠出は拒否継続。ガザへの空中からの食糧投下は再開。アメリカ全体の動きは一貫性に欠けるように見える。

2.イランはイスラエルの攻撃を受けて緊張緩和へ動く
【記事要旨】
 金曜日のイスラエルの報復攻撃を受けて、イランは緊張緩和を選択したようだ。 イラン当局者と国営報道機関は攻撃を軽視する発言をしている。
 イスラエルもまた、より広範な戦争を回避しようとしたようだ。 シリアのダマスカスにあるイラン大使館敷地に対するイスラエルの攻撃に対するイランの一斉攻撃への反応であるイスラエルの攻撃は、特に限定的であった。 イラン中部イスファハーン近郊の軍事基地の防空システムが損傷した。
 「この最新の報復が双方に何らかの抑止力を生み出すかどうかはまだ分からない。どちらの側も本気で全面戦争を望んでいるわけではないようだ。」とタイムズの国連支局長は語った。
 イランの懸念:インフレは年率32%で進行しており、反政府的な国民は一貫して政府の正当性に異議を唱えており、ヒジャブ規則の支持者さえもその施行を批判している。
【コメント】
 イラン、イスラエル共に国内での政府への不満が高まっており、さらなる戦争の拡大に慎重になっているようだ。

3.ミャンマーの紛争は変化している可能性がある
【記事要旨】
 ミャンマーでは長年にわたる紛争を経て、反政府勢力が軍事政権に対して勝利を収め、戦争の流れを変える可能性がある。 もし彼らが国の中心地に進入すれば、強力な軍隊を失脚させる可能性がある。
 私の同僚はカレンニ州の前線で反政府勢力の一つに潜入しており、抵抗勢力は領土の90パーセント以上を占領していると述べた。
 さらに詳しく: 人口 5,500 万の国を崩壊させる可能性があるこの戦争が、なぜ国際的にこれほど無視されているのか疑問だ。
【コメント】
 ス―チーさんの長期自宅幽閉から、一時的な民主化、そして軍政へとミャンマーの政治は安定したことが無い。日本政府の対応も芯が通っていない。

その他の記事:
ドナルド・トランプ氏:
 マンハッタンの刑事裁判では今日から開廷弁論が始まる。 州の主張は強力であるように見えるが、有罪判決が確実であるとは程遠い。
中国:
 昨日、中国で最も人口の多い広東省で豪雨により洪水が発生し、数万人が避難を余儀なくされた。 さらに深刻な洪水が起こる可能性がある。
インド:
 武装勢力が投票所を襲撃し投票所を占拠したことを受け、問題を抱えている北東部マニプール州の一部で当局が投票をやり直すことになった。
ロンドンマラソン:
 女子レースではペレス・ジェプチルチルが2時間16分16秒の世界新記録で優勝した。 男子レースでは同じくケニア出身のアレクサンダー・ムティソ・ムニャオ選手が2時間4分00秒で優勝した。
Apple:
 同社は、中国が国内のアプリストアからWhatsAppとThreadsを削除するよう命じたと発表した。
ヨーロッパ:
 各国は、不動産を購入する裕福な外国人に居住権を提供する「ゴールデンビザ」プログラムを終了しつつあるが、現地の住宅危機は悪化している。

2024年4月22日 月曜日

オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ③最終回)

個人的な経験をいくつか述べたい。

【キャッシュレス化】
 旅行まえに現金は30ユーロしか持っていなかった。ガイドさんがそれ以上持って行く必要が無いと言うので、それ以上現金を持って行かなかった。
 確かに、現金は殆ど不要だった。土産屋、マルシェ、キオスクのどこでもクレジットカードで決済出来た。
 驚いたのは、有料の公衆トイレですら現金不要で、クレジットカードで決済出来た。
 一度だけ困ったのは、ブラッセルのGodivaの本店で、日本で売っていないチョコを買おうとした時だ。店のクレジットカードの機械が壊れており、現金を要求されたのだ。現金が必要だったのはその時だけだった。
 多分100ユーロ程度は現金を持って行った方が良さそうだ。

【物価】
 ツアーだったのでツアーに組み込まれていない食事は、昼2回、夜1回だけだった。食事の値段に違和感は無かった。フードコート的なところは安いし、そこそこのレストランはそこそこの値段だった。
 もう少し円高が進めば、欧州への旅行はずっとしやすくなるだろうと思った。

【日本の影響力】
 観光地ではどこへ行っても、まずはニーハオと声をかけられた。中国人で無いとわかると、こんにちわに切り替える。
 2000年頃は朝食のバッフェに味噌汁を準備するところが多かったが、今回は皆無だった。

【イスラム化】
 オランダ、ベルギーともにアラブ系の住民が目立った。ヒシャーブを被った女性も多かった。両国ともアラブ系の住民は5%以上いるようだ。
 日本では人口減対策として、移民難民の扱いが議論になっているが、本格的な議論をしないまま、なあなあで日本的に進んでいる。
 日本の警察が外国人を外見だけで差別して職務質問するのは憲法違反だという外国人からの訴訟が起きている。この辺も併せて、しっかりとした議論が必要だ。
 NIMBYという言葉がある。NIMBY(ニンビー)とは、英語の「Not In My Backyard(我が家の裏庭には置かないで)」の頭文字を取った言葉で、公共に必要な施設だということは認めるが、それが自分の近くでは嫌だという意味だ。アジア系の人でも持て余しているのに、クルド系やアラブ系の人と上手く日本人は接して行けるのだろうか。
 移民・難民はまさにNIMBYの問題だであり、しっかりした議論が、地方でも国政でも、まさに今、必要な段階だ。

【2つの失敗】
 旅行中に失敗を二つした。
1.オランダの石畳で滑って転んだ
 履きやすいでの履いていたMBTの靴の裏がかなり減っていた。
 それで石畳の上でつるりと滑って大きく転んだ。
 けがは無かったが、とても恥ずかしい経験だった。底の減った靴は履かないようにしようと思った。

2.アムステルダムの空港の動く歩道でカートが滑った
 動く歩道に傾斜がついて上りに差し掛かった。
 下がってくるカートに抗しようと一生懸命レバーを握って押した。カートのレバーを離せばブレーキが効き何事も無かったのだが、一生懸命押し返そうとしたためにカートがずり下がり家内が転びそうになった。
 老齢ドライバーがブレーキを踏むべきところをアクセルを大きく踏み込むのに似た操作をしてしまった。やばい経験だった。反省!

2024年4月21日 日曜日

オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ➁)

今日は経済の比較をしてみたい。

【一人当たりGDP】OECD統計より
金額(千ドル) 世界順位
オランダ  61        11
ベルギー   51       16
日本      35       31

オランダ、ベルギー共に日本よりずっと豊かだ。
因みにベネルクスの残りの一国ルクセンブルクは1人当たりGDPは132千ドルで世界一位、日本の4倍近い。これはルクセンブルクで働く多くのドイツ人の給料はルクセンブルクで計上されるが、国民の数にカウントされないため、一人当たりGDPは大きく嵩上げされている、という説明がされる。

オランダ、ベルギー共に伝統的な工業と農業が発達しており、近年はIT産業も国家の成長をけん引しているようだ。国民の少なさも一人当たりの豊かさを維持する際には有効だ。日本も、これからの人口減少を好機ととらえ一人当たりGDPの上位国へと「挽回」を図る好機にしたいものだ。1995年には日本は世界第8位だったのが、今はFIFAの世界ランクのような状態に低迷している。

為替レートも順位に大いに影響するが、一ドル150円から90円程度まで70%近く円高が進まないと、オランダに為替レートだけで追いつくことは出来ない。

【電源構成】% 2022の統計
オランダ  ベルギー  日本
天然ガス 39.6     12.5    32.7
風力   17.9    11.9      0.9
石炭    15.9     0.1     30.9
太陽光   14.9    5.6      9.2
原子力  3.7     50.3      5.6

オランダは昔も今も風車の国だ。風車は、昔は、低湿地の水の排水に使われ、今は発電に使われている。アムステルダム空港に飛行機が近づくと遠浅の海に林立する風車が見える。国内のどこを車で移動しても、風況の良いところには風車が建てられている。日本の風力発電比率がまだ0.9%に留まっているのを考えると17.9%と言うのは驚異的な数字だ。オランダは代替エネルギーの拡大で脱原子力を果たそうとしている。
ベルギーはフランスと同様に原子力依存で脱炭素化を果たそうとしている。これは一つの考え方だ。
隣接する二つの国で、エネルギーに対する政策が大きく異なるのは驚きだ。
我が国の長期エネルギー政策は原発の再開を巡り揺らいでいる。地政学的な観点も踏まえつつ、ぶれないエネルギー政策を立て、実現して行くことが課題だ。オランダで林立する風車を見て思いを巡らせた次第だ。

2024年4月21日 日曜日

オランダ、ベルギー、日本 (備忘的メモ⓵)

オランダとベルギーを8日間の駆け足で旅行した。日本との比較で気づいたことも多かったので備忘録的にまとめてみたい。ベルギーは20年振り、オランダは初めての訪問だ。

まず基本情報を整理する。
【基本情報】
オランダ   ベルギー   日本
面積  42千㎢    30千㎢    370千㎢
(九州ほど) (四国よりやや大)
人口  1776万人   1170万人   12500万人
建国  1648年    1830     紀元前600年
スペインから独立 オランダから独立 神武天皇即位
政体  立憲君主制   立憲君主制   立憲君主制

両国の国土の面積ではとても小さい国だと今更ながら認識する。
(観光旅行するにはとても都合が良い)

ベルギーとオランダにルクセンブクを加えた3か国はBENELUX3国と言われる。元々この地域はネダーランド(低湿地)と呼ばれ欧州の交通の要衝を占めていた。そのため、長く欧州の強国に支配されてきた歴史を持つ。
現在も、ドイツとフランスと言う欧州の二大強国に挟まれているが、EUの本拠がベルギーに置かれたりして、存在感を示している。

【宗教と言語】

宗教(%)     オランダ ベルギー  日本 日本
無宗教     57           ー    62
カトリック    18    伝統的に

プロテスタント 13
イスラム 6
神道                 48.5          3
仏教                 46.3       31
キリスト教               1           1
その他                 4           1
(宗教年鑑)(NHK)

日本の宗教は宗教年鑑による数字(宗教団体の申告)とNHK調べに大きな差があるが、NHK調べが実態に近い。

驚くべきはオランダの無宗教比率の高さだ。キリスト教の禁止された江戸時代に長崎の出島で交易を許され日本にとっての海外へ開かれた窓となったオランダは、宗教に囚われない融通無碍さがあったのが当時の大きな理由だが、現在では、その無宗教性が更に大きくなってきているように見える。

言語       オランダ  ベルギー
オランダ語   ほぼ100   北部で
フランス語          南部で
ドイツ語          東部の一部で
第一次大戦前
ドイツ領だったエリア

ほぼオランダ語がつかわれるオランダと違い、ベルギーは北部と南部で言語も文化も異なり絶えず分離論が起きている。複雑な国内をまとめる力は複雑な欧州をまとめる力でもある。
第3代欧州理事機議長(EUの大統領と呼ばれることもある)シャルル・イヴ・ジャン・ギスレーヌ・ミシェル(フランス語: Charles Yves Jean Ghislaine Michel、1975年12月21日 – )は、ベルギーの政治家で元ベルギー首相だ。

2024年4月20日 土曜日