今日は経済の比較をしてみたい。
【一人当たりGDP】OECD統計より
金額(千ドル) 世界順位
オランダ 61 11
ベルギー 51 16
日本 35 31
オランダ、ベルギー共に日本よりずっと豊かだ。
因みにベネルクスの残りの一国ルクセンブルクは1人当たりGDPは132千ドルで世界一位、日本の4倍近い。これはルクセンブルクで働く多くのドイツ人の給料はルクセンブルクで計上されるが、国民の数にカウントされないため、一人当たりGDPは大きく嵩上げされている、という説明がされる。
オランダ、ベルギー共に伝統的な工業と農業が発達しており、近年はIT産業も国家の成長をけん引しているようだ。国民の少なさも一人当たりの豊かさを維持する際には有効だ。日本も、これからの人口減少を好機ととらえ一人当たりGDPの上位国へと「挽回」を図る好機にしたいものだ。1995年には日本は世界第8位だったのが、今はFIFAの世界ランクのような状態に低迷している。
為替レートも順位に大いに影響するが、一ドル150円から90円程度まで70%近く円高が進まないと、オランダに為替レートだけで追いつくことは出来ない。
【電源構成】% 2022の統計
オランダ ベルギー 日本
天然ガス 39.6 12.5 32.7
風力 17.9 11.9 0.9
石炭 15.9 0.1 30.9
太陽光 14.9 5.6 9.2
原子力 3.7 50.3 5.6
オランダは昔も今も風車の国だ。風車は、昔は、低湿地の水の排水に使われ、今は発電に使われている。アムステルダム空港に飛行機が近づくと遠浅の海に林立する風車が見える。国内のどこを車で移動しても、風況の良いところには風車が建てられている。日本の風力発電比率がまだ0.9%に留まっているのを考えると17.9%と言うのは驚異的な数字だ。オランダは代替エネルギーの拡大で脱原子力を果たそうとしている。
ベルギーはフランスと同様に原子力依存で脱炭素化を果たそうとしている。これは一つの考え方だ。
隣接する二つの国で、エネルギーに対する政策が大きく異なるのは驚きだ。
我が国の長期エネルギー政策は原発の再開を巡り揺らいでいる。地政学的な観点も踏まえつつ、ぶれないエネルギー政策を立て、実現して行くことが課題だ。オランダで林立する風車を見て思いを巡らせた次第だ。
2024年4月21日 日曜日