世界の動き 2023年8月14日 月曜日

今日の言葉
「M&A」
企業の成長戦略としてM&A(合併と買収)は有力な手段だ。
ここ数年は先端分野での事例が多かったが、経済の回復により、古い産業でも起こりつつあるようだ。
以下Bloomberg記事より。
「米鉄鋼メーカーのクリーブランド・クリフスは、同業のUSスチールに現金と株式交換方式による買収案を提示したと明らかにした。
13日の発表によると、クリーブランド・クリフスはUSスチール株1株につき、現金17.50ドルと自社株1.023株を支払うことを提案した。買収額は1株当たり32.53ドルと示唆され、USスチールの11日終値である22.72ドルを43%上回る水準となる。
ただ、USスチールはこの提案を「理にかなわない」として拒否したとも、クリーブランド・クリフスは同日明らかにした。」
買収価格のプレミアムが大きいので、実現する可能性が高いと見る。日本では高炉大手の集合が進んでいるので起きないだろうが、海外の鉄鋼会社を買収する戦略は出てくる可能性が高い。

ニューヨークタイムズ記事より
1.ハワイで死者数93人に増加
【記事要旨】
マウイ島の山火事は現在、米国で過去100年以上で最悪の死者数となっているが、どのようにしてこれほど多くの命が失われたのか、そしてなぜ政府の援助が未だに多くの生存者に届いていないのかについて多くの疑問を残している。
93人に達した死者数はさらに増えることが予想されている。ハワイ州のグリーン知事によると、マウイ島西部では約2,200棟の建造物(そのうち約86%が住宅)が倒壊し、約1,400人が避難所にいるという。 昨日の早朝、マウイ島を中心に約4,500人が停電している。
災害発生後、この地域の多くの生存者はお互いを頼りに助け合っている。 ホノコワイの町では、住民が数十本のガソリン缶にガソリンを入れて住民に配っていた。政府の支援はまだ届かない。
グリーン氏は声明で、政府は1,000室を確保し、500室は避難民の家族に提供され、残りの500室は支援に使用されると述べた。 同氏は、政府は数日以内に、火災で避難した人々のために、国、慈善団体、FEMAが支援を確保すると述べた。
当局が直面している多くの課題の中には、生存者の捜索と被害者の身元確認が含まれる。 当局によると、火災発生から数日後、犬チームが偵察できたのは被災地のわずか3%だった。 さらに多くの連邦緊急事態職員と現役軍人が捜索救助活動を支援するためにマウイに向かった。
ハワイは、世界最大の屋外警報サイレン システムを誇っている。マウイ島にはそのうち80基あるが、作動していないと当局者は認めた。 知事は見直しを約束した。2020年にマウイ郡のために作成された報告書は、ラハイナがある島の西側は山火事の危険が高いと警告した。
【コメント】
昨日のTVでマウイ島の浄土宗の寺院で3重の塔と本堂が焼け落ち、大きな仏様が残った姿が映し出されていた。何とか元気を出して再建して欲しいものだ。折悪しくマウイ島に滞在していた日本人渡航者には同情を禁じ得ない。危機管理の面で人災の要素も強そうであり。今後の行方が注目される。

2.パキスタンが暫定首相を指名
【記事要旨】
パキスタン政府はアンワル・ウル・ハク・カカール氏を暫定首相に任命し、同国の次期総選挙の準備が始まった。 カカール氏はこの国の強力な軍部と緊密な関係にあり、彼の任命は、軍指導者の権威に挑戦した1年間の政治的混乱を経て、軍指導者たちは再びしっかりと舵を握るという明確なメッセージを送るものだ。
この任命は、かつては今秋に実施されると予想されていた選挙が2024年まで延期されるのではないかとの憶測が高まる中で行われた。アナリストらは、選挙を延期すれば、国内の過熱した政治情勢が沈静化する時間が増えるため、軍当局に利益をもたらすだろうと述べている。
【コメント】
パキスタンの続報だ。軍指導者寄りの事態の解決に進んでいるようだが、政争による混乱が長く続くよりも一歩前進とも思うのだが。

3.台湾総統候補、際どい道を歩む
【記事要旨】
台湾のLai Ching-te頼清徳副総統は、台湾に対する中国の主張に対する強硬な反対者として有名になり、現在、台湾総統選挙の有力候補者である。同氏の土曜日に始まった訪米中は、発言が慎重になる可能性が高い。 台湾の当局者や学者らは自制を期待すると言う。
頼氏は、毅然とした態度の蔡英文総統の後継者を争う中、台湾の有権者、そしておそらく米国政府に自分の堅実さを保証したいと考えている。 同氏には著名な議員らと会談する予定はないが、控えめな計画protocolは同氏の政治目標に合致している。
バイデン大統領は、経済苦境を理由に中国を「時限爆弾」と呼んだ。 彼の政府が世界二大経済大国の間の緊張緩和を目指しているにもかかわらず、バイデン氏は中国を批判する意欲をますます強めている。
【コメント】
頼氏が米国で誰と面談するか注目したい。台湾が慎重にしているのに、訪台して「戦う覚悟」を説く日本の政治家がいる。なんというセンスの無さだろうか。

その他:
ウクライナの反攻が進展
Ukraine’s military has made “tactically significant” progress in its counteroffensive, analysts say, making gains that have forced Moscow to divert forces from other parts of the front line.
シェルパが死んだのに
Climbers ascending K2, the second-highest mountain in the world, are being criticized for continuing to the summit after encountering an injured porter who later died.
今度はバイデンの息子
Republican lawmakers in the U.S. have demanded a special counsel investigation of President Biden’s son for months. Now that it’s underway, many are objecting.

2023年8月14日 月曜日

トランプ事件の全貌

 ドナルド・トランプ前大統領が直面する訴訟問題と政治的影響について、米国の友人がまとめてくれたので紹介したい。以下引用。

 『ドナルド・トランプについてはもう二度と書きたくなかったのですが、これだけ議論を起こしていますので、已むを得ません。来年の大統領選で共和党の最有力候補として指名されるための選挙運動に加え、彼が巻き込まれている著しい数の刑事事件と民事事件の対処に膨大な時間と資金を費やしているのが現状です。以下はそのスナップショットです。

 前大統領が直面する法的トラブルは、米国史に前例はないと言っても過言ではありません。先ず、これまでの大統領が刑事訴追されたことはありませんでした。現在、複数の政府機関から提示されている裁判が 3 件あり、4 件目も控えています。これに加えて、彼が被告人である民事裁判事件もあります。それにも拘わらず、これまでのところ、支持者たちは変わらず彼に寄り添っている様子です。

No.1 これから裁かれる反逆罪を犯したのか?
 8月 3 日付けの連保政府法務省発刊の起訴状には、2021 年 1 月の事件とその前後の彼の扇動演説に関する訴えはありません。公表されたこの起訴状には、扇動演説は事実であろうとなかろうと憲法上保護される言論の自由であると明記されています。むしろ、起訴状には具体的な刑事犯罪が記述されています。とりわけ、告発要点(サマリー)は次のようです。

 2021年 1 月 3 日に議会に提出された選挙結果を無効とすることで覆すよう、上院議長をしていたマイク・ペンス副大統領に繰り返し圧力をかけた。ペンス氏に、トランプの弁護団は、彼が結果を拒否すれば、選挙は各州政府の代表によって決定されることになり、青い州より赤い州の方が多いため、トランプは当選を宣言できることになる、と主張していた。

 ペンス氏はそのような行為が倫理に反し、違憲であり、また無意味であることを認識していました。実際、上院議長の役割は、議会が集計する投票統計を確認することだけです。違法行為を拒み、職務を遂行すると返事すると、大勢の波乱者が彼を(反逆者として)絞首刑に処すよう呼び掛けていたため、責任を果たしたら彼は直ちに議事堂から避難しなければなりませんでした。

 一部の州を代表する本物の選挙人の替りに偽の選挙人を作ることを画策した。その偽選挙人は、バイデンではなく、トランプがその州で勝利したという結果を議会に提出する企みでした。その偽選挙人からの報告書がペンスの側近に提出されましたが、ペンス氏はそれを受取りませんでした。
ここでもペンス氏は憲法上の義務を正しく果たしました。ペンス氏の政治的見解は多くの点では私と大きく異なりますが、その時、彼が憲法に従い、アメリカの民主主義を守ったことに拍手を送りたいと思います。

 つまり、トランプ容疑者は単に知らずに違法行為をしたのではなく、選挙に負けたことを知っていながら、犯罪を成す意図を持って行動したというのが検事の説です。事実上、クーデターを煽ったという当局の主張を裏付ける目撃証言は多数あります。裁判で有罪となれば、終身刑を言い渡される可能性もあります。トランプは違反行為の意図はなく、全ての行為は弁護士に相談した上でと弁論しています。

 重罪の疑いで訴追されているため、近々連邦裁判で取り上げられ、選挙前に判決が下される見込みです。本人は「無罪」を主張しており、裁判は現在のところ今秋から予定されています。

 トランプ弁護側は、トランプは憲法修正第 1 条の言論の自由を行使していたのみであり、今回の検事告発はバイデン大統領による選挙妨害を図るものだと主張し、被害を食い止めようとしています。しかし、起訴状をよく読むと、検事の告発を裏付ける主要証人の多くが共和党員で、かつてはトランプの支持者だったことが判ります。中には司法省を含むトランプ政権で働いていた者も居ます。一方、元ニューヨーク市長でトランプ個人の弁護士として務めていたジュリア二―のような陣内の何人かは、自分たちが監獄に入れられるのを回避するために検察側に寝返っているようです。被告人トランプに対する当局の立件は非常に強力なようです。

No 2 州の選挙当局への不正圧力の疑惑
 2021年 1 月 2 日、トランプ大統領とブラッド・ラフェンスペルガー・ジョージア州事務総長との一時間に及ぶ電話会談が密かに録音されました。ジョージア州当局への 2 ヶ月に亘る圧力の集大成であるその電話の中で、トランプは自分がバイデンを上回るように票数を改ざんするよう強いるのでした。 「11,780 票を見つけたいから」と言われ、事務総長は何度も拒否し、当州の票数の計算は正確であると述べたそうです。それで、現在、同州の検事はトランプを選挙妨害で告発しているところで、 大陪審による起訴は数週間以内に行われる可能性があります。(大陪審とは、裁判を起こす十分な理由があるかどうかを判断する機関です。)トランプは「人に頼むのはどこが悪い?」と主張しています。

 アリゾナ州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州など、
通常共和党が票を投じる州にも票創りを強引に依頼した話があります。
アリゾナ州は同様に起訴することを検討しているそうです。

No 3 機密文書の窃盗・隠蔽事件
 日本のユーチューバーが「文献を持ち帰ったくらいで何を騒いでいるんだ」と叫んでいる録画を観たことがあります。「なぜトランプはそんな些細な罪で迫害されるのか?バイデンも、クリントンも、オバマも、みんな家に政府の書類を勝手に持ち帰っていたじゃないか….。」と誇張するのです。

 残念ながら、彼らは的外れで、恐らくアメリカの右翼の話筋を呑み込んでいるのではないかと推測します。このような事件でよくあるように、もみ消しは元の犯罪行為そのものより質が悪いのです。従来、他の高官は、持ち帰ってはいけない書類を持ち帰ったとき、そのことを知らされると、「いけない!」と自供して、すぐに返却しました。。悪意は想定されず、「手落ち」事件は解決します。

 これに対してトランプは、極秘書類を個人的に尚、意図的に FBI などから隠し、そのために彼の指示でスタッフがその箱をあちらこちら動かしている監視カメラの録画まで消そうとしたとして起訴されています。更に、フロリダの自宅で、中国共産党と繋がりのある中国企業の顧客を持つロビイストを含む一般人にさりげなく極秘文書を見せていることも収録されています。トランプの声で「ペンタゴンからもらったこのイラン戦争の場合の戦略計画書を見てごらん!」と元大統領としての重要性を自慢しているように見えるビデオもあります。 同ビデオの中で、又彼の声で「以前大統領として、機密扱いを解除することもできたが…今はできない」。続いて、「秘密だよ」と付言するのです。

 連邦判事はこの裁判を 2024 年 5 月に開始するよう命じています。トランプとその側近は、30 件以上の機密情報管理法違反を含む 37 件の犯行に問われているほどです。トランプは大統領だった頃の文書なので機密解除したつもりでいると弁護しています。

No4 その他まだまだある
 その他の事件としては、レイプ被害者のジーン・キャロル氏が起こした名誉毀損事件の再来。先月彼女はトランプに対する民事裁判で勝訴し、500 万ドルの賠償金を授与されたが、判事の指示に従わず、裁判が終わった今もトランプは公然と彼女を中傷し続けているので、彼女は再び告訴している。

 非公開のトランプ持ち株会社はまた、虚偽申告と税金の未納を巡ってニューヨーク州から訴えられている。長年の CFO は有罪を認めて、会社も12月に脱税で有罪判決下された。近日中には主要株主のトランプ本人が法廷に出廷する筈。

 その傘下会社はまた、様々なマルチ商法(ねずみ講)に手を染め、大勢の人々を騙したとされている。来年早々に集団訴訟 に対応することになっている。

 2020 年の選挙キャンペーン中に口止め料として 13 万ドルを不倫相手とされるポルノ女優に支払ったことで、34 件の訴因からなる裁判が起こされている。これは、不道徳さや口止め料の支払いそのものが問題とされず、極個人的な用途に選挙資金を流用し、又それを報告しなかったことの違法性が問題とされている。トランプの主任元弁護士且つ「フィクサー 」(問題解決者)であり、闇の支払いを行ったマイケル・コーエン氏は、検察側のスター証人になると想定されている。

結論:不正は不正を生む
 報道によると、トランプの政治活動団体(PAC)セーブアメリカの多額の政治資金はトランプ本人と共同被告の弁護士費用に充てられています。今年上半期だけの弁護士費用は 2,160 万ドル(凡そ三十億円)と見積もられています。これは倫理的にも現実的にも問題があると思われま す。PAC の資金の大部分は、個人の弁護士費用ではなく、選挙運動に対する何千人の少額寄付者(半 数は定年者とされています)から募金された献金によるものです。この弁護費用への資金流出は、選 挙運動資金を枯渇させる恐れがあります。現在 PAC の幹部はこの金を返せと言っているとの報道も あります。

現在、トランプの支持基盤は崩れていませんが、最近のロイター社の世論調査によれば、今彼を支持している共和党員の 45%が、もし有罪が確定すれば見捨てるだろうというのです。さらに二割の人は態度未定になっています。』

 長文を紹介したが、多くの日本人にとってよくわかる説明になっていたと思われる。これだけ訴訟を抱えてもしぶとくがめつく生き抜こうとする。さすがに面の皮が厚い「不動産王」だ。

2023年8月13日 日曜日

中国からのフェンタニルの脅威

 米国の対中貿易が大幅に減少しているという発表が今週あったが、フェンタニルは憂慮すべき例外である。数千の中国企業(ほとんどが国営企業)は、フェンタニル粉末の作り方の説明書とともに、この薬の製造に必要な原料を製造し、西側諸国とくに米国に輸出する能力がある。

 フェンタニルは、鎮痛剤として使用される非常に強力な合成オピオイドである。フェンタニルは、他の薬物と一緒に、麻酔に使用される]。集中治療室においても、鎮痛・鎮静に使用されている。術後鎮痛や癌性疼痛の鎮痛にも適応がある。

 アメリカ合衆国では、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、メタンフェタミンなどと混合され、娯楽用麻薬として違法に使用されることもよくあり、過剰摂取は死に至る可能性がある。フェンタニルは、μ-オピオイド受容体を活性化することで作用する]。その強さはモルヒネの約100倍、ヘロインの約50倍である。

 フェンタニルは米国における薬物過剰摂取の最大の原因となっており、 メキシコの麻薬カルテルの関与とコロンビアでのフェンタニル生産拡大の可能性により、これは米国にとって国家安全保障上の懸念にまで高まっている。

 フェンタニルを巡る事故は日本でも発生している。
 以下Wikipediaの事例によると、
 愛知県の麻酔科医師が、必要の無い患者に処方箋を書き、患者には渡さずに自分で使用して摘発された事例がある。
 2013年8月23日、東京都立墨東病院にて麻酔用鎮痛剤フェンタニルの紛失があった。同日夕方、薬剤科の職員が処方せんと施用票をチェックしたところ、同病院病棟で保管していたフェンタニル0.5mg/10mlの未使用2本、および使用済2本のアンプルが返却されておらず、所在が不明となっていることが判明した。ただちに関係する職員の聴取や、院内捜索を実施したものの、発見にいたらなかったため、26日に東京都福祉保健局健康安全部に報告するとともに、本所警察署に紛失届を提出した。
 2016年4月21日の早朝に、アメリカのミュージシャンであるプリンスが、アメリカ合衆国ミネソタ州にあるペイズリー・パーク・スタジオで亡くなった。同年6月2日にミネソタ州の検視当局により、死因はフェンタニルの過剰投与による中毒死であるという報告書が公表された。
 2019年7月1日にロサンゼルス・エンゼルスの投手であるタイラー・スキャッグスが遠征先のテキサス州ダラス近郊のホテルで亡くなった。死因は自身の嘔吐物をつまらせた窒息死で、検死で体内からアルコールの他にフェンタニル、オキシコドンが検出された。フェンタニルを含む薬剤をその実態を知りながら意図的に投与したとしてエンゼルスの球団職員がテキサス州連邦当局によって起訴された。
 2023年6月、俳優のアダム・リッチがフェンタニル過剰摂取で1月に亡くなっていた事が報じられた。

 中国からの輸入制限については、2019年8月23日、ドナルド・トランプ大統領が、米中貿易戦争が激化する中で、乱用が問題となっているフェンタニルが中国から流入することがないようフェデックスやユナイテッド・パーセル・サービス、アマゾン、アメリカ郵政公社に対し配達を拒否するよう指示した。

 キューバでの軍事拠点設置をはじめ、中国は米国の裏庭での活動を活発化している。フェンタニルの中国からの流入も米国にとって脅威だが、米国へのフェンタニルの違法流通を阻止するための米国の介入は、米国とラテンアメリカの関係を改善するプラットフォームとしても機能するとも考えられる。

 中国はアヘン戦争の意趣返しのつもりかもしれないが、中国の加わった麻薬戦争の行方が注目される。

2023年8月12日 土曜日

世界の動き 2023年8月11日 金曜日

今日の言葉:
「高級ブランドは活況」
 NYTimesより。
 『コーチやケイト・スペードを傘下に持つファッション会社タペストリーは、ヴェルサーチやマイケル・コースの親会社カプリ・ホールディングスを約85億ドルで買収した。』
 確立した高級ブランドはますます高値で取引されるようになっている。世界中で富裕層の購買力がますます高まっているからだ。

ニューヨークタイムズ記事より
1.バイデン氏、ハワイに大規模災害発生と宣言
【記事要旨】
 ハワイのマウイ島の山火事による死者数が36人に達したことを受け、バイデン大統領は大規模災害宣言を発令した。 避難所は満員となり、観光客は避難し、救助隊は生存者を捜索した。
 遠く離れたハリケーンからの風などの異常な状況によって引き起こされたこの火災は、現在、ここ数十年で国内で最も死者数の多い火災の一つになった。 炎の勢いが強かったため、少なくとも十数人が太平洋に逃げ、その後米国沿岸警備隊に救助された。
 当局者らは、火災はほぼ鎮火したが、依然として煙と灰が発生していると述べた。 マウイ島当局は地元経済の生命線である観光客1万1000人を避難させた。
 ハワイは近年、火災の急増と闘っている。 降雨量の減少、気温の上昇、外来種の侵入により、島々は火災に弱くなっている。
【コメント】
 ハワイは大変なことになっているのだ。日本からの観光客は無事だったのだろうか。

2.米国はイランと拘束者5人の解放で合意に達した
【記事要旨】
 イランは2年以上にわたる交渉を経て、米国で投獄されているイラン人数人とイランの石油収入60億ドルの凍結解除と引き換えに、イラン系アメリカ人(二重国籍)5人の釈放に合意した。
 米当局者らによると、合意の第一段階として二重国籍者5人が釈放され、 彼らはイランからの出国が許可されるまでの数週間、テヘランのホテルで拘束されることになる。
 この合意の下では、60億ドルがカタールが管理する口座に置かれ、イランが医薬品や食料などの人道的購入の支払いにのみ資金を使用できるようになる。
 米国の痛烈な敵対者であるイランとの協定は、国務省が外国で不当に拘束しているとみなした米国人を帰国させる目的で、バイデン政権が秘密裏に画策した最新の捕虜交換である。
【コメント】
 今回釈放された5人は、米国にとって重要な人たちだったのだろうか。日本の拉致被害者の究明・解放に向けて北朝鮮と交渉する際に参考になる米国の動きではないだろうか。

3.エクアドルで大統領候補が暗殺される
【記事要旨】
 水曜日に首都キトの選挙集会で銃撃されたフェルナンド・ビジャビセンシオ氏は、政府当局者と組織犯罪との関係について声高に主張していた。 8月20日に第1回投票が行われるエクアドル大統領選では、麻薬関連の暴力に対する懸念が支配的となっている。
 当局者によると、容疑者1人は治安部隊との十字砲火で銃撃され、直後に死亡した。 その後、暗殺に関連して6人が拘束された。
 エクアドルはわずか数年で、大手麻薬カルテルが刑務所やストリートギャングと手を結び、麻薬取引のゴールドラッシュが起きている。
【コメント】
 世界中で、政治は命がけな国々があると知れる。埼玉県知事選の投票率が25%だった国とは大違いだ。

その他:
ウクライナでロシアが攻勢
 Ukraine ordered an evacuation from towns and villages in the northeastern Kharkiv region, where Russia was waging an offensive.
トランプの裁判は来年1月?
 Prosecutors overseeing the indictment of Donald Trump on charges of conspiring to overturn the 2020 election asked a judge to set a trial date for early January.
日本女子サッカーは再び強くなった良いチームだ
 Japan won the Women’s World Cup in 2011 but entered this year’s tournament ranked 11th by FIFA, a sign of how far its fortunes had slid. Now it’s back to playing like a champion, and it might be the tournament’s most impressive contender.

2023年8月11日 金曜日

世界の動き 2023年8月10日 木曜日

今日の言葉:
「ストの効果」
 ガス価格40%急騰(Bloomberg記事より)
 『欧州の天然ガス先物価格が一時40%高と、2022年3月以来の大幅上昇を記録。今年6月以降で初めて1メガワット時当たり40ユーロを上回った。オーストラリアの一部施設で労働者がストライキを起こす可能性があり、液化天然ガス(LNG)の供給リスクが強まった。シェブロンおよびウッドサイド・エナジー・グループの豪州施設で働く労働者がスト実施を決定。同国からのLNG輸出に影響が及び、LNG市場の需給が世界的に引き締まる恐れが出てきた。ストが決行される場合の時期は今のところ明らかではない。』
 日本の労働者がデフレの30年で忘れていたストの効果がわかる記事だ。インフレの高進や実質所得の低下に対して、野党も労働組合もおとなしいのは国民生活全体にとって良いことか悪いことか。

ニューヨークタイムズ記事より
1.米国、中国へのテクノロジー投資を制限
【記事要旨】
 バイデン大統領は本日、中国の軍事・監視能力を強化する可能性のある中国の主要テクノロジー産業への米国の投資を禁止することで、中国との対立を激化させた。
 提案された規則は、量子コンピューティング、人工知能、先端半導体に投資する米国のプライベートエクイティおよびベンチャーキャピタル企業に適用される。 より広範囲の中国産業に投資する米国企業も、その活動の報告が義務付けられることになる。
 ホワイトハウスは最近、中国との関係の沈静化を目指しているが、 同時に、中国国外のサプライヤーを開拓することで重要なサプライチェーンの「リスク回避」を推し進め、先端コンピューティング用半導体などの技術の中国への販売制限を強化した。
 ここ数年、米国と中国間の投資は急激に減少しているが、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ会社は、中国の活気に満ちたテクノロジー産業へのアクセスを得る手段として、提携の有利な機会を模索し続けている。
【コメント】
 最重要分野は、量子コンピューティング、人工知能、先端半導体だ。日本はどの分野でも出遅れている。

2.モスクワへのドローン攻撃が増加
【記事要旨】
 ロシアは昨日、モスクワ近郊を飛行していた無人機2機を撃墜したと発表したが、これは同国の首都にほぼ毎日戦争をもたらしている一連の攻撃の最新のものである。 当局者らは、過去3週間にモスクワを狙った少なくとも12機の無人機を迎撃したと述べた。
 ウクライナ当局は一部がキエフによって画策されたことを認めた。 すべてのドローンが撃墜されたわけではないようで、先週、モスクワ中心部にある政府省庁が入居する建物が、48時間以内に2度ドローンによって攻撃された。
 地元当局者によると、強力な爆発があり、ロシア軍向けの光学機器を製造しているモスクワ郊外の工場の倉庫が破壊された。
【コメント】
 さすがにウクライナ戦争の報道には食傷気味だ。西側からの武器提供が遅れゼレンスキー大統領が苛立っているという報道もある。和平への努力を期待したいところだ。

3.カーン氏が実刑判決を控訴
【記事要旨】
 パキスタン元首相イムラン・カーンの弁護団は、懲役3年の実刑を不服として控訴している。 同氏の支持者らは、国庫贈与品を違法に販売した後、資産を隠したとして同氏に有罪判決を下した今回の判決は、同氏を脇に追いやるための政治的動機によるものだった、と主張している。
 この控訴は、パキスタンが今年後半に総選挙を控えている中、カーン氏の将来を決定する一か八かの白熱した法廷闘争の始まりとなる。 パキスタンの法律では、有罪判決を受けた者は有罪判決日から最長5年間、公職に立候補することが禁止されている。
【コメント】
 トランプだといい加減にしろと思うが、カーンの場合は頑張れと思う。誠実さの違いだろうか。

その他:
台風6号
 Typhoon Khanun, a tropical cyclone that killed at least two people in Japan, is heading toward South Korea.
ハリウッドのスト、一部軟化
 The striking actors’ union in Hollywood is granting waivers allowing some projects to continue, raising questions about who qualifies and why.
1月6日の証拠
 The Jan. 6 indictment revealed an internal campaign memo that prosecutors are portraying as a crucial link in how the Trump team’s efforts evolved into a criminal conspiracy.

2023年8月10日 木曜日